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システム開発

プロジェクト成功の鍵!システム開発のロードマップの作り方と注意点を徹底解説

更新日: 2025年8月8日

03-51_プロジェクト成功の鍵!システム開発のロードマップの作り方と注意点を徹底解説

システム開発で作成するロードマップは、プロジェクトの全体像を理解し、進捗状況を可視化するのに役立ちます。今回は、システム開発におけるロードマップの基本、作成目的、活用メリットまでを徹底解説します。ロードマップの作成手順も解説するため、プロジェクト立ち上げ時の参考にしてください。

ロードマップとは?

ロードマップは、プロジェクトや製品の開発における計画や進行状況を時系列で可視化した図表です。ロードマップを作成することで、長期的なビジョンと短期的なスケジュールを連携でき、関係者間で目的や開発の流れを共有しやすくなります。

4276_ロードマップイメージ

特にシステム開発の分野では、各開発プロセス・成果物・マイルストーンを整理し、スムーズに開発を進めるためのツールとして広く活用されています。

プロジェクトを立ち上げる際にロードマップを作成すれば、プロジェクト全体の進行具合を目視で把握しやすくなり、関係者全体で全体像の共有も可能です。

マイルストーンとの違い

ロードマップと同様に、プロジェクトの進行状況を整理する役割として「マイルストーン」も用いられます。

ロードマップはプロジェクト全体の流れを示す図で、プロジェクトの手順を時系列で整理する目的を持つのに対し、マイルストーンは各工程の達成目標や中間地点などのポイントを示す目的を持ちます。

ロードマップの中に「設計完了」や「テスト開始」などのマイルストーンを設定することで、プロジェクト全体における具体的な目標やチェックポイントを可視化できます。

プロジェクトロードマップとプロダクトロードマップの違い

ロードマップは、プロジェクトロードマップとプロダクトロードマップの大きく2種類に分かれます。

プロジェクトロードマップはシステム開発に用いられるロードマップで、特定の開発プロジェクトの全体像を整理するのに役立ちます。プロダクトロードマップは商品やサービスの開発に用いられるロードマップで、商品の開発から販売までの流れを可視化する目的があります。

ロードマップの作成で活用するチャート

ロードマップを作成する際は、プロジェクトの全体像を視覚化するためにさまざまなチャートを活用します。

4276_ロードマップで用いられるチャート例

代表的なものがガントチャートで、タスクの進行状況や開発期間を視覚的に表示する際に有効です。フローチャートは、各工程の流れや分岐を示すのに適しています。さらに、必要に応じて計画表やタスクリストを活用すれば、よりわかりやすいロードマップを作成できます。

<ロードマップの作成でよく用いられるチャート>

  • ガントチャート
  • フローチャート
  • 計画表
  • タスクリスト

ロードマップを活用するメリット

ロードマップを活用することで、目標や課題を明確化でき、プロジェクトを円滑に進行できるようになります。

プロジェクトの目標が明確になる

ロードマップを作成することで、プロジェクトの目的や業務の流れが明確になります。関係者全員が同じ目標を共有することで、意思統一が図られ、途中で目標がブレることの防止や業務の正確な優先順位付けにつながるでしょう。

また、最終目標が明確であることは、開発者のモチベーション維持や成果の可視化を図る上でも効果的です。

さらに、明確な目標設定は意思決定やスケジュール見直し時の判断基準にもなり、プロジェクト全体の整合性を保つ上でも有効です。

プロジェクトの課題や現在地が明確になる

ロードマップでは、プロジェクトの進捗を段階ごとに図式で確認できるため、現状の把握や課題の可視化もしやすくなります。プロジェクトにおけるボトルネックや遅延箇所も早期に発見でき、解決策をすぐに実施できるでしょう。ロードマップの活用が、オンスケジュールでプロジェクトを遂行させる体制作りにつながります。

細かいスケジュールを決めやすくなる

ロードマップによってプロジェクトの大まかな流れが明確になることで、各フェーズごとの詳細スケジュールや作業の割り振りがスムーズになります。タスク間の依存関係や優先順位を正確に見極めたうえで日々の作業内容を設定できるため、無理のない実行計画を立てられます。

プロジェクト全体で共有できる

ロードマップは、プロジェクト全体で共有されるべき資料としても機能します。関係者間でプロジェクトにおける共通認識を持つことで、認識の齟齬が生じにくくなり、業務の連携がスムーズに進みます。また、新たに参画したメンバーへの情報共有や業務の引き継ぎにも役立つでしょう。

ロードマップの作成方法

ここからは、実際にロードマップを作成する方法を手順ごとに紹介します。

1.ゴールと期日を設定する

はじめに、プロジェクトの最終目標と到達すべき期日を設定します。ここで設定する目標設定が曖昧になるとその後の計画も不明確になるため、必ず確固なものを定める必要があります。

