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【物流業界】トラック予約受付システム(バース管理)の最新開発事例

投稿日: 2020年4月20日

更新日: 2021年9月14日

市場規模15兆円の市場で挑むDX

25兆円と言われる物流業界の市場規模。そのうちトラック運送事業は、60%の15兆円を占め、日本の経済に大きな影響を与える市場です。

特に、国土面積が狭い日本においては、柔軟性や機動性の高いトラックの輸送は、国内貨物の総輸送量の51%を占め、貨物輸送の中心を担っています。

人口減少による慢性的な人手不足の一方でトラック運送の需要は高まっており、テクノロジーを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が求められています。電話やFAX、手書きの伝票などアナログな商習慣が浸透している業界で、どのように、デジタライゼーションが行われているか、トラック運送業界の課題や動向、その中でSun*がどのように、DX推進を支援してきたかをご紹介します。

物流業界におけるバースとは

物流業界におけるバースとは、荷物の積卸しのためにトラックを停車する場所を指します。物流倉庫や工場に到着したトラックが、バースが空くのを待つ待機時間は、ドライバーや運送会社だけではなく、物流倉庫、近隣住民にとっても大きな負担になっています。

トラック予約受付システム(バース管理)が必要とされる背景

トラック運転手は、他業種の労働者と比べて長時間労働をしており、労働基準法などの違反が少なくありません。また、過労による労災支給も多く、労働条件及び安全衛生の改善が 大きな課題となっています。

簡単には解決できない背景として、

  • トラック運送事業者の自助努力だけでは労働時間の短縮が進まない(荷主と共に改善する必要がある)
  • 多重的な請負構造から適切な運行管理がなされていない

等の問題があります。

これらの課題を解決するために、トラック運送事業者、荷主、行政等の関係者が一体となり、厚生労働省、国土交通省及び公益社団法人全日本トラック協会が事務局となる「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」が設置されました。

協議会は、平成30年11月に「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン」を公表。ガイドラインのなかで、取引環境と長時間労働の改善として「予約受付システムの導入」が挙げられ、荷主施設はシステムの導入が必要になりました。

このような背景から、官民一体となり、従来の商習慣や仕組みを変えていこう、という流れから、数々のバース管理システムが開発されています。

トラック予約受付システムを展開している会社一覧

日本トラック協会の資料によると、現在国内では、下記の12社からトラックのバース管理に関するシステムが展開され、全国の倉庫や物流センター等発・着荷主で導入が進んでいます。この「トラック予約受付システム」は、トラック運転手の荷待ち時間の削減や輸送の効率化を実現するだけでなく、荷主の物流施設にとっても効率化などが実現でき、両者でコスト削減につながっています。

Sun*で支援しているサービス

トラックのバース管理システムは、上記12社から展開されていますが、このうちSun*では、株式会社モノフル の「トラック簿 」と「配車プラス」のIT戦略/事業立ち上げ/開発支援を行っています。

トラック簿

予約機能を用いたトラック到着時間の分散や計画的な庫内準備による長時間待機の解消に加え、リアルタイムでのバース状況の可視化、SMS/LINE を使った「かんたん呼び出し」による倉庫担当者の作業負担の軽減、データの蓄積・分析による業務効率の改善により物流施設や工場などにおけるトラックの長時間待機問題を解消するトラック受付/予約サービス。月額基本料0円から利用可能。
https://monoful.jp/truckbook/

配車プラス

拠点間輸送の配車業務をワンストップで支援するサービス。従来の商習慣として使われていた紙やFAXのやり取りが削減され、社内のリアルタイムな情報共有やデータの蓄積も可能。配車に限らず、日々の業務を改善していく機能があることが特徴。

https://monoful.jp/dplus/

どのように支援してきたか

本プロジェクトは、モノフル社が新規事業として構想されていた物流のDX化を実現するプラットフォームのアーキテクチャとマッチングサービスを、どのように作っていくべきか、というご相談を受け、弊社はそのIT戦略パートナーとして、コンサルティングに入らせていただくことからはじまりました。

