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システム開発の工程比率とは?主要工程の配分と工数の目安をわかりやすく解説

更新日: 2026年2月19日


システム開発における工程比率は、全体の流れや工数を適切に管理するうえで欠かせない考え方です。工程比率について正しく理解していなければ、ある工程に時間や人手が集中してしまい、納期や品質に影響が出る可能性があります。

各工程の目的や役割を把握しながら、比率の目安や工数の配分を意識することで、無理なく進められます。この記事では、システム開発における工程比率の基本と、具体的な割合や管理のコツについて解説します。

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システム開発の工程比率とは

システム開発における工程比率とは、工程ごとの作業に対して、どの程度の工数をかけるかという目安を示したものです。開発を無理なく進めるには、工程ごとにどれだけの比重があるかを把握しておく必要があります。ここでは、工程比率の基本的な意味や考え方について解説します。

各工程がシステム全体に与える役割と影響

システム開発では、どの工程にどれだけ工数をかけるかによって、完成するシステムの質が大きく変わります。たとえば、要件定義の比率が少なすぎると、あとから仕様の修正が増え、開発やテストに影響が出ます。

逆にテスト工程が不十分では、不具合が見逃されて品質に問題が残ることもあります。工程ごとの役割だけでなく、その比率が全体に与える影響まで意識することが大切です。

工程比率を把握する重要性

工程比率を曖昧にしたまま開発を進めてしまうと、必要な作業に十分な時間が割けず、後半になりバタバタする場面が増えてしまいます。工数が足りなければ品質の維持が難しく、かけすぎると予算や納期がオーバーします。

事前に比率の目安を決めておけば、無理のない配分により、安定した進行が可能です。工程比率の管理は、現場の負担を減らすための土台になります。

>> 【チェックリスト】システム開発の最初の一歩で失敗しないための要件定義

システム開発での工程比率の目安と割合の例

システム開発における工程比率には、ある程度の目安があります。こうした比率を理解しておくと、計画段階で工数配分のバランスを調整しやすく、無理なく進めやすくなります。

ここでは、各工程の比率と、そうした配分が用いられる理由について解説します。なお比率は、実際の開発現場の経験則をもとにした一般的な目安としてご参考ください。

要件定義|全体工数の10〜15%が一般的

要件定義の工程比率は、全体の10〜15%が目安です。この工程は、発注者側の希望や業務の条件を整理し、必要な機能や対応範囲を明確にすることが目的です。

システム開発の方向性を決める土台となる工程であり、プロジェクトマネージャーや技術担当者と協力しながら打ち合わせや資料作成を進める必要があります。

比率を短くしすぎると、内容の詰めが甘くなり、後の設計や開発で手戻りが発生しやすくなります。案件によって必要な期間は変わりますが、見積段階から10〜15%ほどの工数を確保しておくようにしましょう。

>> アジャイル開発における要件定義の必要性とは?流れや手順などを解説

基本設計・詳細設計|20〜30%で全体の土台を構築

基本設計と詳細設計の工程比率は、全体工数の20〜30%が目安です。この工程では、要件定義で整理した内容をもとに、実際の機能や画面構成を具体化していきます。

基本設計では、システムの構造や機能の大枠を決め、詳細設計ではそれをどう実装するかまで落とし込みます。

どちらも後のプログラミング工程に直結するもので、配分が不足すると、手戻りや仕様のズレが発生しやすくなるため注意が必要です。特に基本設計での判断ミスは、開発全体の方向性を狂わせるリスクがあるため、比率は慎重に検討しましょう。

プログラミング(開発)|30〜40%が中心的な工程

プログラミング(開発)の工程比率は、全体の30〜40%が目安です。この工程では、設計書に基づいて実際のコードを作成し、システムを構築します。システムエンジニアやプログラマーによる作業が中心で、プロジェクトの規模や複雑さに応じて必要な人員や期間が変動します。

プログラミング工程は、システム開発のなかでも特に工数と費用が集中する部分です。この工程にかける比率が短すぎると、作業が追いつかず、品質や進捗に悪影響が出やすくなります。一方、長く取り過ぎるとコストが膨らみ、全体のバランスが崩れる原因にもなります。

