Sun*の内定式では、新卒デザイナーが中心となり、ノベルティとワークショップを制作するのが恒例となっています。
この記事では、内定者同士が交流しながら未来のビジョンを描くために、どんな仕掛けを用意したのか、実施したワークショップの制作プロセスをご紹介します。
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目次
概要
今年の内定式は、去年に引き続き「Challenge The Growth」をテーマに掲げて開催されました。Sun*でのキャリアが始まる前のこのタイミングで、内定者一人ひとりが“どんなふうに成長していきたいか”を考えるきっかけとなるよう、ワークショップを企画しました。
今回は、①先輩社員によるパネルディスカッション、②グループディスカッション、③個人ワークという3つのステップを通して、自分なりの「成長のかたち」や、それを支える価値観や意識を見つけていくことができる構成です。社会に出ることへの期待や不安が混ざり合うこの時期だからこそ、仲間との対話や先輩のリアルな経験に触れながら、“自分の言葉”で未来を描く時間となるよう設計しました。
ワークショップの目的
「Challenge The Growth」という内定式全体のテーマに込めた狙いは、以下の2点です。
- Sun*のCoreValueを訴求し、Sun*の一員となる自覚を高める
- 入社後の成長イメージを具体化させることで、入社に向けてのモチベーションを高める

また、今年のノベルティおよびキービジュアルには「WA!」というコンセプトを掲げて制作しました。「WA!」には、「会話のWA!」「驚きのWA!」「人の輪のWA!」「ワクワクのWA!」の4つの意味合いが込められています。ワークショップでは、その中から特に「会話のWA!」と「人の輪のWA!」を感じてもらえるように、先輩社員との対話や、内定者同士のつながりを意識できるアクティビティの設計を行いました。
こうしたコンセプトを踏まえて、Sun*での人とのつながりを感じながら、「入社後にさまざまなことへ挑戦していく自分の姿を描くきっかけ」を提供することが、今年のワークショップの目的です。

ワークショップの制作プロセス
昨年度からのアップデートと設計の方向性
昨年度の参加者からのアンケート結果を踏まえ、今年のワークショップでは以下の2点をアップデートの柱としました。
- 内定者が入社後の自分をより具体的に描ける構成にすること
- パネルディスカッション・グループワーク・個人ワークの3つのステップ間のつながりを強化すること
この2つの軸をもとに、内定者一人一人が入社後の自分を想像しやすくなるように設計を進めました。
アクティビティの検討と気づき

内部リハーサルの振り返り
入社後の自分をより具体的に描くために、当初は各職種の具体的な仕事内容をまとめたカードを使い、入社後の仕事をよりリアルにイメージできるようなワークを取り入れました。しかし、人事の新卒内定チームや他のデザイナーを交えた検証の中で、学生の立場では実務のイメージが湧きづらく、専門的な情報を一方的に受け取るだけになってしまうという課題が見えてきました。
また、ワークショップ全体の流れについて、3つのステップに関連性を持たせた設計をしていたものの、パネルディスカッションで取ったメモが次のワークで活かしきれていない、作業の意味が感じづらいというフィードバックがありました。
これらを受けて、
- 内定者にはスキル・仕事内容ではなく、意識やスタンスにフォーカスして考えてもらうこと
- すべてのワークを通して「成長」を共通のキーワードとすること
という2つの意図を軸に修正を行い、各ステップが自然につながりながら、自分ごととして「入社後の自分」を描ける構成へとアップデートしていきました。
ワークショップの完成
リハーサルを2回、3回と重ねる中で、人事の新卒内定チームやデザイナーのメンバーから都度フィードバックを受け、ワークショップ全体の流れをブラッシュアップしていきました。その結果、パネルディスカッションから個人ワークまで一枚のワークシート上で完結し、内定者同士や先輩社員との対話を軸に、自分自身の成長イメージを描いていくという、当初掲げていたワークショップの目的に合致する形式へと落とし込むことができました。

制作物
グループ・個人ワークシート
「WA!」に込めた想いを、ワーク全体を通じてより体感してもらえるように、ワークシートにもKVのデザインを反映し、視覚的にもそのメッセージに触れられるように工夫しました。

グループワークシート

個人ワークシート
ステッカー
A5サイズのステッカーシートにモチーフを並べたものを4色展開で作成しました。大きいモチーフはパーツごと切り離せるようになっているので、自由に組み合わせて自分だけの「WA!」を作ることができます。

メッセージカード
名刺サイズのカードに、キービジュアルのモチーフの一部をそれぞれ四角に配置しました。みんなでカードの四角を合わせると、キービジュアルを再現することができます。中央のスペースには、入社後の自分へのメッセージを書いていただきました。

