Sun*はプロダクト開発やDX支援を通して社会のアップデートに取り組んでおり、その1つとして企業の人材採用も支援しています。今回は、海外の優秀なIT人材採用支援サービス「xseeds Hub(エクシーズ ハブ)」の1人目セールスとして入社し、事業拡大を牽引してきたUnit Managerの廣野さんに、グローバル人材採用のリアルと、採用支援への想いを伺いました。
目次
「世の中を変えていくことに関わりたい」採用支援を通じた価値発揮への想い
大学では動物のバイオテクノロジーを専攻していました。卒業論文で最優秀賞をいただき大学院推薦の話もあったのですが、顕微鏡下の研究ではなく、もっと世の中を変えていくことに関わりたいと就職を考えました。人材・コンサル・経営といった軸で就職先を探す中で、最終的にエンジニアに特化したヘッドハンティングを行う人材サービス会社に就職しました。
入社から7年、全国を飛び回りながら、自動車業界を中心に大手メーカーに対するハイレイヤー採用の支援をしました。入社時はちょうどリーマンショックの真っただ中でしたが、水面下ではハイブリッド自動車などの開発に必要なパワエレ技術を持つエンジニアの採用ニーズが活発でした。理系出身を活かして技術論文を読み込み、現場を深く理解しながら最適な人材へアプローチして紹介する、といったことをしていましたね。
そこから結婚を機に、従来のエンジニア採用支援という経験値に加えて、グローバル採用の経験値を持つことで将来の武器にしたいと考え、海外理系エンジニアの採用支援を行うベンチャー企業へ転職しました。転職した会社は「機電系」という言葉を最初に作ったパイオニアで、グローバル理系人材採用の先駆的な企業でした。約1年後にはM&Aで買収され、そこからネオキャリアの海外事業部で、理系人材の採用支援強化・事業の立ち上げを担当しました。機械、電気、ITといった領域で、中国、韓国、台湾、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどアジア各国から日本へのグローバル採用支援を行いました。コロナ禍に見舞われ、残念ながら事業部は撤退を判断。ベトナム現地法人への転籍という打診もいただきましたが、縁あってSun*と出会い、今に至ります。
日本が好きだからこそ、目の前の社会課題と向き合いたい
現職との出会いは、Sun*に所属するキャリアコンサルタントからのスカウトでした。最初は気づかなかったのですが、社名変更前の「株式会社Framgia」は前職でよく知っていました。当時から、日本におけるベトナムのITトップ層の新卒採用は全てFramgiaが握っていると有名で、圧倒的な存在でした。採用に関わる方は分かると思うのですが、採用支援でも人事でも、候補者集客は一番の課題でアキレス腱になり得ます。その点、JICAの後継事業としてその国のトップクラス大学でIT人材を育て、就職のプラットフォームにもなっているSun*は、非常に強いと考えました。
2020年にSun*へ転職した時、まだサービス専属の営業組織はなく、私が1人目の営業担当でした。そこからコロナ流行が徐々に収束し、政府方針で外国籍採用を推進する動きも後押しとなり、4年間で大きく事業を拡大してきました。
当初のお客様はスタートアップやベンチャーが大半でしたね。Sun*が強みとしている開発支援の領域で、Sun*のベトナム社員の優秀さに気づいたお客様が、「自社でも採用したい」という流れで利用されるケースが多かったんです。しかし、ここ数年でエンタープライズ企業のお客様が一気に増え、今では半々より少し多い程度になりました。Sun*全体で顧客層が広がってきたこともありますが、大手企業にもxseeds Hubの利用を広げたいと営業に取り組んできた中で、提供価値を感じていただけたのだと考えています。
私はもともと海外が好きなわけではなく、日本がとても好きです。日本のサービスや、考え方、立ち居振る舞いなど、全てを含めて本当に素晴らしい国だと思っています。日本が大好きだからこそ、少子高齢化やGDP低下といった社会課題に直面して、大手も含めて企業が変わっていく必要があると感じています。世界に通用する日本企業になり、ひいては日本の経済状況が好転し、日本が世界に通用する国になる。そのために、海外のトップ層の人材を日本企業に招き入れ、企業自体が変化してほしいという想いがあります。事業を通じて日本企業の体質や本質がより世界に通用するようにご支援したいと心から思いますし、それができる事業だと強く感じています。
その国でトップクラスの優秀な人材を受け入れることで、組織が変化していく
xseeds Hubの価値は、やはり「日本国内では採用できないレベルの人材が確実に採用できる」という点にあると思います。
ある大手SIer企業様の事例では、元々、製造業のDX推進やAI活用などを多く手掛けていて、国内新卒の約半数を旧帝大から採用するような高い技術力を持っています。その中で、xseeds Hubでご紹介する学生の技術レベルは、新卒同期のトップ5に入る程度だそうです。さらに、技術力の高さ・意欲・取り組み姿勢の面でも新入社員を引っ張る存在になっているそうで、日本人の新卒社員が感化されて、組織内のマインドが変わりつつあると伺っています。社内のダイバーシティやインクルージョンという側面でも、考え方や価値観が良い意味で変わっていく、という話は他のお客様からも伺います。xseeds Hubの導入は、単純に優秀な人材が採用できるだけでなく、社内が良い意味でが変わるきっかけになると考えています。だからこそ、私はお客様に「絶対にxseeds Hubを活用した方が良い」とお伝えしています。
