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新規事業開発

新規事業立ち上げが「きつい」と感じたら?よくある悩みと乗り越えるためのヒント

更新日: 2025年7月10日

新規事業の立ち上げは、土台のないところから仕組みを築いていきます。正解が見えにくく、部署をまたぎながら進めるため、思うように開発が進まない場面もあります。必要なスキルが不足し、結果が出ずに「きつい」「辞めたい」と感じる人も少なくありません。

この記事では、新規事業でよくあるつまずきの理由や、立ち上げ段階でやるべきこと、きつくならないための準備について解説します。

新規事業立ち上げで“きつい”と感じるのはよくあること

新規事業の立ち上げは、想像以上にやることが多く、孤独を感じやすい場面もあります。上流から下流までの全てに関わる必要があり、調査・設計・営業・開発など多くの役割を1人で担うケースも珍しくありません。これに加えて、正解が見えず結果もすぐには出ないため「本当にこれでよいのか」と迷いも生まれます。

こうした”きつさ”は、既存事業とは性質が違うからこそ起こります。ただ、その違いを正しく理解し、根本の原因を知ることで、必要以上に苦しまずに済む道も見えてきます。

新規事業の立ち上げがきついと感じる5つの理由

新規事業の立ち上げは「きつい」と感じながらも、何が辛いのか、自分でもよくわからなくなることがあります。業務が幅広く複雑なため、悩みの正体が見えにくくなるのです。このようなケースは珍しくなく、多くの人が同じように悩んでいます。

状況を正しく整理し、根本的なきつさの原因を知ることが解決の第一歩です。ここでは、新規事業でよくあるきつさの理由を5つ解説します。

1.部署の協力を得られず孤立する

新規事業の立ち上げでは、他部署との連携がうまくいかず、自分だけで抱え込むような状態に陥ることがあります。たとえば「ちょっと相談したいだけなのに、たらい回しにされた」「お願いしても後回しにされる」といった経験に心当たりがある人もいるでしょう。

理解が得られないままでは、気疲れや孤立感が積み重なります。特に方針が不明確な状態では、連携がとりづらくなるため注意が必要です。こうした状況を避けるには、経営層の支援や外部の協力体制づくりが欠かせません。

2.必要なスキルが足りずに手が止まる

新規事業では、これまでの経験だけでは対応できない場面に直面することも珍しくありません。たとえば「プロダクトの仕様は固まったのに、要件定義がうまく進まない」「施策はイメージできているが、実行までの具体的な手順がわからない」といった内容です。

知識やスキルの不足だけでなく、相談できる人がいなかったり、時間が足りなかったりすると、自信を失いやすくなります。自分に足りないものを整理し、外部の力も借りながら、一歩ずつ前に進める意識が大切です。

3.目的や目標が曖昧なまま進めてしまう

新規事業では「何のためにやっているのか」が明確でないまま事業を進めてしまうことがあります。指示を受けて担当者になったものの、途中で方向性がぶれてしまい、現場が混乱するケースは珍しくありません。

目指すべきゴールが共有されていなければ、動くたびに意見がぶつかり、決定のたびに振り出しに戻ることにもなりかねません。こうした状況を防ぐには、初期段階で目的・目標を明確にし、関係者と方向性を共有することが大切です。

4.上司や関係者の理解が浅く足を引っ張られる

新規事業に関わる人全てが、同じ温度感や知識を持っているとは限りません。「それって意味あるの?」「もっと効率のよい方法で進めるべき」といった声があると、やる気がそがれます。

特に上司の理解が浅い場合、進め方に口を出されて軌道修正が増えたり、満足の評価が得られずモチベーションが下がったりすることもあります。新規事業は正解が見えにくいからこそ、関係者の足並みをそろえるための情報共有や、情報共有の可視化が重要です。

5.結果が出ず続ける意味を見失う

新規事業は、すぐに成果が出るものではありません。時間も手間もかかるため「本当に意味があるのか」「方向性に間違いはないのか」と自問してしまうこともあるでしょう。特に数字で示せる成果がないまま数か月が過ぎると、周囲からのプレッシャーも増え、自分自身のなかで迷いが強まります。

こうした状況が続けば、気持ちが切れてきついと感じるのも無理はありません。小さな進歩でも言語化して共有したり、評価の軸を工夫したりすることで、意味を見失わない仕組みが必要です。

新規事業の立ち上げがきついと感じたときにまずやるべき3つのこと

新規事業の立ち上げがきついと感じており、その原因がわかったとしても、がむしゃらに続けるだけでは状況は変わりません。負担を減らすには、少し視点を変える必要があります。また、取り組み方を見直すことで、流れが整い、心にも余裕が生まれやすくなります。

ここでは、新規事業立ち上げのきつさを解消するためにまずやるべきことを解説します。

1.負担が集中している業務を整理する

新規事業では、気づけば一部の人に業務が集中していることがあります。特に仕事ができる人に偏りがちになるため、結果的にリソースが足りず進行が止まる原因になります。日々の業務を細かく書き出し、どの作業に時間や負荷がかかっているのかを洗い出しましょう。

