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システム開発

業務システムとは?おもな種類や導入メリット・選定ポイントまで徹底解説

更新日: 2025年8月26日

03-56_業務システムとは?おもな種類や導入メリット・選定ポイントまで徹底解説業務システムは、勤怠管理や人事給与、販売管理、在庫管理、営業支援など、企業の業務を効率化し、情報の一元管理や生産性向上を支えるために利用されるソフトウェアやシステムの総称です。この記事では、業務システムの基本的な役割や代表的な種類、分野別のおもな機能、導入メリット、導入の流れまでわかりやすく解説していきます。

業務システムとは

業務システムは、日々の業務を効率化し、情報の整理や標準化を支える仕組みです。ここではその基本的な役割や導入目的、基幹システムの違いについて解説します。

業務システムが果たす役割と目的

業務システムは、日常業務の効率化や標準化、情報の一元管理を目的に導入されます。たとえば勤怠や在庫、顧客情報などをシステム上で処理することで、作業時間や手作業によるミスを削減し、業務全体の品質を高める役割を担います。

少子高齢化による人手不足が進む中、自動化による業務負担の軽減手段としても注目されています。

基幹システムとの違い

業務システムは、業務全般を支援する仕組みの総称であり、基幹システムはそのなかでも特に企業の中核業務を担うシステムを指します。経理・販売・生産など業務継続に欠かせない領域が基幹システムで、停止すれば業務自体が止まってしまいます。

一方、営業支援や勤怠管理などは業務システムとして、比較的代替手段を取りやすい領域です。

業務システムの種類と機能

業務システムには、勤怠・人事・販売・配送・営業など、部門や業務内容に応じたさまざまな種類があります。ここでは、代表的な5つの業務システムについて、それぞれの基本機能や導入による効果について解説します。

勤怠管理システム

勤怠管理システムは、従業員の出退勤や休憩、残業、休暇などをデジタルで記録・集計する仕組みです。打刻データをもとに労働時間を自動集計でき、給与計算や労務管理の精度向上にもつながります。紙のタイムカードを使わず、リアルタイムに勤怠状況を把握できる点が特徴です。

人事給与システム

人事給与システムは、従業員情報の一元管理や、給与・賞与の自動計算、社会保険や年末調整などの手続きも支援する業務システムです。人手では煩雑になりやすい人事労務業務を効率化し、コンプライアンス対応の強化や業務負担の軽減につながります。

販売管理システム

販売管理システムは、受注から出荷・請求までの販売プロセスを一元的に管理できるシステムです。在庫や納期、売上情報などをリアルタイムに把握できるため、業務全体の可視化と対応スピードが向上します。他のシステムとの連携も可能です。

配送管理システム

配送管理システムは、商品の出荷から納品までの流れを可視化し、進捗や配送状況の把握を可能にするシステムです。伝票作成やドライバーの割り当て、ルート最適化などを効率化できるため、物流コストの削減や顧客対応の精度向上につながります。

営業支援システム

営業支援システム(SFA)は、顧客情報や案件の進捗、商談履歴などを一元管理し、営業活動の可視化と属人化の防止を図る仕組みです。業務報告の効率化だけでなく、組織全体での情報共有や成約率の向上にもつながる点が強みといえます。

業務システム導入によるおもなメリット

業務システムの導入により、日々の作業が効率化されるだけでなく、ミスの削減やスペースの有効活用といった効果も得られます。ここでは、業務システムの導入で得られるおもなメリットを解説します。

作業スピードと正確性の向上

業務システムを導入することで、作業手順の統一や処理の自動化が進み、業務のスピードと精度が飛躍的に向上します。

たとえば、入力ミスや集計ミスを減らしながら、複数の作業を同時進行で進めることも可能です。業務品質の平準化にもつながるため、属人化対策にも有効です。部署をまたぐ作業でもスムーズな連携が図れます。

紙資料の削減によるスペースの有効活用

情報をデジタルで一元管理できるため、紙の資料や帳票を物理的に保管する必要がなくなります。これにより、オフィスの収納棚や書庫を削減でき、限られたスペースをより有効に活用できるようになります。

クラウド型システムならサーバー設置も不要です。オフィス移転時の負担軽減にもつながります。

業務システム導入での注意点

業務システムは多くのメリットをもたらしますが、導入にあたっては注意すべき点もあります。ここでは、導入時に想定される課題や運用中に起こりうるリスクについて解説します。

導入までに時間と手間がかかる

業務システムの導入には、現状分析や要件定義、社内調整、ベンダー選定といった工程が発生し、一定の時間と労力が求められます。導入規模が大きい場合や既存システムとの連携が必要な場合は、スケジュールや教育体制の整備も不可欠です。現場定着までに想定以上の時間がかかるケースも少なくありません。

システム障害やトラブルが発生する可能性がある

システム障害やサーバダウン、クラウドトラブルなどが発生すれば、業務が一時停止し大きな損失を招く恐れがあります。操作ミスやアップデート不具合によるデータ破損のリスクも無視できません。

