アプリ開発に興味を持ちながらも、具体的な手順が分からない担当者が多いかもしれません。本記事では、アプリ開発の全体的なプロセスを段階ごとに詳しく解説します。開発にかかる一般的な期間や、アプリの種類別に必要となるプログラミング言語や開発環境についても、具体的に紹介します。参考にしてください。
アプリ開発の流れ
以下で解説する内容は、アプリ開発の基本的な流れです。まず、開発目的の明確化と課題の定義から始め、機能要件の策定を経て、UI/UXデザインを考慮した設計を行います。その後、実装とテストを経てアプリをリリースし、以降は保守・運用を続けます。
1.目的や課題、必要な機能を定義する
アプリ開発の初期段階では、以下を明確に定義します。
・アプリの目的
・解決すべき課題
・必要な機能
・競合状況
初期段階での曖昧さは、後々のトラブルにつながりかねません。全関係者との協議を通じて、上記に関する合意形成を図り、開発の方向性を確立する必要があります。
2.全体構造や主要な機能の設計を行う
アプリ開発の設計段階では、要件定義に基づいて全体構造と主要機能の設計を行います。設計のポイントは、ユーザー体験を最優先に考えたUI/UXデザインです。直感的で使いやすい画面設計(外部設計)を行うと同時に、システム全体のアーキテクチャ(内部設計)も決定します。基本設計が完了すると、アプリの全体的な構造や主要な機能同士のつながりが明確になります。
3.さらに詳細な技術的仕様を設計する
詳細設計の段階では、基本設計を踏まえてより具体的な技術的仕様を決定します。基本設計は処理の概要を示しますが、詳細設計では各機能の具体的な動作を細かく規定します。
データベース構造やAPIの仕様を明確に定義すると、プログラマーが直接実装できるレベルの高精度な設計図を作成可能です。緻密な詳細設計は後の開発をスムーズにし、品質の高いアプリ開発につながる鍵となります。
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4.詳細設計に従いアプリの機能を実装する
アプリ開発の実装段階では、詳細設計に基づいて具体的なコーディングが行われます。フロントエンドとバックエンドの両面で開発が進められ、各機能が設計通りに動作するよう慎重にプログラミングされます。フロントエンドはユーザーが直接操作する画面やインターフェースで、バックエンドはデータ処理やサーバー側の機能です。
開発チームは常にプロジェクトの進捗を監視し、計画通りに進んでいるかを確認します。
5.アプリの機能やバグをテストする
アプリ開発のテスト段階では、機能の確認とバグの検出を通じて品質を確保します。主なテストには以下があります。
・ユニットテスト:個々の機能や部品の単独での評価
・インテグレーションテスト:複数の機能を組み合わせた際の動作確認
・ユーザビリティテスト:実際のユーザー視点での操作性や使いやすさの評価
テストを通じて問題点を洗い出し、必要に応じて修正や改良を行います。
6.リリースし、品質を維持する
アプリ開発の最終段階では、完成したアプリをサーバーにデプロイ(リリース)し、ユーザーに提供します。リリース後は、収集したユーザーからのフィードバックを参考に、バグ修正や機能改善が必要です。アップデートも定期的に実施し、アプリの品質を維持します。
アプリ開発にかかる期間
アプリ開発の所要期間は、プロジェクトの規模、機能の複雑さ、採用する開発手法などによって大きく変動します。シンプルな機能のアプリであれば、数か月で完成する可能性もあります。一方、複雑な機能の搭載が予定されていたり、プロジェクトの規模が大きかったりすると、1年以上の開発期間を要するケースも少なくありません。
具体的な開発スケジュールは、要件定義や設計段階で綿密に計画されます。ただし、開発途中で予期せぬトラブルが発生すると、当初の見積もりを超える期間が必要になる場合があります。
併せて読みたい:アプリ開発にかかる期間の目安
開発するアプリ別の必要な言語・環境
開発するアプリによって、必要な言語や環境は大きく異なります。以下では、Androidアプリ、iOSアプリ、Webアプリ、Windowsアプリについて、開発に必要な言語や環境を解説します。
Androidアプリ