実際の規模や技術者のスキルを踏まえ、必要最小限で確実に終えられる配分を考えてみましょう。

テスト工程|15〜25%で品質を確保する

テスト工程の比率は、全体の15〜25%が目安です。開発後のシステムに不具合や動作ミスがないかを確認する重要な工程で、品質を確保する最後の関門ともいえます。

具体的には、単体テスト・結合テスト・総合テスト・受け入れテストの4段階に分かれており、機能ごとの動作からシステム全体の完成度まで順にチェックします。

ここでの比率が不足すると、リリース後の不具合につながりやすくなり、修正対応に余計な手間や費用が発生しかねません。逆に配分が多すぎると、納期やコストの圧迫要因になるため、他工程とのバランスを見ながら調整する必要があります。

>> システムテストの基礎知識|単体・結合・受入の流れと計画書の作り方

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工程比率を最適化する工数管理のポイント

工程比率を最適化するためには、ただ目安通りに工数を割り振るだけでは不十分です。各工程の特性や役割を踏まえたうえで、開発内容に応じた調整が求められます。ここでは、工数配分を柔軟かつ適切に管理するための考え方と、その進め方について解説します。

工程ごとの目的と作業内容を明確に定義する

工程比率を適切に見積もるには、まず各工程の目的と作業内容を具体的に分解することから始めていきます。

たとえば、要件定義なら「ヒアリング・仕様整理・レビュー」といった内容です。それぞれのタスクに対して「誰が・いつまでに・どのような成果物を出すか」を決めておくことで、必要な工数が見えやすくなります。

作業範囲が曖昧なままでは、予定していた以上に時間がかかったり、計画に入っていなかった作業が出てきたりする可能性があります。見積もり時点で粒度をそろえ、各タスクの役割と完了基準まで明確にしておくことが大切です。

>> アジャイル開発におけるプロジェクトマネジメントとは?手法・役割・成功のポイントを解説

初期段階で工数の配分と比率の目安を決める

工数の配分は、できるだけプロジェクトの初期段階で決めておくことが大切です。全体の工程を見渡しながら、大まかな流れと配分のイメージを持っておくことで、後に調整しやすくなります。

配分を考えるときは、どの工程が重たくなるか、どこに余裕を持たせるべきかといった視点を持つことがポイントです。細かな作業見積は後で詰めるとしても、最初に「どこにどれだけの時間を割くか」を意識しておくだけで、進行の精度が大きく変わります。

工数管理ツールで進捗と工程のズレを可視化する

工数の配分を正しく行っても、計画通りに作業が進むわけではなく、実際の進行状況とズレが生じることは珍しくありません。そこで役立つのが、工数管理ツールによる状況の可視化です。タスクごとの進捗状況や工数消化のペースを見える化していれば、遅れや偏りに早く気づけます。

特に、複数の工程が並行して進むような開発では、全体のバランスを把握しながら工程比率を調整する必要があります。管理ツールを活用することで、判断の根拠をデータで持てるようになり、現場での対応もスムーズになります。

工程比率をもとにしたシステム開発の進め方と管理手順

システム開発における工程比率の役割や目安、配分の考え方について理解できたものの、具体的にどう進めていけばよいのか、イメージが湧かないという方もいるのではないでしょうか。ここでは、工程全体の捉え方や作業の整理方法、進捗管理のポイントまで、実際の進め方について解説します。

1.工程全体の流れと工数比率を把握する

工程比率はおおよその目安がありますが、詳細な数字はプロジェクトごとに調整が必要です。たとえば、関係者が多く業務内容も複雑なシステムは、最初の要件定義に時間をかけなければ、後で話が食い違ってトラブルになるリスクがあります。

一方で、以前と似た仕組みを使うケースは、ある程度同じような進め方で問題ないため、要件定義よりもテストや設計に重点を置いた方が完成度を高めやすくなります。このように、どこにどれだけ工数をかけるかは内容次第で変わるため、事前に見通しを立てておくことが大切です。

