
システム開発に使われるプログラミング言語は多岐にわたり、何を開発するのかによって、最適な言語は大きく異なります。この記事では、主要16言語の特徴に加え、「どのシステムにどの言語が向くのか」を比較しながら解説いたします。目的にあった言語を判断する際の参考にぜひお役立てください。
>> 【テンプレート】システム要件仕様書テンプレート(無料配布)
目次
プログラミング言語とは
プログラミング言語は、人間がコンピューターを操作するための専用言語です。1950年代に誕生して以来、現在、1,000を超える種類が存在しています。
プログラミング言語を使ってできること
プログラミング言語で、具体的にできることを解説します。
アプリケーションの開発
プログラミング言語は、スマートフォンやコンピューター向けのアプリケーション開発に広く利用されています。さまざまな種類のアプリケーションがあり、それぞれの内容に応じて適したプログラミング言語が選ばれます。
Webサイトの構築
ほとんどのWebサイトは、HTML・CSSというプログラミング言語でデザインされており、文字の大きさやフォント、画像の配置などが決められています。情報提供だけでなく、問い合わせやオンラインショッピングも可能です。
電子機器の動作制御
プログラミング言語は、家電や自動車などの電子機器の動作制御に広く利用されています。炊飯器や洗濯機などのタイマー機能が例として挙げられます。スマートフォンの位置情報を活用して自動的に家電を制御する「IoT(モノのインターネット)」技術も進展しており、今後さらに注目されるでしょう。
機械学習プログラムの開発
プログラミング言語は、AIや機械学習の開発に重要な役割を果たしています。日常生活においても、プログラミング言語が普及しつつあります。今後は、新しいAIや機械学習のプログラム開発と精度向上が、人々の生活をさらに豊かにするための鍵となるでしょう。

プログラミング言語は16種類
システムやソフトウェア開発に用いられる言語は複数あります。ここでは16種類の言語について、カテゴリごとに特徴を解説します。
Webブラウザで動くフロントエンド・マークアップ系
Webブラウザで動く言語はHTML・CSS・JavaScriptがおもに用いられます。これらはフロントエンドやマークアップ言語とも呼ばれます。
HTML・CSS
HTMLとCSSは、Webサイトや管理画面などのフロントエンド開発で必須の技術です。ユーザーの操作性やデザインに直結するため、企業サイト・社内ポータル・SaaSのUI構築など幅広いWebシステムで利用されています。
JavaScript
JavaScriptはWebサイトの動的なUIを実現する言語で、企業サイト、会員ページ、ダッシュボードなど幅広いWebアプリ開発に利用されます。操作性やリアルタイム性が求められるシステムとの相性が良い点も特徴です。

バックエンド・Webアプリ開発向け
バックエンドやWebアプリ開発向け言語は、おもにPHPやRuby、C#、Java、Pythonなどがあります。ここでは、それらの言語に加え、GoやKotlinについても解説します。
PHP
PHPはWebアプリケーション開発で多く採用され、ECサイト、会員管理、予約システムなど“業務ロジックを扱うWebシステム”と相性が良い言語です。中規模〜大規模の開発でも安定した運用実績があります。
Ruby
RubyはスピーディなWebアプリ開発に適しており、スタートアップや新規サービスの構築で選ばれやすい言語です。業務システムのプロトタイプ開発にも向いています。
C#
C#は基幹業務システムや基盤システムで採用されるケースが多く、金融・行政・製造業などの大規模開発で利用されています。安定性と長期運用に強く、Windowsアプリケーション開発にも適した言語です。
Java
Javaは企業の基幹系・業務システムで非常に高いシェアを持ち、信頼性が求められる大規模システムの構築に適しています。金融・行政・物流など、長期運用が前提のシステムで多く採用されています。
Python
PythonはWebアプリ開発に加え、AI・機械学習・データ分析領域でも多く活用されます。業務データの分析基盤やレコメンド機能など、“データ駆動型システム”を開発する企業で採用が増えています。
Go
Goは高速処理とシンプルな構造を特徴とし、WebアプリケーションやAPIシステムの開発で利用されています。高パフォーマンスが求められるシステムやクラウドネイティブ環境との相性が良い言語です。
Kotlin
KotlinはWebアプリ・サーバーサイド開発でも利用され、モダンな設計で保守性を高めたいプロジェクトに向いています。Androidとの親和性が高いため、モバイルとサーバーを同一言語で運用したいケースでも有効です。