Androidアプリ開発で主に使用される言語は、JavaとKotlinです。開発環境としては、Android Studioという統合開発環境(IDE)が広く採用されています。Android SDK(ソフトウェア開発キット)を組み合わせて使用すると、さまざまな機能を持つアプリを構築可能です。
Android Studioには、エミュレータ、デバッガ、パフォーマンスツールなどの豊富なツールが搭載されており、開発の効率化と品質向上に大いに寄与します。
iOSアプリ
iOSアプリ開発で主に使用される言語は、SwiftとObjective-Cです。開発環境としては、Appleが提供するIDEであるXcodeが標準的に使用されます。Xcodeは、便利なエディタ、デバッガ、直感的なインターフェースビルダーなどを提供し、効率的な開発をサポートします。
また、アプリ開発とApp Storeでの配布には、Appleの開発者プログラムへの参加が必要です。プログラムに参加すると、iOSデバイスでの実機テストや、App Storeを通じたアプリの公開が可能になります。
Webアプリ
Webアプリ開発では、フロントエンドにHTML、CSS、JavaScriptなどの言語が主に使用されます。React、Angular、Vue.jsなどのライブラリやフレームワークを活用すると、効率よく洗練されたインターフェースを実装可能です。
バックエンドでは、Node.jsというJavaScript実行環境や、Django、Ruby on Railsなどのフレームワークが用いられ、データ処理やデータベースとの連携がなされます。このような技術を組み合わせると、さまざまなデバイスで作動する動的なWebアプリを開発できます。
Windowsアプリ
Windowsアプリ開発に使用される言語は、主にC#とVisual Basic .NETです。また、IDEにはMicrosoftが提供するVisual Studioが使用されます。
UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)を活用すると、パソコやタブレットを含む多くのWindowsデバイスで動作するアプリを、単一のコードベースで開発可能です。Visual Studioは高機能・高性能なIDEで、デバッガ、コードエディタ、テストツールなどを提供し、開発プロセスを大いに効率化します。
アプリ開発を依頼するときに気をつけるべき注意点
アプリ開発を依頼するときの注意点を解説します。依頼する開発会社を決定する際は、複数の見積もりを慎重に比較し、プロジェクト進行中には、進捗状況や問題点を定期的に確認してください。
複数の会社から見積もりを取得する
アプリ開発を依頼する際は、複数の開発会社から見積もりを取得してください。価格やサービスの内容を比較検討すると、プロジェクトに最適な選択肢を見つけやすくなります。
ただし、単に開発費用を抑えられる会社を選ぶのではなく、提供されるサービスの範囲、開発後のサポート体制、会社の実績や信頼性なども総合的に評価しましょう。
併せて読みたい:アプリ開発の外注時に知っておきたいポイント
進捗状況や問題点を定期的に確認する
アプリ開発の成功には、依頼者の積極的な関与が不可欠です。定期的に進捗状況を確認し、発生している問題点を早期に把握しましょう。プロジェクトの現状を正確に把握することは、高品質なアプリ開発の基盤となります。
各開発段階でタイムリーなフィードバックを提供し、必要に応じてアプリの方向性を修正すると、自社のニーズや要求を継続的に反映させられます。
見積もり書をしっかりと確認する
アプリ開発を依頼する会社を決める際は、見積もり書を詳細に確認してください。見積もり書には、開発費用以外に、開発スケジュール、具体的なサポート内容、保守費用など、複数にわたり重要な項目が含まれています。内容を詳細にチェックしておくと、開発後のトラブルを防げます。
特に注意すべきは、納品後のサポートやメンテナンスに関する記載です。仮に明確ではない部分があれば、必要に応じて詳細な説明を求めましょう。
まとめ
アプリ開発を依頼する際は、基本的な開発の流れを理解したうえで、複数の会社から見積もりを取得しましょう。開発費用だけではなく、提供されるサービスの範囲や、開発後のサポート体制なども比較検討し、自社のニーズに合う開発会社を選んでください。
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