Sun*のPrincipal Director(通称PD)は、クライアントの事業成長を牽引するためのプロダクト開発や、デジタルを活用した事業開発の企画・提案・受注とアカウントマネジメントといった、多彩な業務を担っています。今回は、そんなPDのDivision Managerを務める松本健次さんへインタビューしました。カオスな環境にあっても、クライアントの課題解決と組織成長へ前向きに挑戦する姿と、Sun*で描く未来について深掘りしていきます。
目次
大手SIerの看板を外して挑戦したキャリア
新卒では野村総合研究所(NRI)に入社しました。企業をITの力で支えることに興味を持ち、特に日本のリーディングカンパニーと呼ばれる企業との接点が持てる点に惹かれたんです。大手証券会社向けの大規模プロジェクトマネジメントや、顧客支援を主に経験しました。その他、通常業務以外に、海外トレーニング制度でインドに短期滞在したり、新卒採用の支援、コミュニケーションサポーターとして本部全体の活性化を目的とした委員会の立ち上げ、数百名規模のイベントを企画したりなど、幅広い業務を経験させてもらいました。
丸9年在籍する頃には、自分のポジショニングやキャリアパスが大体見えてきました。もちろん突き詰める道もあったのですが、会社の看板を外して力を試したいという思いが強くなり、当時のリクルートテクノロジーズへ転職しました。ここでは人材系サービスやポイントサービスの事業検討やPMを経験しています。
その後、スタートアップ企業への転職を選択しました。前職である製造業向けスタートアップにはシリーズAからBになるタイミングで入社し、組織の規模が100人から600人程度になるフェーズまで約2年間在籍しました。ディレクターとしてのアカウントマネジメントを主軸に、組織マネジメント、オペレーションチームの立ち上げに始まり、後半は今の主事業であるSaaS事業の立ち上げ企画や、カスタマーサクセスチームのマネジメントなど、幅広い役割を担いました。会社の急成長フェーズを非常に濃密に過ごせたと思います。
日本の成長に必要なインフラとして貢献できる環境に惹かれ、Sun*へ

前職からの転職を考えた際、過去に在籍していた企業へ戻るか、ベンチャーやコンサルに行くか、など複数の選択肢を検討しました。その中でSun*に決めたのは、いくつかの理由があります。
まず一つは、自身の理念との重なりです。新卒当時「日本の成長をITで支えたい」という想いでキャリアをスタートしましたが、十数年が経ち、社会インフラとしてのITシステムは一定成熟してきました。一方で、これからの日本のGDPや事業成長という文脈で考えると、スタートアップ支援や新規事業創出といった分野でのインフラの存在が重要だと感じました。Sun*のビジョンやミッションを見たときに、そうした支援をインフラとして担うことができると感じ、強く共感しました。
もう1つの大きな理由は、当時Sun*が創業10年目くらいで、上場企業という経営の安定性はありながら、かなりカオスな状態だと感じたことです。このカオスな環境に自分が入ることで、事業や環境を整えたり、事業成長させたりすることに貢献できると考えました。また、当時は30代半ばでもあったので、会社の成長に貢献しながら、次にやりたいことができた時に、Sun*にいれば自由度高く色々なことができそうだ、と感じていました。Sun*にはBTC(Business、Technology、Creative)のスペシャリストが揃っていて、そのスペシャリストとコラボレーションしながら、新しい私自身のチャレンジを実現できるのではないか、という期待があるからです。つまり、短期的に今の状況に貢献できそうな点と、中長期的な可能性、両面が揃っていたのがSun*でした。
「同じ案件がほとんど無い」多様な課題と向き合いソリューションを形にする仕事
入社後はプロジェクトマネージャーからビジネスデザイナー寄りの仕事になり、その後リード獲得やアライアンス推進なども兼務して、現在の役割へと異動してきました。比較的セールスに近い部分や、大型のシステム開発案件をお客様と一緒に立ち上げていくことを軸に携わっていて、プレイングマネージャーとして今に至ります。
