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新規事業開発

新規事業の成功例15選|失敗しない成功の共通点とアイデア発想法を解説

更新日: 2025年6月11日

新規事業の成功例15選|失敗しない成功の共通点とアイデア発想法を解説新規事業は、変化の激しい市場で企業が発展していくために不可欠です。しかし、手当たり次第に新しいことに挑戦すれば良いというわけではありません。十分な市場調査をして、顧客視点からニーズとマッチした商品・サービスを提供する必要があります。この記事では、新規事業の成功例として、15社の取り組みについて解説します。加えて、失敗しないための共通点も紹介するため、新規事業を成功させるためにも参考にしてください。

企業の新規事業とは?

新規事業とは、企業が新たに始める事業を指します。従来の領域を離れて、新たな市場やサービスを構築することを目的として進められます。新規事業を成功させるためには、徹底した市場調査やリスクヘッジが必要です。VUCA(変動性:Volatility、不確実性:Uncertainty、複雑性:Complexity、曖昧性:Ambiguity)と呼ばれる、現代のビジネス市場では、新規事業の重要性が高まっています。

新規事業の成功例15選

国内でも多くの企業が新規事業を成功に導いています。ここでは15社のケースについて解説します。

1.ラクスル株式会社

ラクスル株式会社は、印刷業界をリードする存在です。従来の紙への印刷だけではなく、新たな市場であるネット印刷を開拓しました。既存事業の枠を超えて、顧客ニーズに応える新たな事業を展開したことで新しいプラットフォームを構築し、企業として大きな成果をあげています。

2.三井物産株式会社

三井物産は、社内ベンチャー「ボイスタート」を立ち上げて、音声AIスピーカーを活用したシニア向けサービス・アプリの開発に取り組みました。若者向けに使われていた音声AIスピーカーから着想を得て、高齢者向けの健康情報配信サービスなどを展開しました。

3.キリンホールディングス株式会社

キリンホールディングスは、人工知能(AI)を活用して在庫管理を最適化する調剤薬局向け置き薬サービス「premedi」を新たに導入しました。このサービスは、取り扱い頻度の低い医薬品の供給を効率化する、革新的な解決策です。

4.本田技研工業株式会社

本田技研工業株式会社は、自動車やオートバイのメーカーとして有名ですが、近年は先端技術を生かして小型ジェット機の開発にも取り組んでいます。このジェット機は、同クラスの納入機数において、5年連続で世界最多記録を保持するなど、高い人気を誇っています。

5.株式会社ヤマダホールディングス

国内全域に展開する家電量販店・ヤマダ電機を運営する株式会社ヤマダホールディングスは、その店舗ネットワークを通じてリフォーム業界に参入しています。IoT(モノのインターネット)の普及により、家電の大部分がインターネットに接続されると予想されることから、家電と住宅の融合に将来性を見い出した取り組みといえます。

6.マルエツ・カスミ・マックスバリュ関東

マルエツ・カスミ・マックスバリュ関東の三社は、小売業界のデジタル化を推進しています。「Scan&Go」サービスは、顧客が商品をスキャンして、直接スマートフォンで支払うシステムです。レジの待ち時間が短くなることでショッピング体験が向上し、顧客満足度も高まることが期待されています。

7.ダイハツ工業株式会社

ダイハツ株式会社は、通所介護事業者向けの送迎支援システム「らくぴた送迎」を提供しています。このサービスは、通所介護施設の送迎効率を向上させるために開発されました。専用アプリには、運転ルートの最適化や施設とのリアルタイム連絡、到着通知といった機能を搭載しています。

8.ユニ・チャーム株式会社

ユニ・チャーム株式会社は、不織布と高分子吸収体を生かし、生理用品やおむつを製造する専門メーカーです。また、保育園向けに紙おむつのサブスクリプションモデル「手ぶら登園」を導入したことで、生理周期の管理の簡易化、紙おむつ在庫管理の自動化が実現しました。

同社の新規事業は「DX注目企業2023」に経済産業省や東京証券取引所から選出されるなど、注目を集めています。

9.日本交通株式会社

日本交通株式会社の「GO」タクシーアプリは、AIを活用した配車システムです。スライドドアや車いす対応車両の指定、クレジットカードでのキャッシュレス決済、事前に確定した運賃など、利便性の高い機能を提供しています。

10.ANA NEO

ANA NEOはANAホールディングスの子会社で、スマートフォン向けのメタバース旅行プラットフォーム「SKY WHALE」を開発しました。2023年に「ANA GranWhale」として正式にローンチし、ユーザーはアバターを通じて旅行やショッピングを楽しめます。

11.プロパティエージェント株式会社

不動産事業のDX化を進めているプロパティエージェント株式会社は、スマートフォンを通じた不動産投資型クラウドファンディング「Rimple」を導入しました。1万円から参加できる手軽さにより、顧客は不動産市場に参入しやすくなりました。

