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生成AIの開発事例|コスト削減や業務効率化に成功した実例を解説

更新日: 2025年11月26日

急速に進化する生成AIは、文章・画像・音声・動画などを自動で生み出す次世代の人工知能として、企業の業務効率化や新商品開発に欠かせない存在となりつつあります。

本記事では、生成AIの基本から、国内企業の導入状況・従来型AIとの違い・実際の活用事例・導入成功の具体的なポイントまで網羅的に解説します。

自社に生成AIを取り入れたい・活用方法を知りたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

生成AIとは

生成AIとは、ユーザーの指示(プロンプト)をもとに文章・画像・動画などを自動で生成する人工知能です。ディープラーニング(深層学習)などの技術を採用し、オリジナルの高品質なデータやクリエイティブな発想を生み出せます。

2022年末にChatGPTがリリースされたことをきっかけに世界的に注目を集め、誰でも簡単に利用可能になりました。活用次第で企業の生産性やコスト削減に大きな差が生まれることもあります。

大手・中小企業における生成AIの導入率

国内の企業において生成AIの導入は進んでいますが、企業規模によって活用状況に差があるのが現状です。総務省の「令和7年版 情報通信白書」によると、生成AIの活用方針を定めている企業は49.7%と半数に達し、増加傾向にあります。

しかし、中小企業では約半数が「方針を明確に定めていない」と回答しており、大企業に比べて活用方針の決定が遅れている状況です。

※参考:総務省|令和7年版 情報通信白書

生成AIと従来型AIの違い

従来型AIと生成AIの大きな違いは「新たなコンテンツを自ら生み出せるかどうか」です。

従来型のAIは、人があらかじめ用意した膨大なデータをもとに、パターンを学習し、そこから最適な結果を導き出す、あるいは決められた動作を自動でこなします。あくまでも「すでにある情報」をベースに処理を行う仕組みです。

生成AIは人間の指示に基づいて新しいコンテンツを作り出せます。AI自身が大量の情報を学習し、その知識を組み合わせて、まだ存在しないものを創造することが可能になりました。

簡単にいえば、従来のAIは「選ぶ・分類する・予測する」に対して、生成AIはこれまで人間にしかできなかった「想像する・創り出す」作業を担えるようになったのです。

生成AIを活用した商品開発・作業効率化の事例

生成AIは多岐にわたる業界で、業務効率化や新たな価値創造のために活用されています。国内企業の生成AI活用事例を見ていきましょう。

セブンイレブ​​ン

  • 課題:各店舗ごとの発注数を、天候・販売実績・イベントなどを考慮して適時最適化できておらず、在庫過多・欠品リスクが発生していた。
  • 生成AIで実施したこと:天候・曜日・過去販売データなどを分析し、発注数を提案するAI発注システムを導入。
  • 成果:導入によって、店舗での発注業務にかかる時間が約40%削減された。
    セブン‐イレブン・ジャパンは、店舗運営の効率化と商品供給の安定化を目的として、発注数を提案するAI発注システムを2023年より全店舗に導入しました。

このシステムは、天候や過去の販売実績に基づき需要予測を行い、適正な在庫数を算出することで品切れ防止につなげています。結果、店舗従業員による入力作業が大幅に削減され、発注業務にかかる時間を約4割削減できました。

江崎グリコ

  • 課題:バックオフィス部門で年間約13,000件以上の問い合わせが発生しており、対応業務が業務負荷および遅延の原因となっていた。
  • 生成AIで実施したこと:AIチャットボット「Alli」を導入し、問い合わせ自動応答と、商品開発領域における生成AI活用を進めた。
  • 成果:問い合わせ件数が約31%削減された。
    Glicoグループは、バックオフィス部門で問い合わせ対応が業務をひっ迫していた課題を解決するため、AIチャットボット「Alli(アリィ)」を採用しています。

導入後、システム部門で年間1万3,000件以上発生していた問い合わせ件数を約31%削減しました。また、商品開発においても生成AIを活用し、開発期間の短縮を図っています。

