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新規事業開発

新規事業が思いつかない理由は?役立つフレームワークも解説

更新日: 2025年4月18日

新規事業を始めたいものの、アイデアが思いつかず、悩んでいる人も多いでしょう。この記事では、新規事業が思いつかない理由とその背景、生み出す手法について解説します。役立つフレームワークも紹介しているので、新規事業のアイデア創出の参考にしてください。

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新規事業が思いつかない理由とその背景

まずは、新規事業のアイデアが浮かばない原因を探りましょう。以下で、理由と背景について解説します。

これまでにない事業を生み出そうとするから

新規事業は、必ずしも誰もやったことのない斬新なアイデアである必要はありません。これまでにない事業の発想はハードルが高く、事業化も難しいものです。既存のアイデアに工夫を加えるだけでも、十分に新規事業になり得ます。発想を広げ、柔軟に考えてみましょう。

業界の固定観念に縛られているから

新規事業のアイデアが浮かばない理由の1つに、業界の固定観念に縛られていることが挙げられます。「〇〇業界の常識ではこうする」「こんなことはできない」と思い込んでいると、新しい発想が生まれにくくなります。

成功する新規事業の多くは、既存のルールや常識を疑い、新たな視点で考えた結果、生まれています。たとえば、オーダースーツは来店して採寸するのが一般的でしたが、ある通販サイトがネット注文を可能にし、販路を拡大しました。このように、業界の常識を見直すことで、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性があります。

アイデアを発想する習慣がないから

アイデアは簡単に思いつくものではないため、日常的に考える習慣をつけることが大切です。普段の仕事で「もっと効率的にできる方法はないか」「ここを改善したらどうなるか」と意識的に考えることで、アイデアが生まれやすくなります。

アイデアを出すにはセンスも必要ですが、習慣化すれば誰でも発想できるようになります。まずは、日々の思考のなかでアイデアを出す習慣を身につけましょう。

反対意見を気にしすぎるから

アイデア出しの会議では、他人の意見を否定したり、ネガティブな意見を言ったりすることは避けるべきです。特に上司は、経験から欠点に気づくかもしれませんが、否定的な雰囲気を作ると、アイデアが出にくくなります。

アイデアは小さな意見を繰り返し提案することで徐々に形になり、やがて実現できるアイデアが生まれます。勤務年数に関係なく、フレッシュな視点からの意見も重要です。上司部下関係なく、意見を出しやすい雰囲気を作ることが、よいアイデアを生み出す鍵となります。

新規事業のアイデアを生み出す手法

新規事業のアイデアを生み出す手法は、主に3つあります。以下で、それぞれについて詳しく解説します。

既存事業や競合の分析からヒントを得る

新規事業のアイデアを生み出すためには、既存事業の分析が重要です。SWOT分析を使い、強みや弱み、機会や脅威を把握しましょう。内部環境分析では自社のスキルや商品、サービスを、外部環境分析では市場の競合やリスクを確認します。

また、競合他社の分析を行い、ヒントを得ることも大切です。競合のサービスや口コミを調べ、強みと弱みを把握することで、新しいアイデアや改善策が見つかります。

ユーザーのニーズや市場の課題を把握する

ユーザーのニーズや自社が関わる市場の課題を把握することは、新規事業の成功に欠かせません。市場の課題に焦点を当てた新規事業は、すでに一定のニーズが期待できるため、成功しやすいといえます。

なお、課題やニーズを把握するためには、市場全体ではなくユーザーの細かい行動に注目することが大切です。日常的にユーザーを観察する習慣をつけましょう。

他業種や海外事例を活用する

他業種や海外の成功事例を参考にするのも効果的です。競合他社が成功した要因を分析し、自社に生かせる部分を取り入れる方法です。

他業種や海外の成功事例に、自社ならではの要素を加えることで、新しい事業を生み出せます。独自性を大切にしつつ、他社の成功事例を参考にすることで、実現可能な事業を立ち上げやすくなります。

