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オフショア開発

ラボ型のオフショア開発とは?特徴やメリット・デメリットを解説

更新日: 2024年9月25日

IT人材不足や人件費の高騰などに対応するため、オフショア開発を検討する国内企業が増えています。しかし、オフショア開発にはデメリットや注意点があります。物理的な距離や文化、ビジネス慣習の違いを乗り越えるには、慎重な準備が必要です。この記事では、オフショア開発のメリット・デメリットや注意点などを解説します。オフショア開発の状況もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

ラボ型オフショア開発とは?

ラボ型オフショア開発とは、どのような方法なのでしょうか。ここでは、ラボ型オフショア開発の概要を解説します。

オフショア開発の意味

オフショア開発とは、海外の企業に依頼してシステム開発を進める方法です。従来、オフショア開発の主な目的はコストの削減でした。しかし、近年は国内のエンジニアが不足しており、海外のリソースを活用するためにオフショア開発が注目されています。

オフショア開発のトレンド

オフショア開発は、もともと中国の企業へ依頼するパターンがほとんどでした。しかし、円安や人件費の高騰などを背景に、中国の企業へシステム開発を依頼するためのコストは増加しています。そのため、近年のオフショア開発の依頼先はベトナムの企業が中心です。
ベトナムではIT分野の人材育成が盛んであり、優秀なエンジニアが多くいます。よって、低コストで高いスキルをもつ人材の確保が可能です。

ラボ型の意味

ラボ型は、オフショア開発の手法の1つです。依頼すると専門のチームが編成され、開発が進められます。ラボ型オフショア開発は一定期間の契約となり、一般的には半年から1年間程度です。依頼した側が指示を出し、それに沿って海外の企業に属するエンジニアがシステム開発を進めます。

ラボ型オフショア開発のチーム体制

ラボ型オフショア開発では、編成されたチームにブリッジエンジニアが配置されます。ブリッジエンジニアの役割は、システム開発を依頼した側とエンジニアとの橋渡しです。日本と海外では言語や文化などさまざまな違いがあるため、ブリッジエンジニアがそれぞれの考えを汲み取ってやり取りをサポートします。
よって、ブリッジエンジニアには、語学力やコミュニケーション能力をはじめとする幅広いスキルが必要です。ブリッジエンジニアがチームを取りまとめ、エンジニアに作業の指示を出します。

ラボ型オフショア開発のメリット

ラボ型オフショア開発には、さまざまなメリットがあります。ここでは、主なメリットを4つ解説します。

エンジニアを中長期的に確保できる

ラボ型オフショア開発は一定期間の契約となるため、期間中はエンジニアを着実に確保できます。契約期間内なら、継続的な案件の発注が可能です。案件ごとにチームを再編成する必要がなく、一度構築した情報共有の流れやチームワークなどをそのまま活用できます。

人件費を抑えやすい

オフショア開発では、日本国内でエンジニアを確保する場合に比べ、人件費を抑えられる可能性があります。オフショア開発の主な依頼先である東南アジア諸国は、比較的コストが安い傾向があるからです。また、一般的なシステム開発では修正や仕様変更の際に追加の費用が生じますが、ラボ型オフショア開発なら発生しない場合がほとんどです。

柔軟な対応が可能

ラボ型オフショア開発の契約期間内なら、修正や仕様変更が生じても見積もりの調整は必要ありません。余計な手間がかからず、臨機応変な対応が可能です。チームを柔軟に動かせるため、自社が希望するシステムを実現しやすくなっています。
案件によっては、依頼する時点で企画や要件定義が確定していない場合もあるでしょう。そのような案件でも、ラボ型オフショア開発なら途中で調整しながら対応してもらえます。

自社にノウハウを蓄積させやすい

ラボ型オフショア開発では、自社にシステム開発のノウハウを蓄積できます。システム開発そのものは依頼しますが、エンジニアと協働するため専門的なノウハウに触れられるからです。システム開発のノウハウを自社に取り入れられると、全体的な作業効率アップにつなげられます。