当日の様子
内定式の当日は、以下のスケジュールでワークショップを実施しました。
- アイスブレイク(15分)
- 先輩社員によるパネルディスカッション(40分)
- 先輩社員の話についてグループディスカッション(20分)
- これまでの自分自身の経験を振り返る個人ワーク(40分)
- 入社時の自分へのメッセージカードを作成(10分)
アイスブレイク
今年のアイスブレイクは「共通点探しゲーム」を実施しました。各チームで自由にお題を出し合い、全員に共通する項目を見つけていくシンプルなゲームです。たとえば「血液型」などのテーマで全員がA型なら共通点発見となり、最後はその内容にちなんだチーム名も決めました。
ワーク前のラフな交流を通して、グループ内で会話が生まれる土台をつくることができ、この後のディスカッションもよりスムーズに進められる雰囲気になったのではないかと思います。

アイスブレイクの様子
パネルディスカッション
パネルディスカッションでは、プロジェクトマネージャー・デザイナー・エンジニア・TPFといった異なる職種から、若手社員4名が登壇しました。ディスカッションのテーマは以下の4つです。
- 入社までの期間に取り組んでいたこと
- 入社後、やる気を持って取り組んだ仕事
- 苦しかったことと、その乗り越え方
- 今後チャレンジしていきたいこと
それぞれのテーマについて、ファシリテーターとの対話形式で話すことで、先輩社員のリアルな声を、リラックスした雰囲気の中で届けることができました。
内定者の皆さんはメモをとりながら聞いてくれていて、入社後の成長のイメージを膨らませるヒントとして、それぞれの体験を受け取る時間となったのではないでしょうか。

パネルディスカッションでの登壇者の様子
グループディスカッション
パネルディスカッションの後は、グループ内で各自が書いたメモを持ち寄り、共有・整理するグループディスカッションを行いました。内定者が記録したメモには、先輩社員の言葉だけでなく、それに対して感じたことや気づきなども含まれており、多様な視点が集まりました。模造紙にまとめる際には、内容をグルーピングした上で細分化して分析するなど、各グループで工夫が見られ、積極的な対話を通してより深い理解が育まれている様子が印象的でした。

グループディスカッションでの様子
個人ワーク
ここからは、先輩社員の話から自分自身へと視点を移し、これまでの経験の中で自分が成長できたと感じた瞬間を振り返る個人ワークです。結果が伴った経験だけでなく、思うようにいかなかったけれど努力を重ねた場面や、そこにどんな意識で臨んでいたかなど、自分にとっての「成長とは何か」を考えてもらいます。考えた内容を自分の色の付箋に記入し、グループメンバー同士で紹介し合いました。その後は、先輩社員の成長エピソードをまとめた模造紙の上に自分の付箋を重ねて、共通点や違いを見比べながらさらにディスカッション。それらを踏まえて、入社後に向けて意識したいことを個人ワークシートに整理して記入してもらいました。
直近の学業だけでなく、高校生や中学生の頃までさかのぼって振り返る方も多く、性格や価値観に基づいた“自分らしい成長のかたち”を言語化する姿が印象的でした。また、自分を見つめ直すだけでなく、メンバーそれぞれのこれまでの歩みを知る機会にもなり、グループ内での相互理解や対話が生まれたのではないかと感じます。

内定者同士で自分のこれまでの経験を紹介し合う様子
目標カード制作
これまでのワークショップを通して得た気づきや想いをもとに、入社後の自分に向けたメッセージや意気込みを「目標カード」に記入してもらいました。
また、カードの裏面には、キービジュアルのコンセプトである「WA!」をモチーフにしたステッカーを使って、内定式で感じたことを表現するアクティビティも実施しました。ステッカーの使い方や配置、色の組み合わせなど、それぞれの個性が感じられる仕上がりになりました。

最後に、この目標カードをノベルティのカードケースに入れて、今回のワークショップは終了です。4月の入社式で改めて見返すことで、内定式で考えた自分の想いや目標を思い出し、これからの一歩を踏み出すきっかけにしてもらえたらと考えています。

制作したカードをパスケースに入れる様子
まとめ
内定式終了後、内定者の皆さんにはワークショップについてアンケートに回答していただきました。「満足度」「理解度」「難易度」「参加者同士の交流」の4つの指標で評価をお願いしたところ、高い満足度・理解度が得られ、適切な難易度で十分な意見交換ができたという結果になりました。

印象に残ったコンテンツについての質問では、パネルディスカッションを挙げる声が多く見られました。さまざまな職種の先輩社員からリアルな経験を聞けたこと、またその内容をメモして次のワークに活かす流れがあったことで、より楽しんで取り組めたという意見がありました。また、先輩たちの話から会社の雰囲気が伝わり、入社が楽しみになったという感想も寄せられています。
個人ワークについても、グループメンバーと自分の成長エピソードを共有することで、相手の価値観を知ることができ、自分自身の振り返りにもなったという意見がありました。グループでの対話を通して、お互いの未来像を描くきっかけにもつながったようです。
一方で、チーム外の人と交流する機会が少なかったという声もありました。当日は時間の都合上、他チームと話す時間を確保することが難しかったため、来年度以降は内定式全体の時間配分を見直し、他職種の内定者同士が交流できる時間を設けるなどの工夫も検討していけたらと感じました。今後も、新卒のデザイナーを中心としたチームで引き継ぎながら、内定者の満足度をより高められるワークショップを実現していきたいと思います。