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「海外IT人材の、入社受け入れ後の不安を解消する」オンボーディングプログラムにかける想い

更新日: 2025年8月28日

「海外IT人材の、入社受け入れ後の不安を解消する」オンボーディングプログラムにかける想い

「海外人材の受け入れって、実際どうなんだろう…?」

海外の優秀な新卒IT人材と日本企業をつなぐxseeds Hubが、お客様の声に応え、入社後の活躍までをサポートする新たなオンボーディングプログラムを開始します。文化の違いや言葉の壁は問題ないのか、自社で活躍させてあげることができるのか…それらの不安に寄り添うプログラムはどのようにして生まれたのでしょうか。企画の立ち上げからPMとして携わる濱嵜と、日本語研修を担当する平野に、開発秘話とサービスへの想いを聞きました。

「入社後の双方の不安をなくしたい」から始まった新プログラム

―まずはオンボーディングチームの役割について教えてください。

濱嵜: xseeds Hubで内定した学生が、入社後スムーズにオンボーディングできることを目指すサービスの提供を担っています。2024年末から立ち上げ準備を始めて、本格的なサービス開始は2025年11月の予定です。私は企画の立ち上げ時から関わっていて、お客様の声を取り入れながら約1年かけてサービスラインナップを考え、形にしている段階です。

どのような背景でサービスを立ち上げるのでしょうか?

濱嵜: 一番大きな理由は、海外人材を採用する企業のお客様からの声でした。これまでのxseeds Hubは内定から入社までのフォローが中心で、入社後のフォローは十分にできていませんでした。お客様の中には、海外人材を採用するのが初めてという企業も多くいます。外国人採用の経験はあっても日本の大学を卒業した方や中途採用がほとんどで、海外から新卒の外国人材を採用するパターンは初めて、というケースが多いんです。受け入れ時に何から手をつけていいか、どのような課題が出てくるのかも分からないし、課題にどのように対応したらいいか分からない、と漠然と不安を抱えているお客様も多く、そういった様々な不安に対応できるサービスを始めよう、と考えました。

現場や人事の不安に寄り添う支援の中身とは

―企画しているプログラムの内容を教えてください。

濱嵜: オンボーディングのサービスラインナップは複数あり、お客様ごとにカスタマイズして提供する予定です。ここでは、特に企業から要望の多い3つを中心にお話しします。

濱嵜:1つ目の「文化理解促進講座」は、主に受け入れ部署の皆さんの不安解消を目的としています。どんな人が来るのか、どのような対応が必要なのか、といった不安に対して、ベトナムという国や人材について理解してもらうことや、働く上でどんな問題が起こりうるのか、その背景と対処法を認識してもらうことを目標にしています。

導入として、なぜ今、海外人材の採用が増えているのかという背景や、受け入れることで組織にどんなプラスの影響があるのかを説明。さらに、ベトナムの地理や人口、宗教的価値観といった基礎知識や国民性についてだけではなく、xseeds Hubの学生たちがどんな人で、これまでどんなことを勉強してきたのか、なぜ日本に来たいと思ったのか、といった内容にも触れていきます。最終的には、採用した人材が最大限のパフォーマンスを発揮するために、その国と日本の文化の違いを踏まえて、職場でどんなズレが起こり得るかをケーススタディで学び、ワークショップ形式で対処方法を考えてもらう、という異文化コミュニケーションの実践まで行います。

―対処法まで想定できるのは、現場の皆さんにとって安心材料になりそうですね。

濱嵜: もちろんすべてのケースに対応できるわけではないですが、一番伝えたいのは、「お互いのことをちゃんと理解すること、ズレが起こっても無理に日本のやり方に合わせさせるのではなく、『なぜだろう?』と相手の価値観や行動の背景を想像しようとする」ことで、それが伝わっていただければいいなと思っています。

オンボーディングプログラムのPM、濱嵜

 

