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世界最大級物流施設『GLP ALFALINK』利用者向けアプリ開発支援

世界最大級物流施設『GLP ALFALINK』利用者向けアプリ開発支援
DevOpsアジャイル開発チーム提案型開発
業界: 物流・倉庫業界

開発支援事例:日本GLP 株式会社/株式会社モノフル

「創造連鎖」を生み出す
物流施設の価値創造型DX アプリ開発

2021年9月にオープンした世界最大規模の物流プロジェクト「GLP ALFALINK」。その施設の利用者向けアプリを日本GLP社、グループ会社のモノフル社とともに共創した事例をご紹介します。慢性的な人手不足が続く物流業界では、雇用の確保が業界全体の課題となっています。先進的な物流不動産の開発と管理・運用を行う同社は、これらの課題に対してデジタルを活用し効率化と価値創造を実現し、これまでにない地域に開かれた物流施設を創ろうとしています。


 

Summary

クライアントの課題

  • 施設と連携し、施設を利用しやすくするためのアプリ開発の知見がない
  • 施設の価値を高めるアプリ開発の知見がない
  • 自社に開発リソースがない
  • 施設のオープンと同時のリリースのためスケジュールを遅延できない
  • 連携する外部機器の選定やステークホルダーとの調整が必要

Sun*の課題に対する対応

  • 施設と連携したアプリ開発の知見のあるメンバーをアサイン
  • クライアントのアイデアを実現するための機能要件を提案発
  • 施要件定義から実装まで、合計で74人の開発体制で支援
  • スケジュール管理、リスク管理に注力しリスクややるべきことを可視化
  • ベンダーの選定から要件定義、リリースまでをクライアントともに伴走

リリース後の成果

  • 当初のスケジュール通りにアプリをリリース
  • 施設を利用する就業者の数を上回るダウンロード数を達成
  • アプリを通じ時間のロスを解消し業務効率を実現

 

GLP ALFALINK

世界最大規模の
物流プロジェクト

国内で物流不動産の開発と管理・運用を事業とする日本GLP社。世界的なeコマース企業をはじめ200社以上がGLPが保有する物流施設を利用しています。今般、日本GLP社の構想のもと生まれたALFALINKブランドは、現在までに相模原(神奈川)、流山(千葉)、茨木(大阪※2025年7月に全棟竣工予定)の3つの拠点で展開しており、総開発費は約4,000億円を超える世界最大規模の物流プロジェクトです。構想から5年の歳月を経て、2021年9月に相模原、流山の2大フラッグシップが竣工。

ブランドのコンセプトやネーミングを、ユニクロや楽天の企業ブランディングを手掛ける佐藤可士和氏が手掛け、コストセンターではなくプロフィットセンターとして「創造連鎖」をコンセプトとした施設は、日本の物流不動産マーケット、そして日本GLP社の事業を牽引していく拠点として注目されています。

 

物流施設の課題と目指すもの

従来のイメージを覆す
誇りの持てる職場へ

物流施設はこれまで3K職場(危険、暗い、きつい)というイメージを持たれていて、雇用が定着しにくい要因にもなっていました。GLP ALFALINKの設内には無人の草刈りロボットや無人バスが巡回し、リングと呼ばれる共用施設棟は明るく開放感のある空間となっており、まるで先進的なIT企業のオフィスに来たかのような印象を受けます。また地域にも貢献できる施設として、マルチコートや一部施設スペースは一般の方も利用できるようになっています。

このような快適さと先進性に注力するのは、入居する企業の従業員の満足度を上げ、仕事に対して誇りを持ち、ポジティブな活力が湧くことで、長く定着して働ける従業員を増やしていきたいという狙いが込められています。

 

アプリの役割

快適さと先進性を追求し
満足度向上を図る

本アプリは物流の就業者の方への福利厚生として、快適さと先進性を追求するとともに、長年170棟もの物流施設を開発・運営してきた同社が把握してきた物流施設の課題を解決していく機能が実装されています。

例えば、物流施設の職場は、時間管理がきちんとされています。ランチの時間はレストランが混み合い、券売機で券を買い、並んで待ち、混んでいる中テーブルを探し、食べるまでに時間が掛かります。限られた時間を有効に使い、快適に過ごして欲しいという思いから、本アプリにはレストランの事前オーダー、決済機能が実装されています。これによりランチにおける待ち時間や混雑が解消されました。

また、本アプリには顔認証入館機能が実装されています。物流施設は入館にあたり、名前と行き先を記帳するために、列になって並んでいることが少なくありません。記帳のために5分、10分といった時間がロスされてきましたが、顔認証入館機能が実装されたことで、待ち時間が解消されました。

その他、シャトルバスの運行情報もアプリで確認できるようになっています。このような先進性と快適さを兼ねた機能は、従業員の満足度を上げるうえで重要な役割を担っており、他の施設に対して差別化を図るものにもなっています。これまでの物流施設が抱えてきた課題を解決する役割と、これまでにない価値を生み出す役割が掛け合わされています。

開発の経緯とSun*を選んでいただいた理由

企画から伴走し
柔軟に対応してくれるパートナー

アプリの開発は、要件定義、開発実装の2つのプロジェクトに分けて進められました。開発会社やパッケージを販売している会社など、それぞれ複数社からパートナー選定が行われ、Sun*を選んでいただきました。

