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システム開発

【初心者向け】システム開発工程表とは?行程表との違いやメリット・デメリット、作成のポイントを解説

更新日: 2025年5月28日

システム開発に工程表は欠かせません。ただし、工程表の必要性や、理解が容易な工程表の作り方がわからない人もいるでしょう。この記事では、工程表の基礎知識から工程表の種類、作り方のポイントまで解説します。業務に活用したい人は、参考にしてください。

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システム開発の工程表とは

システム開発における工程表は、プロジェクトのタイムラインを管理するうえで重要なツールです。記載されている内容は作業内容や期日です。プロジェクトの開始から終了までにしなければならないタスクの内容と、それぞれの締め切りが一覧で記載されています。

工程表があることで、タスクごとの担当者は期日の把握が容易になります。工程表を使用することで、プロジェクトの管理が円滑に進むだけでなく、顧客への工程説明の際も役立つでしょう。

工程表と行程表の違い

「工程表」と「行程表」はどちらも「こうていひょう」と読み、いずれも計画やスケジュールを記した表です。ただし、内容や用途が異なります。

「工程表」は、一般的に開発作業や建設プロジェクトで使用され、それぞれの作業開始から完了までの期間、作業ごとの連携などを示します。一方で「行程表」は、目標を達成するための流れや計画を大まかに把握するためのものです。管理の方法に合わせて、工程表と行程表を使い分けるとよいでしょう。

システム開発における工程表の役割

システム開発において、工程表はどのような役割があるのでしょうか。おもな3つの役割を解説します。

納期を守るため

納期を守るうえで、工程表が役立ちます。正確なスケジュール管理ができ、プロジェクトの納期を遵守しやすくなるためです。納期の遅れは売り上げの損失につながり、企業の損害は大きくなります。何らかの理由でスケジュールの遅れやトラブルが発生した際にスムーズに現状を把握し対応でき、計画通りの納期達成につながります。

作業の効率化を図るため

工程表を活用し、計画的なスケジュール管理をすることで、作業の効率化につながります。作業の無駄を省き、効率的に作業を進められるでしょう。プロジェクトの全体像を認識できると、人員や機材・材料などの資源を効率的に手配できます。

結果として全体の作業効率が上がり、作業期間の短縮や人件費の削減が可能になり、プロジェクトの費用削減にもつながります。

トラブル防止のため

工程表はトラブル防止にも役立ちます。プロジェクトを進めるうえで、トラブルはつきものです。機械の故障や材料の遅れなど、過去に起きたトラブルから想定し、スケジュールには余裕を持たせましょう。余裕があれば想定外のトラブルが起きた際も調整し納期を守れるうえ、トラブルが起きなければその分早く作業を終えられます。

システム開発で工程表を作成するメリット・デメリット

質の高い工程表を作成するには、メリットやデメリットを正しく理解しておくことが重要です。それぞれを解説します。

工程表を作成するメリット

メリットはおもに3つあります。1つ目は、工程表の作成により、プロジェクトの全体像を把握しやすくなる点です。目で見て容易に全体像がわかるため、メンバー全員が把握でき、同じ目的をもって作業に取り組めます。

2つ目は、納期の管理がしやすくなる点です。納期に遅れると損失につながります。メンバー全員が納期を意識することで、納期に間に合う可能性が上がります。

3つ目は、適切な人員配置と調整を実施できる点です。1人に作業が集中していないか、空き要員がいないかを確認でき、作業効率が上がります。

工程表を作成するデメリット

工程表を作成するデメリットは、おもに2つあります。まず、作成には一定の時間を要するうえ、スケジュールが変更になった場合の対応が難しい点が挙げられます。次に、工程表の目的はスケジュール全体の把握であるため、作業の詳細を記載できません。そのため、作業の詳細については、別で管理する必要があるでしょう。

システム開発における工程表の種類

工程表にはさまざまな種類があります。システム開発に役立つ、5つの種類を解説します。

ガントチャート工程表

ガントチャート工程表とは、各作業内容の進捗状況を管理する工程表です。縦軸に各タスクや担当者、開始日、締め切り日を記載し、横軸に各タスクの進捗状況を記載します。時間軸に沿ってタスクが表示され、スケジュール管理だけでなくタスクの進捗状況が目で見てわかるため、複雑なプロジェクトを進行する際に適しています。ただし、プロジェクトの内容や目的によっては、作成や更新に時間を要する場合があります。