次に、日本語教育について聞かせてください。

濱嵜: 日本語は世界的に見ても習得の難易度が高いと言われていて、大学で日本語を勉強してもビジネスレベルには届かないことも多いので、そこをサポートします。

日本語教育プログラム」の具体的な目標は、「海外新卒人材が日本の職場で自律的に働くために必要な日本語能力の獲得」で、CEFR(外国語の運用能力を測る国際的指標)のB1レベルを目指します。B1レベルになると、ルーティン業務だけでなく、自分の意見を述べたり、必要な確認や報告、質問をしたりと、能動的に自律して働けるようになるんです。この「自律的に働く」というキーワードを大切にしています例えば、「タスクの内容を確認する」「進捗状況を報告する」「問題報告をする」といった業務に関係する内容や、「同僚に話しかける」「食事や遊びに誘う」といった関係構築に関するテーマ等を扱っています。

研修の特徴としては発信スキル重視で、伝える・やり取りするといった発信能力の育成に特化して設計しています。受信スキル、つまり聞くことや読むことに関しては、翻訳AIなどのツールで補助できたり、日本での生活の中で自然と向上する部分が大きいため、研修ではあえて時間を割いていません。発信スキルは自分で身につけるのが難しく、そこをメインで育成します。

もう1つの特徴は、実践重視という点ですね。例えば授業で「進捗状況を報告する」について学んだら、「学んだことを使ってチームミーティングで業務の進捗報告を行ってください」という課題を出します。企業側の担当者さんとも連携して、「こういうことを教えているので、実践するチャンスをあげてください」とお願いすることで、研修で学んだことをすぐに実践できるサイクルを作り、定着を促す工夫をしています。

平野さんはこれまでも日本語教師を経験されていますが、プログラムをどのように見ていますか?

平野: 私は日本の大学で6年ほど日本語教師として授業をしてきましたが、ここまで実践性を重視した授業や課題を出すことは、ほぼありませんでした。おそらく日本語学校でも、企業との連携自体が難しいので、ここまで実践的な内容は提供していないのではないかと思います

特にこのプログラムで重視している会話力やコミュニケーション能力は、場面や環境に大きく影響されるものだと思います。このプログラムでは、同じ職場のメンバー同士で授業と課題を進めることが可能なので、それはやはり他ではなかなかできない高い実践性、そして高い効果も期待できるのではないかと考えています。

日本語研修を担当する平野

 

3つ目はどのようなサービスでしょうか?

濱嵜:One on One」は、1対1で新卒人材のケアを行うと共に、情報を企業側にも提供します。企業内でもコミュニケーションは取ると思いますが、最初は日本語能力の問題で情報が引き出せなかったり、日本語能力は問題なくても、関係構築ができていないから本音を話せない、といったことがあったりします。

そこで、これまでxseedsの教育課程で日本語を教えてきた先生や、日本就職のサポートを行ってきた関係性のあるスタッフが、母国語でOne on Oneミーティングを行います学生時代に一番関係が深かった人をアサインするので引き出せる情報が多くあり、企業側にもレポートすることで対応ができます。本人たちにとっても安心感があり、人材側にも企業側にも、どちらにとっても良い効果のある施策だと思っています。

平野: 私自身、学生時代に海外留学をした際に大変な経験をしたので、海外から日本へ来て生活する中で困っている人や不安を感じている人の力になりたいと、ずっと思っていました。これまで主に留学生に日本語を教えてきましたが、大学の中で教えられることと、実際に社会に出てから教えられることというのは、やはり性質が違うと思います。

また、以前携わった入社前の内定者への学習プログラム提供を通して、入社後の不安や緊張は、やはり特殊だと感じました。新卒で初めて仕事が始まること、それと共に海外での生活が始まり、家族も近くにいない。そういう中で抱える様々な不安がリアルにイメージできたので、そういう学習者の力になりたいという気持ちが自然と出てきました。濱嵜さんからオンボーディングチームへ誘っていただいた時に、「入社後の大変な状態に対して、日本語の授業を通じてすぐにサポートできる」というのは、まさにやりたいことだと思い、この仕事に携わらせていただいています。

