新規事業創出により、企業の中長期的な成長や収益向上が期待できます。この記事では、新規事業が必要とされる理由や視点、要素、新規事業創出の手順について解説します。新規事業を進めるにあたり、障壁となる課題と解決策についても解説するので、参考にしてください。
目次
新規事業創出が必要な理由
新規事業創出は、時代や社会の変化に対応し、企業が発展していくために必要です。国際情勢や経済動向、社会情勢の変化に合わせて、企業のビジネスモデルや価値観も臨機応変に対応することが求められています。
しかし、技術革新が進み、事業環境の変化が目まぐるしい現代においては、現状の事業だけで利益を上げ続けていくことは困難です。そのため、打開策として新規事業創出が求められています。
新規事業創出に必要な視点
新規事業を創出する際に必要な視点を3つの観点から解説します。
ユーザーニーズに応える
新規事業創出にはユーザーのニーズを把握し、対応することが重要です。ユーザーはサービスや事業に対して、不満や不安を感じている場合があるでしょう。これらを敏感に感じ取り、ユーザーニーズにきめ細やかに対応することが、新規事業成功のカギです。
時代のニーズを把握する
ユーザーニーズに合った新規事業であっても、時代のニーズに合っていなければ、事業は成功しません。時代のニーズを把握する際は、数歩先の未来を予測する意識を持ちましょう。目新しさが見当たらないサービスや製品を提供したところで、ユーザーは興味を抱かないでしょう。新規事業の価値や存在感が時代とマッチしているかを意識しましょう。
他社と提携する
自社の力だけでなく、他の企業や組織と協力することも重要なポイントです。自社内だけでは解決できないことも他社と提携すると、新たな技術や知見が得られ、スムーズにことが進む場合もあります。また、異なる視点からのアイデアが得られるとも考えられます。交流を進めることで、技術的な課題やアイデアの改善点が発見される可能性もあるでしょう。
新規事業創出に必要な要素
新規事業創出においては現状を把握し、手順を整えることが重要です。それぞれについて解説します。
自社の経営資源を把握する
新規事業創出には、ヒト・モノ・カネ・情報の4つの経営資源が欠かせません。事業を始める場面だけではなく、軌道に乗せていく過程でも、4つの経営資源は重要です。限りある経営資源を有効活用するために、自社の経営資源を把握し、新規事業に割ける人員と予算を知っておきましょう。また、どれだけ収益を得られるかを考えることも必要です。
新規事業創出の手順を整える
新規事業の立ち上げに時間もコストもかけたにもかかわらず、事業化に結びつかないケースも考えられます。新規事業を成功させるためには、社内で新規事業創出の仕組みを整えることが重要です。過程1つひとつについて、構想を固めましょう。
新規事業創出の流れ
新規事業創出は、手順を踏んで進めることが重要です。ここでは、6つの段階について解説します。
コンセプトを決める
新規事業を創出する際は、自社の専門性や市場のトレンドなどを考慮したうえで、コンセプトを決めましょう。コンセプトとあわせて、メインターゲットとなる客層や提供するメインのサービス、商品などを細かく設定します。新規事業創出にあたり、独創的なアイデアの着想が成功につながる場合もあります。アイデアは大まかでもよいので、ある程度は決めておきましょう。
ニーズを調査する
細かくコンセプトを決め、独創的なアイデアを創出しても、市場やニーズに合わなければ宝の持ち腐れです。市場調査やアンケート、インタビューなどで得られたデータを分析し、顧客ニーズの把握に役立てましょう。ユーザーが把握できていない潜在的なニーズを意識することで、より深い分析、見当が可能です。
ニーズを調査する際は、独りよがりになったり感覚に頼りすぎたりせず、客観的かつ定量的なデータをもとに冷静に判断しましょう。
ビジネスプランを立てる
どのように新規事業を進めていくか、ビジネスプランを立てます。その際、人員と予算についても決めておくとよいでしょう。ビジネスプランには、KGIやKPIといった目標、戦略、資金や予想収益を示す財務計画、マーケティング戦略が含まれます。業界動向やトレンドなども把握し、適時性も追求しながら、フレームワークを使い、計画を具現化しましょう。
資金を調達する
