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校務支援システムとは?導入メリットやおもな機能、失敗しない選び方を解説

更新日: 2025年11月11日

学校教員は授業準備や成績処理、保護者対応など日々の業務に加えて多くの事務作業を抱えています。そのため、働き方改革や業務効率化が急務となっている学校現場も少なくありません。こうした課題を解決する手段として注目されているのが「校務支援システム(学校業務システム)」です。

出欠・成績・勤怠・連絡などを一元管理でき、情報共有やペーパーレス化を実現できます。この記事では、校務支援システムのおもな機能や導入のメリット・デメリット、選定時のポイントを詳しく解説します。

目次

校務支援システムとは学校業務を効率化するシステムのこと

校務支援システムとは、学校で行われるさまざまな業務を電子化し、一元的に管理できるシステムのことです。学籍・出欠・成績といった生徒情報のほか、教職員の勤怠や校内連絡、健康情報など、幅広い分野をまとめて扱えます。

従来は紙やExcelで個別に管理していたデータを集約できるため、入力や確認の手間を削減し、教員が本来の教育活動に専念できる環境を整えられます。さらに、データを共有しやすくすることで、教職員間の連携や情報の透明性も高まり、学校全体の業務をスムーズに進められるようになります。

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校務支援システムのタイプ

校務支援システムには、学習の質を高めることを重視したタイプと事務作業を効率化することを目的としたタイプの2種類があります。ここでは、それぞれの特徴や活用イメージについて解説します。

教育支援特化型|ポートフォリオやeラーニングで学習効果を高める

教育支援特化型は、生徒の学習履歴をデータ化し、教育の質を高めるタイプです。ポートフォリオで成果を見える化し、eラーニングによる個別学習を支援します。小テストやアンケート結果を分析することで、生徒の理解度を把握し、授業改善にも役立てられます。

業務効率化特化型|出欠・成績など校務全体を一括管理する

業務効率化特化型は、学校の日常業務をまとめて管理し、教員の事務負担を減らすタイプです。学籍・成績・出欠などを一元化し、情報の共有をスムーズにします。紙やExcelでの作業を減らして、校務全体のスピードと正確性を高められるのが特徴です。

校務支援システムの導入メリット

校務支援システムを導入すると、学校業務をデジタル化し、事務負担の軽減と教育の質向上を同時に実現できます。ここでは、導入によって得られるおもなメリットについて解説します。

業務の効率化とペーパーレス化で事務負担を大幅に削減

システムを導入すると、出欠管理や成績処理、通知表作成などを自動化でき、教職員の作業時間を大幅に短縮できます。帳票をテンプレート化すれば、入力や集計の手間が減り、ミスの防止にもつながります。紙の使用量も削減でき、コストや環境面の改善にも効果的です。加えて、データの検索・更新が容易になるため、事務作業全体のスピードも向上します。

教員間の情報共有を円滑にし指導の質を向上

生徒の成績や健康情報、生活記録をクラウドで共有することで、教員間の連携が格段にスムーズになります。担任や教科担当がリアルタイムで情報を確認でき、指導の方向性をすり合わせやすくなります。引継ぎ時のトラブルも減り、教育活動の一貫性が保たれます。情報共有の精度が上がるため、各生徒に合った対応が可能です。

残業削減によって学校全体の働き方改革を促進

事務作業の効率化によって、教職員の残業時間を大きく減らせます。出欠処理や報告書の作成といった単純作業が少なくなり、放課後や休日の業務負担も軽減されます。空いた時間を授業準備や生徒対応に充てることで、教育活動の質が高まるでしょう。結果的に、学校全体の働き方が見直され、より持続的な運営体制へと近づきます。

校務支援システムの導入デメリット

校務支援システムにはさまざまな導入メリットがありますが、事前に理解しておくべき注意点も存在します。ここではおもな導入デメリットについて解説します。

導入費用や運用コストが発生する

校務支援システムの導入には、初期費用と継続的な運用コストが必要です。オンプレミス型ではサーバー構築や機器導入に費用がかかり、小規模校では負担が大きくなります。一方、クラウド型でも月額利用料や保守費用が継続的に発生します。導入前に予算と費用対効果を比較検討しておくことが重要です。

ICTリテラシー格差への教育とサポートが必要

教職員のなかにはICT操作に苦手意識を持つ人もおり、リテラシーの差が運用の妨げになる可能性があります。こうした状況を防ぐには、導入時の研修や分かりやすいマニュアル整備が欠かせません。また、ICT支援員や外部講師などのサポート体制を設けることで、システム定着を進めやすくなります。

システム障害による業務停止リスクがある

システムに依存する以上、トラブル発生時の影響は避けられません。通信障害やサーバーダウンが起きれば、成績入力や出欠管理などが一時的に止まる恐れがあります。特に学期末や試験期間中のトラブルは業務を混乱させる要因です。定期的なバックアップや代替手順を整備しておく必要があります。

教員事務における校務支援システムでできること

校務支援システムには、教員が日々の事務や指導に活用できる機能が数多くあります。ここでは、学級運営や成績管理、健康情報の把握など、教員事務を支えるおもな仕組みを解説します。

学籍系|学籍情報を一元管理し名簿作成を自動化

学籍系の機能では、生徒の基本情報を一括で管理できます。氏名や住所、保護者情報に加え、転入・進級・卒業といった学籍の変動もデータとして登録可能です。登録内容は名簿や各種書類に自動反映され、年度ごとの更新やクラス編成にも活用できます。教員の手作業を減らし、記録ミス防止にもつながります。

