コンサルティングファーム経験を持つSun*のビジネスデザイナー達から本音を聞く座談会。後編は、転職の前後で感じたギャップや、Sun*で新規事業と向き合うことの面白さについて、メンバーの声を掘り下げます。
前編はこちら↓
【座談会・前編】コンサル出身ビジネスデザイナーに聞く!クライアント事業を当事者意識で立ち上げるSun*の”手触り感”
この記事に登場するメンバー
渡邊 敦孔 / Atsuyoshi Watanabe
大手グローバル経営コンサルティングファームにて、経営戦略から業務改革・システム導入まで数多くの企業改革案件に従事。スペキュラティブデザインや事業機会探索などの新たな支援サービスの開発・提供。2023年よりSun*にジョイン、大企業を中心に数多くの新規事業開発を支援。構想策定・事業機会探索などの最上流から、プロダクト要求定義、PoC、アライアンス推進など実行まで接続。ビジネス・テック・クリエイティブのBTC連携チームでの新規事業に強み。
黒田 健介 / Kensuke Kuroda
シンガポール出身、英国大学で国際社会開発学修士号を取得後、大手外資系コンサルティング会社、イノベーションファーム等で、税務、チェンジマネジメント、CRMシステム開発PMO、D&I、多数の新規事業戦略案件に従事。特に市場調査、ビジネスモデル策定、基礎戦略策定からチェンジマネジメント領域において国内外問わず広範囲の業界に支援実績を持つ。2024年11月よりSun*へジョイン。
新井 杏奈 / Anna Arai
総合コンサルティングファーム2社で業務改善や戦略検討、新規事業立案、制度設計などの案件へ従事したのち、2025年よりSun*に入社。幅広い業界の顧客を対象に、ワークショップ型アイディエーションによるサービス起案支援、事業構想具体化支援・PoC設計や事業KPI設計支援など新規事業に関する通貫した豊富な支援経験あり。新規事業以外でも、ビジネス領域とテクノロジー領域におけるコミュニケーション支援など物事を前に進めるドライバーとして役割に強み。
モデレーター
佐久間 恒成 / Tsunenari Sakuma
ベンチャー・スタートアップ企業数社(ヘルスケア・子育て・介護・プライシング等)にて、事業立ち上げやグロースにおける事業戦略/構想の具体化、開発・マーケティング・営業などを幅広く手掛ける。コンサルティング会社ではマネージャーとして新規事業立上げ・事業変革支援における事業戦略策定や事業性検証などを経験。Sun*では、IT・小売・メーカー・金融・建設・物流など多様な業界に向けて、戦略から事業構想/アイデア策定・サービスデザイン・検証・開発・BizDevまで幅広いフェーズで支援。現在はUnit Managerも務める。
デザイナー・エンジニアとつくるサービスデザインの面白さ
佐久間: Sun*で取り組んだなかで面白かった・やりがいを感じた仕事について教えてください。
渡邊: 私は大手ヘルスケア企業とのサービスデザインプロジェクトです。ビジネスデザイナー、テックリード、UXデザイナーと、まさにBTCが揃ったチームで新規サービスを立ち上げる案件でした。
プロジェクト初日に、全員で事業の論点を出し合って議論を始めたんですけど、デザイナーからは「ヘルスケアアプリは正しく測れること以上に、続けたくなるための情緒的な価値や体験が大事」 という意見が出ました。テックリードからは、「データをどこから取るといいか」とか「競合がこのデバイスでユーザーを囲い込んでいるから、こっちを攻めた方がいい」といった話があって。絶対に私からは出なかった視点で、ただ事業が成功するうえでは重要になるであろう仮説を出してくれたのが、すごく良かったです。
競合調査でも、事業観点、ユーザー観点、技術観点といった複数の観点から、網羅的かつ解像度高く分析できました。プロジェクトが走り出してからは、デザイナーがユーザーリサーチやコンセプトシートなど具体的な体験を形にしてくれたり、テックリードが翌週にはプロトタイプを持ってきてくれたり。私自身も事業ロードマップや競争戦略、価格設計・収支設計などを連日アウトプットして、毎日のように仮説が更新されながら事業が形づくられていく過程がすごく面白かったです。
佐久間: Sun*の象徴的な案件ですね。つくる段階の連携は他もやってると思いますけど、「考える組織の中にデザイナーとエンジニアがいる」のはSun*の強みですよね。
