UIUXを改善することで、ユーザーの満足度が向上し、WebサイトのCV数向上や新規顧客獲得につながります。この記事では、UIとUXの関係性や改善する手順、ポイントなどについて解説します。UIUXの改善を考える担当者は、参考にしてください。
目次
UIUXとは
UIUXとは、ユーザーインターフェース(User Interface)とユーザーエクスペリエンス(User Experience)それぞれの略語をまとめた言葉です。UIはユーザーの視覚に触れる全てを、UXはユーザー体験を指します。UIUXは、Webサイトのデザインやアプリケーション開発において重要な要素です。
UIとUXの関係性
UIは、良質なUXを構成する要素の1つです。UXを向上させるためにはUIの改善が欠かせません。優れたユーザー体験を提供するためには、質が高いUIが必要です。UIが優れているWebサイトであるほど、ユーザーにとってのUX評価が高まります。質が低いUIがわずかでもあると、UX評価が下がり、ユーザーが離脱する結果になりかねません。
UIUXの改善が重要な理由
UIUXの改善が重要である理由を2つの観点から解説します。
ユーザーの最初のタッチポイントがWebであるため
スマートフォンの普及により、多くのユーザーはWebを通して製品に初めて触れる機会が増えています。Webサイト上で、その製品が自分に必要か、購入したいかを調べるにあたって、ユーザーは、さまざまなWebサイトのUIUXに触れるでしょう。
UIUXが優れたWebサイトにユーザーは長く滞在し、さまざまなページを巡回します。ユーザーの購買活動につなげるためには、よりよいUIUXが重要になってきます。
SEOに影響するため
Googleは、優れたWebサイトであるか、検索ニーズを満たしているか、有益な情報を提供しているかで評価しています。滞在時間が短かったり、離脱率が高かったりするWebサイトは、Googleから低評価を受けかねません。
ユーザーが要求する情報をスムーズに見つけやすくする工夫や、視覚的にわかりやすい適切なサイズの画像や動画の提供など、ユーザー目線に沿ったUIUXの改善が、SEOの効果を高めます。その結果、ユーザーの満足度が向上し、リピーターの醸成、SNS拡散による新規顧客獲得につながります。
UIUXを改善する手順
UIUXを改善する際は、手順に沿って進めましょう。ここでは手順を4つに分けて解説します。
現状を把握する
現状を把握し、ユーザーニーズを正しく理解します。ユーザーニーズを知る方法として、以下が挙げられます。
- ユーザビリティテスト
- アンケート
- インタビュー
- 行動観察
- データ分析
潜在的なニーズも含め、ユーザーの意見や現場環境を把握することで、本質的な改善ポイントが明確になります。
課題を特定し分析する
調査結果をもとに、抱えている課題を特定しましょう。その際、調査データからニーズを階層ごとに抽出する「上位下位関係分析法」を用いて整理すると、重要なニーズが明らかになります。あわせて、定義したペルソナがサービスを利用するまでの過程を視覚化した「カスタマージャーニーマップ」を作成し、分析、改善に役立てましょう。
プロトタイプを作成する
課題に対する解決策となるアイデアや仮説を立て、プロトタイプ(試作品)を作成します。その際、最小限の機能を備えたMVP(Minimum Viable Product)として設計するとよいでしょう。プロトタイプでの検証は、多くのアイデアを集めて意見を反映させるために、オンライン上で共有できるツールの利用がおすすめです。
フィードバックをもとに改善・修正する
作成したプロトタイプで課題を解決できるかを検証します。UX評価とユーザビリティ評価を実施し、ユーザーからのフィードバックを収集します。フィードバックをもとに新たな改善点を見つけましょう。評価と改善のPDCAサイクルを回すことが、UIUXの持続的な向上につながります。
UIを改善するポイント
UIを改善し、ユーザビリティを向上させるためのポイントを4つに分けて解説します。
サイト階層をシンプルにする
ユーザーが理解しやすいように、できる限りシンプルなサイト構造を目指しましょう。視覚的に理解しやすい構造を意識します。例として以下が挙げられます。
- 適切なナビゲーション
- ユーザーの感情に訴えるデザイン要素が組み込まれたUIデザイン
- モバイルファーストのUI設計
デザインに一貫性を求める
