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システム開発

システム開発の工程とその略語、システム開発のモデルや種類を解説

更新日: 2025年5月14日

システム開発には多くの工程が必要なため、それぞれの違いを理解することが大切です。各工程を事前に確認しておくことで、スムーズに開発を進められます。この記事では、システム開発における工程やその略語、モデル・種類、正しい工程で実施するメリットなどを順を追って解説します。システム開発に関する業務に就いたものの、知識に自信がない人は参考にしてください。

システム開発の工程や流れ

システム開発の工程とは、開発を進める手順のことです。顧客から要件をヒアリングする要件定義からスタートし、要件定義をもとに設計・製造を進めます。システム開発における工程は、大きく分けると上流工程と下流工程の2つです。上流工程は要件定義から設計までを指し、下流工程は製造から運用・保守までを示します。

システム開発とシステム構築の違い

システム開発は、プロダクトやシステムを企画し、リリースするまでの全工程を指します。おもに、ユーザーのニーズに合致するプロダクトやシステムを作ることが目的です。一方でシステム構築では、設計された内容を運用する仕組み作りを指します。つまり、開発されたシステムやソフトウェアを実際に運用可能にすることが目的です。

システム開発で必要な工程とその略語

システム開発で必要な工程は、数多く存在します。ここでは、それぞれの特徴とその略語について解説します。

システム企画(SP)

システム企画とは、企画から導入までの基本的なプランを立てるプロセスです。企業や組織の目標達成や課題克服に必要となるシステムを考えます。その後、システム開発における概要を決定します。

要求分析(SA)

要求分析とは、前工程で決定した計画を基本に、ユーザーの要求やニーズを聞き取り、整理・分析するプロセスです。これらを文書化し、開発チームに伝達しますが、専門知識がなくても理解できる内容で構成することが重要です。

要件定義(RD)

要件定義とは、前段階で提示されたニーズや要求を、具体的にどう技術的に解決するか定めるプロセスです。機能や性能に加え、操作性、セキュリティ対策など、要件を正確に確定させます。要求分析と同様に、文書にし関係者間で合意を取りましょう。

基本設計(BD)

基本設計は、前工程で確定した要件を基本に、全体の構造やデータフローを設計するプロセスです。作成する機能ごとに分け、全体の基本となる仕様を定めます。詳細設計やプログラミングなどの基盤となるため、高い精度であることが求められます。

UI基本設計(UI)

UI基本設計では、UI(ユーザーインターフェース)を設計します。UIとは、ユーザーとシステムの接点のことで、具体的には操作方法や画面のレイアウトなどです。UIはユーザーが直接的に触れるため、使いやすさを左右します。

外部設計(ED)

外部設計とは、システム全体の構造を把握し、各機能の細かな仕様を設計するプロセスです。UIや、外部とのやり取りに用いる部分について設計します。データベースの設計、外部システムとのUIも含みます。

詳細設計(DD)

詳細設計では、前工程で決めた全体の構造や仕様を基本に、具体的なプログラムを設計します。プログラムの処理の流れやアルゴリズム、インターフェース、データベースの構造に関する詳細など、目に見えない部分を設計します。

内部設計(ID)

内部設計では、システム内で行われる動作や処理の流れを設計します。外部設計で定めた仕様と同様に動くよう、詳細を決定します。設計に一貫性があるよう、チームメンバーとのコミュニケーションも欠かせません。

構造設計(SS)

構造設計とは、プログラミングできるようシステムの構造を分解し、設計内容を具体的に定めるプロセスです。正確性と一貫性が必要であると同時に、効率的なシステムの構築を目指します。

機能設計(FD)

機能設計とは、それぞれの機能やモジュールの動作を詳細に定めるプロセスです。おもな機能を細部まで設計し、具体的な動作を定めます。開発プロセスでの問題発生を抑えることにつながります。

プログラム設計(PD/PS)

プログラム設計とは、詳細設計によって定めた内容を基本に、プログラムによる動作や処理を具体的に定めるプロセスです。プログラムごとに構造を分類し、動作や処理の流れ、エラー処理などを定めます。

プログラミング(PG)

プログラミングとは、設計書に従い、コードを記述するプロセスです。プログラミング言語を使用し、機能を実装していきます。バグの発生を抑えるため、定期的にテストを実施しましょう。

コーディング(CD)

コーディングは、プログラム設計で定めた内容に従い、プログラミング言語を記述するプロセスです。プログラミング言語により、実際の動作や文字・画像などが目に見える形となります。

単体テスト(UT)