渡邊: 何がいいか試行錯誤して、つくってみてダメだったら変えることも含めて、こんな高い次元で日々仮説を議論できる環境は、そんなに多くないと思うんですよね。
黒田: 僕は1つに絞るのは難しいんですが、テーマとして「脱炭素」を扱っている案件があり、SDGsの文脈で社会にとって価値がある内容に好感を持って支援を続けています。関わり方も、「自分達が足りないところを補いきる」というスタンスで、先に入っていたベンダーさんが拾い切れていなかった部分のうち、ないと後悔するだろうと思われることを、クライアントと一緒に膝を突き合わせて考えているので、やりがいがあります。
もう1つは、今まさにBTCの3軸で支援している案件で、サービスの受容性検証だけでなく、一緒にあるべき要素を考えています。マクロ視点ではこうだけど、ミクロ目線で検証すると解き明かされる「ユーザーの欲求の揺らぎ」があって、それをどう解決するかまで考える。 コンサルタントだけで企画をしていたら、絶対に「欲求の揺らぎ」なんて視点は出てこなかったなと思いました。エンジニアを交えてアプリ開発に落とし込む段階でも、チームが一気通貫で支援しているから、伝言ゲームによる失敗が起きていなくて。フェーズが変わる度に「本当にこれでいいのか?」と確認して、クライアントとも同じタッチポイントで話しながら少しずつ形になって進んでいくのが、楽しさとともに手触り感を実感しています。

新井: 私はつまらなかった案件というのが本当にないんですけど……Sun*らしいという意味では、大手エンタメ企業のプロジェクトが印象に残っていますね。デザイナー2人のチームに、ビジネスデザイナーとして私が20%の稼働率で入るという珍しい体制で、デザイナーが考える体験アイデアに対して、ビジネス的な観点やロジックを補強する役割でした。やった方がいいことを全部やるスタンスで、エキスパートインタビューでアドバイスを得るところから、KPI分解、ビジネスモデルの設計、戦略的なローンチの順番検討とか。そのサービスがどうユーザーにハマるのか、コミュニケーションを取りながら一緒に進める過程が新鮮で楽しかったです。
佐久間: 僕らは、事業モデル、競争戦略、収益シミュレーションといった手堅いことは当然検討しているけど、それは具体的なアイデアを進めるためとか、もっと良くするために考えていますよね。そもそものアイデアから考える時もあるけど、「具体化」をベースとして取り組んでいる面白さはあるかもしれない。
新井: 黒田さんと一緒にやっていた、「少し先の未来を想像して、そこから逆算してサービスをつくる」という、テーマだけ決まっているふわっとした案件も、気持ちが乗りすぎて具体化が止まらなくなったこともありましたね。「クライアントがそれをやりたいのであれば、この順番でやった方がいいと思うんですよ。この順番でやるためにはまず……」って我々の方で言い出して、クライアントも本音で発言してくださり、非常に熱い議論に発展しましたね。
黒田: ありましたね。あの案件で面白かったのは、クライアントと見ている方向が違うことを、あんまり恐れなかったことかなって思いますね。
新井: 「やりたいことを実現するには、絶対にこれを先にやった方がいいですよ!」と。想いとしては、不確実なものをとにかく形にしていきたいというのが1つ。あとはやっぱり、クライアントの想いはくみ取りつつも、「ストレートにそこを目指すのは難しい場合ももある」ということを、ちゃんと伝えることかなって思います。
渡邊 : コンサルタントらしい事業計画書とか、プレゼン資料とか、事業戦略や事業構想の答えをもって、相手が動きやすい状態をつくる参謀っぽい動きは絶対にします。アライアンス開拓や顧客検証みたいなBizDevの動きも、デザイナーやテックリードとの連携や戦略と開発をつなげるPdMみたいな動きもやります。「その時必要なことなら何でもやります」という感じが、とてもいいなと思ってます。 どの役割の動きもやるからこそ、不確実性に立ち向かえるんだなって、新井さんの話を聞いていて思いました。
コンサル出身者としての当たり前と、入社後に感じたギャップ
佐久間: コンサルティングファームでの経験が活きたことや、逆にSun*に入ってから初めて経験したり、ギャップを感じたりしたことは何でしょう?
