Webシステム開発とは、サーバーを構築し、アプリケーションやサービスを開発するものです。ブラウザで動作するWebシステムは、利便性が高いだけでなく、低コストでの開発ができます。この記事では、Webシステム開発の概要や種類、Web制作との違いなどを解説します。Webシステム開発の流れも解説するため、ぜひ参考にしてください。
目次
Webシステム開発とは
Webシステム開発とは、Webのアプリケーションやソフトウェアなどを開発することです。主にインターネットを経由して、利用できるシステムを開発します。たとえば、検索機能を提供する、GoogleやYahoo!といったサービスです。パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットのアプリケーション開発も、Webシステム開発と呼ばれる場合があります。
Webシステム開発とWeb制作の違い
Webシステム開発とWeb制作の違いは、担当する分野です。Webシステム開発は、機能や動作を開発します。たとえば、サーバーサイドの開発やデータベースの設計など、バックエンド開発が主な業務です。Web制作は、サイトの作成を担当します。たとえば、Webデザインやコーディングなど、フロントエンド開発を行います。
Webシステム開発 | Web制作 | |
---|---|---|
主な目的 | 業務支援、機能提供、処理・データ管理 | コンテンツ表示、マーケティング |
開発対象 | ログイン・データベース連携・業務フローなど | 静的ページ・CMSなど |
担当範囲 | フルスタック、バックエンドエンジニア etc. | デザイナー、フロントエンド |
Webシステム開発の種類と特徴
Webシステム開発は、Web系やオープン系などに分かれます。ここでは、Webシステム開発の種類と特徴を解説します。
Web系システム
Web系システムとは、インターネット上で動作することを目的としたものです。たとえば、WebサイトやSNS、Web・スマートフォンのアプリケーションなどが該当します。Web系システムは、柔軟な開発や拡張性の高さが特徴です。サーバー上で運用されるため、機能の追加やアップデート、メンテナンスなども一元で管理できます。
オープン系システム
オープン系システムとは、公開されているソースコードや技術仕様などで開発するものです。システムの共有を前提としており、ハードウェア・ソフトウェアを自由に組み合わせられます。オープン系システムで開発するものは、顧客管理やスケジュール管理などです。主に、パソコンで動作させることを前提とした、業務システムの開発に利用されています。
汎用系システム
汎用系システムとは、幅広い用途に適用可能なシステムです。複雑な演算やデータベース管理など、業種や業務内容を問わず利用できるシステムを開発します。汎用系システムは、大規模なデータを高速で処理することを想定したものです。たとえば、官公庁や大企業の基幹システム、金融機関の裁定システムなどに利用されます。
Webシステム開発の基本的な流れ
Webシステム開発には、RFPの作成からリリースまで、さまざまな工程があります。ここでは、基本的な流れを解説します。
RFPの作成
「RFP(Request for Proposal)」とは、提案依頼書のことです。システムの概要や解決する課題、納期、予算など、システム開発の詳細が記載されています。REPは、適切なシステムの詳細を提案するためにも必要です。システム開発を受注する企業に対して、発注する側の要望や情報を正確に伝えられます。
要件定義
要件定義は、Webシステム開発の方向性を決めるものです。クライアントにヒアリングを行い、予算や人員、開発期間などを決定します。要件定義によって、システム開発のスピードや質が左右されるため、機能に加えて、機能以外のスペックも話し合いが必要です。クライアントへの提案や説明、交渉などを行い、要件定義をまとめましょう。
外部設計
外部設計は、UI(ユーザーインターフェース)を決める工程です。別名「基本設計」と呼ばれており、画面や操作性などを設計します。外部設計には、プラットフォームやセキュリティ、運用ルールの設計も含まれます。ユーザーが直接触れる部分は使用感に影響するため、見た目やわかりやすさなど、使いやすい設計の構築が必要です。
内部設計
内部設計は、機能や動作、処理など、ユーザーが直接触れない部分を設計する工程です。別名「詳細設計」と呼ばれており、機能の分割や入出力のようなものを設計します。また、データベースやバッチなどの設計も必要です。内部設計を決めた内容をもとにプログラミングをするため、細分化して確認しましょう。