簡単な表やタスク管理ツールを使って全体像を見える化するだけでも、外注や社内支援を検討する判断材料になります。属人化を防ぐことは、体制づくりの第一歩です。

2.指示の出し方を見直す

新規事業では、頼りにしていた部署や担当者が思うように動いてくれないこともあります。そうしたときは、感情的にならずに頼み方を変えてみましょう。抽象的ではなく「書類の確認だけ手伝ってほしい」「この部分だけ30分だけ時間をもらえない?」など、具体的かつ短時間で終わる指示内容にすると協力を得やすくなります。

また、情報共有の頻度を少し増やすだけでも信頼関係が変わってきます。関係を見直す際は、巻き込みではなく「頼られる関係」を築く意識が大切です。

3.外注を前提にした業務設計を検討する

新規事業では、必要なリソースやノウハウが不足していることで、作業が止まる場面が出てきます。たとえば「資料作成に時間がかかりすぎている」「デザインが思ったように仕上がらない」といった内容です。

こうしたときは、社内だけで解決しようとせず、外注を前提とした体制も検討してみましょう。外部に任せる範囲を明確にし、社内では意思決定と方向づけに集中します。この分担ができれば、開発のスピードも精度も大きく変わります。

新規事業立ち上げが“きつくならない”ために準備しておきたいこと

新規事業で不安や課題を抱えてしまい、きつい状況になるのを防ぐには、事前の準備も重要です。思い付きだけで走り出すと、想定外のトラブルに追われやすくなります。ここでは、立ち上げ前に備えておきたいポイントを5つに絞って紹介します。

想定される課題とリスクをあらかじめ洗い出す

新規事業がうまく進まないと感じる背景には、想定外の課題に後から気づくケースが多くあります。そうならないためには、あらかじめ起こりうるリスクを洗い出し、対策を考えておくことが大切です。

資金や人材の不足、市場ニーズとのズレ、協力体制の不足など、外部・内部両面のリスクを具体的に整理しておきましょう。全体の流れを整理し、あらかじめ準備しておくことで、立ち上げ初期の混乱を抑えやすくなります。

必要なスキルや知識を棚卸しして補強する

新規事業では、普段の業務とは異なる知識が求められる場面もあります。自分たちの強み・弱みを整理し、どこが不足しているかを洗い出すことが大切です。足りない部分については、外部パートナーに協力を仰ぐか、必要な学びを早めに始めておくと安心です。

たとえば、財務・法務・マーケティングなど、苦手意識のある分野こそ放置せず、補強策を考えておくと、後からの迷いを減らせて、結果も早く出やすくなります。

協力体制や意思決定の流れを事前に整える

立ち上げ初期は、何をどこまで誰が判断するのかが曖昧になりがちです。そこに迷いがあると、時間だけが過ぎてしまいます。だからこそ、チーム内での役割分担や意思決定のルールをあらかじめ決めておくことが重要です。

同時に、事業の目的や目標も言語化し、関係者全員で細かく共有しておきましょう。承認フローや責任の所在を整理し、スムーズに動ける体制を整えておくことで、立ち上げ後の行動もスピーディになります。特に少人数の事業では、合意形成の速さが成果を大きく左右します。

目的・目標・KPIを初期段階で明確にする

何のためにこの事業を立ち上げるのか、その先にどのようなゴールを目指すのかといった目的や目標を曖昧にしないことも大切です。数値目標やKPIにまで落とし込んでおくと、チーム全体の行動がぶれにくくなります。意思決定にも迷いが出にくくなり、方針転換が必要なときにも判断しやすくなります。

精神的な孤立を防ぐ相談相手を持っておく

新規事業は、どれだけ準備しても思うようにいかないこともあります。1人で抱え込むと、精神的な負担が積み重なりやすくなります。そのようなときに、気軽に相談できる相手や壁打ちできる関係性を持っておくことが大切です。社内外を問わず相談できる相手を持つようにしましょう。

まとめ

新規事業の立ち上げには、通常の業務とは異なる判断や準備が求められるため、きついと感じる人も少なくありません。また、新規事業の立ち上げでは、構想・検証・開発・拡大といったフェーズごとに異なる課題が発生します。段階ごとの整理や、全体設計も精神的な”きつさ”を回避するうえで重要です。

とはいえ「事前にやるべきことが多すぎて整理しきれない」「優先順位がわからない」と感じる人もいるでしょう。そうしたときに役立つのが、事業立ち上げの全体像を構造的に整理できるフレームワーク「バリューデザインシンタックス®」です。「バリューデザインシンタックス®」は、新規事業を立ち上げる際に起こりがちな課題を構造的に整理し、成功確率を高める独自フレームワークです。下記の無料ガイドでは、新規事業の成功率を高める独自のメソッドを具体的に解説しています。

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