渡邊 : アウトプットとしては、さっき話した事業計画や戦略策定もそうだし、「イシューを洗い出して初日から動くこと」「仮説を更新し続けること」とか、資料やExcelをさっさと作るのはできて当たり前のことで、これからもみがき続けなきゃいけないものと思います。新しい部分だと、特にアライアンスやBizDevあたりの領域です。ここは事業会社出身のメンバーがすごく強いので学ばせてもらってます。コンサルティングファーム出身者にとっては「毎日どう考えて動くのがいいか」を学ばせてもらう感じになると思います。
もっと言うと、コンサルティングファームだと「これをやったら正解だ」というのが明確だったと思うんですけど、新規事業では「どのスキル・どのやり方が正解か」という答えがない状態です。だからアンラーニングが必要だし、自分のこだわりを持ち続けていると、破綻したり、ハレーションを起こしたりすると思います。大事なところはブラさずに経験を活かす一方で、異なる出身・得意分野の人に謙虚に教えを請い、一度はそれに乗っかってみる。それぞれの知見統合を毎日続けないと、うまくいかないと思います。
新井: 我々もクライアントワークなので、イシューを洗い出してプロジェクトを設計するようなことは当然やりますね。私の場合は、前職で小売店にドアノックも行ったり、BizDevっぽいところもやっていました。一方で、この会社に来て一番カルチャーショックだったのは「ひとに頼っていい」という文化でした。コンサルティングファームでは良くも悪くも1人で全部背負わなきゃいけないし、相談したら仕事ができないやつと思われるんじゃないか、とストレスでした。Sun*ではやり方は人それぞれで、仮説を持った上でとりあえず誰かと壁打ちするのが「むしろ大正解」と思えたんです。入社して間もない頃に、渡邊さんから「これはコンサルティングファーム出身者あるあるなんですけど、もっと頼ってくれて大丈夫です」と言ってもらえて本当に救われましたし、今も中途入社の方には積極的に伝えるようにしています。
佐久間: コンサルティングファームだと新卒をはじめ中途社員も含めて近しいキャリアの人が多いけど、Sun*は事業会社から来ている人が多くいるし、技術に強い人もいればBizDevを経験した人もいる環境だから「このシーンだったらこの人に聞けばいい」と考えられる感じですかね。
新井: そうそう、「個人」というより「Sun*という集合体」みたいに感じます。
渡邊: わかる!これは本当に読んでいただいているみなさんにプッシュしたいんですけど、Sun*は「総合力」で新規事業をやっている感覚があります。プロジェクトのテーマが与えられたときに、社内イントラでプロフィールをキーワード検索して、ドメイン知見がありそうな人を2〜3人探します。その人たちにDMを送ると、絶対に全員答えてくれるんです。私はこれをプロジェクトの初動として標準装備してます(笑)。

黒田: 僕はなかなかヘルプを言い出せない人間なんですけど、それを察したうえでヘルプをしてくれる人たちがいるって、以前ならとても希少な経験だったなと思います。「それ自分でできるでしょ?できるから今ここにいて、そのポジションなんでしょ?」という世界だったので。
渡邊: 新規事業は借り物競走みたいなところがあって、「どれだけ相談しにいったか」が、事業の魅力や確度を上げるために大事だと思ってます。みんなが協力してくれるのは、もちろんお互いを助け合うというのが半分。もう半分は、いろいろな人に相談しまくった方が、プロジェクトの進め方や事業そのものが良くなるとみんな実体験で分かっているからですかね。
黒田: アンケートの回収率もすごいですよね。事前に根回ししなくていいんだ、って思いました。
渡邊: 全社アンケートがこんなに気軽にできる会社って、なかなか無いですよね。 「とりあえず今日Googleフォームで社内に聞いてみるので、出方を見てみましょうか」と実際にアナウンスしてみると、次の日には20〜30件くらいのサンプルが集まっている。職種に限らず、みんな新しいプロダクト、モノづくりが好きで前向きなんですよね。
黒田: 経験を活かす話に戻ると、「仮説思考」がまず 1つあげられると思います。仮説思考ができるかどうかが、新規事業の企画段階で一番大事だと思うんですよ。さらに、仮説を捨てる勇気も重要。「この仮説が合わないんだったら捨てよう」とピボットするためには、そこまでに十分な検証をしている必要があります。構造化思考、仮説思考、論点思考。それを支えるベースとしての「紙(資料)を作る」「文章をまとめる」「プレゼンテーション」といったスキル。それらが身についているから、クライアントに分かりやすく説明することができます。
アンラーニングが必要だったのは、さっき話したことにも近いんですけど、クライアントとの距離感ですね。クライアントと仲間としてやっていくときに、どうしても一歩引いて見てしまう自分がいて。そうじゃなくて、「一緒にやるけど、俯瞰した目も持つ」という二重人格的な考え方をしなきゃいけない。完全に「企業参謀としてのコンサルタント」だと思って生きてきた人間だと、そこに入り込むにはマインドセットの変革が必要だな、と思っています。
佐久間: もう少し具体的に、それってどういう感覚なんですかね?
