UXデザインの経験値を高めるだけでなく、ブランディングからサービスデザイン、顧客への提案活動、組織づくりまで、意志さえあれば縦横無尽に手を伸ばすことができる。Sun*のUXデザイナーの領域には、決まった境界線がありません。
今回は、新卒5年目でUXデザイナー組織のユニットマネージャー(UM)に挑戦している中村へインタビュー。ビジネスの制約とテクノロジーの可能性、そしてユーザー体験としての理想。すべてを初期段階から「横並び」で付き合わせる現場で求められるのは、プロダクトを世の中に届けるために周囲と徹底的に協業する姿勢でした。「経験値ゼロで語りたくない」という信念で領域を広げてきた彼が語る、Sun*のデザイナーのリアルに迫ります。
目次
未経験から始まった、デジタルデザインへの挑戦
入社前は、京都工芸繊維大学の大学院でデザインを学んでいました。実はデザインをやろうと強く思っていたわけではなく、3Dプロダクトなど生産系のものづくりを中心に学んでいました。今に繋がっているUXに近い考え方も学びましたが、デジタルプロダクトとは異なる領域でした。就職活動では3Dプロダクトに関われる会社を中心にメーカーやメガベンチャーを受けたのですが、全て落ちてしまい(笑)。インターンなどでUIを少し勉強していたこともあり、まだ募集していたデジタル系のUXに関わる会社にたくさん応募した中の一つがSun*でした。
Sun*に決めた理由は二つあります。一つは、BTC(Business・Technology・Creative)のコラボレーションを掲げる会社の中でも、選考を通してそれを一番感じ取れたこと。もう一つは、面接自体が選考というより「会話」という印象で、共感しながら楽しく話せたことです。この雰囲気の会社なら、自分らしく働けるのではないかと思いました。
入社後、良い意味で驚いたのは、想像以上にBusinessやTechnologyの人たちと話す機会が多かったことです。学生時代に思い描いていた「デジタルプロダクト」のイメージが、いかに表面的なものだったかを痛感しました。デザイナー組織では新卒一期生で入社したので、整った研修制度はなく、早々にプロジェクトにアサインされました。ただ、入社前のスキルセットに関するすり合わせの機会もあったので、最初に関わったプロジェクトは、学生時代の勉強や入社前に独学で得たUXの知識と合うものでした。そのおかげで、スムーズに馴染むことができたと思います。そこからUI制作や要件定義へと、徐々に自分の守備範囲を広げていきました。
1年目の秋から2年目の終わりにかけて、上流のコンセプトメイクが形になる開発寄りの経験を多く積みましたが、当時は難しくて分からないことだらけでしたね。印象に残っているのは2年目のプロジェクトで、UIが得意な先輩デザイナーと組んで、UXフェーズは僕がリードのような立場に入り、UIフェーズになったらメンバーとして作り込みを担当しました。一つのプロジェクトで役割を入れ替えるという、柔軟で学びの多い経験でした。
デザイナーとしてSun*での関わり方を一通り網羅したいと考え、3年目の半ばまでは顧客との要件すり合わせなども含めて幅広く経験しました。3〜4年目はリードデザイナーとして後輩と一緒にプロジェクトを進める役割を担い、5年目のタイミングで改めて、UXやサービスデザインを突き詰めたいと考え、現在はサービスデザインのプロジェクトを中心に関わっています。
UX視点とビジネス、テックの視点が初期から混ざり合う

Sun*におけるUXデザイナーの仕事は、リサーチ、インサイト抽出、コンセプト立案だけではありません。最大の特徴は、それらをビジネスデザイナーやエンジニアと横並びで一緒に進めることにあります。
リサーチ一つとっても、ビジネス視点とUX視点でのリサーチ内容を突き合わせて、お互いの制約を考慮しながら「魅力的かつ現実的なコンセプト」を立てます。例えば、「どこから課金にするか」という議論になった際に、ビジネスデザイナーが収益性を重視した戦略を立てる一方で、僕たちUXデザイナーはユーザーの意欲に着目して、「ユーザーリサーチの結果、ここまで無料で体験してもらった方が、ユーザーの意欲が高まり課金のハードルを超えられる」といった提案をします。
Sun*では「要件定義」という言葉も、かなり広い意味で捉えています。PMが詳細な要件を固めるのはもちろんですが、デザイナーが「ユーザー体験をベースにした時、どんな機能がどういう詳細要件を持つべきか」という観点で関わるので、エンジニアやPMと一緒にユーザー観点と技術的観点を混ぜながら一緒に形にしていくことができます。
ミドル~シニアのメンバーは提案にも積極的に関わっていますね。体制やスケジュールを引く際に、予算やスケジュールの制約がある中でリサーチやコンセプト検証をどのように行うか、提案時に期待値をすり合わせながら進めています。
様々なプロジェクトと、その中に入り込むAI

最近では、対照的な二つのプロジェクトに関わっています。一つは医療系プロジェクトで、ビジネス的・法律的な制約が非常に大きい中で、ビジネス主導でどれだけ慎重かつ最小サイズで始められるかを模索する、非常に密なBTC連携が求められるものです。 もう一つはAIを使った面談サービスの開発で、こちらは「どんどん作って検証しよう」というテック主導のプロジェクトです。リサーチに時間をかけるより、まずは体験のプロトタイプをAIで実装し、動くものを見ながらクライアントと一緒にブラッシュアップしていく、というスピード感のある進め方をしています。
AIを使うことでアウトプットが速くなりましたね。チャットボット開発のプロジェクトではFigmaで細かくデザインを作り込むことはせず、AIを使ってイメージを生成し伝えています。 個人の業務でも、初期のペルソナ作成や業界知識のインプットにはAIを活用しています。特定のプロンプトを組んで急速にインプットを行うことで、立ち上がりのスピードを上げています。
「経験値ゼロで語りたくない」新卒から5年目でユニットマネージャーにも挑戦

