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AWSのコスト最適化

AWSのコスト最適化 <RDS編> 長期・安定利用が見込める場合や移行案件でのコスト削減案

更新日: 2022年9月8日

2022年3月からの急激な円安によって、日本ではAmazon Web Services(AWS)をはじめとするドルベースのクラウドサービスのコストが増大し、コスト削減の取り組みの必要性を感じられるクライアントが増えています。2021年1月時点では1ドル102円だったものが、2022年6月末時点で136円にまで30%以上も為替が変動、コストは30%以上増加していることになります。クラウドは為替の影響受けるサービスですが、同時に柔軟なコスト調整が可能です。ここでは、AWSのコストを最適化するうえで、効果が見込められるAmazon Relational Database Service (Amazon RDS)について、コスト削減の方法と期待できる効果についてご紹介します。

長期・安定利用が見込めるお客様向けのコスト削減案

リザーブドインスタンスを利用をする場合

リザーブドインスタンスへの変更

リザーブドインスタンス(RI)とは

インスタンスを1年若しくは3年で予約契約するものです。そして、その利用費用を以下の3種いずれかの支払方法にて対応して頂く事で通常の利用料金より有利な価格で利用できるサービスです。

対象となるDBインスタンス

  • Aurora、MySQL
  • MariaDB
  • PostgreSQL
  • Oracle
  • SQL Server
  • データベースエンジン

※RDBMSによってはインスタンスタイプに制限があります

コスト削減の対象となるケース

新規構築のお客様

サイジング時のDB構成をそのまま長期で利用することが確定しているお客様(リザーブドインスタンスは新規構築のお客様には不向きな場合が多いです)

環境移行、増築、改修のお客様

移行前、移行後のDB構成(どちらか一方でも可)を長期で利用する事が確定しているお客様

※途中でリザーブドインスタンスへの切り替えは認められず、1年若しくは3年の更新のタイミングでのみ加減が行えます。お客様の構成やロードマップでどのように変化するか算出するのが望ましいです。

3つの支払い方法と注意点

①前払いなしの場合

前払いの必要はなく、期間が終了するまでの間、時間単価が割引となります。但し、期間が3年の場合は前払いなしは選択できないようです。

②一部前払いの場合

少額を前払い、リザーブドインスタンス期間が終了するまでの間、割引時間単価で計算したインスタンス料金を支払います。一部は12ヶ月分の凡そ10%ほどの金額となり、インスタンスサイズにより若干変動します。

③全額前払いの場合

リザーブドインスタンスの料金全額を一括で前払います。

全額前払いRDSのリザーブドインスタンスの更新

RDSのリザーブドインスタンスの更新は先行購入ができないようです。従って更新を忘れないようにAWSコンソールでアラートを設定するのが一般的です。

コスト削減の方法

状況によって該当の支払い方法を選択

お客様の財務会計上の問題でRIが選択できない場合もあります。

  • AWS利用料が月額2,000ドル以上の場合は請求書払いに切り替え可能
  • 請求書はPDFによる電子送付で、紙での発行はなし
  • 銀行口座振込は米ドル決済、かつ海外送金
  • 送金手数料はユーザー負担

上記を解消し且つRIを利用する場合はAWSパートナーによる決済代行を利用する事になります。

RDSのリザーブドインスタンスの更新

更新月に必要分を加減し次年分(若しくは3年分)を購入設定します。

コスト削減率

RIを利用すれば、全体的に20% – 60%コストカットできます。但し 50%以上のコストカットを行う場合は3年契約の前払い一括などの支払い対応が必要です。

前提条件
  • RDBMS:Aurora Mysql 互換(単価0.113USD/h)
  • リージョン:東京
  • インスタンスタイプ:db.t4g.medium
  • 構成:冗長化無し(シングル構成)
  • 稼働時間:7days24h
通常1年利用の場合
    単価0.113USD x 数量1 x 時間740h x12ヶ月=1,004USD
RIを利用し1年契約且つ全額前払いの場合
    710 USD (約30%削減)
通常3年利用の場合
    単価0.113USD x 数量1 x 時間740h x36ヶ月=3,012USD
RIを利用し3年契約且つ全額前払いの場合
    1,391 USD (約53%削減)

参考資料

Amazon RDS リザーブドインスタンス
https://aws.amazon.com/rds/reserved-instances/
Cost Explorer を用いて予約を確認する
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/cost-management/latest/userguide/ce-ris.html


移行案件など、必要スペックが想定できているお客様へのコスト削減案

夜間停止などはスタートアップのお客様へのコスト削減の可能性があります。それらを踏まえ、よりコストパフォーマンスの良いインスタンスタイプを選択する場合。

プロダクション環境に関わるサイジングによる削減

AWSの最新プロセッサはコストパフォーマンスがより良いため、マネジードサービスに使えます。 現行(2022/06)の場合、r6gなどインスタンスタイプG (graviton)を使えます。本番環境で適用できます。

規模に応じて最適なものを選ぶ

インスタンスタイプを規模によって、最適な世代(t3やr5など)を選択することで、コスト削減が見込めます。どの規模にはどのようなものが良いのか参考例をご紹介します。

10万人規模のユーザー数の場合

medium のインスタンスサイズで捌ききれる印象

7day24hサービスの場合

冗長化(Multi-AZ)でコストは2倍になるが可用性は高まる

コスト削減の方法

本番環境で適用できます。
ミッションクリティカル環境なのか(稼働率をどのぐらい求めるか)によって構成は異なります。

コスト削減率

r5の代わりにr6gを使う場合11%節減できます。


プロダクション環境に関わるサイジングによる削減

Tシリーズを選択して節減

Tシリーズは一時的にCPUの使用率を上げてスパイクアクセスに対応できるインスタンスです。デメリットとしては small サイズのインスタンスを選択できますが、AuroraのRDBMS種によってはインスタンスサイズを小さくできないものがあります。

コスト削減の方法

開発・ステージング環境で適用できます。
また lambda を用いた夜間停止の時間帯を設ける事でコストカットが可能です。


自動バックアップ保持期間を指定する事によるコスト削減案

バックアップ保持期間関するサイジング

バックアップ保持期間は 1~35 日までの間で設定できます。ステージング環境の場合バックアップ保持期間を7日に指定します。お客様の運用ポリシによりけりなので、最大保持期限や最大保持世代数の具体例と費用を併せて記載する必要があります。

自動バックアップ機能を使う場合

バックアップをするだけではなく、運用を見据えてシステム構成上、障害発生時にはどのようなリカバリプランがあるか検討しておく必要があります。


参考資料

Amazon Aurora の料金
https://aws.amazon.com/jp/rds/aurora/pricing/

新機能 – Graviton2 プロセッサでの Amazon RDS
https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/new-amazon-rds-on-graviton2-processors/


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