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大和証券の次世代資産プラットフォーム『D-Port』開発支援

大和証券の次世代資産プラットフォーム『D-Port』開発支援
UI/UXデザインサービスデザイン要件定義開発実装
業界: 金融・保険

開発支援事例:大和証券株式会社

「貯蓄から投資へ」の流れが加速する中、個人の金融リテラシー向上や、資産を主体的に管理する力がますます求められています。そうした社会環境のなかで、ユーザーが自分の資産を的確に把握し、必要な金融サービスにスムーズにアクセスできる仕組みを構築することが、金融機関の重要なテーマとなっています。

大和証券では、証券口座に加え、持株会や確定拠出年金、大和ネクスト銀行の残高など、グループ各社で提供するWEB サイトが、それぞれ個別に運用されていたため、ユーザーはサービスごとにID・パスワードを管理し、情報も分散して確認する必要がありました。利便性向上の観点からも、サービス全体を一貫して利用できる新たな仕組みが必要とされていました。

こうした課題を受け、資産情報を一元的に「見える化」し、各サービスを横断的に利用できる統合プラットフォームとして構想されたのが、「D-Port」です。
Sun*はこのアプリの構想の初期段階から携わり、資産管理の集約、サービス連携の簡略化、生体認証によるアクセスなど、ユーザー視点に立った体験設計を支援。デザイン、プロトタイピング、アジャイル開発、そしてリリース後の運用に至るまで、一貫した体制でプロジェクトを伴走しています。


 

アプリ概要

資産とサービスの“ポータル”として

「D-Port」は、大和証券をはじめとしたグループ各社の金融サービスを横断的につなぎ、ユーザーが自らの資産全体を一目で把握できる統合アプリです。

アプリを通じて、証券口座の残高だけでなく、制度商品サイト(DAIWA LIFEPLAN)や大和ネクスト銀行の残高など、まとめて確認することができます。

大和証券 D-Port

 

また、生体認証を活用することで、IDやパスワードを記憶する必要がなくなり、アプリ一つで各サービスへのログインがシームレスに行えるようになっています。

大和証券 D-Port 生体認証

 

さらに、初心者向けの学習コンテンツや参加型イベント、Web3技術を用いた特典配信機能も搭載しており、幅広いユーザー層にとって魅力的な機能を備えた次世代型金融アプリとなっています。

大和証券 D-Port

 

クライアントの課題

個別最適化されていた体験と新規サービス開発の壁

「D-Port」開発以前、大和証券ではサービスごとにログイン方式が異なり、IDやパスワードの管理が煩雑になるなど、ユーザーにとって利便性や使いやすさに課題がありました。さらに、同一サイト内であってもUIや操作感で一貫性に欠け、情報や機能が分散していたため、必要な情報にたどり着きにくいという声もありました。また、従来のグループ内を中心とした開発体制では、リードタイムや開発リソース・期間に限界があり、多様化・高度化するユーザーニーズへの的確な対応が難しい状況にありました。
こうした背景のもと、大和証券ではより高い品質とスピードを両立しながら、ユーザーにとって価値ある体験を提供するアプリケーションの実現を目指し、外部パートナーとの連携による新たな開発体制の構築に取り組みました

 

Sun*のソリューション

「サービスデザインからリリースまで」一気通貫の支援

Sun*は、大和証券と密に連携しながら、サービスデザインの構想段階からUX、開発実装、プロトタイピングまで包括的に支援しました。まず、資産情報や機能がバラバラに存在していた各サービスを一元管理し、アプリを起点に全サービスがつながることで、ストレスなく各サービスを行き来できるように設計しました。
また、生体認証を用いたログイン機能を実装することで、IDやパスワードを入力することなく、安全かつスムーズにサービスを利用できるようにしました。
UIやUXの統一も大きなテーマでした。既存サービスとの統合にあたっては、Sun*のデザインチームが中心となり、各画面での操作性に一貫性を持たせる設計を行いました。さらに、初期フェーズからプロトタイプを用意し、社内の合意形成にもスムーズに対応できるよう支援しました。

大和証券 D-Port デザインガイドの一例

 

「使いやすさ」と「社内での伝わりやすさ」の両立

このプロジェクトでSun*が特に注力したのが、ユーザー中心設計をもとにしたプロトタイプの作り込みとデザインです。
プロトタイプは、社内での合意形成をスムーズに進めるための重要なツールでした。画面遷移やテーマ切り替えなど、実際にアプリが「動く」状態を再現し、役員や他部門の理解を深める材料として機能しました。

大和証券 D-Port

 

また、ダークモード/ライトモードをはじめとしたテーマ切り替え機能の実装にあたっては、デザイン上の変数(Variable)を活用。柔軟なスタイル調整を可能にし、将来的な拡張性と運用のしやすさを確保しました。

大和証券 D-Port テーマ切り替え機能

 

誰にとっても見やすいUIを目指した、色彩とアクセシビリティの設計

UI/UX設計においては、色彩の扱いにも細心の注意を払いました。特に、色覚特性を持つユーザーにも安心して利用いただけるよう、配色やコントラストのバランスを繰り返し検討。幅広い年齢層や視覚特性に対応できるよう、デザイン面でもアクセシビリティを重視しました。
なかでも注力したのが、チャートやプラス・マイナスの数値に使われる色を、ユーザー自身が選択できるカスタマイズ機能です。視覚特性の違いによって資産情報が正しく認識できないことを防ぐために設けられたもので、誰にとっても見やすく、使いやすい体験の実現を目指しました。
この機能の実装にあたっては、大和証券と色調や視認性について繰り返し協議を重ね、色覚多様性に配慮した設計を追求。資産に関わる重要な数字だからこそ、「見える・わかる」ことにこだわったアプローチです。

大和証券 D-Port アクセシビリティ

 

進化する金融UXへ

「D-Port」は、ユーザーのライフステージや多様なニーズに寄り添いながら、進化を続けていきます。今後のアップデートでは、機能のさらなる拡充に加え、より詳細かつタイムリーなマーケット情報の提供も検討されており、ユーザーとの接点を一層豊かにしながら、利便性と信頼性の向上が期待されています。

Sun*としても、開発支援にとどまらず、金融領域におけるプロダクト開発文化の醸成パートナーとして、大和証券のデジタル戦略をこれからも継続的に支援していきます。

大和証券 D-Port