顧客へのヒアリング等も一緒に行う中で、モノフル社が構想しているプラットフォームは、ターゲット顧客とそこにある課題を定めてサービスの機能に落とし込んでいくには、それなりに時間が掛かることが見えてきました。

一方、モノフル社の親会社であるGLP社が持つ顧客基盤のアセットをベースに新規事業を考えると、物流企業の課題として明確になっているトラックの待機時間問題の解決に繋がるバース管理の方がシナジーが高く、かつ要件も明快なので、クィックヒットを狙えるのではないかという仮説に辿り着きました。

要件がそこまで複雑ではないバース管理(トラック簿)を、アジャイル開発で進めながら、それと同時並行で、次のマッチングサービス(配車プラス)の要件定義を進めることで、結果的に矢継ぎ早にサービスをリリースすることができました。

詳細については、開発事例インタビューをご覧ください。

社員2人のスタートアップが、構想から半年で新サービス「トラック簿」をローンチできた理由
https://sun-asterisk.com/works/monoful/

 

2つのサービスの開発スケジュール

トラック簿(バース管理)、配車プラス(マッチングサービス)、この2つのサービスは、以下のようなスケジュールで同時に開発を進行しました。トラック簿(バース管理)は、要件定義からリリースまで半年、配車プラス(マッチングサービス)は、要件定義、設計からリリースまで約8ヶ月間で行っています。

 

開発体制

クライアントのプロジェクトボードに、最終意思決定、方向性の検討、MTG設定・調整などを担っていただき、Sun*では日本側でプロジェクトマネジメントを行い、自社の海外拠点の豊富なエンジニアリソースを活用し、スピーディでフレキシブルな開発体制を築いています。プロジェクト開始からわずか8ヶ月で2つの新規サービスをリリースできた大きな理由は、コンサルティングから開発、そのマネジメントを一気通貫で築ける体制があったからです。

 

Sun*のIT戦略パートナーとしての強み

インタビューの中で、以下のようなコメントをいただいておりますが、自社プロダクトを作っていく過程でいっしょに企画から考えて開発までも支援できるところを評価いただいております。

開発会社は実際にやってみないと実力や品質はわからなかったりしますが、コンサル会社や大手SIerの要素を兼ね備え、事業のゼロイチの段階からきてもらって、雰囲気を知ってもらってから開発をしてもらうというのは、ほかにはないでしょうね。ベトナムに拠点をもつオフショア会社は数多くあれど、そういうことができる会社はないでしょうね。

新規事業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)支援のSun*の強みとして、以下の4つが挙げられます。

エグゼキューションフォーカス

課題解決の実践経験を積んだエグゼクティブがお客様とともに解決策の実行までをコミットします。社内外の関係者を巻き込み、一緒に課題解決にあたるという風土醸成と一体感あるプロジェクト運営が特徴。

海外チーム活用によるQCD最適化

アジアの優秀なエンジニアを活用することで、通常は工数やコスト的に躊躇するような「正しいけど困難」なことを、諦めずに実現することが可能。

テクノロジーとその活用事例に精通

国内外のTOP大学との産学連携の取り組みと相まって、最新のテクノロジーに精通した研究者やエンジニアを多数(グループ全体で約1000名)擁しており、それらを活用したシステム構築事例も豊富。

業務分析・システム開発実績

過去に同様の業務分析や業務システム開発を実施した経緯があり、業務内容や現行システムへの理解がある状況。また、貴社の既存ベンダーとも良好な関係にあるため、スムーズなプロジェクト組成が可能。

 

開発に関するご相談承ります

Sun*では大手企業からスタートアップまで組織の規模に限らず、幅広い業界で新規事業やサービス開発を共創しております。課題抽出や事業アイデアのブラッシュアップから、UI/UXデザイン、開発から運用までワンストップでサポートいたします。お気軽にご相談ください。

 

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