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オフショア開発

オフショア開発の準備の進め方とは?導入前に知っておきたい9つのステップを解説

投稿日: 2024年6月25日

更新日: 2024年6月25日

オフショア開発の準備の進め方とは?導入前に知っておきたい9つのステップを解説

オフショア開発の導入を検討している担当者のなかには、オフショア開発をどのように進めればよいのか、現地での品質やコミュニケーションに不安を感じる人もいるでしょう。オフショア開発の導入を成功させるためには、進め方をしっかり把握したうえで準備を進めることが大切です。本記事では、オフショア開発の進め方や導入前に押さえておきたいポイントを解説します。

オフショア開発とは

オフショア開発とは、海外の開発会社や子会社に、システムやアプリケーションの開発に関する業務を委託することです。従来の委託先の主流は中国でしたが、近年はベトナムやフィリピン、インドなどを選ぶ企業も増えています。

オフショア開発のメリットは、開発に必要なエンジニアを確保できるうえに、人材不足の問題の解消、採用や開発コストの削減ができることです。

オフショア開発を導入する際の準備の進め方

オフショア開発で失敗しやすい主な原因は、事前準備が不足しているためです。前述したメリットを得るためには、オフショア開発の全体の流れや進め方を把握する必要があります。

オフショア開発の流れは、一般的なシステムやアプリケーション開発と同じ流れで進められます。準備不足で開発が中途半端にならないように、オフショア開発の準備について確認しておきましょう。

【オフショア開発の準備1】
開発の目的をチーム内で共有する

オフショア開発に失敗しやすい主な原因として、納期の遅れと品質の低さが挙げられます。納期を守りつつも、一定の品質を確保するためには、以下の3つの項目を明確にする必要があります。

・オフショア開発を委託する理由
・開発したい制作物とその目的
・プロジェクトの目標やゴール

上記の3つの項目を明確にしてから次の準備に進みましょう。

【オフショア開発の準備2】
役割・責任の範囲・意思決定者を明確にする

オフショア開発では、委託先の文化や常識、言語の違いなどからトラブルに発展しやすいため、以下の所在を明確にしておきましょう。

・すべての開発プロセスにおける自社のメンバーが負うべき責任の範囲
・すべての開発プロセスにおける委託先に任せる業務の範囲
・最終的な判断をする意思決定者

これらを明確にすることで、人によって判断基準が異なる、決定事項が変更されて開発スケジュールが延びるなどのリスクを抑えられます。

【オフショア開発の準備3】
自社での現状分析(アセスメント)を実施する

自社の現状を分析して把握することは、オフショア開発会社に求める要望や条件を明確にするうえで役立ちます。たとえば、以下の項目の確認をおすすめします。

・プロジェクトの内容がどの程度、複雑であるか
・開発にかかる期間の目安はどのくらいか
・依頼するにあたって形式化されたドキュメントやナレッジがあるか
・自社の開発プロセスや品質管理プロセスで海外に委託できそうか
・委託先のメンバーとのコミュニケーション手段はあるか
・人件費や滞在費などを含むコストに見合ったROI(投資対効果)はあるか
・リスクマネジメントの方法は明確であるか
・プロジェクト担当者のスキルと依頼する業務内容が見合っているか

自社の現状を分析して課題が明確になった場合は、対策を立ててから次の準備に移りましょう。

【オフショア開発の準備4】
委託を検討している国の特徴を把握する

オフショア開発の委託先を検討するには、候補となる国の特徴を把握しておくことが大切です。近年注目されている国の特徴を解説します。

ベトナム

ベトナムは、オフショア開発の新規の委託先として人気がある国です。中国やインドと比べてもコストパフォーマンスが高く、開発に必要なリソースを確保しやすいことも人気の理由です。さらに、親日国で日本語教育が行われている点や、勤勉な国民性、官民一体のIT教育の推進なども委託先を検討中の企業を後押ししています。

中国

中国は、国を挙げてデジタル改革を推進している世界有数のIT先進国です。日本企業向けのオフショア開発の実績が豊富で、高度な開発が必要な場合や、共同で開発したい場合に選ばれる傾向があります。ただし、近年はカントリーリスクを考慮して、オフショア開発会社を中国から他国へ変えるケースも増えています。

インド

インドは英語が堪能な技術者が多く、欧米からの需要が高まっています。特に、エンジニアの技術力や豊富なリソース、コンサルティング力、アナリティクスなどの支援に注力するオフショア開発会社が増えています。ただし、高度な技術力を持つ分、人件費は安くありません。また、日本市場に詳しいオフショア開発会社を探すためには、しっかりとリサーチを行いましょう。

フィリピン

フィリピンは、オフショア開発にかかるコストは全体的に上昇傾向にあるものの、他国と比べると上昇幅は大きくありません。公用語が英語のため、インドと同様に英語圏からの委託が増えています。日本では、海外展開を検討する企業向けのサービスや、多言語サービスなどの開発の委託先として注目されています。