バーチャート工程表

バーチャート工程表とは、プロジェクトに関わる作業を時系列で確認できる工程表です。各作業の開始日と終了日を棒グラフで表し、縦軸に作業項目、横軸に工事日程を記載します。グラフの長さが作業の所要時間を表しているため、開始から終了までの期間を目で見て把握できます。

バーチャート工程表は、進行中のタスクや完了したタスクを視認できることがメリットである一方、複雑なプロジェクトや各作業の関係性、細かい作業の把握には適しません。

工程管理曲線

工程管理曲線とは、プロジェクトの進捗状況を線グラフで表したものです。「出来高累計曲線」とも呼ばれ、現場全体の予定と実績の違いを目で見て確認できます。縦軸に進捗率、横軸には日数を記載し、日数ごとの進み具合を曲線でつなげることで、現場全体の進み具合を把握できます。

ただし、作業ごとの進み具合の把握には向かないため、管理したい要素を明確にしたうえで適した工程表を選択しましょう。

グラフ式工程表

グラフ式工程表とは、縦軸に作業ごとの進行具合、横軸に作業日時を記載した工程表です。「曲線式工程表」や「工程管理曲線」とも呼ばれ、作業の進み具合と作業予定日時が一目で把握できる点がメリットです。

また、各作業の進み具合と作業間の関連性がわかるため、1つの作業が遅れている場合に、他の作業へ影響を及ぼす可能性があるか確認も可能です。ただし、他の工程表と比べて形状が複雑なため作成が難しく、作業手順もわかりにくいというデメリットもあります。

ネットワーク工程表

各作業の工程数や手順、各作業間の関係性を把握できる工程表です。細かな作業が必要な現場や、作業期間の長い大きな現場での管理に向いています。円と矢印を使用して順序と必要な作業期間をまとめ、矢印上に作業内容、矢印下に作業日数を記載します。左から作業手順にそって実施事項を記載するため、全体の流れを把握できるでしょう。

ただし、作成には多くのデータと情報が必要で、作成も難しく、他の工程表と比べ作業ごとの進み具合がわかりにくいというデメリットもあります。

システム開発における工程表の作り方のポイント

工程表を作成する場合、どのような部分に注意すべきでしょうか。気を付けるべき、4つのポイントを解説します。

各工程にかかる時間を把握する

システム開発にはいくつもの工程があり、それぞれ要する時間が異なります。それぞれの工程に必要な時間を理解したうえで、工程計画を立てましょう。通常、要件定義や設計の工程には全体の2~3割程度、テストや運用の工程には1~2割程度の時間が必要です。

それぞれの工程の時間配分が適切であれば、プロジェクトがスムーズに進みます。また、質の高いシステム開発につながるでしょう。

誰でもわかるようにする

工程表は、プロジェクトの関係者全員が容易に理解できる形で、作成することがポイントです。一目で確認できるガントチャート工程表やバーチャート工程表を用いると、管理者だけでなく作業担当者も作業の進み具合を把握できます。

そのため、プロジェクトがスムーズに進みやすくなります。また、理解とアクセスが容易な形の工程表を作成し、常に最新の状態に保つことも、効率よくプロジェクトを進めるうえで必要です。

プリントアウトしても見やすいデザインにする

工程表は、管理者だけでなく現場の担当者も利用します。各現場で作業に当たる際、工程表を確認しやすいようプリントアウトして、事務所に張り出すケースもあります。そのため、プリントアウトしても見やすいデザインにしましょう。

適した場所でページを切り替えられるようページサイズを調整したり区切る場所にこだわったり、実際にモノクロで印刷し、見やすいかを確認するとよいでしょう。

テンプレートを活用する

工程表を作成する際、テンプレートを活用すると容易に作成できます。一から作成するよりも手間と時間を削減できるでしょう。Web上には、無料で利用できるテンプレートが複数あります。自社のシステム開発に適したテンプレートをアレンジして使用することで、手間を削減しつつ作業効率を上げられます。

まとめ

システム開発の工程表とは、作業内容や期日が記載されているものです。工程表があることで、プロジェクトの管理が円滑に進むだけでなく、顧客への工程説明の際も役立ちます。さまざまな種類があるため、それぞれメリット・デメリットを把握したうえで、誰が見ても把握しやすい形で作成しましょう。

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