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UI/UX システム開発

業務システムのUI/UXの必須要件とは?デザインの7つのポイントも解説

更新日: 2024年10月30日

業務システムのUI/UXデザインは、従業員や組織の業務効率や生産性を左右します。本記事では、業務システムのUI/UXデザインについて、重視したいことや改善するための手順などを解説します。デザインの具体的なポイントも述べるため、ぜひ参考にしてください。

業務システムにおけるUI/UXデザインで重視したいこと

業務システムと一般消費者向けのシステムでは、デザイン面で重視する点が異なります。業務システムにおけるUI/UXデザインを検討する際に、押さえておきたいことを解説します。

UI/UXデザインの基本を押さえる

業務システムにおいても、一般消費者向けのシステムと同様に、UI/UXデザインの基本原則を押さえておきましょう。UI/UXデザインで重視される内容は、主に以下のとおりです。

・統一性
・シンプルさ
・見やすさ
・使いやすさ
・応答や通知
・ユーザー中心設計

UI/UXデザインの基本原則は普遍的ですが、業務システムと一般消費者向けのシステムでは、上記要素の適用方法や重点の置き方が変わります。

従業員の属性を考慮する

業務システムの設計では、ユーザーである従業員の属性を十分に理解したうえで、デザインを追求しましょう。一般消費者向けのシステムと比べ、業務用途ではユーザー層が明確に定義されています。たとえば、会計システムの場合は、主なユーザーは、数字や財務用語に精通した経理部門の従業員となります。

従業員の操作状況を考慮する

従業員は特定の職務についてシステムを操作するため、業務内容や環境に即した使いやすさが求められます。業務に特化したシステムであれば、使い勝手が悪くても従業員は使わざるを得ません。そのため、ユーザーの負担を軽減するデザインを心がけることが、システムの効果的な運用につながります。

たとえば、工場などの現場で分厚い手袋を着用しながらシステムを操作する場合、小さなボタンが密集した画面では誤操作のリスクが高まるでしょう。誤操作を防ぐには、ボタンを大きくする、ボタン同士の間隔を広げるなどの工夫が必要となります。

業務効率の向上を図る

多くの企業が業務の効率化を目指して業務システムを導入します。しかし、適切なデザインを採用しなければ、かえって生産性を低下させる可能性があります。使い勝手が悪い、操作方法が分かりにくいなど、ユーザビリティを損ねる要素がないか綿密な検討が必要です。

UI/UXを軽視した業務システムの弊害

業務システムのUI/UXデザインを軽視すると、業務効率や従業員満足度が低下する可能性があります。結果として、組織全体のパフォーマンスにも悪影響が出かねません。

一方、UI/UXに配慮した業務システムは、業務の効率化や誤操作の減少、従業員のモチベーション向上など、多くのメリットを組織にもたらします。

業務システムの種類別UI/UXデザインのポイント

業務システムのUI/UXデザインは、導入状況によってアプローチが異なります。重視すべきポイントを見ていきましょう。

新しく導入する場合

全く新しい業務システムを導入する際、具体的なデザインをイメージしにくい場合があります。イメージが難しいときは、複数のアプローチを組み合わせて最適なデザインを模索しましょう。

たとえば、開発の初期段階でプロトタイプを作成して実際に操作してみると、使用感や機能性を体感できます。同業他社や類似業務のシステムを参考にしつつ、自社の独自性を組み込んでもよいでしょう。さらに、UI/UXの専門家の意見を積極的に取り入れると、よりふさわしいデザインを実現できる可能性があります。

既存システムがある場合

既存の業務システムを刷新する際は、現行システムの利用状況を詳細に分析し、課題を明確にしましょう。システムに蓄積されたデータは、デザインを検討する際の貴重な情報源となります。たとえば、頻繁に使用される機能や、ほとんど使われていない機能を特定すると、使い勝手のよいデザインの方向性が見えてきます。

加えて、従業員へのアンケートやインタビューを通じて、日々の業務で感じている不便さを収集してください。特定した課題には、重要度や緊急性に応じて優先順位をつけてデザインに反映させましょう。

既存業務システムのUI/UXデザイン改善手順

既存の業務システムのUI/UXを改善するためには、段階的なアプローチが効果的です。以下の手順で進めましょう。

1.ユーザーと実際の業務を調査する

前述のとおり、効果的な業務システムをデザインするためには、ユーザーの属性と実際の使用状況を深く理解しなくてはいけません。

デザインの方向性を決定する前に、以下のような要素について十分に情報収集してください。

・ユーザーの職種、役割、およびスキルレベル
・業務プロセス
・システムが使用される環境(オフィス、工場、現場など)
・使用時間帯と業務のピーク時
・使用頻度と重要度

