オフショア開発とは、システム開発や運用保守などを海外の企業に委託する方法です。オフショア開発を進める際には、委託先の企業選定が重要になります。自社の目的や国の違いなどを考慮して選びましょう。本記事では、オフショア開発の委託先としておすすめの企業や、企業選定の方法などを解説します。ぜひ、参考にしてください。
アプリ開発を委託する手段
アプリ開発を委託する手段には、オンショア開発、ニアショア開発、オフショア開発の3種類があります。
オンショア開発
オンショア開発とは、アプリ開発の工程をすべて自社内で行うことです。開発担当者と直接コミュニケーションが取れる、途中で問題が発生してもスムーズに対応できるなどのメリットがあります。一方、近年日本ではエンジニアの不足が慢性化しており、人材確保が難しい点はデメリットです。国内でアプリ開発を委託することをオンショアと呼ぶケースもあります。
ニアショア開発
ニアショア開発とは、国内の離れた地域にある開発会社にアプリ開発を委託することです。例えば、東京や大阪にある企業が、九州や東北などの開発会社に委託するケースなどです。首都圏よりも人件費が安い地方に委託すれば、人件費は抑えやすいメリットがある反面、打ち合わせなどで交通費や宿泊費がかかりやすいデメリットもあります。
オフショア開発
オフショア開発とは、アプリ開発の工程の一部またはすべてを海外企業に委託することです。海外の優秀なエンジニアが対応するため、開発リソースを確保しやすい点が特徴です。開発リソースが確保できれば、アプリ開発もスムーズに進みやすくなります。人件費などのコストを抑えやすいこともポイントです。
オフショア開発の特徴
ここで、オフショア開発が注目されている理由や、委託先としておすすめの国を確認しておきましょう。
オフショア開発の歴史
オフショア開発は1970年代頃にはすでに始まっており、日本では1980年代頃から進められるようになりました。従来は中国に委託するケースが多かったものの、別の国へのシフトが進んでいます。主な理由は中国での人件費の高騰とカントリーリスクです。近年は委託先として、東南アジア諸国の人気が高まりつつあります。また、オフショア開発の目的も、以前はコスト削減のためでしたが、近年ではリソースの確保へと変化しています。
オフショア開発が注目される背景
日本では人材不足が慢性化している反面、エンジニアの需要が高く獲得競争が激しくなっています。国内で優秀な人材を確保しようとすると、コストも高くなります。そのため、労働コストが低い国の優秀な人材を確保できる、オフショア開発が注目されています。
また、リモートワークが普及したことで、他国でもプロジェクトを進めることが可能になり、オフショア開発を取り入れる企業が増えました。
オフショア開発でおすすめの国
オフショア開発でおすすめの国はベトナムです。ベトナムは国家でIT人材の育成を進めているだけでなく、単価が安く、勤勉な国民性が魅力です。また、日本とのビジネスを重視するなど親日国としても知られており、人気が高まっています。
他にも英語話者が多いフィリピンやインドもおすすめです。自社の外国人エンジニアとプロジェクトを進めてもらいたい、というケースにも対応しやすいからです。
オフショアでアプリ開発するメリット
オフショアでアプリ開発をすると、人材確保やコスト削減などのメリットが得られます。
優秀な人材を確保できる
アプリ開発では、エンジニアの技術力が成果物の質に直結します。しかし、日本では優秀なエンジニアの人件費が高く、アプリ開発のコストを抑えるためには人材の質で妥協しなければなりません。一方、海外のリソースを活用すれば、コストを抑えつつ優秀な人材を確保しやすくなります。
自社に合った体制を整えやすい
オフショア開発には、自社に合った開発体制を整えやすいメリットもあります。人件費を抑えられるため、自社専用のチームを組んで長期的な契約がしやすくなるからです。同じチームで長期的に開発を進めていくうちに、コミュニケーションがスムーズになり、ノウハウも蓄積できます。自社専用のチームのアプリ開発は、業務の効率化や成果物の質の向上につながります。
開発コストの削減につながる
IT人材の需要が高い日本では人件費が高くなりがちです。海外のエンジニアが業務を遂行するオフショア開発なら、国によっては人件費を抑えられるため、開発コストの削減につながります。特に物価や滞在費が安い国は、人件費が安い傾向にあります。
