開発支援事例:cotobox株式会社
cotobox株式会社(コトボックス)は、AIを活用したオンライン商標出願プラットフォームを提供する、国内最大級の商標登録・管理サービス企業です。これまでに5.5万社以上が導入し、4年連続で特許庁への出願取扱件数国内1位(※1)を誇るなど、知財分野で確かな実績を築いています。
同社は現在、さらなる成長を見据え、グローバル展開を本格化。その一環として、「海外向け商標調査サービス」の新規開発を重点施策とし、2025年中の国外サービス提供を目指しています。
その第一ステップとして、2025年5月17日、米・サンディエゴで開催された国際的な知財関係者向け展示会 (INTA2025)に出展。サービスコンセプトの妥当性やニーズを検証するため、限られた期間と予算内で、ユーザーが実際に操作できる高品質なモックアップの開発が求められました。
このモックアップの開発を、Sun*の共創型開発フレームワーク「HEART Development」で支援しました。
※1:特許庁データベースを基にした自社調べ。「出願取扱件数」とは、本サービス経由で商標出願に至った件数。
展示会で得る“リアルな検証”
本プロジェクトの目的は、単なる資料展示ではなく、以下の3点を軸に実証型の検証を行うことでした。
- 展示会に向けた要件定義・デザイン・モックアップの構築
- ユーザーとの対話を通じたニーズ把握と、事業継続判断の材料の獲得
- 年内リリースを見据えた機能・体験に対する具体的フィードバックの収集
このため、展示会で実際に触れてもらえる「動くプロトタイプ」の実現が、成功の鍵を握っていました。
HEART Developmentによる短期・高密度な開発支援
Sun*はHEART Developmentを通じて、Cotoboxの目的に沿ったスピーディかつ柔軟な開発支援を提供しました。以下が本フェーズでの主な提供価値です。
柔軟なチーム構成でスピードと品質を両立
ビジネスデザイナー、UIUXデザイナー、エンジニアが連携したチームで、2ヶ月という短期間で実用的なアウトプットを実現しました。
通常であれば、要件定義からデザイン、開発までに最低でも4ヶ月以上を要する工程を、HEART Developmentの開発アプローチによって2ヶ月に圧縮。
短期間で“実際に動く”アプリケーションを完成させることで、展示会という重要なユーザー接点を逃さず、素早くフィードバックを獲得する検証型プロダクト開発を実現しました。
生成AIによる高速プロトタイピング
生成AIを活用することで、試作・改善サイクルを高速化。限られた期間内でも、ユーザー検証に足る品質と機能性を備えたプロトタイプを構築できました。
展示会に適した実践的アウトプット
ユーザーが操作可能なインタラクティブなモックアップを提示。実際に動くプロダクトだからこその“手応えのあるフィードバック”を獲得し、仮説検証の精度を高めました。
ナレッジに基づいた構成提案
Sun*の累計1,000件超の開発支援実績をもとに、cotoboxの事業フェーズと目的に合致した技術構成と実装方針を提案しました。
今後も活用できるプロトタイプを
実際に開発したモックアップ
HEART Developmentでは、ローコード/ノーコードツールではなく実際にAIにコードを書かせているため、最初期のプロトタイプも改善を続けていくことで最後まで使えるプロダクトになります。本プロジェクトも、単なるモックアップ展示だけでなく今後実際にプロダクトを展開する計画であり、ローコード/ノーコードツールではなくHEART Developmentでのコード実装を行いましたが、実装においては、単なる展示会用デモではなく、将来フェーズにも継続利用可能な設計を意識しました。以下の方針に基づいて構築を行いました。
再利用性を意識した設計
コンポーネントや設計資産は再利用性を考慮して実装し、今後の開発でも活用できるように。
デザインシステムの実装
Sun*のUIUXデザイナーがプロダクトに適したトーン&マナーを言語化しそれをAIでデザインシステムとして実装し、今後追加されるUIも共通のデザインシステムに従うように。
その結果、単なるデモではなく、将来の開発基盤となるプロトタイプとしての価値も備えた成果物を実現できました。
展示会での成果:ユーザー反応から商談へ
展示会では、以下の2点の検証論点を明確にし、質の高いインサイトを収集しました。
静的資料では得られないリアルな操作体験を通じて、参加者からの反応を多角的に収集。約73カ国・300社との商談リードを創出し、今後の戦略や仕様策定に役立つ実証データを得ることができました。
今後の展望:検証から本開発へ
展示会で得られたフィードバックや示唆をもとに、Sun*は以下のステップで支援を継続していく予定です
- フィードバックの構造化・分析
- プロダクト仕様・UI/UXのブラッシュアップ
- 年内リリースに向けた本開発・運用設計の推進
短期集中型のプロジェクトで得られた知見を最大限活用し、Cotoboxのグローバル事業展開の加速と成功に向けて、今後のフェーズも共に進めていきます。
クライアントの声
「Sun*様のご支援のもと、海外市場を視野に入れたサービスの仮説を、短期間でユーザー検証まで実施することができました。生成AIを活用したプロトタイピングは、事業戦略上の意思決定を、より迅速かつ的確に行うための重要な手法であると確信しています。」
cotobox株式会社
代表 五味 和泰様