ラボ型オフショア開発のデメリット

ラボ型オフショア開発には、デメリットといえる部分もあります。ラボ型オフショア開発のデメリットについて解説します。

費用対効果に注意が必要

ラボ型オフショア開発の場合、一定期間はチームの人的リソースを確保できます。費用は契約期間とエンジニアの数で決まるため、発注する案件数にかかわらず費用は一定です。何らかの理由で当初の予定より発注が少なくなれば、想定していたほどの費用対効果を得られない恐れがあります。コストパフォーマンスが低くなる可能性があるため注意しましょう。

マネジメントが求められる

ラボ型オフショア開発では、依頼した側がチームに指示を出し、必要な内容をレクチャーする必要があります。適切にマネジメントできないと、開発がうまく進まない恐れがあります。また、チームを機能させるにはチームビルディングも重要です。チームビルディングとは、メンバーのスキルや経験を発揮できる組織づくりのことで、マネジメント力の高さが求められます。

入念に準備する必要がある

ラボ型オフショア開発は長期的な契約であり、適切に開発を進めるには入念な準備が必要です。まずは必要なスキルを具体的に洗い出し、チームのメンバーを選定しましょう。また、自社の要望を着実に実現できるシステム開発会社の選定も重要です。

ラボ型オフショア開発に向いている案件

ラボ型オフショア開発には、どのような案件が向いているのでしょうか。以下で具体的に解説します。

既存Webサービスの運用・改修

既存Webサービスの運用や改修には、ラボ型オフショア開発がおすすめです。Webサービスは安定的に運用する必要があり、機能の改善や仕様変更なども重要です。ラボ型オフショア開発なら、日本国内よりも安い人件費でエンジニアを継続的に確保できます。必要な人材を着実に確保できるため、膨大な作業にも丁寧に対応できるでしょう。

アジャイル型開発

アジャイル型開発とは、小規模単位でテストと改修を繰り返して開発を進める方式です。開発をスピーディに進めつつ、柔軟な仕様変更が可能な点がメリットです。ラボ型オフショア開発は、契約期間内の修正や仕様変更について新たな見積もりは必要ありません。アジャイル型開発で何度も改修が発生しても、スムーズに対応可能です。

ラボ型と請負型の違い

オフショア開発には、ラボ型以外に請負型があります。請負型は、仕様や納期があらかじめ決まっている契約方法です。長期間の契約が前提となるラボ型とは異なり、請負型は契約期間が短期間となるケースが多いです。請負型の場合、成果物の納品が済むと契約が完了します。

ラボ型オフショア開発の依頼先の選び方

ラボ型オフショア開発の依頼先は、どのような基準で選べばよいのでしょうか。ここでは、具体的な選び方を解説します。

実績を確認する

システム会社の過去の実績を確認しましょう。単に実績が多いだけでなく、自社が希望するシステムと似た案件を扱った経験があると、安心して開発を任せられます。実績を確認すれば、依頼に対してどのようなシステムが納品されるのか、予想しやすくなります。

コミュニケーション体制を確認する

オフショア開発を成功させるには、コミュニケーションが重要です。情報共有の経路や頻度を確認し、スムーズかつ着実にコミュニケーションがとれそうか見極めましょう。チームとの橋渡しを行うブリッジエンジニアの能力も確認し、問題なくやり取りできる人材かチェックしてください。

ラボ型オフショア開発の注意点

そもそもオフショア開発に慣れていない場合、ラボ型のメリットを活かしきれない可能性があります。ラボ型ではチームビルディングが重要であり、必要となるマネジメントスキルが比較的高めです。そのため、まずは請負型からオフショア開発にチャレンジしてみてもよいでしょう。請負型でオフショア開発の経験を積み、慣れてきたところでラボ型へと移行するとスムーズです。

まとめ

ラボ型オフショア開発では、一定期間、同じチームに案件を依頼できます。機能の改善や仕様変更などにも柔軟に対応できるため、何度も依頼したい場合に向いています。ただし、ラボ型オフショア開発を成功させるには、マネジメントが重要です。入念な準備を整えたうえで進める必要があります。
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