オフショアでアプリ開発する際の注意点
オフショアでアプリ開発をすると上記のようなメリットがある反面、注意しなければならない点もあります。
成果物の品質管理が難しい
オフショアは海外に開発を依頼するため、オンショア開発のように、直接かつ頻繁に進捗状況や品質を確認するのが難しくなります。また、日本と海外では、仕事に対する考え方が異なるケースが珍しくありません。そのため、こまめに連絡が取れて、自社の要望に応えてくれる開発会社を選びましょう。成果物の質を保つためには、費用だけで委託先を選ばないことが重要です。
開発国の情勢に影響される
政治情勢が不安定な地域では、アプリ開発が情勢に影響される可能性も考えられます。たとえば、途中で紛争やデモ、内戦などが発生すれば、開発が遅れたり止まったりしてしまうリスクがあります。委託先を選ぶ際は、コスト面や技術力はもちろん、カントリーリスクも考慮しましょう。
コストが増える場合がある
オフショア開発にはコストを削減しやすいメリットがありますが、場合によってはコストが増えるケースもあります。海外に依頼するため、言語の壁やビジネス文化の違いにより、問題が発生する可能性があるからです。予期せぬトラブルにより、トラブルを解消するために追加の費用が発生するリスクがあります。
オフショアのアプリ開発の手順
オフショアでアプリ開発を進める際は、アプリの種類や開発作業の違いを把握したうえで委託先を選びましょう。
アプリの種類を把握する
アプリには以下の3種類があり、種類によって開発環境・言語・動作デバイスなどが異なります。
・スマートフォンアプリ:カメラアプリやニュースアプリなど、スマートフォンで動作するアプリ
・Webアプリ:Webであればブラウザに関係なく動作するアプリ
・デスクトップアプリ:電卓や動画プレーヤーなど、パソコンで動作するアプリ
開発作業の違いを把握する
アプリの開発には、リリースまでの工程を段階的に終わらせる「ウォーターフォール開発」と、機能単位で開発工程を繰り返す「アジャイル開発」があります。また、開発するアプリの種類によって開発を担当するエンジニアも異なります。
・スマートフォンアプリ:モバイルエンジニア
・Webアプリ:Webエンジニア
・デスクトップアプリ:システムエンジニア
委託する国・開発会社を選ぶ
前述のとおり、オフショア開発を委託できる国には、それぞれ特徴があります。委託する国を選ぶ際は、自社の状況やトレンドに応じて選びましょう。
また、オフショア開発では、委託先の開発会社選びが成功のポイントになります。1~2社だけを見て決めてしまうのではなく、4~5社程度の特徴や費用を比較検討して選びましょう。
オフショアのアプリ開発会社の選び方
オフショアのアプリ開発を選ぶ際は、各社のWebサイトなどで、自社が依頼したい案件と似た開発実績の有無を確認しておきます。日本企業との取引経験の有無や、日本語レベルもポイントです。
そのうえで請負型・ラボ型・準委任型など、どのような契約形態があるのか、人材の技術力は高いかどうかなどもチェックしましょう。また、自社とオフショア先の橋渡し的なブリッジエンジニアも重要な存在です。優秀なブリッジエンジニアに担当してもらえる開発会社を選びましょう。
オフショアのアプリ開発でおすすめの会社
オフショアのアプリ開発会社は多数存在するため、そもそもどこを比較すればよいのか迷ってしまう人も多いかもしれません。ここからは、おすすめのアプリ開発会社を5社紹介します。
株式会社Sun Asterisk
株式会社Sun Asteriskは、日本・フィリピン・ベトナム・カンボジア拠点を持ち、事業創造からサービスの成長までを包括的にサポートする開発会社です。特にアプリ開発の実績が豊富で、エンジニアやITコンサルタントなど、多彩な専門家がワンチームで開発を進めます。ビジネスデザインが得意で、課題解決・ソリューション提供などを依頼できます。
株式会社サテライトオフィス
株式会社サテライトオフィスは、日本企業を親会社とし、ベトナムに現地法人を置いている開発会社です。日本人社員や日本語が話せるシステムエンジニアが多いため、日本語でのコミュニケーションがスムーズにできます。ラボ型のアジャイル開発手法を採用しており、一貫したサポートを受けながらスピーディな開発が可能です。
アロブリッジ(Alobridge Co., Ltd.)