新規事業のアイデア創出に役立つフレームワーク

新規事業のアイデア創出に役立つフレームワークを7つピックアップし、紹介します。

SCAMPER法

SCAMPER法は、7つの視点からアイデアを考えるフレームワークで、「オズボーンのチェックリスト」とも呼ばれます。7つの視点は以下の通りです。

  • Substitute(置き換える):他の方法に変えられないか
  • Combine(組み合わせる):組み合わせられないか
  • Adapt(適応する):似たものを応用できないか
  • Modify(修正する):変更して使えないか
  • Put to other uses(別の用途):他の使い道はないか
  • Eliminate(削除する):不要な部分を取り除けないか
  • Reverse/ Rearrange(逆転/並べ替える):逆にしたり、順番を変えたりできないか

5W1H・6W3H

5W1Hと6W3Hは、アイデアを具体化し明確にするためのフレームワークです。まず、5W1Hを使ってイメージを具体化します。

  • What:何を
  • Who:誰が
  • When:いつ
  • Where:どこで
  • Why:なぜ
  • How:どうやって

次に、5W1Hで具体化したアイデアを6W3Hを使ってさらに詳細に絞り込み、明確にします。

  • Whom:誰に
  • How many:どれだけ
  • How much:いくらで

ブレインストーミング

ブレインストーミングは、会議で参加者全員がアイデアを出し合い、互いの発想を刺激し合うフレームワークです。クリエイティブで斬新なアイデアが生まれやすくなります。重要なのは、質にこだわらず数を重視し、自由に発想することです。決めつけず、最終的に出たアイデアを整理してまとめていきます。

KJ法

KJ法は、アイデアの関連性を整理するフレームワークです。ブレインストーミングで出た多くのアイデアをグルーピングやマッピングにより関連づけ、整理します。これにより、問題解決や意思決定が効率的に行えます。

マンダラート

マンダラートは、3×3の9マスの真ん中にテーマを書き、その周りに関連するアイデアを追加していくことで発想を広げるフレームワークです。テーマに関連する8つのアイデアを書いた後、それぞれにさらに8つのアイデアを追加します。言葉をマス目に配置することで、視覚的に整理されるのが特徴です。

マインドマップ

マインドマップは、中心となるテーマからアイデアを分岐させていくフレームワークです。個人で行うときはノートを使い、複数人で行う場合はホワイトボードを使うと全体像が見えやすくなります。関連性や階層を視覚化することでアイデアを発展させやすくなります。ただし、ブレインストーミングほど斬新な発想は生まれにくいという欠点もあります。

形態分析法

形態分析法は、テーマに対して「変数」と「要素」を掛け合わせて発想するフレームワークです。たとえば、「新規事業」をテーマに、変数として「ターゲット」「価格」「機能」などを挙げ、それぞれに関連する要素を洗い出していきます。ターゲットごとに価格や機能を考え、チャートに落とし込むことで、アイデアを生み出すきっかけを作ります。

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成功する新規事業のアイデアの条件

新規事業のアイデアの条件は主に3つあります。ここからは、アイデアの条件について詳しく解説します。

新規性

新規性とは、「アイデアがどれだけ新しい価値を提供できるか」を示す尺度です。多くの業界では、すでに既存の商品やサービスが存在します。新規性が高いとは、似たビジネスが少ないか、全くないことを意味する言葉です。新規性が高いと、競合企業が少なくなるため、競争優位性が生まれます。

解決性

解決性とは、「顧客の課題や悩みをどれだけ解消できるか」を示す尺度です。つまり、市場のニーズに応える商品やサービスであるかどうかを指します。解決する課題や悩みが大きいほど、開発された商品やサービスは売れやすくなります。多くの人が抱える悩みを解決したいと強く思えば、悩みを少しでも解決できる商品やサービスは十分に成立するためです。

収益性

収益性とは、「自社が安定的に利益を上げられるかどうか」を示す尺度です。人々の悩みを解決する、役立つものを提供することは大切ですが、それだけではビジネスとして成立しません。重要なのは、利益がしっかりと出るビジネスモデルを持つことです。新しいアイデアに集中しすぎて、収益性を後回しにしないように注意が必要です。

まとめ

新規事業が思いつかない理由は、業界の固定観念や発想の習慣、反対意見に対する不安など、さまざまです。アイデア創出には、柔軟な発想と市場ニーズの把握が不可欠です。また、SCAMPER法や5W1H・6W3Hなどのフレームワークを活用し、アイデアを効果的に広げ、具体化しましょう。

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