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新規事業開発

新規事業とは?意味・定義・進め方をわかりやすく解説|成功に向けた構想・立ち上げのポイント

更新日: 2025年8月13日

市場や顧客ニーズが目まぐるしく変化するなか、新たな収益源の確保や成長機会を求めて、新規事業に取り組む企業が増えています。新規事業は単なる新サービスの開発とは異なり、事業として形にするには明確な考え方と進め方が重要です。この記事では、新規事業の定義からはじまり、構想の立て方、立ち上げに必要なステップ成功に向けた実践ポイントまでを網羅的に解説します。

新規事業とは?

新規事業とは、既存のビジネスとは異なる新しい市場・顧客・収益モデルや提供価値を創出する取り組みのことです。単なる「新しい商品やサービスの追加」とは異なり、既存の延長戦ではなく、市場の変化や自社の強みを捉えて、新たな成長曲線を築く独立した収益モデルを伴う点が本質的な違いと言えるでしょう。ここでは、企業がなぜ新規事業に取り組むのか、その背景などについて解説します。

3737_新規事業の立ち上げ

企業が新規事業に取り組むべき理由

市場や技術の変化が激しい今、既存事業のみに依存するのは大きなリスクです。どれほど業績が安定していても、時代の変化によって衰退する可能性があります。新規事業は、将来の柱を育てるだけでなく、組織内に挑戦や学びの機会を生み出します。持続的に成長する企業には、新たな事業を模索する姿勢が欠かせません。

新サービス開発と新規事業の本質的な違い

新サービス開発は、既存のビジネスモデルや顧客基盤の上で展開されることが一般的です。一方、新規事業は市場・顧客・提供価値の全てを新たに設計し直していきます。収益構造や競争軸も変わるため、戦略の立て方が根本から異なります。つまり、両者は似て非なる取り組みといえるでしょう。

新規事業を構想するための基本アプローチ

新規事業の構想は、思いつきではなく戦略的な分析と設計から始まります。そのためには、多角的な視点で物事を捉え、発想のヒントや可能性の兆しを丁寧に掘り起こす姿勢が重要です。ここでは、構想段階で押さえておきたい基本的なアプローチについて解説します。

4359_新規事業を構想するための基本アプローチ

1.成功事例の構造を読み解き自社に応用する

他社の成功事例をそのまま真似するのではなく「なぜ成功したのか」を構造的に分析することが重要です。顧客起点の視点や仮説検証のプロセスを読み解くことで、自社に転用できる考え方が見えてきます。特に競合の戦略や強み・弱みを整理できれば、自社の立ち位置や提供価値の差別化ポイントを明確にできます。

2.自社のリソース・強みを整理する

新規事業を構想する際は、自社が持つ資源や技術、人材などを棚卸しすることが出発点です。なぜ既存事業がうまくいっているのかを分析することで、他の分野に応用できる強みが明確になります。独自性や蓄積されたノウハウを再認識することで、外部と戦える新たな武器を見つけやすくなるでしょう。

3.外部環境の変化や市場動向を把握する

自社の強みを生かすには、社会や業界の変化を正確に捉える必要があります。法制度や技術革新、顧客ニーズの変化などを継続的に把握することで、事業機会や脅威を見極められます。「SWOT分析」や「PEST分析」などのフレームワークを活用すれば、市場の動きと自社の関係性を客観的に整理できるようになるでしょう。

>>【記事】新規事業のマーケティング手法とは?立案から実行までの流れやフレームワークを徹底解説

新規事業を始める適切な4つのタイミング

新規事業は、思いついた瞬間に始めればよいというものではありません。実は、事業の成否を左右するのは「始めるタイミング」といえるケースも少なくありません。状況を見極め、最適な時期に動きだすことで、成功の確率が上がります。ここでは、企業が新規事業に踏み出すべきタイミングについて解説します。

4359_新規事業を始める適切な4つのタイミング

1.既存事業が伸び悩み始めたとき

売上や利益が頭打ちになり、成長の鈍化が見えてきたときは、新規事業に踏み出す好機です。既存の仕組みでは限界があると感じたら、新たな収益源や顧客層の開拓が必要です。社内にノウハウが蓄積されている段階なら、挑戦の土台は整っています。過去の成功に固執せず、次の一手を考える姿勢が求められます。

2.競合が先に動き始めたとき

自社と類似する分野で競合が新しい事業を始めた場合、それは市場が動き始めたサインの可能性があります。ニーズの顕在化や技術の進展が背景にある可能性が高く、見過ごすとシェアを奪われるリスクが生じます。競合の動向を冷静に分析し、自社なりの強みを生かして差別化することができれば、後発でも十分に勝機はあります。

3.市場の変化が見えてきたとき

顧客の価値観やニーズ、技術や制度の変化が見え始めたときは、新規事業の種を探る好機です。これまで成立していたビジネスモデルが揺らぎ始めると、既存事業の延長では対応しきれないケースも出てきます。そうした変化の兆しにいち早く気づき、柔軟に戦略を見直すことで、競合より一歩先を行く展開が可能になるでしょう。