Sun*を選んでいただいた理由は、日本GLP社のグループ会社であるモノフル社がはじめてローンチしたサービス「トラック簿(バース管理システム)」の実績。アイデア段階から共に考え、作り上げていった実績を評価いただきました。

特に今回はSaaSサービスと異なり、券売機や顔認証などハードに紐付いたサービスで、社内には知見がなかったため、企画段階から伴走でき、予期せぬ出来事が発生しても柔軟に対応してくれるパートナーを必要とされていました。

要件定義は、「券売機に並ばずスムーズにオーダーしたい」といったご要望やアイデアから、それを実現するために必要な機能を議論することから始まりました。

 

Sun*からの提案とソリューション

課題管理、リスク管理で
スケジュール遅延を回避

Sun*からは、施設と連携したアプリ開発の知見のあるメンバーが中心となり、Business(企画・戦略)、Tech(技術)、Creative(デザイン)のエキスパートたちでチームを組み、それぞれの分野で「アプリを通じて施設を利用しやすくするには何が必要か」を追求し、施設の価値を高めることに向き合い続けました。

アプリ開発においては、遅延させないためのリソース確保と体制作り、そしてスケジュール管理と外部機器との連携が課題でした。Sun*からは、要件定義から開発実装までの過程で、日本拠点17名、ベトナム拠点57名、合計74名のメンバーが参画、大規模な体制で臨みました。

今回、施設のオープンと同時にアプリをリリースする予定でしたが、施設の工事や連携するハードの選定が同時並行で行われ、要件が確定しない中開発を進める必要がありました。それらの課題に対して遅延が発生しないようにスケジュール管理を重視。Sun*の専任PMが中心となり、プロジェクトの課題管理とリスク管理を行い「今何がどこでとまっているか」「どのようなリスクがあるか」といったことをプロジェクトメンバーに対して可視化できるようにしました。


「スケジュールとリスク管理を可視化していただいたことで、やるべきことの取捨選択がしやすくなり、大きなトラブルもなく予定通りオープンすることができました。」(モノフル内田氏写真右)

また、顔認証入館ではアプリに登録した顔写真をゲートの端末と連携させたり、アプリでメニューを注文すると、レストランの厨房から伝票が印刷される仕組みなど、外部機器との連携も課題でした。アプリの開発実装だけでなく、外部機器の選定や先方とのシステム連携の調整なども、Sun*が主導するかたちでスピーディに進めさせていただきました。

特に難易度の高かったのはレストランとの連携。オープン前に、券売機やプリンタなど現地に設置された実機での運用テストが十分にできないという課題がありました。事前に出来る限りのテストや準備をしても、オープンしてみないとわからないところがあります。レストランに来るお客様に迷惑がかからないよう、オープンから1〜2週間は、問題が発生してもすぐに対応できる体制を築き、結果的に大きなトラブルもなく公開することができました。

 

プロジェクトの成果

施設で働く従業員の数を
上回るダウンロード数

現在ALFALINKには、佐川急便、ヤマト運輸など大手物流企業をはじめ30社以上が入居し、1700人ほどの入居者が見込まれています。アプリは流山、相模原と拠点ごとにリリースされておりあわせて3400ダウンロードされています(2022年1月時点)。この数は施設で働く従業員の数を上回る数で、地域の方の利用も含まれています。


「スタート時点で3000人をこえる利用者がいることはアプリが評価されており、アプリを活用した新しいワークスタイルができつつあると感じています。」(日本GLP 稲富氏)

本施設には、フットサルなどができるマルチコートが用意されています。アプリには予約機能が実装されており、ALFALINKに働きに来るだけでなく、就業後の時間の過ごし方にも活用できるようになっています。マルチコートは、入居企業の「横のつながりが欲しい」という声から生まれたもので、施設のコンセプトでもある「創造連鎖」を自然なかたちで実現していくものとなっています。


施設内に用意されたマルチコートは就業者だけでなく地域の方も利用できるようになっている

また、お知らせ機能を実装したことで、これまで入居者にメールや直接訪問して案内していたものが不要になりました。メールでは見逃すことや、名刺をもらわないとメールアドレスがわからないといった課題がありましたが、アプリにしたことで漏れなく告知できるようになり、管理会社から業務効率の向上に繋がったとの評価をいただいております。

 

Client Voice

選ばれる施設にしていきたい

「リリース後は、社内からもワークスペースの予約機能やメッセージや掲示板などさまざまな意見やアイデアが集まり、夢が広がっています。今後はユーザーの属性にあわせた機能を開発していくことで、ユーザーの利便性を高め、より使いやすい、選ばれる施設にしていきたいと考えています。

日本GLPではハードとソフトを掛け合わせて物件の価値を高めていくことを大切にしています。地域に根付いた運営をしていくことで、地域から認められる施設になっていき、雇用もしやすくなる。その価値を認めてくれるテナントを増やしていき、ビジネスのサイクルを回しいていくことでALFALINKをブランド化していきたいと考えています。」(日本GLP 稲富氏)

2024年には大阪の施設のオープンを控え、永続的に改善をしていきたいというスタンスをお持ちです。今後も「創造連鎖」を生み出していくパートナーとして継続的な支援を行って参ります。