外国語を使っているノンネイティブの人たちは、言葉の問題を解決するだけでなく、どうしたらうまくコミュニケーションできるか、分かりやすく話すためのコツは何か、といったことを常に意識的に考えて、改善しようと努力しているんです。そういったところが彼らの強みなので、それを私たちが引き出して、周りにも共有してもらえるくらい成長してほしいと思っています。

Sun*の経験値を最大限活かせるサービスとして、実践性にこだわりたい

―サービスはどのような体制で提供されるのでしょうか?

濱嵜: プログラム全体の概要を作っているのは私ですが、事業部長や事業企画にも相談させてもらいながら進めています。実際の講師も、事業部長や現地法人の人事、就職サポートチームのリーダー、Sun* 日本法人のベトナム人エンジニアなど、様々な部署の方に協力してもらっています。また、開発のインターンシップはSun*ベトナムの研修チームに受け入れをお願いするなど、Sun*の幅広い部署やチームと連携しながら進めています。

本当に、Sun*の様々なリソースやこれまでの経験が活きていると思います。例えばベトナムの文化理解促進講座は、これまで多くのベトナム人材を受け入れ、ベトナムにも開発チームを持つSun*だからこその知見が豊富にあるからこそ、それをお伝えできています。日本語研修の部分でも、元々、現地トップクラスの大学で日本語教育を提供しているのは勿論、社内にベトナムの開発チームがあるので、実際に業務で使われる日本語について確認・協力しながらカリキュラムを作ることができるんです。そういう意味で、これまでのSun*の強みが最大限に活かせるサービスだと思っています。

最後に、オンボーディングチームとして目指す姿について、お二人の考えを聞かせてください。

濱嵜: チームとしてまだ具体的な方針が固まっているわけではないですが、やはりxseeds Hubのお客様、たくさんの企業様にこのプログラムを使っていただきたいと思っています。

そして、ただセミナーを聞いて満足するだけではなく、本当に実践的で効果のあるものにしたいです。セミナーや研修って、つい「やって終わり」になりがちなのですが、私たちが提供するサービスは、結果につながり、お客様に「やってよかった」と心から思ってもらえるものにしたいと強く思っています。

平野: 濱嵜さんの言う通り、まさにこれからという段階だと思っています。教師としての想いとしては、これから実際の学習者と出会っていく中で、教材を作りながらも、授業を通して彼らとたくさん話し、「困っていること」だけではなく「できるようになりたいこと」も共有してもらい、それをどうしたらいいのか、実践性にこだわって提供していきたいです。従来の型にはまらないやり方でもいいと思っているので、まずは「実践性」、そこにこだわってやっていきたいですね。教師としてもすごくありがたい環境だと思っていますので、思う存分、力を発揮したいです。


濱嵜 愛夏 / Aika Hamasaki

大学・大学院で日本語教育や多文化共生について学び、ベトナム現地の日本語学校での勤務を経て、2021年にSun*へ入社。日本語教師、キャリアサポーター、CSを経験し、現在は新卒外国籍社員向けオンボーディングプログラムを担当している。

平野 莉江子 / Rieko Hirano

高校時代の留学経験を活かし、地域の外国ルーツ児童支援ボランティアに従事。その後、日本・カナダの大学及び大学院で日本語教育や多文化間教育について学ぶ。(学習者と支援者間の学びについての研究発表は海外学会にて受賞)日本の各大学で日本語教育や学習者支援業務を経験しSun*に入社。


xseeds Hubのオンボーディングプログラムは、単に人材を紹介するだけでなく、入社後のベトナム人材の活躍と企業の成長を二人三脚で支える、これまでにない包括的なサービスです。Sun*が長年培ってきた海外人材の育成・活用に関するノウハウを凝縮しています。採用から育成まで、海外人材の受け入れに関する具体的なご相談やご質問がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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