学生の優秀さについてもう少しお伝えすると、日本の大学進学率は約60%ほどですが、ベトナムではまだ約30%。xseedsはさらにトップクラスの大学で授業を提供しています。地方では「神童」と呼ばれるような学生が集まっていて、現地においては就職に全く困らないレベル、行こうと思えばどこへでも行けるような優秀層です。
特に、東南アジアの国々、ベトナムやインドネシア、マレーシア、ブラジルなどもそうかもしれませんが、貧困の格差も大きい一方で、国の成長が著しく発展しています。これは、日本の高度経済成長期にとても似ていると感じますし、アグレッシブな経済成長の中にいる人達が、自分の知識や技術を活かして活躍するために環境を切り拓いていくパワーは凄まじいものがあります。多言語を操り、技術力も習得しているのだから、それは優秀ですよね。
選考会では通訳も挟みますが、大学時代に学んだ技術や何をしたいか、という話に加えて、日本人学生にはない、入社後の人生観やキャリア観まで具体的に話してくれます。学んできた技術と本人の将来ビジョンを、会社のこれからやビジョンと重ねて考え、伝えてくれます。結果的に、企業側は、誰を採用するか最後まで迷う状態になることが多くあり、最終的に当初計画から採用枠を増やして内定を出す企業もあります。
あるCTOの方が仰っていましたが、技術力やプログラミング、開発の感覚は、ある意味センスに近いものがあるそうです。訓練して一定のところまでは伸びるけれど、それ以上はセンスに左右される。かたや日本語力はコミュニケーションスキルなので、必要な環境に身を置けば身につく。高い技術力を担保した状態で、あとは日本語力を伸ばせる、さらにその支援をSun*がしてくれる、という信頼から、安心して採用に踏み切っていただくのだと思います。
一歩を踏み出すお客様の顔が輝く瞬間が、営業として一番の喜び
私は、xseeds Hubを導入しなければチャンスを失う、と言えるくらい自信を持ってご提案しています。その上で、ご支援する場面では「お客様は不安である」という前提に立つことを意識しています。不安に思う点に寄り添い、当事者の立場を理解した上で、そっと背中を押して一歩踏み出せるような提案、伴走型の営業を常に心がけています。
お客様が不安に思う要素として代表的なのは、「自分達のような会社が優秀な外国人の方を採用できるのか」という、自社への評価がネガティブなケースと、もう1つは「海外の優秀な方を受け入れられるのか」つまり、言語や思想、企業文化などから、受け入れた社員を孤立させてしまうのではないか、という懸念です。
しかし、実際に候補者と面接すると、「こんな優秀な方がうちに来たいと言ってくれるなんて」と企業側が自信を取り戻したり、「この子が活躍できるように、自分達が変わろう」と役員の方が率先して発言する、そういった変化が起きる瞬間があります。
「海外採用に挑戦しよう」「現地に行って候補者と面接をしよう」「この子に内定を出そう」。その瞬間、瞬間に、企業の役員の方まで、顔が輝いて見えるんですね。それまでの不安から、パンっと気持ちが変わる瞬間だと思っています。その瞬間に立ち会えるのが、私にとって一番の喜びであり、この仕事の醍醐味だと感じています。
Sun*を通して日本企業の変革を後押ししたい
日本企業が変わることによって、日本社会が変わると思っています。企業、特に組織が変わるという意味では、国内でなかなか手の届かないグローバルの優秀層を採用できるxseeds Hubは非常に価値があります。xseeds Hubを通して世界に通用する日本企業・日本社会にしていくのが、実現したい大きな目標です。
また、その先の広がりとして、日本国内だけでなく、英語圏ではたらく選択肢を提供し、優秀な人材が、例えばアメリカのシリコンバレーやヨーロッパ等の採用機会と出会い、適切な職場へ送り出す仕組みを作って背中を押してあげたいと考えています。
さらに、テクノロジーの進化は非常に早く、ハードウェアにAIが搭載される等、機械系、電気系、情報系といった専門性の境界が曖昧になりつつあります。単にデジタル化を進めるだけでなく、企業の技術革新全体に答えられる事業にしていきたいと思っています。
個人で言えば、私がSun*に入社した理由の1つに、人材支援の領域と、事業開発支援の領域で支援できる点があります。せっかく私とご縁ができたのであれば、その企業が課題に対して挑戦し、動き出せるような縁を何かしら作りたい。だから、xseeds Hubだけで難しければ、中途採用支援や、DX・開発支援など、別のオプションで進めていくことも提案します。お客様にとって「廣野に会ってよかった」と思っていただけるような存在としてサポートをしていきたいと考えています。
廣野 聖和 / xseeds Catalyst
理系大学を卒業後、人材業界でキャリアをスタート。テクノブレーンにてエンジニア特化のヘッドハンティング、ジョブテシオ(ネオキャリアに買収)でグローバル理系エンジニアの採用支援に従事。2020年11月、Sun*に参画し、グローバル新卒人材採用支援事業「xseeds Hub」のセールス立ち上げと拡大を牽引。自身の経験と「日本が好き」という強い思いを胸に、企業の変革を支援している。
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