現在のPrincipal Director(PD)は、お客様と一緒に新規事業を立ち上げ、プロジェクトを実現することはもちろん、周囲とSun*との縁を紡いで、案件を獲得するためにソリューションを磨き上げていく役割を担っています。そういう意味で、「Sun*の事業開発」とも言えます。
IT・DXに関わる新規事業や新規プロダクト開発を主軸に、業務改善系のDXプロジェクトも扱います。お客様の業界も案件の規模もバリエーションが広く、お客様の課題に対してSun*の強みを掛け算して、より質の高い解決策を提案・実現していくのが私たちSun*のスタイルです。たとえば業務改善系のDXにおいて、単なる効率化だけではなく「ユーザー体験を重視した業務設計」を提案できるのがSun*のユニークな点だと考えています。
仕事をする上で、同じような案件はほとんどないと感じています。過去に在籍していた企業では、似たような案件や同じクライアントの仕事が多かったのですが、Sun*では、お客様の規模、やりたいテーマ、社内チームの組み合わせなど、すべてにおいて本当に自由度が高いんです。だからこそ、マンネリ化することなく、常に新しい課題に挑戦できていると思います。
それが実現できる背景には、社内の多様なスペシャリストの存在があります。BTC(Business、Technology、Creative)それぞれに優秀な人材がいて、「人」を組み合わせることで、難易度の高い案件も実現できる。難易度の高い案件に対するソリューション提案は、BTCというSun*の強みが発揮される環境があるからこそできることだと感じます。
Sun*のカスタマーサクセスを担う役割として、介在価値を重視

私自身は、難しい案件であっても本当に提案ができないか、成功させることが可能なのではないか、ということを意識しています。Sun*であれば、様々なケイパビリティを組み合わせることで、どんな案件でも実現できると信じているので。Can do志向で「難しい案件をみんなで乗り越えるために工夫していこう」という考え方でいます。
ネガティブに聞こえるかもしれませんが、時には失敗することがあっても仕方ないと思っています。一般的なSIerとは違い、Sun*には自由奔放なテーマのご相談が来ます。経験のないことに失敗しやすいのは当然で、「この辺は難しいよね。だけど、みんなで頑張れば乗り切れるよね」というスタンスでありたいと思っています。
マネージャーとしては、「マネジメントのためのマネジメントはしたくない」という考えがあります。組織的に把握しなければいけない部分はみんなに協力してもらいますが、全員を信じ、個々人の意思や裁量に任せながら、ポイントを押さえるにはどうしたらいいかを日々考えています。日々の業務レポートも最低限に抑え、メンバーが各自の時間を確保することを重視しています。とは言え、全員が何でもできるわけではないので、メンバーの習熟度合いや、対応する案件の難易度を見据えながら、適切に関与するようにしています。
その上で、メンバーのみんなには介在価値を強く意識してほしい、と伝えています。PDは重要なポジションだからこそ、「介在価値がないかもしれない」と思うようなことは避けてほしい。逆に言えば、介在価値を出せない案件であればしっかり楽をしてほしいし、介在価値を出すべき案件については、ちゃんと出し続けてほしい。
具体的に言うと、他部署にアカウントコントロールまで任せられる人がいるのであれば、一定の約束をした上で任せても良いと考えています。一方で、私自身がアカウントマネージャーとしてしっかり関与して、成功に導いていく必要があるプロジェクトもあります。新規提案の獲得はもちろんですが、その後のプロジェクトをスムーズに進める、課題を解決する、必要に応じてアップセル・クロスセルを提案する、といった「Sun*のカスタマーサクセス」としての意識を持ってもらいたい、と伝えています。
Sun*のPrincipal Directorとして活躍する人材とは?