伊藤園

  • 課題:茶葉の摘採時期を経験・分析機器に頼って判断しており、熟練者による判断や高額分析装置が必要。後継者不足・生産者負担が懸念されていた。
  • 生成AIで実施したこと:契約産地の茶葉画像約4,000枚を取得し、合計8,500枚の加工画像を用いて機械学習モデルを構築。スマートフォン撮影画像からアミノ酸量・繊維量を推定する画像認識アルゴリズムを共同開発。
  • 成果:茶畑でスマートフォン撮影だけで摘採時期判断が可能となる技術が開発され、2022年新茶摘採から試験運用開始、2023年契約産地での本格展開を目指す。
    伊藤園は、アプリを活用したAI画像解析によりお茶の最適な摘採期を見極めるシステムを導入しました。このシステムでは、スマートフォンなどで新芽を撮影すると、芽の堅さやアミノ酸などの重要指標の推定値を算出できるため、摘採時期の判断材料となります。

これにより、熟練者の技や高額な成分分析器(1台700~800万円)の購入にかかる生産者の負担を軽減する役割が期待されています。

大林組

  • 課題:建築設計の初期段階において、顧客とのファサード(外観)デザイン調整や構造設計断面作図に多くの時間を要していた。
  • 生成AIで実施したこと:スケッチや立体イメージから外観デザイン案を生成するAI技術「AiCorb」を開発。構造設計支援AIも併せて検討。
  • 成果:構造設計断面作図は、従来1週間かかっていた工程を1日に短縮できる可能性が報告されている。
    大林組は、建物の立体イメージやスケッチから外観デザインを提案できるAI技術「AiCorb(アイコルブ)」を共同開発しました。顧客とイメージを摺り合わせる時間や手間を大幅に削減し、建築設計の初期検討期間を1週間前後まで短縮を目指しています。

また、構造設計支援AIプログラムも開発しており、熟練者のノウハウを数式化したAIにより、従来1週間かかっていた断面設計を1日に短縮できる見込みです。

日産自動車

  • 課題:全社的な DX 推進の中で、生成AIの利用が限定的であったほか、従業員のイネーブルメント数値が低く、業務効率化と自動化の課題を抱えていた。
  • 生成AIで実施したこと:Azure OpenAI Service を活用し、社内チャットAI「AI-Chat」を全社展開。探索的データ分析を生成AIで行える「AIデータアシスタント(ADA)」をAWS上で導入。RAG(検索拡張生成)の自動評価システムも構築。
  • 成果:ビジネス部門が利用できるUI付き生成AI環境により、探索的データ分析の速度が3~5倍に向上。PoC期間は約80%短縮。RAG評価の時間・コストは約90%削減。

日産自動車は、生成AIを活用した車載エージェントシステム「AutoDJ」を発表しました。ドライバーとの自然な音声対話を通じて目的地や観光案内などパーソナライズされたコンテンツをAIラジオとして提供します。

マスコットキャラクター「エポロ」をAIエージェントとして採用し、フィギュアや物理的なつまみを持つ「ジオラマナビ」と組み合わせることで、遊び心のある移動体験を実現しています。

生成AIを導入するメリット

生成AIはさまざまな用途で活用されるため、多くのメリットがあります。ここでは、具体的なメリットを解説します。

開発業務にかかる工数・人材コストの削減

生成AIは、開発者が自然言語で指示するだけで、適切なプログラミングコードを自動生成できるため、コーディング作業の時間と労力を大幅に削減できます。また、リアルタイムでコードのエラーチェックやバグの検出も可能で、開発プロセス全体の最適化にもつながるでしょう。

業務の効率化とヒューマンエラーの解消

生成AIを活用すれば、レポート・メール作成・長文の要約や翻訳・データ分析などの作業を自動化できます。これにより、従業員はより創造的で高度なコア業務に集中できるようになるでしょう。

また、生成AIは人間のスキルに依存せず、問い合わせ対応や画像検査などで一定の品質を維持できるため、ヒューマンエラーを解消し、品質向上にもつながります。

既存の枠にとらわれないビジネスアイデアの創出

生成AIは、市場動向の分析や競合調査を迅速に行い、顧客の求めている商品やサービスを分析、新しい商品アイデアの提案やコンテンツ企画支援を行うことも可能です。そのため、既存の枠にとらわれないビジネスアイデアの創出ができます。