2.他社の業務システムを分析する

デザインを設計する際は、業界の状況を把握しておきましょう。競合他社の業務システムを調査すると、最新のトレンドや自社のシステムの課題を理解できます。

3.ワイヤーフレームを作成する

情報収集と分析を経た後は、ワイヤーフレームを作成してアイデアを視覚化します。ワイヤーフレームは、業務システムの骨格を示す設計図です。

ワイヤーフレームを作成する際は、細かな装飾や色彩よりも、機能の配置や情報の階層構造の明確化を重視します。ワイヤーフレームを通じてイメージを関係者間で共有しつつ、刷新後のシステムのデザインを話し合いましょう。

4.プロトタイプで使用感を確かめ改善を繰り返す

プロトタイプの段階では、完璧な仕上がりを追求するよりも、基本的な機能性と使用感の検証に重点を置きます。ユーザーである従業員にプロトタイプを試用してもらい、アンケートやインタビューにより得られたフィードバックをもとに、デザインを改善し続けましょう。

業務システムにおけるUI/UXデザインのポイント7選

業務効率と使いやすさを向上させる、業務システムにおけるUI/UXデザインのポイントを紹介します。

1.シンプルさを意識する

シンプルさは、業務システムにおけるUI/UXデザインの重要なポイントです。過度な装飾を避けると、従業員は操作に集中できます。

たとえば、アイコンや色彩、フォントは、慎重にデザインを決めてください。意味が伝わりにくいアイコンや、過剰な色使い、統一感のないフォントは、操作性を損なう恐れがあります。また、表形式でデータを提示する際は、構成を整理して余分な情報を省くと、見やすさが向上します。

2.リキッドレイアウトを採用する

リキッドレイアウトは、ユーザーが使用するデバイスの画面サイズに応じて、デザインを適応させる手法です。

特に、複数のデバイスが混在する職場環境では、リキッドレイアウトの採用が望まれます。スマートフォンからタブレット、パソコンまで、どのデバイスでも快適に閲覧できる業務システムなら、ユーザー体験が大幅に向上します。

3.直感的な操作感を重視する

オブジェクトベースのメニュー構造にすると、ユーザーは直感的に業務システムを操作しやすくなります。オブジェクトベースのメニュー構造とは、何を操作するか、どのように操作するかの順に選択させる構造のことです。

たとえば、オブジェクトベースのファイル管理システムの場合、ファイルアイコンをクリックすると、ファイルに対して実行可能な操作(開く、編集、削除など)がメニューとして表示されます。

また、視線誘導を意識したレイアウトも、UI/UXデザインにおいて重視すべきポイントです。自然な順序で操作できると、ユーザーの負担が軽減されます。

4.ボタンを選びやすくする

ボタンの選びやすさも、UI/UXデザインの向上に向け工夫が求められます。たとえば、ボタンの数を適切に抑えましょう。画面上のボタンが多すぎると、選択に迷う時間が生じ操作効率が低下するためです。

また、アクションと色彩のイメージを統一してください。「保存」ボタンには常に青色を、「削除」には赤色を使用するなど、一貫性のある色使いを心がけましょう。

5.ルーティーンの業務効率を高める工夫を取り入れる

ルーティーン業務の効率化は、UI/UXデザインの重要な目的です。日常的に繰り返される操作を簡素化することにより、生産性が飛躍的に向上すると期待されるためです。

たとえば、頻繁に使用される機能にはショートカットキーを割り当てるとよいでしょう。また、個々のニーズに応じて管理画面をカスタマイズできる機能を搭載すると、それぞれの業務スタイルに最適化された環境を構築できます。

6.入力する手間を省く

入力に手間がかかると、誤操作や業務効率の低下につながります。データ入力を助ける入力インターフェースを取り入れるなどして、ユーザーの利便性を追求しましょう。

入力インターフェースとは、入力操作をするときに使用するデバイスや機能全般を指します。たとえば、オートコンプリート機能は、入力の途中で関連する候補を表示し、選択を簡単にする機能です。

7.分かりやすいエラーメッセージを表示する

エラーメッセージの分かりやすさも、ユーザー体験を大きく左右します。問題の本質を明確に伝えることで、ユーザーは迅速に適切な対応を取れるためです。たとえば、「入力値が無効です」ではなく、「パスワードは8文字以上にしてください」といった、具体的な指示を表示させましょう。加えて、エラー画面には、ヘルプやマニュアルへのリンクを目立つように配置してください。

UI/UXデザインを重視した業務システムの事例

ある物流事業者向け配車支援サービスでは、デジタルツールに不慣れな人でも直感的に操作できるように、UI/UXデザインを検討しました。

紙ベースの業務に慣れた配車担当者にとって、デジタル化へのハードルは高いといえるでしょう。開発チームは実際のユーザーにシステムを使用してもらい、詳細なフィードバックを収集しました。フィードバックを反映することで、UI/UXデザインの追究に成功しています。

まとめ

UI/UXデザインに優れた業務システムは、従業員や組織の業務効率や生産性を向上させ、誤操作も防止できます。そのため、シンプルで直感的に操作できるかを重視して、業務システムのデザインを検討してください。

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