開発(コーディング)
内部設計を決めた後は、開発の工程です。設計書に基づき、開発のエンジニアがコーディングを行い、プログラムを作成します。開発の効率は内部設計に左右されるため、詳細を細かく詰めることで、コーディング効率の向上が可能です。一般的に、開発から後の工程を下流工程と呼び、開発より前の工程を上流工程と呼びます。
テスト
コーディングの後は、プログラムの動作を確認するテストです。要件定義の通りに動くか確認するため、モジュール通りに動く「単体テスト」を行います。単体テストの後は、複数のプログラムが連結するかを確認するために、「結合テスト」を行います。最後に、実際に使用する環境の動作を確認する「運用テスト」で、細かい確認が必要です。
リリース
全工程が終わった後は、Webシステムのリリースです。旧システムから、運用までの確認が終わったシステムを移行します。リリースには、一度に移行する「一斉移行」と、少しずつ切り替える「順次移行」があります。Webシステムはリリースして終わりではなく、運用や保守、アップデートなどのメンテナンスが必要です。
Webシステム開発のメリット
Webシステム開発は、業務効率の向上に大きく貢献します。ここでは、Webシステム開発のメリットを解説します。
インターネット環境があればどこでもアクセスできる
Webシステムは、インターネット環境があれば、端末やOSを問わず接続が可能です。パソコンやスマートフォン、タブレットなどで、どこにいてもアクセスできます。Webシステムは、ブラウザのみでアクセスができるため、専用のアプリケーションは不要です。ただし、ブラウザによっては挙動が変わることがあるため注意しましょう。
運用やメンテナンス・アップデートを容易にできる
Webシステムは、サーバーでデータを管理しています。運用やメンテナンス・アップデートなど、サーバーの調節で対応できます。システムのアップデートも、サーバーを対象とする調整のみです。クライアント側の対応が不要なため、コスト削減にもつながります。
業務を効率化できる
Webシステムを導入すると、さまざまなシステムと連携して業務を効率化できます。たとえば、メールの自動処理やワークフローを円滑にするなどです。ブラウザのみで利用できるため、システムの環境構築やセットアップが不要です。パソコンやスマートフォンなどに、システムをインストールする必要もありません。
Webシステム開発のデメリット
Webシステムは、インターネット接続による問題も起こります。ここでは、Webシステム開発のデメリットを解説します。
セキュリティ対策が必要
Webシステムには、外部からの攻撃を受けるリスクがあるため、セキュリティ対策が必要です。情報漏洩をはじめとした問題が起こると、損害を与える可能性が高まります。Webシステムを運用する際は、定期的なメンテナンスやアップデートを行いましょう。サイバー攻撃の手口は年々巧妙化しているため、セキュリティ対策を徹底することが大事です。
システムを停止した場合の影響が大きい
Webシステムは、サーバーが停止するとサービスに悪影響を及ぼします。サーバーがデータを保持し、処理も行うため、システムが全停止する可能性もあります。プログラムやデータの損害に備えて、サーバーの二重化やデータのバックアップは必須です。定期的なバックアップ運用や、システムの冗長化も検討しましょう。
Webシステムを開発会社に依頼する際のポイント
Webシステムを開発会社に依頼する際は、目的を明確にしましょう。自社のWebシステムに必要な機能を把握でき、優先順位も整理できます。自社の課題を整理することで、予算や納期なども明確になり、依頼する開発会社を選びやすくなります。
開発会社に目的や要望を伝えて、密にコミュニケーションを取ることも大事です。Webシステム開発は、スケジュールの調節や開発方法の変更などがあるため、依頼先と意見をすりあわせる必要があります。
まとめ
Webシステムは、主にインターネットに接続するものを開発します。Webへのアクセスが容易になり、保守や運用、業務の効率化などのメリットがあるためです。しかし、サーバーのトラブルによる影響が大きいため、セキュリティ対策が必須です。Webシステムは、サービス停止のようなトラブルに備えて開発する必要があります。
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