仕事をする上では、「とりあえず一通り全部やってみる」ことを信念にしています。入社5年目にユニットマネージャー(UM)の役割を引き受けた時もそうですし、リードデザイナーへの挑戦も、「まずはやってみて、それから考えよう」というマインドで飛び込みました。未経験でもまず引き受ける理由は、「批評家」や「評論家」にはなりたくないからです。「経験値ゼロのまま語らない」というのは意識していますね。
UMになって半年ほど経ち、メンバー時代とは異なる「組織の設計」と向き合っています。メンバーの稼働をどう管理し、採用を通してどうチームを強くしていくか。今はまだ試行錯誤中ですが、クライアントの組織事情やステークホルダーの葛藤が、より深く理解できるようになりました。
現在、UXデザイナーの組織には二つのユニットがあります。僕のユニットはブランディングが得意なメンバーが多く所属していて、もう一方はUXデザインや提案活動に強いメンバーがいます。もう一つのUMはディビジョンのマネージャー(≒部長)も兼務しているので、二人で二つのユニットを見ているような感覚で、分断なく柔軟にクロスして動けていると思います。
メンバーには、ずっとUXに関わり続けている人だけでなく、UIからUXに広げてきた人もいれば、ブランディングが得意な人、マーケティングの文脈からデザイナーに広げた人など、皆がさまざまなバックグラウンドを持っています。若手にもいろいろな学部の卒業生がいて、UIを学部で学んだ人、UXの分野で大学院まで進んだ人だけでなく、一般学科から独学で学んで入社したメンバーもいます。組織的には職種を超えたコミュニケーションが増えてきていて、活気があります。一人ひとりやりたいことに向かってアイデンティティを持とうとしている動きがあり、勢いを感じます。
柔軟な環境だからこそ、意志をもってやりたいことに手を伸ばしてほしい

Sun*にはいろいろなプロジェクトがあり、いろいろなタイプのデザイナーがいます。別の職種と絡む機会も多く、社内で何か活動をするのに強い制約があるわけでもない。そういう環境だからこそ「自分はこれがやりたい」や「こういう領域にもチャレンジしてみたい」という意志がないと、今のスキルセットに合うプロジェクトにアサインされるだけになり、少しもったいないと感じます。逆に、意志を持ってやりたいことに取り組んでいるメンバーは、のびのびとしています。明確なイメージがなくてもいいので、広げたいこと・深掘りたいことが何かしらあると、それに取り組むことができる機会は多いと思います。
例えば僕の同期の一人は、プロジェクトで全社表彰も受けるほどの活躍をしていながら、「Sun*をもっと魅力的に伝えたい」という意志のもと、いわゆるコミュニケーションデザインの領域でも活動しています。社外イベントのブース設計なども手掛けていて、僕がイベントにスタッフとして立った時に「Sun*にはコミュニケーションデザイナーの部署があるんですか?」と聞かれたこともあります。これは、彼女の意志と、部署が縦割りになることなく取り組める環境があるから成し得るものだと思います。伸ばしたい方向はさまざまで、デザインでも、組織や採用でも、提案活動でも、それぞれにあって良いと思います。
マネージャーになって最初にメンバーと実施した1on1ミーティングでは、「これまでどういうプロジェクトに入ってきたか」に加えて「どこを伸ばしていきたいか」を聞き、そのためにマイルストーンを置きながら、短期的にやりたいことは何かをヒアリングしました。自分自身がSun*の中で幅広いプロジェクトを経験してきたので、メンバーの課題感に応じて、「こういうプロジェクトに入るといいかもしれない」という会話をしています。やっぱり、やっていて楽しいプロジェクトに入ってもらいたいんですよね。仕事なのでトップダウン的に入ってもらう必要がある時もありますが、選択肢があれば、できるだけやりたいことに関われるプロジェクトにアサインしたいと考えています。
デザイナーが一人で手を動かして出来るものづくりは、すごく狭い範囲だと思うんです。プロダクトとして世に送り出そうとするなら人の協力が必要で、BusinessやTechnologyのメンバーとのコミュニケーションが必要になります。そういう、プロダクトを世に送り出すための「デザイナーとしての母性」を持っていて、事業を主語に考えられる人は、Sun*に合うと思います。
僕自身がSun*で目指しているのは、Plano(UXデザインやサービスデザインが得意なメンバーが所属する組織)をもっと強くすることです。元々はディビジョンマネージャーが掲げた組織の目標なのですが、そのまま自分の目標にもなっています。人が増えて、対応できるプロジェクトの幅が広がれば、新しい業界や新しいゴールを目指すプロジェクトも出てきます。そこにメンバーがチャレンジすることで組織のケイパビリティが広がり、アイデンティティの形も変えながら、より強くしていける。そのためのスタート地点として採用と育成を大切に考えています。
新卒で入って5年経ちますが、入社前に感じた「ポジティブにものづくりに向き合っている」という印象は、今も変わらず秘伝のタレのように続いています。僕は新卒でしたが、どのタイミングで、どういう経歴の方がジョインしても共通して楽しめると思うので、前向きな環境で働きたい方には、ぜひSun*を選んでいただきたいです。
中村 亮太 / Ryota Nakamura
株式会社SunAsterisk Designer
京都工芸繊維大学大学院でデザイン経営工学を学び、Sun*の新卒第一期生として入社。UXデザインからUIデザインまで幅広いプロジェクトでのデザイン、リードデザイナーも経験。現在はUXデザイナーとしてクライアント課題と向き合いながら、Unit Managerとして組織マネジメントにも挑戦している。
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