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システム開発

SaaS開発コストの相場は?費用内訳や削減方法まで詳しく解説

更新日: 2025年10月2日

03-75_SaaS開発コストの相場は?費用内訳や削減方法まで詳しく解説SaaS開発では、機能設計や利用規模、開発手法によってコストが大きく変動します。予算を立てる際は、費用内訳や相場を正確に把握しておく必要があります。この記事では、SaaS開発にかかる費用の目安や手法別の特徴、さらに開発コストを抑える具体的な方法についてわかりやすく解説します。

SaaSとは

SaaS(Software as a Service)は、インターネット経由で必要な機能を利用できるサービス形態です。近年では多くの会社で導入が進み、業務効率化やコスト最適化を実現する手段として注目されています。ここでは、従来型の買い切りソフトとの違いやIaaS・PaaSの特徴について解説します。

従来型の買い切りソフトとの違い

SaaSは、インターネットを通じて必要な機能を使えるサービスで、従来型の買い切りソフトとは提供形態が大きく異なります。ソフト購入やインストールは不要で、ブラウザやアプリからすぐ利用可能です。

さらにデータはクラウド上で更新され、複数ユーザーが同時に最新情報を共有できます。利用状況に応じた柔軟な課金体系も、買い切りソフトとの違いとしてあり、多くの会社に選ばれています。

IaaS・PaaSとの違い

IaaS(Infrastructure as a Service)は、システム稼働に必要なサーバーやネットワークなどのインフラを提供し、PaaS(Platform as a Service)はアプリ開発向けのプラットフォームをまとめて提供します。

一方、SaaSは完成済みソフトをそのまま使う形態で、開発環境を意識せず導入可能です。いずれもネット経由で利用できますが、SaaSは一般ユーザー向け、IaaSやPaaSは開発者向けという違いがあります。

SaaSの開発手法ごとのコスト相場

SaaS開発では、目的やサービス規模に応じて最適な開発手法を選ぶ必要があります。ここでは、代表的な開発方法とそのコスト感について解説します。

フルスクラッチで開発する場合

フルスクラッチ開発とは、要件定義から設計・開発・テストまでをゼロから構築する方法です。独自仕様や高度な機能を実装しやすい反面、コストや期間は大きくなります。

初期費用は700〜1,500万円程度が目安で、最低限の機能で2〜5か月、複雑な場合は8〜10か月以上かかるケースもあります。

ノーコードツールを活用する場合

ノーコード開発とは、プログラミングを行わずにツール上でアプリやサービスを構築する方法です。開発スピードが速く、初期費用は250〜600万円程度となります。最低限の機能なら1〜2か月、複雑な機能でも3〜7か月ほどでリリース可能です。

ただし、高度な機能や大規模サービスには向かない場合もあるため、事前の要件整理が重要です。

SaaS開発後に発生するコストと維持費

SaaSは開発が完了した後も、継続的な運営や改善のためのコストが発生します。長期的なサービス提供を見据えて、必要な費用を把握しておくことが重要です。ここでは、開発後にかかるおもな費用項目について解説します。

アプリ運営に必要な費用

SaaSはリリース後も、安定したサービス提供のためにサーバー代やインフラ維持費などの運営コストが発生します。ユーザー数の増加に伴い必要なリソースも増えるため、費用は規模に応じて変動します。

小規模なら月1〜5万円程度で、10万人以上など大規模になると月10〜30万円になるケースも珍しくありません。開発前から将来的なユーザー数を想定した予算計画が重要です。

追加機能を開発する際の費用

SaaSは、競合との差別化やユーザー満足度向上のため、リリース後も追加機能の開発が必要になるケースが多くあります。小規模な改善であれば数十万円で収まりますが、新機能を追加する場合などは100万円以上かかることもあるでしょう。

市場変化やユーザーニーズに柔軟に対応するには、あらかじめ追加開発用の予算を確保しておくことが大切です。

新バージョンリリースにかかる費用

モバイル対応SaaSでは、iOSやAndroidの各ストアへの登録費用や、アプリ内課金の手数料も発生します。App Storeは年間15,000円、Google Playは初回登録料が3,800円ほど必要です。

さらに、アプリ内課金の15〜30%がプラットフォーム手数料として差し引かれるため、価格設定の際に利益率を意識した計算が欠かせません。ただし、自社業務でのみ利用するための開発であれば、これらのリリース費用は不要です。

カスタマーサポートに必要な人件費

SaaSを外部向けに提供する場合は、利用者からの問い合わせやトラブル対応など、カスタマーサポート体制の整備が欠かせません。ユーザー数が増えるほど対応業務も増加し、人件費も比例して上がる傾向があります。

サポート品質は解約率にも影響するため、早い段階で必要な人員と体制を計画しておくことが重要です。

既存ソフトをSaaS化する場合の開発コスト

既存ソフトをSaaS化する場合、アプローチによって費用や期間が大きく変わります。一般的には「リフト&シフト(最小限の移行)」と「モダナイゼーション(クラウド最適化)」の2つの方法があります。