アロブリッジ(Alobridge Co., Ltd.)は、札幌とベトナム・ハノイに拠点を置く開発会社です。コンシューマ向けのアプリ開発が得意で、これまでにマッチングアプリや会員証アプリなどで実績があります。日本語が堪能なブリッジエンジニアが対応するため、コミュニケーションの面でも心配いりません。
ALION株式会社
ALION株式会社は、日本と台湾に拠点を持つ開発会社です。スマートフォンやタブレットのアプリ開発の実績が豊富で、サーバーサイドのシステム構築にも対応しています。バーチャルオフィスとして利用できるバーチャル空間を提供しており、オフショア開発と併用すれば、業務の効率化が図れるでしょう。
TCOM JAPAN合同会社
TCOM JAPAN合同会社は、本社をベトナム、日本側の拠点を東京に置く開発会社です。ベトナム語が話せる日本人スタッフが在籍しており、日本のビジネス文化への理解があることが特徴です。そのため、オフショア開発の懸念点である、コミュニケーションリスクを抑えられます。
アプリ開発の事例
ここでは、Sun Asteriskがアプリ開発に携わった事例を2つご紹介します。どのようなアプリ開発が実際に行えるのか、イメージのご参考に、ご覧ください。
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株式会社日産カーレンタルソリューション/日産レンタカー公式アプリ
日産グループが展開するレンタカー事業「日産レンタカー」では、無人店舗やセルフチェックインを可能にするためのアプリを開発しました。このアプリは、顧客が店舗にスタッフがいなくてもレンタカーの予約から利用までをスムーズに行えるように設計され予定通りリリースされました。
Sun* Team体制など本事例の詳細はこちら
アプリは多くのユーザーにダウンロードされ、無事目標を達成しました。現在はさらなる利便性を高めるため、機能拡張に向けた追加開発が進められています。
住信SBIネット銀行株式会社/日本航空株式会社 / JALマイレージバンクアプリ
住信SBIネット銀行と日本航空は、新規事業開発の一環として、マイルと決済を一体化した会員サービス「JALマイレージバンクアプリ」を共同で開発しました。
JALPay機能を拡充し、ユーザーが航空券の予約や特典航空券の交換を含む「ためる」「つかう」機能を1つのプラットフォームで利用できるようになっています。このアプリ開発で、より顧客ニーズに合ったサービスの提供が可能となりました。
本事例の開発体制など詳細はこちら
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まとめ
オフショアでアプリ開発を進めると、人材確保やコストなどの面でメリットがある一方、いくつかの注意点もあります。オフショア開発を選択する際は、漠然と選ぶのではなく、まずはアプリの種類や開発作業の違いなどを把握してから、委託する国や開発会社を比較検討していきましょう。
株式会社Sun Asteriskでは、500以上の開発実績を持ち、DXコンサル、設計から本格的な開発までをワンストップでサポートします。スピード感と柔軟性のある最適なチームにより、プロジェクトを成功へと導きます。アプリ開発のことなら、株式会社Sun Asteriskにご相談ください。