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プロダクトマネージャーから人材エージェントへ、解像度を高める支援へのこだわりとは

更新日: 2025年5月20日

プロダクトマネージャーから人材エージェントへ、解像度を高める支援へのこだわりとは

Sun*では、プロダクト開発や新規事業開発を支援することに加え、人材採用・体制構築の面からクライアント企業の成功に伴走しています。今回は、IoTプロダクトマネージャーと社会人ランナーの両立からIT領域の人材エージェントへキャリアチェンジした経歴を持つHRコンサルタント・橘さんへのインタビュー。自身のプロダクト開発の失敗体験から、ビジネスとキャリアの解像度を高める支援への想いを聞きました。

エンジニア×ランナーの両立から、スタートアップ支援へ

大学では工学部で金属製品の研究開発に携わっていまして、新卒で完成車メーカーに入社しました。エンジンの生産技術というメカ系の仕事をしながら、社会人ランナーとしても活動して、そこから約10年間・2社で、エンジニアリングとスポーツ選手の二足のわらじを履いていました。

引退後は、スポーツと開発の両方をやりたいと考えて、スポーツデバイス開発のスタートアップにプロダクトマネージャーとして転職しました。3人のチームで0からプロダクトを立ち上げたのですが、1人はCTO経験者、もう1人は有名ITベンチャーでIoT開発をしていた優秀なエンジニアという、恵まれた環境でした。僕はランニング経験を活かして企画を担当していまして、どういう価値を出すか、今で言うロードマップの部分、PoCやPMFの検証、UI/UX設計、ユーザーテスト、プリセールス的な活動など、幅広い業務を担当しました。

プロダクトは使えるものになったのですが、事業としては伸び悩み、残念ながらチームは解散しました。プロダクトの価値を出すことは考えていたけれど、ビジネスを知らなさ過ぎたんです。コスト、売値、どうやって伸ばして事業として成立させるのか、という部分を考えられていなかった。分からないまま打ち手を持てなかったことが、本当に悔しかったです。

そこから次の仕事を考えた時に、自分が開発者としてできなかった分、プロダクトを開発する人たち=企業とそこで働く人を支援したいと考えて、スタートアップ支援に特化した人材会社へ転職しました。約5年間、両面型エージェントとしてCxOからエンジニアまで幅広いポジションの支援に関わる中で、僕自身のバックグラウンドから、やっぱりプロダクト開発に関わる求職者の方への想いがあり、力を入れていました。

意識していたことは、「ビジネス理解」と、「仕事の解像度を上げる」ことです。前職の経験からビジネスを理解したい気持ちが強かったこともありますし、プロダクトマネージャーを経験していたので、ユーザーを限りなく想像して、解像度を高めることが重要だと考えていました。

一方で、自分はビジネスサイドの経験が弱く、言語化や喋ること自体にどうしても苦手意識がありました。求職者の方にかみ砕いて伝えることに苦労したので、社内でCxOをインタビューするメディア運営に手を挙げて、機会を得ることができました。1対1のインタビューで深掘りして、まとめて、アウトプットする、ということを繰り返すうちに、事業やそこにいる人の解像度はエージェントの中でも高くなりましたし、伝えることもできるようになったと思います。

「支援の手段を限定しない」環境を求めてSun*へ

 

転職のきっかけは働き方を変えたいと思ったことですが、中でも「Sun*であれば、企業に色々な価値を提供できる」という点に惹かれました。

前職では人材の紹介を通して価値提供していたのですが、開発サイドに向き合えば向き合うほど、彼らの困っていることに対する解決策は、エージェントとしての人材紹介だけではないと感じていました。採用するにしても、エージェントは1つの手段であって、自社で提供できる価値に限界がある。Sun*は、採用支援としてHands On(RPOサービス)もあるし、開発支援を行っている会社なので、そこも含めて企業へ価値提供ができます。人を採用するのはコストも時間もかかるので、「今、すごく困っています」という時に、他の手段でも支援ができることに強く魅力を感じました。