12.SoVeC

SoVeC株式会社は、デジタルコミュニケーションの普及を目指し、XR(拡張現実)を中心に革新的なサービスを展開しています。なかでも「SoVeC Smart Video」は、専門知識がなくても高品質なビデオ制作ができるサービスとして注目されています。

13.富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社は、写真関連の製品とサービスを提供する企業です。デジタル化による写真市場の縮小を鑑みて、新規事業として化粧品の分野に進出しました。自社のリソースを生かして開発した製品は、化粧品市場で成功を収めています。

14.日本郵政×Yper株式会社

日本では各業界で人手不足が深刻化しており、運送業界も例外ではありません。この課題に対応するため、日本郵政はYper株式会社と協力して、置き配バッグ「OKIPPA」を開発しました。宅配ボックスの設置コストがかからず、専用アプリで配送状況を確認できる便利さが、利用者に支持されています。

15.ヤマト運輸株式会社

ヤマト運輸は既存の配送ネットワークを活用して、顧客の負担を減らしつつ、ニーズに応える事業を展開しています。たとえば、家電修理サービスは故障品の回収から返却までをワンストップでできます。また、パソコン宅急便サービスは、安全にパソコンやデジタルカメラを輸送できることが強みです。

新規事業を成功させるポイント

新規事業を成功させるには、顧客のニーズをつかむことに加え、人材の育成やアイデアを生かす仕組みづくりなどが重要です。ここでは新規事業を成功に導くポイントについて解説します。

顧客の視点に立つ

新しい事業を成功させるためには、顧客の視点を重視しなければなりません。顧客のニーズを理解することが、新規事業の成功につながります。顧客との対話時間を確保しないと、ニーズと合わない事業を進めるリスクが高まります。

ターゲットが細かく設定されている

新しいビジネスを立ち上げる際は、的確なターゲット設定が必要です。ターゲット設定を誤るとビジネスが失敗し、撤退を余儀なくされる可能性があります。具体的なターゲットを描く「ペルソナ」を活用し、市場判断に役立てることが重要です。

人材の育成に力を入れている

新規ビジネスの成功には、優れた人材育成が不可欠です。優秀な人材がいなければ、革新的なアイデアの創出や、必要な情報の収集ができません。「よい人材がよいビジネスを生み出し、成功したビジネスが優れた人材を引き寄せる」という循環が重要です。

スピーディに仮説・検証を行う

新規事業の成功には、迅速な取り組みが欠かせません。完璧を求めて時間をかけ過ぎると、競合他社に遅れを取る可能性があります。最低限の準備でスタートして、事業を展開しながら仮説を検証することが重要です。速やかに仮説検証をすることで、新規事業を成功に導くことができます。

システム化へ向けた思考を持つ

新しい事業を成功させるためには、システム化の思考が重要です。事業をシステム化することで生産性が向上し、事業の品質も改善されます。ただし、どの部分をシステム化すべきであるかは、企業によって異なります。

スモールスタート・リーンスタートアップ

ビジネスの立ち上げでは、初期の大きな失敗を避けつつ、市場の反応を試せる、小規模展開が推奨されます。小規模な試行の「スモールスタート」や、小さな組織で始める「リーンスタートアップ」などにより、迅速で柔軟な方向転換や、製品・サービスの改善ができます。

成功する新規事業のアイデア出しの方法

新規事業で成功を収めるためには、アイデア出しから始めることが重要です。ここでは、アイデア出しの方法について解説します。

マンダラチャート

マンダラチャートは、中心テーマをもとに、8つの関連領域でアイデアを展開する手法です。複数の視点から中心テーマにアプローチをすることで、詳細な計画を立てられます。各要素の相互関係を視覚的に理解し、特定のアイデアの深い理解を助ける方法であるため、新規事業のアイデア検討に役立ちます。

アンチプロブレム

アンチプロブレムは、従来のアプローチとは異なり、問題を反対の視点から捉えて、新たなアイデアや革新を生み出す手法です。この方法は、通常は見逃されがちな新しい解決策やアイデアの発見に役立ちます。

マインドマップ

マインドマップは、中心テーマから派生する関連アイデアを、視覚的に整理する手法です。この方法を活用すると、複雑な問題や広範なテーマに対して、関連性を保ちながらアイデアを具体化しやすくなります。思考の整理が進み、創造的なアイデアを生み出せる環境が整います。

ブレーンストーミング

ブレーンストーミングは、チームが自由にアイデアを出し合う手法で、批判はせずに多様な視点であることや、アイデアの量を重視します。予想外の革新的なアイデアを生み出し、通常とは異なる、独創的な提案を促します。

6W3H

「6W3H」は、ビジネスアイデアや計画を詳細に考えるための手法です。What(何を)やWhy(なぜ)など、9つの質問で事業案を総合的に評価します。計画の全体像を明確にして、潜在的な問題や改善の機会を事前に把握できます。

 

まとめ

新規事業の成功例として、この記事では、ラクスル株式会社や三井物産株式会社、キリンホールディングス株式会社といった企業の事例を15選解説しました。新規事業の成功例は数多くありますが、失敗しない方法は共通しているケースが多いでしょう。

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