トラブル発生時の対応手順や復旧体制、ベンダーのサポート品質まで事前に確認しておくことが重要です。

業務システム選定時に確認すべきポイント

業務システムは種類や機能が多岐にわたるため、導入時には自社に合った製品を見極めることが大切です。ここでは、業務内容との適合性や費用面、将来の変化に対応できる柔軟性など、選定時に押さえるべき重要なポイントを解説します。

自社業務との整合性

業務システムを選定する際は、自社の業務プロセスや運用体制と合致しているかを慎重に確認する必要があります。どれほど高機能でも、実際の業務とかみ合わなければ使い勝手が悪く、現場に定着しません。

導入前に業務フローを可視化し、必要な機能とのズレを洗い出すことが重要です。

初期費用とランニングコスト

システム選定では、導入時の初期費用だけでなく、月額利用料や保守費用などのランニングコストも含めた総額で比較することが大切です。クラウド型は導入負担を抑えられますが、長期運用で割高になるケースもあります。企業の成長計画に合わせた費用設計が求められます。

環境変化に対応できる柔軟性

業務システムは、一度導入すれば長く使われるため、将来的な業務拡大や制度変更などにも対応できる柔軟性が重要です。機能の追加・変更がしやすいか、他システムと連携できるか、ユーザー数の増加に対応できるかなど、変化を前提とした選定が長期運用の鍵になります。

業務システム導入の流れ

業務システムの導入を成功させるには、場当たり的な選定ではなく、目的の明確化からベンダー選び、開発、運用まで一貫したプロセス設計が欠かせません。ここでは、導入前から運用開始後までの具体的なステップについて解説します。

業務課題と導入目的を明確にする

システム導入は目的が曖昧なまま進めると、形骸化や活用の失敗につながりかねません。まずは「何の課題をどう解決したいのか」を明らかにし、導入によって何を実現したいのかを社内で共有します。

目的が定まることで、必要な機能や適切なシステムの方向性も明確にできます。そのためにも経営層や現場の認識合わせが重要です。

必要な機能や条件を整理する

課題や目的をもとに、どの業務にどう関わるシステムか、必要な機能や性能要件を洗い出します。現場へのヒアリングを通じて、業務の流れや既存ツールとの兼ね合いも整理することが重要です。

導入範囲が広い場合は、優先順位をつけて段階的に整備するのも有効です。将来的な機能追加も見据えておくと安心です。

最適なベンダーを選定する

機能や要件が整理できたら、複数のベンダーから見積もりを取り、提案内容や実績、保守体制を比較検討します。

自社の業務に理解があり、導入後の支援まで対応してくれるベンダーを選ぶことが、長期的な運用の安定性にもつながります。将来的なサポート拡張の有無も確認しておきましょう。

システムの設計と開発を進める

選定したベンダーと協力し、要件定義にもとづいてシステムの仕様を確定させます。画面設計や機能配置、業務フローへの影響も具体化しながら、業務側とのすり合わせを重ねていきます。

必要に応じてカスタマイズや個別開発の検討も行い、使いやすさを重視して設計します。仕様変更時の手順や、社内確認・承認の流れをあらかじめ定めておくことも重要です。

テスト・移行を経て本番環境に導入する

開発完了後はテスト環境で動作検証を行い、業務データを移行してから本番環境へと切り替えます。検証段階では不具合や業務とのズレがないか丁寧に確認することが重要です。

導入初期はトラブルが起きやすいため、ベンダーとの連携体制を整えておきましょう。本番環境への切り替えは、スケジュールの管理も重要なため事前の調整が重要です。

安定運用と改善を支える保守体制を整える

導入後の安定運用を支えるためには、トラブル対応・機能追加・操作支援などを含めた保守体制が不可欠です。サポート窓口やマニュアル整備に加え、定期的な改善提案があるベンダーを選ぶことで、システムの価値を継続的に高めていきます。

効果検証もシステムを定着させる上で非常に重要です。利用者の声を反映する仕組みも整えておきましょう。

株式会社ミツモア|施工管理業務を効率化するSaaS「プロワン」

Sun*は、株式会社ミツモアが提供する施工管理業務向けSaaS「MeetsOne」の開発を、2023年2月より伴走支援。大企業からの引き合い増加に対応するため、フィリピン拠点のエンジニアと日本人ブリッジPMによる専属チームを編成し、機能開発のスピードと品質を両立しました。プロトタイプの早期作成やコードレビュー基準の整備により、遅延を最小限に抑えつつ事業成長を支援しています。

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まとめ

業務システムは、勤怠や人事、営業支援など多岐にわたる業務の効率化を支える仕組みであり、導入によって作業精度や情報共有の質が大きく向上します。ただし、機能や費用だけで選定を進めると、運用のズレや追加コストのリスクを招く恐れもあるため、目的の明確化から保守体制までを見据えた計画が欠かせません。

開発やカスタマイズを伴う場合は、要件定義や見積もり段階で認識のズレを防ぐことが重要です。不要な出費や手戻りを防ぎたい場合は、以下の「システム開発の見積もりガイド」をご活用ください。見積書の見方や判断ポイントまで、発注前に押さえておくべき知識を網羅しています。

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