UIUXは、近年ビジネスにおいて重要視されている概念です。UIUXを意識したデザインは、ユーザーにも企業にもメリットがあります。この記事では、UIUXの基本から、UIUXを改善する手順、デザインするポイントまで幅広く解説します。
目次
UIUXとは?
UIUXとはどのようなものか、それぞれの特徴について解説します。
UIとは
UIは、User Interface(ユーザーインターフェース)の頭文字を取った言葉です。インターフェースとは、日本語で接点を指し、UIとはサービスや製品とユーザーをつなぐものです。操作画面で、ユーザーの目に入る全ての要素がUIです。例として、以下が挙げられます。
・Webサイトやアプリのデザイン
・Webサイトやアプリに表示される画像や文字
・入力フォーム
・問い合わせボタン
UXとは
UXは、User Experience(ユーザーエクスペリエンス)の頭文字を取った言葉です。UXとは、ユーザーがサービスを受けたり製品を使ったりすることで得られる体験を指します。ユーザーが得られる体験には、以下のものがあります。
・欲しい商品がすぐに見つかった
・Webサイトのデザインがオシャレで気分が上がった
・決済方法が豊富だった
・Webサイト内で必要な情報が探しやすかった
UIとUXの関係性
UIはUXの一部であり、UXの質を左右する要素であると考えられています。UIがサービスや製品とユーザーとの接点であることに対して、UXは、サービスや製品に接することでユーザーが得た体験全てを指すためです。
質の高いUIはUXによい影響を与えることもありますが、UIを高めれば必ずUXが高まるとは限りません。UXの質を高めるために、UIをデザインするという意識が大切です。
UIUXが重要視されている背景
昨今のビジネス業界では、UIUXに重きを置く企業が増えています。ここでは、その背景を3つの観点から解説します。
消費の変化
質のよい製品が巷に溢れている日本において、ユーザーは、商品購入の「モノ消費」よりも、商品を利用することで得られる体験に注目する「コト消費」に強い関心を抱くようになりました。ユーザーの関心がモノからコトに変化したことにより、価値観にも変化が生まれています。
SNSの普及による変化
InstagramやXなど、SNSが普及したことで、企業とユーザーの関わりは多様で複雑なものに変化しました。モノではなく、情報に価値を見出す社会において、製品の質だけでは、継続的に売り上げを伸ばすことは困難です。ユーザーに寄り添い、UIUXの質を高めることが重要です。
緻密な顧客分析が可能になった
データ分析技術が進化したことにより、細部まで正確に顧客を分析することが可能になりました。
分析した情報をもとに、ユーザー1人ひとりに合わせて調整したサービスや情報の提供も可能です。ユーザーに合わせたUIUXは、企業のマーケティング活動にも有効です。
UIUXを改善するメリット
UIUXを改善することで操作性が上がり、ユーザーのストレスが軽減されます。改善例は以下のとおりです。
・文字を大きくする
・行間を広くする
・問い合わせボタンの色やサイズを変える
・電話をかけるボタンを配置する
ユーザーの利便性が改善されることで、顧客満足度が向上し、コンバージョン率が改善されます。これにより、ブランドイメージが強化され、企業にも大きなメリットが生まれます。
UIUXを改善する手順
UIUXを改善する場合は、現状を把握した上で施策に取り組みましょう。
現状を把握する
まず、UXとターゲットとなるユーザーの現状を把握します。ユーザー体験を理解し、整理する「UXリサーチ」により、課題が明確になります。「UXリサーチ」の例は以下のとおりです。
・アンケート調査
・グループインタビュー
・行動観察調査
施策に取り組む
課題が明確になったら、マーケティング担当者、デザイナー、システム担当者などがアイデアを出し合い、理想のUIUXを実現する施策に取り組みます。このとき、ユーザー行動や感情の遷移を可視化できるカスタマーマネージャーを活用するとよいでしょう。
検証をする