黒田: 以前は「企業参謀だから、クライアントより俯瞰した目線で動くんだよ」と言われてました。「いいことを言うのが価値」で、作業者から脱却して「いいことを言える人」になっているから、クライアントからも新しい視点を得られてバリューがあると思ってもらえる、それによって個人の信頼が積み上がる、という考え方なんです。 ただ、それってちょっと距離感があるじゃないですか。その距離感をどう考えるんだっけ、自分が出すべきバリューって何だっけ、というのは悩むところでした。
新規事業に夢中になれる、Sun*のカルチャー
佐久間: Sun*のカルチャーについては、みなさんどう見てますか?
黒田: 「クライアントのためになっているんだったら何でもいいよ」という会社だと思ってます。そのためにいろいろなスペシャリストを集めていて、それぞれお互いをリスペクトしようね、という感じ。特にビジネスデザイナーは、個性的な人が多いじゃないですか(笑)
佐久間: 僕は常識的だけどね(笑)。そこは他の2人も同じ感覚ですかね?
新井: そうですね、「個の尊重」がすごくありますよね。井上さんが面接の時に、「新規事業のあれこれを考えるのって、異常に難しい問いを考え続けなきゃいけないから、みんな余計なことに悩む暇が無いんだよね」と言っていたのを覚えています。「1つの目的に向かって、お互いを尊重しながらチームで歩んでいけるっていいな」って思いました。 あとは、みんな異常に勉強好きで、向上心がすごい。それ以外は黒田さんと同じですね。
渡邊:他職種の人も言ってたんですけど、本当に縦割りが無いです。それから、好奇心があって、お互いをリスペクトしている。私の周りのカルチャーはこれですね。それで、やっぱり「日本で一番、新規事業に没入できる環境」だと、本当にそう思います。
仲間と一緒に、楽しく、自分らしく。日本の新規事業を前に進めていく

佐久間: 最後に、これを読んでいただいている方へ向けてのメッセージも含め一言ずついただけますでしょうか。
黒田: やっぱり「楽しいですよ」という一言に尽きます。もちろん苦しいときはありますけど、それは生みの苦しみであって疲弊しているわけじゃないから、達成感も持てるし楽しめるんだと思います 。それこそ、ノルマとしてやらされている感覚がなくて、助けたいクライアントと一緒に仲間となってモノを作れている。なんというか、童心に帰れているのかもしれません。
佐久間: 近所の公園の砂場で、仲間たちと一緒にワクワクしながら何か作っているような感じですかね。
渡邊: それでいて、急に大人の教養を出してくるみたいなギャップもありますよね。
新井: そうそう。砂場で急に「この建築様式はね……」って言ってくる、みたいな(笑)。
佐久間: 実際、社内でそこら辺を歩いている人たちが急に言ってくるんですよね。「あ、俺このやり方開発したんだよ」とか、「そんなことやってたんですか?!」ってびっくりしたり。
渡邊: それを、さっきまで空き地で一緒に遊んでいた隣の子が言ってくるのが恐ろしいんですよね。一方で、みんな過去の経歴や実績にはこだわってなくて、ちゃんとアンラーニングして、1つ1つの事業に対して謙虚に教えを請いながら事業をつくっていく感じが、すごくいいんですよ。
新井: 私はSun*に入って自分らしく働ける場所が見つかって良かったな、と心の底から思ってます。今日のこのメンバーの一言が誰かの心に響いて、もしうちに興味を持ってくれたら、「まずは一度、試してみてもいいんじゃない?」って言いたいですね。Sun*が伸び伸びと、自分らしくいられる場所かもしれないよ、と。
渡邊: 私は、みんなで一緒に日本の新規事業を前に進めたいですね。日本で生み出す事業を本当にいいものにしたい。だから、来ていただく方にもそうですし、クライアントにもそうですし、競合のファームの方々も仲間だと思っています。日本で生み出される新規事業を本当にいいものにしたいなと思うので、Sun*に来ていただけたら、一緒にそんな挑戦をしたいなと。本当にそれだけです。
佐久間: かっこいいですね。みなさん、本日はありがとうございました!
(関連動画)「なぜ新規事業はうまくいかないのか?失敗しがちなチームと方法論」bizplay powered by ITトレンド
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