柔軟性があって、「過去と同じようなことがあまりない」という状況を楽しんでくれる人ですかね。その上で、難しい課題を前に進めるために、人ともちゃんと向き合っていきたいと思う方は活躍していただけると思います。Sun*のクライアント責任者として社内外問わずコミュニケーションを取ることになるので、そうした環境を楽しんで、アカウントマネジメントに役割意識を持って関わる、そこにやりがいを持てる人だったらいいですね。
また、最初は難しいかもしれませんが、Sun*のメンバーやプロジェクトの特性が分かってくると、メンバーとお客様とのコラボレーションによってプロジェクトの方向性が作られていくことがあるんです。そこから得られる気づきや学びを楽しめる方には、なお適していると思います。様々なプロジェクトがどんどん増えているという環境において、各プロジェクトの要素を取り入れたり、キャッチアップしながら自分の知見にできるような人は、Sun*の環境を最大限に活かせるのではないでしょうか。
社内では自分からコミュニケーションを取れば、色々なバックグラウンドの人と会話ができ、何百人というメンバーと繋がることができます。時にはそれが、プロジェクトや提案など、頭に汗をかきながら考える場面で役立ちます。BTCだけではなく、ベトナムにもたくさんのスペシャリストがいて、これだけコミュニケーションが取りやすい、本当に風通しの良い環境というのは、他の会社ではなかなか経験できないものだと思っています。私自身、Sun*に入ってからすごく幅が広がったと感じていますし、提案の中で問題が起きても、「こうすれば解決できるんじゃないか?」とポジティブに捉えて突破する力を、今まで以上に発揮できるようになっていると思います。
カオスを乗り越えて、より強く、より面白い未来へ

Sun*はスタートアップ向けのプロダクト開発支援から始まり、タレントプラットフォーム事業での人材支援、大手企業の新規事業立ち上げ、さらに新規事業に限らないミッションクリティカルな事業やシステムのプロジェクトと、関わる案件を広げてきました。
難易度の高いプロジェクトに立ち向かおうとすると、今までのケイパビリティや仕組みだけでは乗り越えきれない場面があります。この変化はSun*における新規事業のようなものだと捉えていて、新しいチャレンジをしている最中なので当然、試練は起きるものだと考えています。
だからこそ、Sun*の新規事業を実現するために足りないもの、ミッシングピースを探して、しっかりと対応できるようにしていくことが必要だと思います。ここを乗り越えてこそ、次のフェーズにつながっていきます。
ビジョン(「価値創造に夢中になれる世界」)やミッション(「本気で課題に挑む人たちと、事業を通して社会にポジティブなアップデートを仕掛けていくこと」)は全くブレていません。新規事業支援に限らず、「人間の本来持っているクリエイティビティをもっと集中して発揮できるようにする」のがSun*だと捉えています。たとえば、大手企業で既存サービスのアップデートが必要になった際、元々いたベンダーでは実現できなかったことを、Sun*が強みを活かして実現したケースなども、価値創造した結果です。
難易度の高いプロジェクトに取り組むことは、ベトナムチーム含め、全メンバーの成長につながります。たとえば、新人のプロジェクトマネージャーが優秀なベトナムチームとプロジェクトを進めることで、多くの学びを得ることができます。開発の進め方やポイントを経験した上で理解して、スタートアップ支援や新規事業支援に携わった方が格好良いし、キャリアとして価値も高いはず。
レベルの高いサービス開発・システム開発を当たり前にできる人たちが、アジャイルでスピード感をもって開発する。しかも、組織的に、1,000人以上の規模のベトナムチームと共にそれができる。これが実現できると、非常にユニークで、強力な強みになり、Sun*の未来の価値につながると考えています。
日々関わるプロジェクトでは、時に大変で、困難な状況に陥ることもあります。でも、すべての仕事を、関わったメンバーが最終的に笑って、「やってよかった」と思えるようにしたい。創業したてのスタートアップのように、背伸びした無茶な案件を取ってきて、みんなでキツイ思いをしながら乗り越える、それもまたいいんだと思っています。ただ、難しい局面に当たった時に、誰か一人だけがつらい思いをするのではなく、「みんなで何とかしよう」というスタンスで、当たり前に進行できる仕組みや組織を作りたい。個人にとっても組織にとっても、成長のためには、難しい案件は避けて通れません。その「難しい挑戦」と「全員が笑顔でやり遂げる組織」を両立させたいと思っています。
松本 健次 / Kenji Matsumoto
株式会社Sun Asterisk Principal Director
株式会社GROWGRIT 代表取締役
2009年に慶應義塾大学理工学部を卒業し、株式会社野村総合研究所に新卒入社。大手証券会社向けのプロジェクトマネジメントや顧客業務支援に従事する中で、システム統合・移管に伴う大規模プロジェクトの統括リーダー等を担当。その後、株式会社リクルートにてプロジェクトマネジメント、キャディ株式会社にてディレクターや事業開発・組織マネジメントに従事。2022年11月、株式会社Sun Asteriskに入社。大手企業の新規事業立ち上げの支援やシステム刷新計画策定支援プロジェクトを担当した後に、アカウントマネジメント部門に異動。2025年1月に同部門のDivision Managerに就任。
同年4月に立ち上げたJVである株式会社GROWGRITの代表取締役に就任。