ユーザビリティテストを実施し、UIUXに課題や改善点がないかを確認します。2つのパターンを比較し、どちらが直感的に操作できるか、ストレスがないかを検証するABテストも有効です。検証と改善に継続的に取り組み、よりよいUIUXの実現を目指しましょう。
UIUXをデザインするポイント
UIUXをデザインする際には、ユーザーの視点で考える、ターゲットやゴールを明確にすることが重要です。
ユーザー目線に立つ
UIUXをデザインする際は、ユーザーがスムーズに操作できる導線を意識しましょう。ユーザーがWebサイトやアプリで疑問を解消し、必要な情報を得られるかを意識することが重要です。視認性が低く直感的に操作できないWebサイトは、ユーザーにストレスを与えます。
競合を分析する
競合の製品やサービス、Webサイトを分析し、自社の観点に含まれていない視点を把握しましょう。競合分析は、参考にすべき操作性や視認性が明確になり、具体的な施策を打つのに役立ちます。自社と類似サービスを展開している企業のWebサイトやアプリを分析することは、市場のトレンドやユーザーニーズの把握にも有益です。
ターゲットを決める
以下の項目を詳細に設定し、具体的なターゲット像を作り上げましょう。
・年齢
・性別
・居住地
・休日の過ごし方
・家族
・年収
・趣味
ターゲットユーザーに製品やサービスを使用してもらい、ユーザーに好印象なデザインや機能を分析することも重要です。
ゴールを明確にする
UIUXのデザインにより、何を解決したいのか、最終的なゴールを明確にしましょう。「どのような感情を抱いてもらいたいのか」「どのような印象を与えたいのか」など、ユーザー目線で必要な施策を考えることで、おのずとデザインの方向性も決まります。
定量的に評価する
UIUXは、アップデートが必要です。その際、定性的評価のみで改善策を考えるのではなく、定量的評価も活用しましょう。コンバージョン率やクリック数など、数値化されたデータをもとに改善施策を導き出すことが重要です。
定期的に検証する
UIUXは、一度のデザインで完了するものではありません。効果検証を定期的に行い、常にアップデートすることが重要です。利用するユーザーや時代の変化により、求められるUIUXは常に変化しています。PDCAサイクルを回し、UIUXの改善に努めましょう。
優れたUIUXの特徴
優れたUIUXの特徴として、以下が挙げられます。
・操作が容易である
・使い方を自然に理解でき、直感的に操作ができる
・色やフォント、アイコンのデザインが統一されている
・異なるデバイスでも一貫した体験ができる
ユーザーが快適に感じるUIUXは、満足感と信頼性を高めます。
UIUXデザインの成功事例
UIUXデザインの成功事例を解説します。
ビジネスチャットサービスelgana(エルガナ)
NTT西日本は、国内で安心して利用できるチャットサービスとして、ビジネスチャットサービスelgana(エルガナ)を提供しています。ユーザー中心の設計により、ビジネスチャットサービスの
UI/UXの可能性を拡げています。
Amazon
AmazonのUIUXは、ユーザーが快適かつスムーズに購買体験を得られるように設計されています。ユーザー1人ひとりの購入履歴に合わせたレコメンド機能や、購入予定を管理する欲しいものリストなど、ユーザーが買い物しやすい工夫を施しました。マウスオーバーした際には、背景のページをダークアウトさせて、ユーザーの焦点をしぼる工夫も取り入れています。
Coke ON
Coke ONは、日本コカコーラ株式会社が提供するスマートフォン用アプリです。決済サービスと連携して自販機でキャッシュレス決済が可能になる「Coke On Pay」を実装し、自動販売機のUIUXを一新しました。また、ドリンクの購入やキャンペーンの参加などでスタンプを貯めると、ドリンクと引き換えできるスタンプ機能により楽しさも提供しています。
まとめ
UIUXを意識したデザインを心がけることで、ユーザー満足度が向上するだけでなく、コンバージョン率やクリック数などが向上し、自社の利益やブランド力向上につながります。
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