バングラデシュ

バングラデシュは前述した4か国と比べても単価が低く、人件費を抑えられることで注目されている国です。英語にも対応できるため、欧米からの需要が拡大し、単価が上昇傾向にあります。バングラデシュでは国策としてITアウトソーシングを掲げており、免税対象は100%です。デジタルインフラの整備も進み、情報通信分野の企業が増えています。

【オフショア開発の準備5】
委託する開発会社を選定する

オフショア開発を委託する国と開発会社は、以下に挙げるポイントを考慮して選ぶことをおすすめします。

・開発の目的とオフショア開発会社の得意分野が一致しているか
・委託先の国の文化や言語が日本と近いか
・円滑なコミュニケーションが取れるか
・万が一に備えた保証制度が整備されているか

上記のポイントを踏まえたうえで、運営母体として適切な企業の特徴を解説します。

日本での留学・日系企業での勤務経験がある現地人が運営する開発会社

日本での留学や勤務経験があるオフショア開発会社の経営者は、日本と現地の文化や特性を理解したうえで会社を運営しています。日本の文化や特性に配慮した対応が可能なため、双方の文化や特性の違いによって起こり得るトラブルを防げるでしょう。また、日本語でのコミュニケーションも可能です。現地法人のため、他の運営母体よりも安いコストで済みます。

現地在住の日本人が運営する開発会社

現地在住の日本人が運営するオフショア開発会社は、日本のビジネス文化を取り入れて事業を行っている可能性が高い会社です。経営者だけでなく、現場のエンジニアにも日本のビジネス文化が共有されていることが多いため、開発案件を安心して委託できる特徴があります。日本人が経営者であることから、円滑なコミュニケーションが図れるでしょう。

日本企業が運営する開発会社

日本企業が運営する開発会社は、日系企業からの出資を受けて海外に設立された会社です。窓口となるのは日本人の社員やブリッジエンジニアであるため、コミュニケーションはもちろん、品質面の不安も解消できるでしょう。ただし、手厚いサポートを受けられる反面、委託にかかる費用はやや高い傾向があります。

【オフショア開発の準備6】
複数社から見積もりを取る

オフショア開発を委託する国が決まった後は、複数のオフショア開発会社から見積もりを取り寄せます。見積もりを比較することで委託費用の相場感がわかるうえに、内訳の項目に不明点がないかを確認できます。

見積もりの内訳を見て、算出された項目や内容に不明点や不適切な内容がある場合は、オフショア開発会社に確認を取りましょう。可能であれば、オフショア開発会社を選定する前に現地へ視察または監査を行い、不安や問題を解消しておくと安心です。

【オフショア開発の準備7】
契約形態・開発手法を決める

契約形態には制作物の完成までを契約とする請負型や、期間とリソースを重視するラボ型、発注者がすべての責任を負う準委任型があります。

契約形態

契約形態は、自社のオフショア開発の案件に合わせて選択します。単発案件や短期間での納品を希望する場合は請負型、中長期的な案件を委託する場合はラボ型がよいでしょう。ラボ型は契約内容に体制まで含まれていますが、準委任型は開発に必要なリソースを確保できるうえに、仕様変更も柔軟に対応できる契約形態です。

開発手法

オフショア開発の方法は大きく分けて、ウォーターフォール開発とアジャイル開発の2種類があります。ウォーターフォール開発は、上流工程から下流工程までの仕様を、自社で決めてから開発を依頼する方法です。

一方のアジャイル開発は、短期間で決まった開発工程を繰り返し行い、状況に合わせて開発を進める方法です。開発手法は、自社の開発目的に応じて選択しましょう。

【オフショア開発の準備8】
担当者と仕様書を作成する

オフショア開発の成功は、仕様書の内容が正確に翻訳されているかどうかにかかっています。海外では、仕様書に記載されていないものは対応しないのが一般的です。対応してもらいたいことは、明確に記載しておきましょう。以下に挙げる項目の記載をおすすめします。

・画面構成や遷移図、モックアップ
・具体的な開発フロー
・コミュニケーションの手段や手順

【オフショア開発の準備9】
キックオフで認識を合わせる

オフショア開発の成功には、自社メンバーとオフショア開発会社のメンバーで、開発前のキックオフミーティングを行うことが大切です。キックオフを行うべき理由は、開発の目的や目標を共有し、双方のメンバーの目線をそろえるためです。

日本と現地では物理的な距離があるため、キックオフを行い、親睦を深めて信頼関係を築く必要があります。キックオフは対面が理想ですが、オフラインでも問題ありません。

まとめ

オフショア開発を成功させるには事前の準備が大切です。準備を怠ると、開発をスムーズに進められません。また、日本と委託する国では文化や特性が異なるため、日本について理解しているオフショア開発会社への委託をおすすめします。

株式会社Sun Asteriskは、Webシステムやモバイル開発を得意とする会社です。DXコンサルをはじめ、柔軟な開発リソースを生かし、設計から本格的な開発までを一気通貫でサポートします。オフショア開発の準備に不安がある場合はご相談ください。

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