Voices

TOP

>

Voices

組織の熱量をデザインする。500名規模を動かす「体験設計」の本質とは

更新日: 2026年8月17日

組織の熱量をデザインする。500名規模を動かす「体験設計」の本質とは

Sun*のデザイン組織は、組織文化や体験そのものを設計する重要な役割を担っています。入社年次に関係なく、全社を巻き込むプロジェクトをリードし、デザイナーとしての可能性を広げていくことを期待される環境です。
今回は、全社総会イベント「Sun* Annual Awards(以下、SAA)」の体験設計を責任者として牽引した水上 夏希さんと、その構想を伴走しながら形にした桜井さんの二人に話を伺いました。
この記事では、変化し続ける組織の中で「Sun*らしさ」をどう定義し、告知から当日まで約3ヶ月にわたる感情の動線をどう描き出したのか。デザイナーとしての職能を広げ、組織の熱量を最大化させるために二人が向き合った試行錯誤のリアルをお伝えします。

画像

体験や文脈を設計するデザイナー2人の原点

ー まずはお2人の自己紹介を、これまでの経歴を含めてお願いします。

水上:私は2021年にデザイナーとしてSun*に入社しました。千葉工業大学工学部デザイン学科で、UXデザインやサービスデザイン、情報デザインなど「形にする以前の設計」を主に学んでいました。
目に見えるデザインだけでなく、ビジョンのデザインやソーシャルデザインなど、より広範な領域を学びたいと考えるようになり、その後武蔵野美術大学造形構想研究科へ進学・卒業して現在に至ります。Sun*に入社してからも、「体験や文脈を設計する」という視点は常に大切にしています。

桜井:私は2023年4月に入社しました。大学でデザインを専攻しており、在学中はさまざまなデザイン分野を横断的に学びました。単に手を動かすだけでなく、デザインの力で課題解決をするための考え方についても徹底的に勉強しました。
就職活動では特定の分野に絞るのではなく、あらゆるデザインのアプローチで課題を解決できる環境に行きたいと考え、Sun*への入社を決めました。現在はUIデザインや情報設計を担当することが多いですが、SAAなどの社内活動を通じて、体験設計にも深く携わっています。

画像

期待値を80%まで積み上げる。告知から当日までを貫く感情の動線設計

ー SAAとはどのような目的で行われるイベントですか。また、今回どのような流れで体験を設計したのか教えてください。

水上:SAAは、Sun*における「1年の功績を称えるアワード」と、「新年度の方針を示すキックオフ」という2つの重要な役割を担っています。

組織の規模が200人程度とまだ少なかった頃は活躍した人のことがすぐわかりましたが、500名以上の規模になると「今年象徴的な働きをしてくれたのはこの人です」と明示しなければ、お互いの活躍が見えづらくなっています。SAAは、ビジョンである価値創造に夢中になれているメンバーの振る舞いを通じて「Sun*らしさ」を全員で再確認し、共有する場なんです。

この体験を作る上で、私が最も重視しているのは、当日の期待値をいかに高めた状態でスタートを切るかです。当日会場に来た時点で期待値が80%くらいに達している状態を理想としています。

まず9月の段階では、今年入社したSAAをまだ知らないメンバーに向けて「SAAとは何か」を認知してもらうことから始め、期待値を10%程度にします。「SAAって何?」という会話が生まれることが最初の成功です。そこからコンセプトやタグラインを発表してイベントに意味付けを行い、30%へ。さらに出欠確認の際に「今年1年を振り返るアンケート」を行うなど、徐々にみんなを巻き込んでいきます。

世界観を象徴するキービジュアルの公開はインパクトが強いため、ここで一気に50%まで引き上げます。今年は特に「アワードの推薦権をメンバーに付与する」フローを挟むなど、当日までに「自分ごと化」してもらう仕掛けを増やしました。そして1か月前にドレスコードなどの詳細を出し切り、期待値を70〜80%まで持っていきます。告知の一つひとつが、当日を最高のものにするための大切なマイルストーンなんです。

画像
2025年版のタグラインとキービジュアル

停滞を打破する数字の可視化と、何度でも訪れたくなるプラットフォームの構築

ー 昨年から大きくアップデートした点や、運営面で苦労したポイントはどこにありますか?

水上:最もチャレンジした点は、停滞していたアワードの投票率をどう引き上げるかでした。毎年SAAでは、全メンバーによる投票で最優秀賞を決定するのですが、これまでは投票率が30%程度で止まっていました。年に一度の象徴的な場だからこそ、一人でも多くのメンバーに自分ごととして参加してほしいという思いがあったんです。

そこで今年は「現在の投票率はこれだけ低い」という現状を可視化し、自分のアクションが数字に反映される仕組みを導入しました。

さらに、ただ投票して終わりにするのではなく、全メンバーに感謝を伝えられる「Give Thanks」機能や、投票対象外の賞ですが各ユニットから今年の象徴的なメンバーを選出する「Root Heroes」など、サイト自体を何度も訪れたくなる場所へと作り込みました。その結果、最終的な投票率は44%まで向上しました。また、制作の遅れが告知を遅らせるという過去の反省を生かし、今年は先に告知スケジュールを組み込み、それに合わせて制作スケジュールを組む体制を徹底しました。