モバイルアプリ開発向け
モバイルアプリの開発には、OSによって用いられる言語が異なります。ここではiOSとAndroidアプリの開発における言語を解説します。
Swift
SwiftはiOSアプリの公式言語として採用されており、高いパフォーマンスと安全性を備えています。ユーザー体験を重視する企業のモバイルアプリ開発で広く使われています。
Objective-C
Objective-Cは既存のiOSアプリやMacアプリの保守開発で使われるケースが多く、既存資産の改修や長期運用を前提としたアプリケーションに適しています。
データ分析・AI・科学技術向け
データ分析・AI・科学技術向けにはPythonやR、Juliaが用いられます。
R
Rは統計解析やデータ分析に特化しており、AIモデル開発や大量データの可視化が必要なシステムで多く利用されています。分析基盤構築やレポーティング自動化との相性が良い言語です。
Julia
Juliaは高速な数値計算を得意とし、機械学習・最適化計算・科学技術計算など、高度な演算が必要なシステムで利用されています。研究領域やデータ科学プロジェクトで採用が増えています。

システム・組み込み系
組み込み系はおもにPython・Java・C言語が用いられます。
C
C言語は組み込みシステムや制御系システムの中心的な言語で、家電・自動車・医療機器など、ハードウェアと密接に連携する開発で多く利用されています。処理速度と安定性が求められる環境で長年使われています。
Visual Basic(Visual Basic.NET)
Visual BasicはWindowsアプリケーション開発で利用され、社内ツールや業務支援アプリの構築・改修に向いています。既存のWindows資産を活かしたシステム運用で採用される言語です。
COBOL
COBOLは金融・保険・公共などの基幹システムで長年使われており、大量データの処理や高い信頼性が求められる業務に適しています。特にレガシーシステムの保守・改善プロジェクトで現在も重要な役割を担っています。

適した言語を使うには?
システム開発で使用する言語は、開発したいシステムの種類や規模、開発体制によって大きく変わります。ここでは、言語を選ぶ際に押さえておくべき主要な判断基準を整理します。
開発するシステムの種類で選ぶ
Webアプリ、業務システム、モバイルアプリ、組み込みシステムなど、システムの種類によって適した言語は異なります。たとえば、動きのあるWebサービスならPHPやRuby、長期運用が前提の基幹系システムならJavaやC#が採用されるケースが多く、性能重視の組み込み領域ではCなどが利用されます。
開発規模と構造の複雑さで選ぶ
大規模かつ複雑なシステムでは、長期運用のしやすさや安定性が重視されます。この場合、JavaやC#など実績の多い言語が向いています。一方、新規サービスやスピード重視の開発では、迅速に改善できるRubyやPythonが採用されるケースもあります。
開発体制(内製・外注・オフショア)で選ぶ
言語選定は開発体制とも密接に関係します。内製で進める場合は、自社エンジニアが習得している言語に合わせるほうが効率的です。
外注やオフショア開発を行う場合は、パートナー企業が得意とする言語を選ぶことで開発スピードと品質を高められます。
>> 開発体制に関するご相談はこちら|システム開発ならSun Asterisk
人材の採用難易度で選ぶ
言語によってエンジニア人口は大きく異なります。JavaやJavaScriptは国内外でエンジニアが多く、採用や増員が比較的容易です。一方、COBOLやVisual Basicなどは習得者が減少しており、保守や改修において人材確保が課題になるケースもあります。
長期運用・保守のしやすさで選ぶ
開発が完了した後の運用・保守を見据えることも重要です。変更頻度が高いシステムでは、コードの可読性やフレームワークの充実度が求められます。長期運用を前提とした基幹系システムでは、サポート体制が整い、実績が豊富なJavaやC#が選ばれる傾向があります。
専門家に相談する
最適な言語はプロジェクトごとに異なり、一概に決められるものではありません。どの言語を使えば良いか判断が難しい場合は、開発経験の豊富な専門家に相談し、自社の目的や開発体制に沿った選択肢を提示してもらうことも有効です。
>> システム開発に関するご相談はこちら|Sun Asterisk
まとめ
数多くのプログラミング言語のなかから、システム開発に用いられることの多い16種類の言語に絞って解説しました。構築したいシステムによって適した言語は異なるため、解説した内容をもとに判断してください。
適した言語を把握できても、社内にその言語に長けた従業員がおらず、開発スケジュールが厳しくなるケースもあるでしょう。Sun Asteriskはプロジェクトによりどんな言語でも対応可能であるため、ぜひご検討ください。
よくある質問
プログラミングとは?
「開発工程」「下流工程」とも呼ばれ、画面処理やバッチ処理など、決定された仕様を正確に動作させるための実装を担います。
プログラムとプログラミングの違いは?
一方の「プログラミング」は、そのプログラムを作成する行為です。
コンピューターに意図した動きをさせるため、命令の順序を組み立てて記述する作業を意味します。
システム開発とソフトウェア開発は何が違う?
「システム開発」はもっと広い概念で、ソフトウェアだけではなく、パソコン・スマートフォンなどのハードウェア、ネットワーク環境も含めた仕組み全体の構築を意味します。

Sun Asteriskがこれまで手がけてきたプロジェクトを多数ご紹介しております。

WBS(Work Breakdown Structure)について、基本の解説と、作成方法を具体的にご紹介いたしました。