自己資本から資金調達する場合、事前に財務部や法務部などに調整を依頼しましょう。その他、資産家やベンチャーキャピタルから資金を調達する、国や非営利活動法人などから補助金や助成金を受けるといった方法が考えられます。
事業を設立し、実行に移す
資金が調達できたら新規事業を設立し、実行に移しましょう。製品の量産化やサービスを実際に提供する前に、プロトタイプの作成やテストを行いましょう。事業の内容によっては、法的な手続きやライセンスの取得が必要な場合もあります。あらたに子会社や関連会社を設立し、新規事業を進める場合、法人としての登録をしなければなりません。
評価と改善を進める
新規事業を始めたら、効果を定期的に検証し、必要に応じた改善を重ねていきましょう。ユーザーのフィードバック、マーケティング評価、競合企業との比較、製品の売り上げ実績などを分析し、その結果をもとにビジネスプランを見直しましょう。商品やサービスの質が改善されることで事業の精度が高まり、利益につながります。
新規事業を創出する上でよくある課題
新規事業創出を進めようと思っても、一筋縄に行かないこともあるでしょう。ここでは、立ちはだかる課題を2つ解説します。
アイデアが出ない
新規事業創出のアイデアが思い浮かばないことは、ままあることです。アイデアを出す段階が障壁になる場合、その先のフェーズに進むことは困難でしょう。アイデアが出ない原因を見極めずに新規事業を進めても、経営資源を無駄に消費し、組織内の混乱を生み出す結果になりかねません。アイデアが出ないときは、何が不足しているか原因をしっかりと見極めましょう。
予算が足りない
アイデアが出ても、予算が足りず新規事業が進められないことも考えられます。新規事業は確実性が低く、十分な予算を確保できないケースも珍しくありません。予算を確保できないと、資金が枯渇し、計画がとん挫することもあります。また、実績がないため広告出稿にも予算が避けません。広告や営業活動は成果に直結します。事前に費用対効果をシミュレーションして、予算の使い道を十分に検討しなければなりません。
社内説明に必要な情報整理・ロジックが不足している
社内から共感を得るためには、市場調査の結果をもとにした分析や事業計画、競合他社との比較など、さまざまな情報を整理し、論理的に説明することが重要です。情報は、わかりやすく整理し、関連性があるカテゴリごとにまとめて可視化することで、社内から理解されやすくなります。
新規事業の課題を解決する方法
新規事業のアイデアが出ない、予算が足りないという課題を解決する方法を解説します。
マインドセットを行う
アイデアを思いつくためには、既存の常識や固定観念を覆すことが重要です。成功した未来を創造する、事業の目的を明確にすることを念頭に置き、以下の意識でマインドセットを行いましょう。
- 常識に捉われない考えを持つ
- 質より量と考え、アイデアを多く出す
- 既存のアイデアを組み合わせる
- 不安要素があっても、前向きに考える
補助金や融資を活用して資金調達する
自治体や国からの補助金を利用したり金融機関からの融資を受けたりできないかを考えましょう。金融機関からの融資は、条件面で交渉がスムーズであるメリットがあります。補助金や助成金の多くは、国や自治体が実施しているため、社会的な信用が上がる、返済の必要がないといったメリットがあります。新規事業に利用できる補助金や助成金の例は、以下のとおりです。
- 創業助成金
- IT導入補助金
- TOKYO戦略的イノベーション促進事業
- 事業再構築補助金
それぞれ目的や内容が異なります。事前に自社の新規事業に利用できるか確認しましょう。
外部のリソースを活用する
社内リソースだけでは、スムーズに課題解決が進まない場合もあるでしょう。コンサルティング会社や専門家などの外部リソースを活用し、社内にはない知見や先進的な考え方を取り入れましょう。自社の状況にあわせて必要な技術・ノウハウや人材の補完を進めることが大切です。
アイデア創出には、AIの利用も有効です。AIを活用したアイデア創出について、詳しくはお問い合わせください。
まとめ
新規事業創出は、企業の発展や収益拡大のために必要です。ユーザーや時代のニーズを把握し、他社との連携も視野に入れて取り組みましょう。その際、自社の経営資源を把握し、手順に沿って進めることが重要です。
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