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アプリ開発

アプリ開発における要件定義|進め方・書き方・フォーマット・注意点を解説

更新日: 2024年8月27日

アプリ開発において、要件定義は欠かせない工程です。要件定義が不十分だと、プロジェクトの方向性が曖昧になり、さまざまな問題が発生しやすくなります。この記事では、アプリ開発における要件定義の役割や進め方、要件定義書の記載方法を解説します。要件定義書の主なフォーマットや作成時の注意点もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

要件定義とは?

要件定義とは、アプリケーション開発の目標を明確化し、実装する機能を決定するプロセスのことです。基本的に、設計の前工程として行われるもので、発注者が求めるものをヒアリングし、整理することから始めます。要件定義により、発注者の要望を開発者が正しく理解でき、プロジェクトのスムーズな進行が可能です。要件定義のために発注者から開発者に要望を伝えることを「要求定義」といいます。

アプリ開発の要件定義は重要なプロセスの1つ

アプリ開発の要件定義は、プロジェクト初期段階の重要なプロセスの1つです。要件定義を通じて、発注側と開発側が具体的なイメージを共有し、明確な指針を作成できます。要件定義がなければアプリ開発の方向性が定まらず、最終的な納期に間に合わなかったり、開発がやり直しになったりするケースが発生しやすくなります。

アプリ開発の要件定義に必要な3つの内容

まずは、アプリ開発の要件定義に必要な3つの内容について見ていきましょう。

1.アプリの開発方法

はじめに、アプリをどのように開発するかを決定します。アプリの開発方法としては、ゼロから構築する「フルスクラッチ」、主な機能があらかじめ開発された「パッケージサービス」などの方法があります。どちらにもメリット・デメリットがあるので、自社が作りたいアプリやリソースに合わせて選んでいきましょう。

2.アプリの主な機能

次に、アプリの主要な機能で何を達成したいのかを決定します。アプリに実装する機能を検討する際には、開発の目的を明確にし、プロジェクトメンバーが共通の理解を持つことがポイントです。主な機能を明確にしないと、アプリの価値が曖昧になったり、開発がスムーズに進まなかったりするリスクがあります。機能は多ければ多いほど便利になるわけではないため「最低限必要なものは何か」を考えましょう。

3.UI・UX

続いて、UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)を定義していきます。UIではアプリのレイアウト、UXでは全体の利便性などを考慮しながら、具体的なデザインに落とし込むことがポイントです。ターゲットとする層によっても最適なUI・UXは異なります。

アプリ開発における要件定義の進め方

要件定義は、抜け漏れや曖昧な部分がないように進めることが大切です。具体的な進め方を解説します。

打ち合わせやヒアリングは入念に行う

発注者と開発者の打ち合わせは入念に行う必要があります。事前ヒアリングで要望を引き出せないと、プロジェクトの全体像が把握しづらくなり、アプリ開発の方向性も定まりません。開発者には、発注者の抽象的なイメージを明確な言葉に置換え、形にするスキルが求められます。発注者側もできるだけ多くの情報を提供することを心がけると、要件定義を固めるのに役立ちます。

要件定義書を作成する

要件定義書とは、要求定義をまとめた書類のことで、開発チームの指標となる重要な資料です。発注者からの要求を基に、開発者は要件定義書の作成を始めます。記載内容に不備がないか細かいところまでチェックしたうえで、関係者に共有するようにしてください。

システム設計と内容をすり合わせる

開発に着手する前の最終工程として、要件定義書とシステム設計を確認のうえ調整します。要件定義書はエンジニア以外が担当することも多いため、記載した内容の実現可能性について、システム設計者に相談しなければなりません。想定以上にコストや時間がかかる場合は、要件定義の修正を検討しましょう。

アプリ開発で要件定義を行う際の注意点

要件定義では、発注者と開発者が課題やゴールを共有しなければなりません。積極的にコミュニケーションを取り、双方が納得する形でのアプリ開発を目指しましょう。

発注者と開発者は頻繁にコミュニケーションを取る

コミュニケーションが不足していると、アプリが完成してから「思っていたものと違う」「作り直してほしい」といった事態を招く恐れがあります。作り直しが発生すると、時間とコストが無駄になるため、こまめな進捗報告や定期的なミーティングは欠かせません。