リフト&シフトは、既存機能をそのままクラウド環境に移行する方法で、短期間かつ比較的低コストで導入可能です。一方、モダナイゼーションはマイクロサービスやコンテナなどを活用し、クラウド環境向けに最適化する手法で、初期費用は高額ですが長期的な運用効率に優れています。

両者を組み合わせれば、初期投資を抑えつつ段階的なSaaS化を進めることも可能です。

SaaSの開発コストを抑える方法

SaaS開発は、要件や実装する機能の範囲によって費用を抑えることも可能です。ここでは、補助金の活用や機能選定、開発手法の工夫など、コストを削減する具体的な方法について解説します。

補助金や助成金を有効活用する

SaaS開発では、国や自治体が提供する補助金や助成金を活用することで、大幅にコストを抑えられます。代表的な制度にはIT導入補助金やものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金などがあります。

申請条件や募集時期は制度によって異なるため、事前に公式情報を確認し、利用できる制度があれば積極的に活用してみましょう。

実装する機能を最小限に絞る

SaaS開発では、初期段階から全ての機能を盛り込むのではなく、必須機能に絞ることで開発コストを大幅に削減できます。まずはサービスの価値を提供するために最低限必要な機能だけを実装し、リリース後にフィードバックをもとに段階的に機能を追加する方法がおすすめです。

小規模なアプリならノーコードツールを検討する

シンプルなSaaSや小規模アプリの開発であれば、ノーコードツールを活用することで、コストと期間を大きく削減できます。プログラミング不要で開発できるため、IT人材が少ない会社でも導入しやすく、業務フローに沿ったアプリを自社で構築可能です。

ただし、複雑な機能を多く実装する場合は適さないため、要件に応じて判断する必要があります。

オフショア開発を活用する

開発コストを抑える手段として、ベトナムやフィリピンなど海外拠点に委託する「オフショア開発」が注目されています。近年はカントリーリスクを懸念し、中国から撤退してベトナムへ移行する会社が増えている状況です。

若手エンジニアが多く、技術力とコストのバランスに優れている点が強みといえるでしょう。ただし、時差や言葉の壁といった課題もあるため、実績のある開発会社を選ぶことが重要です。なお、オフショア開発はBPOなど単純作業の請負とは異なる点にも留意しましょう。

SaaS開発会社を選ぶ際に確認すべき5つの基準

SaaS開発を成功させるには、信頼できる開発会社を選ぶことが重要です。ここでは、選定時に確認すべき5つの基準について解説します。

過去の開発実績や導入事例が十分か

SaaS開発会社を選ぶ際は、過去の実績や導入事例を必ず確認しましょう。豊富な実績を持つ会社は、多様な業種や課題への対応経験があるため、開発成功率も高まります。特にUIやUXに強みを持つ事例があると、利用者満足度を重視した開発を期待できます。

ブログ・SNS・動画で有益な情報を発信しているか

ブログやSNS、動画などで最新技術や開発事例を発信している会社は、業界のトレンドを捉える力が高い傾向です。発信内容を確認することで、技術力や開発スタンスを把握できます。自社の理念や課題解決に近い視点を持つ会社を選ぶと、長期的な協力関係を築きやすくなります。

問い合わせ対応が丁寧で迅速か

初回の問い合わせ時の対応は、開発会社の信頼性を判断する重要なポイントです。丁寧で迅速な対応をする会社は、プロジェクト進行中のトラブルにも柔軟に対応してくれる可能性が高いと判断できます。特に要望の整理や課題共有がスムーズな会社を選ぶと、開発開始後の認識違いを減らせます。

開発後のサポート体制が整っているか

SaaS開発では、リリース後も不具合修正や機能追加が必要になるため、サポート体制の有無を必ず確認しましょう。定期的なアップデートやセキュリティ対応を含むプランを提供している会社であれば、長期的に安定したサービス運営が可能です。

自社の事業課題に合った最適な提案をしてくれるか

自社の課題を正しく理解し、ニーズに沿った最適な提案をしてくれるかは、開発会社選びで欠かせない視点です。単なる受託開発ではなく、課題解決を意識した提案がある会社であれば、将来的な成長戦略まで見据えた開発をサポートしてくれるでしょう。

まとめ

SaaS開発では、開発手法や機能範囲、運用体制などによってコストが大きく変動します。今回解説した内容を踏まえ、必要な機能を見極め、適切な開発手法や依頼先を選定することが成功の鍵です。開発後も運用費や追加機能、サポート体制などを含めた長期的なコストを意識し、計画的に進めましょう。

成功させるには、見積もり段階で自社に最適な開発会社を見極めることが不可欠です。そのためには、見積書に含まれる項目やコストの内訳を正しく理解し、複数社を比較しながら判断する視点が求められます。

押さえておきたい比較ポイントを解説した「システム開発 見積もりガイド」を活用すれば、無駄な出費やトラブルを防ぎ、最適なパートナー選定につなげられます。ぜひ資料を参考に、効率的で失敗しないSaaS開発を進めましょう。

>> Saas開発を進めるうえで知っておきたい|システム開発の見積もりガイド

本ガイドでは、複雑になりがちなシステム開発の見積もりの基本構造や比較のポイントをわかりやすく解説いたしました。

Sun Asteriskがこれまで手がけてきたプロジェクトを多数ご紹介しております。