Webサイトのボタンやバナーの形状、色などを統一して一貫性を持たせましょう。繰り返し使用するデザインであれば、テンプレート化してもよいでしょう。統一性があるデザインは、ユーザーが使い方を学ぶきっかけになり、製品やサービスへの信頼度の向上にもつながります。
アクセシビリティに配慮する
アクセシビリティに配慮したWebサイトを意識しましょう。アクセシビリティ対応の一例として、以下の点が挙げられます。
- 配色やテキストサイズを見直し、製品やサービスの可視性を向上させる
- ボタンのタップエリアに十分な範囲を確保し、操作性を上げる
- フォーム入力を補助し、操作をサポートする
ユーザーに配慮することで、製品・サービスを利用できない人を減らす目的があります。UIを改善する際は、ウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG)に則ったデザインを採用しましょう。WCAGは、誰もが使いやすいデザインの実現に欠かせません。
プラットフォームをルール化する
OSをはじめ、決まったプラットフォームで動作する製品やサービスには、それぞれのプラットフォームでデザインの原則やレイアウト、インタラクションなどのルールがあります。プラットフォームの例として、以下が挙げられます。
- Apple:Human Interface Guideline
- Google:Material Design
- Microsoft:Windows アプリの設計とコーディング
プラットフォームのルールを理解して作成したデザインは、ユーザーの操作性につながるため、よりよい体験を提供できます。
UXの改善ポイント
UXを改善するポイントは3つです。それぞれについて解説します。
インサイトを発見する
調査、分析をきめ細かく行い、ユーザーの本音に迫るインサイトを把握しましょう。インサイトは、ユーザー自身の行動の背景にある、潜在的な心理や意識です。ユーザーの心を揺り動かすには、表面的な要求を満たすだけでは、不十分です。UXを改善する際は、インサイトを意識し、ユーザーがどのような価値を求め、体験を望んでいるかをくみ取りましょう。
UXタイムスパンを考慮する
UXタイムスパンとは、ドイツで実施されたUXセミナーの成果をまとめた「UX白書」で提唱されている考え方です。ユーザーが製品やサービスを利用するまでの過程を以下の4つの時間軸に分けます。
- 利用前
- 利用中
- 利用後
- 利用時間全体
それぞれのフェーズで得られる体験をもとにすることで、よりよいUXが提供できます。
リフレーミングを行う
リフレーミングを行い、物事や問題をこれまでの解釈とは別の角度からとらえましょう。これにより、目的実現のための新たな解決策やアイデアが生まれます。リフレーミングとは、視点を変えて解釈することです。UXを改善しても思ったような成果が出ないときに有効です。
UIUX改善に役立つ思考
UIUXを改善する際に意識したい3つの思考について解説します。
人間中心設計
人間中心設計とは、製品やサービスを使うユーザーを軸に、モノづくりやデザインを考えるアプローチ手法です。製品やサービスを開発する際、ユーザーの要求やニーズに主眼を置くことで、ユーザーがストレスなく使えるデザインを目指します。フィードバックやアンケートなどを通して、ユーザー視点での問題点を把握しましょう。その上で、問題を把握し、解決策を見出すことが重要です。
デザイン思考
デザイン思考は、問題解決やイノベーション促進のために、デザインを考察する過程を活用する手法です。前例のない課題に直面したり、改善策が頭打ちになったりしたときに、新たな解決策を見出す手段として有効です。ユーザー視点での課題やニーズをもとに、仮説を立て、検証、改善を繰り返します。デザイン思考は、スタンフォード大学のハッソ・プラットナー・デザイン研究所(d.school)が提唱している、5段階モデルが有名です。
リーンUX
リーンUXとは、「考える」「作る」「確かめる」3つのフェーズを繰り返すことで、改善点を素早く見つけ出す手法です。プロトタイピングやユーザーテストにより、各フェーズの問題点を特定することで、短時間でユーザーにとって最適な解決策を導き出します。
まとめ
UIUXを改善することで、SEOの効果が高まり、ユーザーの満足度向上および新規ユーザーの獲得につながります。現状の課題を解決できるプロトタイプを作成し、評価と改善のPDCAサイクルを回していきましょう。
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