画像
「Give Thanks」ページ。投稿があるとチャットツールに通知がくる。
画像
「Root Heroes」ページ。個性的な賞とメッセージが並んだ。

桜井:私は、水上さんの構想を実現するための実行フェーズを担いました。彼女のSAAに対する強い思いや描いている意図を壊さないよう、スケジュールを確認し、詰まっている箇所がないか常に動いていました。彼女のアイデアはどれも面白いのですが、それをいざ実行に移す際、どう仕事を振り、どうスケジュールを組むかという落とし込みは非常に難易度の高い作業でした。今回はプロジェクトマネジメントに近い立ち回りが多かったのですが、水上さんのアイデアを形にするための並走に徹しました。

水上:桜井さんがいなければ、私の勢いだけでプロジェクトが崩壊していたかもしれません(笑)。私は「時間がない」という理由で機能を削るという選択肢には、違和感を持ってしまうタイプなんですが、桜井さんはできない理由を聞いて、自ら介入して解決できることなら解決し、絶対に実現できる方向に持っていける体制を意識してくれました。制作プロセスがすべて数珠つなぎになっている中で、告知スケジュールを死守することが、最終的にメンバーへの良い体験に繋がる。そこをチーム全体でコントロールしきったことが、今回の大きな成果だと感じています。

デジタルの枠を超えた「ワクワク」の追求。デザイナーが越境する価値

ー 体験設計の醍醐味や、メンバーとの共創において大切にしている判断基準を教えてください。

水上:一番の面白さは、自分たちの仲間のために「どれだけワクワクさせられるか」を純粋に追求できる点にあります。プロダクト開発ではユーザーの声を重視しますが、SAAのユーザーは一緒に働いているメンバーです。彼ら彼女らの驚く顔や楽しむ顔をゴールに設定し、デジタルの外側にあるグラフィックや会場装飾まで含めたトータルな体験をデザインできる。これはデザイナーとしての職能を大きく広げ、成長できる最高の場なんです。例えば、アワード投票サイトは極論、候補者の名前を並べるだけでも投票はできますが、これは“投票機能”にすぎません。こだわったサイトを作るのは ”投票体験” のためです。自分がその場に参加し、一票を投じている感覚を持ってもらうことが重要なんです。

アイデアを採用する際の基準は、明確に体験ストーリーとして繋がるかどうかに置いています。どんなに面白い演出案でも、今年のコンセプトやメッセージに結びつかないものは採用しません。メンバーには常に「これにはどういう意味があるの?」と問いかけ、その意味に納得できれば取り入れますし、分からなければ正直に伝えます。一緒に意味を考え、納得できる背景があれば採用し、演出として昇華させていきます。

桜井:水上さんのこだわりは、現場への入り込み方にも表れていました。サイト制作で「できない」と言われた際、彼女はすぐに理由を確認し、「私も手伝うから実現しよう」と現場に入っていきます。監督役に留まらず、自らが最後の砦として完遂しようとする姿勢は、本当に尊敬しています。リソース不足の際も、追加メンバーを投入してスケジュールを死守していました。告知が遅れると参加者の熱量が下がることを分かっているからこそ、どのシーンにおいても妥協がないんです。

画像

自分の直感を信じ抜く。組織の未来を創るマインドセット

ー 最後に、今回の経験を通じて得た確信や、これからの展望についてお聞かせください。

水上:成功させるためのジンクスは「私が遂行する以上絶対成功できる」と信じきることです。これは過信ではなく、最高の体験のために諦めずにあらゆる手を尽くすからこそ、最後は必ずうまくいくという決意です。そして、何よりチームを信じきること。信頼して任せるけれど、放置はしない。大事なところで軌道修正はしますが、基本的にはプロフェッショナルである彼らを信じています。プレッシャーがかかってしまっているメンバーを励まし、前向きな空気を維持することが責任者の私の役目です。

今回、責任者を務めたことで、予算管理や多岐にわたるステークホルダーとの調整など、これまで担っていなかった裏方の仕事の大変さを身をもって知りました。50人のマネージャーへの依頼、役員への予算承認、各事業部との戦略共有、当日スタッフ40名以上のハンドリングなど丁寧に説明し、誠実にお願いすることの大切さを痛感しました。これらすべてが「最高の瞬間」を作るために必要なピースだったんです。

桜井:私はこの3年間で ”なっちゃん(水上さん)イズム” が自分の中に刷り込まれたと感じています。体験をストーリーとして捉えること、向こう側にいる人を意識すること、そして決して妥協せず自ら動くこと。この学びは、普段の業務にも間違いなく活きています。

水上:私たちがここまでこだわるのは、オンライン中心の組織だからこそ、年一回の集まりを、明日そして未来への活力になる特別な場にしたいからです。純粋に去年の自分たちを超えたいという思いもあります。準備期間中、タイムラインや映像、グラフィックが一つずつ揃い、全体像が立体的に見えてきた時、自分たちがこれを見てワクワクできれば、間違いなく成功すると確信しました。コンセプトが社内の文脈や世の中の状況とリンクし、点と点が線で繋がった瞬間、それは最高に意味のある体験になります。そうした瞬間を積み重ねて、組織をより良い方向へ動かしていきたいです。

画像

最後までお読みいただきありがとうございました!


Sun*に興味を持っていただけた方は、ぜひ以下もチェックしてみてください 👇

 

Sun*の採用情報

https://sun-asterisk.com/recruitment

Sun*Design Space

https://design-space.sun-asterisk.com/

この記事に関連する職種・エントリー

【中途】UXデザイナー

【中途】UIUXスペシャリスト

 

※本コンテンツは、Sun*のnoteから転記したものです