生成AIを導入する際の課題・注意点

生成AIの導入は、多くのメリットがある一方で、さまざまな課題や注意点があります。

従業員のAIスキル向上にかける教育コスト

生成AIを効果的に利用するためには、従業員がAIの特性を理解し、適切な使い方とスキルを向上させなければなりません。

また、AIの出力を鵜呑みにしないなど、生成AIに対するリテラシーが必須です。誤った使用方法や無駄なコストが発生してしまうこともあるため、生成AIを提供する企業のセミナーやコンサルを受けるのもよいでしょう。

情報漏えい・法令違反のリスク

生成AIに社内の機密情報や個人情報を入力した場合、それらのデータがAIの学習データとして使われ、意図せず外部に漏えいするリスクがあります。リスクを回避するためには、学習データとして使われない環境を構築できるサービスを導入するなどの対策が必要です。

また、生成された画像や文章が既存の著作物と類似している場合、著作権侵害に抵触する可能性があり、個人情報の不適切な利用は個人情報保護法違反につながる恐れもあります。

ハルシネーションによるリスク

生成AIは、存在しない情報をあたかも事実のように生成してしまう現象(ハルシネーション)のリスクを抱えています。実在しない資料名や誤った統計データが出力されるなど、意図せず誤情報が拡散されるリスクには注意が必要です。

生成AIが出力した情報は、人間が必ず精査・検証するプロセスを設けることが重要で、企業はそのためのチェック体制やリテラシー向上の仕組み作りが求められます。

生成AIの導入を実現させるポイント

生成AIの導入を実現させるには、次の5つのポイントを押さえることが重要です。

生成AI導入の目的や用途を明確にする

まず自社の業務フローや課題を整理し、「何を解決したいか」という目的を明確にすることが重要です。たとえば、「社内の問い合わせを減らしたい」「手作業によるコストを削減したい」などの具体的な目的を定めておくことで、導入すべきツールの選定や運用方針がスムーズになります。

目的に合わせて生成AIを選定する

生成AIには、テキスト生成・画像生成・音声生成など、ツールごとに得意分野や機能が異なるため、自社の導入目的に適したものを選ぶことが重要です。導入したい生成AIを決めた後から活用方法を模索するのでは、自社の強みを活かしきれないこともあるでしょう。

まずは無料版などを活用し、実際の業務への適性や操作性、導入効果を検証することがおすすめです。

社内のAI専門知識を向上させる

生成AIを効果的に活用するためには、従業員のスキルアップが欠かせません。社内でのAI活用成功事例の共有・プロンプトの書き方・具体的な活用方法を学び、日常的にAIに触れられる環境づくりを促進することが大切です。

また、生成AIは日々進化を続けており、次々に新たなツールが誕生しています。これらの情報をいち早くキャッチし情報不足にならないようにすることも大切です。

運用ルールやガイドラインを作成する

企業では、情報漏えいや誤情報の拡散などのリスクを防ぎ、生成AIを安全かつ効果的に活用するために、明確な運用ルールやガイドラインの制定が不可欠です。

プロンプトに入力してよい情報の種類や範囲(個人情報や機密データは使用しないなど)・生成AIのトラブル発生時の対応手順・生成物の確認方法などを定めておくとよいでしょう。

回答精度を高める

生成AIの回答精度を高めるには、プロンプトの質を向上させることが重要です。目的や形式などを具体的に指示することで、より的確な出力が得られます。また、生成された内容はそのまま使わず、人の目による確認・修正を行うプロセスを設けましょう。

さらに、自社の業務に合わせた学習データの活用やカスタマイズを行うことで、AIの実用性は大きく向上します。常に最新のツールやモデルを活用する姿勢も、精度向上に不可欠です。

まとめ

生成AIは、業務の自動化やコスト削減、新しい価値の創出を可能にする強力なツールです。すでに多くの企業が業務効率化や商品開発に活用しており、その効果は実証されています。一方で、情報漏えいリスクや誤情報の生成といった課題にも注意が必要です。

導入を成功させるには、「目的の明確化」「ツールの選定」「教育体制の整備」「運用ルールの策定」といった基本を丁寧に押さえることが欠かせません。生成AIを単なる流行ではなく、継続的に価値を生み出す戦力として活用するために、今こそ本格的な検討と行動を始めるべき時です。

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