2.工程ごとの作業内容とスケジュールを整理する

工程ごとに作業内容とスケジュールを整理する際には「誰が・何を・いつまでにやるか」をタスクレベルで整理しましょう。

たとえば結合テストなら「テストケース作成、環境準備、実施、不具合修正、再テスト」といった流れに落とし込めば、必要な日数や人員を具体的に見積もることも可能です。

こうして洗い出した工数を全体工数と照らし合わせれば、各工程の最適な比率が見えてきます。作業が曖昧なままだと配分がズレやすく、後から調整が効かなくなるため注意が必要です。

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3.工数配分に応じて人員と予算を割り当てる

工程ごとの工数比率を決めた後は、それに合わせて人員と予算を配分します。たとえば、設計工程の比率が高い場合は、経験豊富なメンバーを厚めに配置し、人件費も多めに見積もるのがポイントです。

一方、比率が低い工程なら少人数で兼任対応も可能です。ただし、作業の難易度や集中度も考慮しなければ、予想以上の手戻りやコスト超過になる可能性があります。

4.工程ごとの進捗を可視化して管理する

進捗を管理するには、各工程の比率をベースにどこまで進んでいるのか、常に見える化しておく必要があります。ガントチャートやWBSを活用し、工程ごとの完了率を可視化することで、予定と実績のズレに早く気づけます。比率の大きい工程ほど遅れが全体に与える影響も大きいため、重点的に進捗をチェックすることが大切です。

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まとめ

システム開発における工程比率とは、各工程が全体をとおして、どの程度の割合を占めるのかを示すものです。比率には一定の目安がありますが、プロジェクトの内容や体制に応じた調整が必要です。

配分を適切に調整するには、工程ごとの役割を理解したうえで、作業内容やスケジュールを具体化しておく必要があります。しかし、工程比率を踏まえた工数の配分や調整を現場で正確に管理するのは簡単ではありません。だからこそ、計画段階でタスクを丁寧に分解し、作業内容を見える形にしておくことが重要です。

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よくある質問

Q システム開発の工程比率を決める際、まず何から始めるべきですか?
A まずは各工程の目的を明確にし、具体的なタスクレベルで「誰が・いつまでに・どのような成果物を出すか」を分解・定義することから始めます。

Q 一般的に、各工程にはどのくらいの工数を配分するのが目安ですか?
A 目安として、要件定義に10〜15%、基本・詳細設計に20〜30%、プログラミングに30〜40%、テストに15〜25%を配分するのが一般的です。

Q 要件定義の工数を減らして期間を短縮しても問題ないですか?
A 比率を短くしすぎると内容の詰めが甘くなり、後工程で手戻りが発生するリスクが高まるため、見積段階から十分な工数を確保すべきです。

Q 設計工程(基本設計・詳細設計)の配分が不足するとどうなりますか?
A 実装段階で仕様のズレや手戻りが発生しやすくなります。特に基本設計での判断ミスは開発全体の方向性を狂わせるリスクがあるため注意が必要です。

Q プログラミング工程の工数を見積もる際の注意点はありますか?
A 最も工数と費用が集中する工程ですが、長く取りすぎるとコスト増につながるため、規模やスキルを踏まえて必要最小限かつ確実な配分を検討します。

Q テスト工程の比率が少なすぎる場合の失敗例はありますか?
A 不具合が見逃されたままリリースされるリスクが高まり、結果として修正対応に余計な手間や費用が発生して納期遅延の原因になります。

Q 開発の進捗や工数のズレを管理する良い方法はありますか?
A ガントチャートやWBSなどの工数管理ツールを活用して進捗を可視化し、計画と実績のズレに早期に気づけるようにすることが有効です。

Q 実際の開発プロジェクトはどのような手順で管理を進めますか?
A 全体の流れと比率を把握した後、作業内容とスケジュールを整理し、それに基づいて人員と予算を割り当て、進捗を可視化しながら管理します。

Q 予算や人員を各工程に割り当てる際のコツはありますか?
A 比率が高い工程や難易度が高い作業には、経験豊富なメンバーを厚めに配置し、予算も多めに見積もるなど、工程の重みに応じた配分が重要です。

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