教務系|成績・時間割・進路をまとめて管理

教務系の機能では、成績や授業計画、進路情報などをまとめて管理できます。テスト結果を入力すれば自動で評定を算出し、通知表や指導要録の作成時間を大幅に短縮できます。さらに、時間割の作成や変更、模試結果や進学情報の整理も容易になり、教員間で共有しやすくなります。

保健系|健康情報や体力テストを管理

保健系の機能では、生徒の健康診断結果や保健室の来室記録をデジタルで管理します。体力テストの結果を登録すれば自動集計や分析も行え、個人の健康状態や体力の推移を継続的に把握可能です。保護者向けの報告書も簡単に作成でき、家庭との連携強化にも役立ちます。

学校事務における校務支援システムでできること

学校に勤務する全ての職員が利用する校務支援システムには、連絡・勤怠・徴収金・給食・入試など、学校事務を支えるさまざまな機能があります。ここでは各機能について解説します。

情報共有|グループウェアで連絡・予定・設備を一元管理

グループウェア機能では、校内の連絡事項や予定を共有し、会議室・備品の予約などの一元化が可能です。掲示板やスケジュール管理機能を使えば、教職員間の情報伝達がスムーズになり、紙やメールによる重複連絡を減らせます。各種申請や報告もオンラインで完結でき、事務手続きのスピードが向上します。

勤怠管理|教職員の出退勤を打刻し勤務時間を可視化

勤怠管理機能では、教職員が出退勤を端末で打刻し、勤務時間を自動で集計可能です。残業時間や休日出勤の状況をリアルタイムで把握できるため、労務管理の精度も高まります。データを基に業務の偏りを分析すれば、長時間労働の是正も可能です。

徴収金管理|請求から入金・督促まで学校徴収金を管理

徴収金管理機能では、教育費や給食費、PTA会費などの請求から入金処理、未納者への督促までも自動化が可能です。保護者の口座振替やキャッシュレス決済にも対応でき、現金を扱う機会を減らすことで安全性が向上します。教職員の集金業務が減り、経理作業の負担を大幅に軽減します。

給食管理|献立や栄養・アレルギー情報の管理

給食管理機能では、献立作成や栄養計算、食材発注まで一括で行えます。生徒ごとのアレルギー情報と連携することで、安全な給食提供をサポートします。複数校や給食センター間でデータを共有できるため、業務の効率化とミス防止の両立が可能です。

入試管理|願書受付から合否通知・決済までの業務を効率化

入試管理機能では、願書受付から受験料の決済、合否発表までをオンラインで完結できます。紙の願書受付や手作業での集計を減らせるため、ミスや作業時間の大幅な削減が可能です。志願者データの自動整理も可能で、受験状況の把握や統計分析も容易になり、入試業務の精度が高まります。

校務支援システムの比較ポイント

校務支援システムにはさまざまなタイプがあり、提供する会社によって機能やサポート内容が異なります。導入を成功させるには、自校の課題や目的に合ったシステムを選ぶことが重要です。ここでは、システムを比較・検討する際に押さえておきたいポイントを解説します。

校務のカバー範囲をどこまで網羅しているか

システムによって対応できる業務領域は異なります。出欠管理・成績処理・健康情報・保護者連絡など、自校で必要とする機能が揃っているかを確認しましょう。導入後に別システムを併用することにならないよう、将来的な拡張性も意識することが大切です。

タブレットに対応して現場でスムーズに操作できるか

タブレットやスマートフォンに対応しているかは、教職員が現場で活用する上で重要です。授業中や行事運営などでも直感的に操作できれば、データ入力や確認がスムーズになります。操作画面の見やすさや動作の軽さも定着度を左右するポイントです。

加えて、クラウド連携や端末認証の仕組みにも注目しましょう。タブレットで児童・生徒情報を扱う場合、アクセス制限や多要素認証などのセキュリティ設計が不可欠です。自治体や学校法人のセキュリティポリシーに準拠しているかを確認することで、導入後のトラブルを防げます。

特に複数校や分校で利用する場合は、クラウド上でのデータ同期やアカウント管理が安定しているかも重要な比較ポイントです。

学習データを活用して教育効果を高められるか

成績や出欠などのデータを分析し、各生徒の学習状況を可視化できるかも比較のポイントです。蓄積された学習履歴を活用できれば、個別指導や授業改善の質を高められます。教育支援の視点を持つシステムかどうかを見極めましょう。

導入時の支援やその後のサポートが充実しているか

校務支援システムは導入して終わりではありません。操作研修やマニュアル整備、トラブル対応などベンダーのサポート体制が整っているかを確認することが重要です。法改正や仕様変更への対応方針も含め、長期的に安定して使える仕組みを選びましょう。

>>関連記事:業務システム開発会社の選び方|比較ポイントと費用相場を解説

まとめ

校務支援システムは、教員や職員の事務作業を効率化し、教育の質を高める大きな力を持っています。しかし、導入して終わりではなく、自校の運用や業務に合った形へ継続的に最適化していくことが重要です。機能が充実していても「使いにくい」「属人化している」状態が放置されれば、せっかくのシステムも十分に活かせません。

学校業務の効率化をさらに進めるには、システムそのものを“改善の対象”として見直す視点が欠かせません。業務の流れやUI、運用体制を整理し、現場が使いやすい仕組みに整えることで、教育現場全体の生産性が高まります。

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