単体テストとは、それぞれの機能が期待通りに動くかをチェックするテストです。システムごとにテストするため、比較的容易にバグの原因を特定できます。

結合テスト(IT)

結合テストとは、複数の機能を組み合わせた状態で、正確に動作するかチェックするテストです。単体テスト後に実施され、基本設計で定められた通りの機能であるかをチェックします。問題点が発見された場合は、原因を特定して修正しましょう。

総合テスト(PT)

総合テストでは、全体が設計通り動作するかをチェックします。機能に限らず、操作性やセキュリティについてもテストを実施します。正常な動作や処理速度など、動作に関する問題点は解消しましょう。

システムテスト(ST)

システムテストとは、開発したシステムの動作をチェックするテストです。要件定義や仕様書に定められた条件を満たしているか、また信頼性や品質を最終的にチェックします。

運用テスト(OT)

運用テストとは、実際の運用環境で正常に動作するかをチェックするテストです。顧客が操作する形でテストを実施します。運用テストまで終了すると、実際にシステム運用がスタートします。

システム開発のモデル

システム開発の工程をスムーズに進めるために、いくつかの工程モデルが存在します。ここではおもな4つについて解説します。

アジャイルモデル

アジャイルモデルは、システム開発を進める際に、必要に応じて前工程に戻ることを前提とした工程モデルです。そのため、変更や見直しが発生しても対応できるよう、スケジュールに余裕を持つ必要があります。一方で開発スピードは早いため、早期にリリースしたい場合に適しています。

ウォーターフォールモデル

ウォーターフォールモデルは、上流工程から下流工程へと作業を進め、前工程に戻ることなく進行する工程モデルです。1つの工程が終わると次に実施すべき工程が分かります。一方で、工程の途中にミスが発生した場合、開発が計画通りに進まなかったり、スケジュールを変更したりする必要があるでしょう。

スパイラルモデル

スパイラルモデルとは、複数のサブシステムごとに分けて開発する工程モデルです。サブシステムの構築は、上記したウォーターフォールモデルで進めます。開発を進めながら詳細を決定するため、要件定義で細部まで決める必要はありません。一方、何度もプログラムの作成とチェックを繰り返すため、時間と手間がかかるでしょう。

プロトタイプモデル

プロトタイプモデルとは、システム開発を始める前に試作品を作成する工程モデルです。試作品のチェック後に開発を進めるため、認識のずれを防ぎ、大幅な失敗を抑えられます。大規模システムを作成する場合は、試作品の制作や修正に時間とコストがかかります。スケジュールに余裕を持たせ、予算も多めに見積もることが重要です。

システム開発の種類

システム開発には工程モデルに加え、開発の種類が複数あります。おもな3つの種類について解説します。

オープン系システム

オープン系システムとは、仕様が公開されたソフトウェアやハードウェアを活用して、開発するシステムです。さまざまな条件に対応でき、新たな機能・技術の導入が比較的容易なことから、開放という意味の「オープン」が使用されています。

汎用系システム

汎用系システムとは、一般的な用途に対応するよう開発されたシステムです。特定の業種や企業に限らず、さまざまな組織やユーザーが利用できるデザインとなっています。多様なユーザー層に向けて提供されるためカスタマイズ性が高く、中小企業から大企業まで幅広い規模の組織が利用できます。

Web系システム

Web系システムとは、おもにWebブラウザを介してアクセスする形で提供されるシステムです。Web技術を利用し、ユーザーがブラウザを通してアクセスすることで、情報の閲覧からデータ入力・処理までを行います。

システム開発を正しい工程で実施するメリット

システム開発を正しい工程で実施することでどのようなメリットがあるのか、解説します。

品質の向上

システム開発で最も重視すべきは、品質の向上です。高品質のシステムは、ユーザーの満足度向上、運用コストの削減、信頼と安定につながります。

具体的には、ユーザーのニーズを理解して要件を明確にすることで、期待される機能や性能を満たしたシステムです。また、継続的に改善したり、フィードバックを取り入れたりすると質を一層高められます。

プロジェクトの効率化

プロジェクト管理の効率化は、システム開発を成功させる上で重要です。プロジェクト管理を効率化させることで、リソースの適切な配分やスケジュールの遵守、コスト削減が可能です。また、プロジェクト管理ツールやメソッドを活用すると、タスクの進捗管理やコミュニケーションの円滑化、リスクの早期発見や対策につながるでしょう。

まとめ

システム開発を円滑に進める上で、正しい工程であることは重要です。多くの工程が存在しますが、どのような工程を踏むべきか、略語の意味を理解した上で業務に取り組みましょう。

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