ゴールは具体的かつ測定可能な内容にし、達成基準や成果指標も設定しておくと、プロジェクトの進捗が管理しやすくなります。

2.現状の分析と把握

ゴールの設定後は、現時点での状況や課題を正確に把握する必要があります。プロジェクトの現在地を知ることで、必要なリソース・既存の業務フロー・今後考えられる課題などを洗い出すことができ、より現実的な計画立案が可能になります。

具体的には、「既存業務フローにボトルネックはないか?」「不足しているリソースは何か?」といった観点で現状を見直すことがポイントです。

3.想定されるリスクや問題点を洗い出す

プロジェクトの進行には、予期せぬトラブルがつきものです。トラブルの発生による開発の中断や遅延を防ぐためにも、事前に考えられるリスクを予測し、対応策を検討しておくことが重要です。

予算オーバー・開発人員不足・技術的障害などのリスクを洗い出し、それぞれに対する回避策や対応方針を明文化しておきましょう。

4.マイルストーンを設定する

計画表を作成する前に、プロジェクトの節目となるマイルストーンを設定します。プロジェクトの通過点や中間目標などを明確化することで、プロジェクト全体の流れの把握や進捗管理が円滑になります。マイルストーンには、重要な工程や納品タイミングなどを設定するのが一般的です。

5.計画表を時系列で作成する

続いて、設定したマイルストーンをもとに、時系列に沿った計画表を作成します。ガントチャートやフローチャートなどの図表を用いながら、工程の流れや分岐・担当者・期間などを一目で把握できるようにまとめましょう。

計画表は適宜見直しを行い、柔軟に修正できるようにしておくことも大切です。

6.プロジェクト全体に公開する

ロードマップが完成したら、プロジェクトの関係者全体に共有します。プロジェクトの進行や進捗を全員が把握できる状態にすることで、各自の役割やタスクの重要性を自覚しやすくなり、開発者の主体的な行動につながります。

実際に進行するなかで遅延やトラブルが発生したら、ロードマップの見直しや更新を行いましょう。

ロードマップを作成する際の注意点

使いやすいロードマップを作成するためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。

計画は数か月単位で立てる

ロードマップの対象とする期間は、数か月単位とするのが一般的です。あまりに長期のスケジュールを一度に決めると不確定要素が多く、短期すぎてもあまり作成のうまみがありません。

数か月ごとのスパンで計画を立てることで、計画に柔軟性を保ちながら実行に移せるでしょう。変化に強いプロジェクト進行のためにも、数か月単位での区切りが有効です。

詳細を記載しすぎない

ロードマップはあくまで全体像の把握を目的とするため、細かすぎる情報を記載する必要はありません。詳細を記載しすぎてしまうと、ロードマップの自由度が低くなり、かえって計画を遂行しにくくなる場合があります。

見やすいロードマップ作りのためにも、記載内容は必要最低限の情報に絞り、詳細は各工程の実行段階で細分化するのが理想です。

マイルストーンを作りすぎない

中間地点の目安となるマイルストーンは、適切な数を設定することが大切です。過剰な数のマイルストーンを設定すると、かえって進捗確認が煩雑になり、節目としての重要性も薄れてしまいます。プロジェクト全体の流れを把握する際にポイントとなる工程だけに絞って設定しましょう。

期日や目標を明確にする

各工程やマイルストーンの期日や目標値が曖昧では、プロジェクトの進捗管理が難しくなり、円滑な進行が滞る原因になります。達成基準や納期は必ず具体的な数値を用いて設定し、関係者全員が把握できる状態にしましょう。期日や目標を明確にすることで、各自の責任感や主体性が高まることにもつながります。

定期的な進捗確認や評価を行う

ロードマップは作成して終わりではなく、継続的な運用が必要です。定期的に進捗を確認し、目標に対する現時点での達成度を評価することで、開発計画の早期修正や調整を行えます。定期的な進捗ミーティングやチェックリストツールなどを取り入れながら、常に計画と実際の進行との比較を行いましょう。

まとめ

システム開発を円滑に進めるにあたって、各工程の流れを可視化するロードマップは大いに役立ちます。これからプロジェクトをスタートする人は、開発の効率化のためにロードマップを活用してみてはいかがでしょうか。

加えて、システム開発のプロジェクト管理では全体像の把握だけでなく、日々のタスクを正確に管理・進行する仕組みも欠かせません。そこで活用したいのが「WBS(Work Breakdown Structure)」です。

Sun Asteriskでは、WBSを活用したスムーズなタスク管理のノウハウや、実務的な進め方をまとめた資料をご用意しています。これからプロジェクトを立ち上げる人や進捗管理に課題を感じている人は、ぜひご活用ください。

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