開発費用の目安を確認し共有する

開発費用は、アプリの種類や実装する機能によって大きく変動します。トラブルを防ぐには、要件定義の段階で必要な費用を明確にし、関係者間で共有することが重要です。

また、開発途中で追加コストが発生しそうな場合は、できるだけ早いタイミングで発注者に伝えて「機能を減らすか、予算を増やすか」といった判断を仰ぎましょう。

事業内容・マーケティング戦略も共有する

要件定義の段階で、発注者の事業内容やマーケティング戦略を関係者にも共有しておくと、アプリ開発に役立つことがあります。アプリ開発に至る背景が分かると、意思決定の参考となり、アイデアの創出にもつながります。

アプリ開発における要件定義書の記載内容

要件定義書を構成する要素は、主に「概要」「業務要件(システム要件)」「機能要件」「非機能要件」の4項目です。ここでは、それぞれの項目に記載される内容を解説します。

概要

アプリ全体の概要を説明する項目です。アプリの目的や現状の課題、プロジェクトの背景などが記載されています。認識のズレが発生しないよう、専門用語の定義やシステムの構成図などがまとめられているケースもあります。

業務要件(システム要件)

業務フローチャートやシステム化する範囲などを記載する項目です。システム要件とも呼ばれ「誰がどのようなシーンで使うのか」といったことを明確にしていきます。内容が端的に分かるよう、必要に応じて図表やグラフ、イラストなどが用いられることもあります。

機能要件

機能要件の項目では、業務要件をもとに「どのような機能を実装するか」を具体的に記載してください。機能に優先順位をつけることで、予算やスケジュールが変更になっても臨機応変に対応しやすくなります。

非機能要件

機能面以外の要件全般を記載する項目です。一般的には、性能、保守運用、セキュリティなどが記載されています。業務要件や機能要件に該当しない内容は、すべて非機能要件に含まれます。

アプリ開発における要件定義書の主なフォーマット

アプリ開発の要件定義書には、多種多様な形式があります。ここでは、代表的な3種類をピックアップして解説します。

機能仕様書

ソフトウェアの開発で広く用いられている標準的なフォーマットです。実装する機能に焦点が当てられており、アプリで何が実現できるのかが記載されています。

ユーザーストーリー

ユーザーストーリーは、ユーザーの視点で要件をまとめたフォーマットです。アプリを通してユーザーがどのような体験ができるのかを明確にします。アジャイル開発で用いられることの多いフォーマットです。

スケッチやワイヤーフレーム

アプリの視覚要素をまとめたフォーマットで、UIを定義するのに使われます。アプリの完成イメージを簡単な線や枠で描くことで、全体像が見えやすくなる点が特徴です。

アプリ開発の要件定義書を作成する際の注意点

アプリ開発の要件定義書は、専門知識がない人でも簡単に理解できなければなりません。具体的には、以下の注意点を参考に作成しましょう。

取り入れたい機能の優先順位を明確化する

予算やスケジュールの関係で、希望の機能をすべて実装できないケースが少なくありません。要件定義書の作成時には、取り入れたい機能の優先順位を明確にすることで、柔軟に対応しやすくなります。優先順位は「予算的に実現可能か」「導入が簡単か」などを基準に決めましょう。

アプリの操作手順は細部まで気を配る

要件定義書では、ユーザーがアプリを使う際の流れも細かく記載しましょう。アプリの操作手順に曖昧なところがあると、ユーザーが混乱してしまう要因となります。ユーザーの気持ちになって、細かくチェックしていくことが大切です。

誰が見ても理解できるようにする

要件定義書は、エンジニアだけではなく、経営陣など誰が見ても理解しやすいように作成しなければなりません。文字だけでなくワイヤーフレームを活用したり、専門用語を使う場合は注釈を付けたりしながら、わかりやすい内容に仕上げましょう。

まとめ

スムーズなアプリ開発を実現するためには、正しい手順で要件定義を進めていく必要があります。認識のズレや機能の抜け漏れが発生しないよう、発注者と開発者がしっかりとコミュニケーションをとり、細かいところまでチェックすることを心がけましょう。

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