加えて、オファー前後でチームの皆とご飯を食べに行くなど接点を持たせていただき、個々人が自走している風土、人当たりの良さ、お互いの考えを尊重するカルチャーにも共感して、入社を決めました。

入社後に感じることとしては、自分の意思次第で色々なことができる点にとても魅力を感じています。例えば困ったことがあった時に、「じゃあ、ちょっと会話して一緒にやりましょう」という感じで、ライトに壁打ちしながら課題解決に向かえるというのは、とても良いところだと思っています。

「自分が同じ立場だったら」を大切に、寄り添う支援を

一貫して大切にしているのは「自分が同じ立場だったらどうか」という視点で考えることです。エージェント業は企業支援の目線に寄ると、必ずしもその方にとってベターな選択肢でなくても勧める、ということが起こり得ると思うんです。自分としては、できるだけフラットな目線で「自分が求職者の立場だったらどう考えるか」という視点で伝えることを大切にしています。

前提として、個人の方に対しても解像度高く理解をして、どういう環境であれば活躍できるか、ということを常に考えていますね。加えて、職務経歴書や会話の深堀りを通じて見えてくる、その方の強みや良いところを言葉で伝えるようにしています。これまで1000名以上にお会いしてきた中で、比較して見えてくるその方の良さがあります。転職活動は疲れるものだと思うんですけど、その方がポジティブになれるように支援したいと思っています。

「相手をポジティブにしたい」という考えは企業に対しても同じで、その会社にとって何がプラスか、ということを考えて行動しています。以前ご支援させていただいたIT企業の採用担当の方が、知見のないハードウェアのプロダクトマネージャーの求人募集を出す際にお困りだったことがありました。僕の知人でその職種経験を持つ人を紹介して繋いだことで、仕事理解やターゲット理解から採用の要件定義ができ、最終的に採用成功したことがありました。直接的な売上には繋がらないですが、ただ人材や求人を紹介するだけじゃなくて、何かいいこと、何かプラスになることができないかな、と思って行動しています。

情報が溢れる今だからこそ、一人では得られない気づきや価値を提供したい

採用市場は昔と比べるとすごくハックされてきています。少し前はFindyもForkwellもなくて、企業側も全部の手法を網羅しているわけではなかった。今はビズリーチのようなスカウト媒体もそうだし、エージェントとの付き合い方もそうだし、色々な手法を使い倒していると思います。そこで自分が支援しようと思ったら、Sun*らしい付加価値を出したいし、自分自身が行動する意味があると考えています。それは、コミュニティ運営かもしれないし、エージェントではない採用支援、ダイレクトリクルーティングや、採用広報かもしれません。

個人の方に対して言うと、エンジニアって全職種の中でも転職リテラシーが高い人達だと思うんです。XのようなSNSも見ているし、企業のホームページや、最近はAIで情報収集をされている人も多いと思います。一方で、すごく良いサービスであったり良い人がいる会社でも、Web上で発信していない部分は分からない。気づかないところで、本当は合うかもしれないチームがそこにあることや、個人では収集できない情報からレコメンドができると思うので、そこをお手伝いしたいと思っています。

自分はもともと、プロダクトを作る側、そしてビジネス面も含めると、スタートアップでうまくいかなかった経験があります。現場の葛藤や悩みも理解できるので、経歴をお伝えすると「安心感がある」と言っていただくことは多いです。転職を考える時は何かしらうまくいってないことが多いと思うのですが、安心して相談していただきたいですし、一人ではできない部分をお手伝いしたいと考えています。


橘 明徳/ HR Catalyst

大学卒業後、日系大手自動車メーカーでエンジニアとして従事。その後、40名規模のIoTスタートアップに新規プロダクト開発チームの3人目として入社、プロダクトマネージャーとしてMVP開発などに従事。その後、スタートアップ採用支援企業にて、アーリーフェーズからIPO前後の企業を中心に、エンジニアやBizdev職等の採用支援に従事後、Sun*へ入社。