4.社内に未活用の技術や資源があるとき

社内に眠る技術や設備、人的資源を生かしきれていないと感じたときも、新規事業を検討するタイミングです。既存事業では使い道が限られていても、視点を変えれば新たな価値に変換できる可能性があります。社内の資源を外部ニーズと照らし合わせて再構成することで、新しいビジネスの種を見出すヒントになります。

新規事業立ち上げ時のステップ設計

新規事業の成功には、構想だけでなく「立ち上げの進め方」が極めて重要です。闇雲に動き出すのではなく、段階ごとに目的とアクションを整理することで、失敗リスクを減らしやすくなります。ここでは、事業のアイデアを具体化し、形にしていくまでの主要なステップについて解説します。

1.体制構築と役割の明確化

新規事業立ち上げの第一ステップは、体制づくりです。責任者を明確にし、誰が何を担うのかを整理します。役割が曖昧なままでは、意思決定や行動が遅れがちになります。初期は人員が限られる場合も多いため、機動力と調整力を兼ね備えたメンバーで構成することが重要です。

2.市場調査と仮説立案

体制を整えたら、次は市場調査を通じて顧客課題や競合動向を把握し、事業の仮説を立てる段階に入ります。定性・定量の両面から情報を収集し、自社が提供できる価値と市場ニーズの接点を探ります。この時点では、完璧な答えよりも検証可能な仮説を構築することが大切です。

3.ニーズ検証と事業計画の具体化

仮説が立ったら、実際の顧客ニーズとどの程度一致しているかを丁寧に検証します。ユーザーインタビューや試作品の提供、簡易なテスト販売などを通じて、反応や課題を収集・分析することが重要です。実証結果を踏まえ、収益構造や販売戦略、開発体制を盛り込み、事業計画をまとめます。

4.資金とリソースの確保

事業計画が整った後は、実行に必要な予算と人材を確保します。初期段階では最小限の資金で小さく始める方がリスクを抑えやすく、助成金や外部投資の活用も検討すべき選択肢です。また、専任チームの編成や必要なスキルの補完も並行して行いましょう。組織内外のリソースを的確に分配できるかが、次のステップの成否を左右します。

5.プロトタイプ開発と改善サイクルの実行

資金と体制が整ったら、試作品の開発と検証フェーズに入ります。完成度を求めすぎず、まずは市場に出して反応を見ることが重要です。ユーザーの声をもとに改良を重ねることで、提供価値を磨き上げていきます。スピード感を持って改善サイクルを回すことで、機会損失を最小限に抑え、成功確率を高められるでしょう。

新規事業を成功させるための実践ポイント

新規事業の成功には、戦略やプロセスの整備だけでなく、日々の取り組みや意識の持ち方も大きく影響します。柔軟な発想や学習姿勢、実行の工夫が事業の成否を分けることも少なくありません。ここでは、現場レベルで意識すべき実践的なポイントについて解説します。

1.現状の強みに頼りすぎず新しい視点を取り入れる

既存の成功体験や自社の強みに固着しすぎると、変化する市場に対応できません。他業界や異分野との共創、未来を起点にした逆算思考を取り入れることで、従来とは異なる視点や発想が生まれやすくなります。固定観念に縛られず、新しい価値を生み出す意識を持つことが、新規事業の可能性を広げるカギとなります。

2.情報に触れる量と幅を意識的に増やす

新規事業の発想や判断には、多様な情報の蓄積が不可欠です。特定領域の知識に頼らず、制度、技術、生活者動向など広範囲にアンテナを張ることで、着眼点に厚みが出てきます。また、仮説検証や顧客理解の精度を高める意味でも、定量と定性の両面で情報収集力を高める意識が必要です。

3.まずは小さく試し手応えを確かめる

完璧を求めて立ち止まるより、不完全でも早く試すことが新規事業における成功のポイントです。MVPや試作テストを通じて、仮説を小規模に検証しながら進める姿勢が求められます。市場の反応をもとに改善を重ね、実現性の高い事業モデルに育てます。

>>【記事】MVP開発とは?MVP開発の目的やメリット・デメリットなどを解説

まとめ

既存事業の成長に限界を感じる企業にとって、新たな柱を育てる新規事業は避けて通れないテーマです。社内の強みや資源を生かしながらも、時代の変化に応じた視点を取り入れ、段階的に検証を重ねるプロセスが重要になります。柔軟な発想と確かな設計力が成功への土台となるでしょう。

とはいえ、「仮説検証の具体的なやり方がわからない」「事業化に向けて、何から始めればよいか迷っている」といった声もよく聞かれます。Sun Asteriskでは、MVP開発の流れと要件定義のポイントをわかりやすく整理した資料をご用意しています。実践的な動画も合わせてご覧いただけるので、自社の新規事業開発に不安がある方は、ぜひご活用ください。

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