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システム開発

システム開発業務とは?はじめて学ぶ人向けの基礎知識

更新日: 2025年5月16日

業務の効率化に、システム開発は欠かせません。この記事では、システム開発業務や業務系システム開発の基本情報、開発の流れや工程、求められるスキル・能力などを解説します。システム開発や業務系システム開発業務に関わる可能性があり、どのような内容かを知りたい人は参考にしてください。

システム開発の仕事を解説

システム開発とは、電子機器を制御するシステムや企業の業務効率化となる仕組みを開発する業務です。システム開発には、概要設計・要件定義・基本設計を担当するシステムエンジニアや、詳細設計・プログラミング・テスト・導入支援を担当するプログラマーが関わります。さまざまなシステム開発を構築し、各種企業の業務の仕組みをシステム化します。

業務系システム開発とは

システムの1つである、業務系システムとはどのようなものでしょうか。役割と情報系システムとの違いを解説します。

業務系システム開発の役割

業務系システムとは、企業における特定の業務を効率化してくれるITシステムです。生産管理や在庫管理、財務など、企業の運営に直接影響する分野をサポートします。特に、定型的な作業やデータ処理を自動化することで、業務全体のスピードと精度を向上できるでしょう。

これにより、作業効率の向上が期待でき、人的リソースの他の業務への割り当てが可能になります。なお、業務系システムには「基幹システム」と「周辺システム」の2種類があります。

業務系システムと情報系システムとの違い

業務系システムとは、企業の業務に直接的に関与するシステムです。たとえば、生産管理システムや在庫管理システムでは企業を支える役割を担います。

一方で情報系システムは、社内でのコミュニケーションやバックオフィス業務をサポートするシステムです。メールやスケジュール管理ツール、社内SNSなどのシステムが該当します。万が一、情報系システムが停止しても、業務自体がストップするリスクはほとんどありません。

システム開発に関わる職種

システム開発には、おもに「システムエンジニア」と「プログラマー」という2つの職種が関与します。それぞれの職種が、システム開発の過程でどのような業務を担当するのか解説します。

システムエンジニア

システムエンジニアは、システムの要件定義や基本設計を担当する職種です。開発過程で担うのは、概要設計、要件定義、基本設計などの上流工程です。クライアントの要望や開発チームの力量を判断した上で、システムの設計や企画を行います。また、システムエンジニアがプログラマー同様に、システムのプログラミングを担うケースもあります。

プログラマー

プログラマーは、システム設計に沿って実際にプログラミングを実施し、システムやサービスの開発や構築を担当する職種です。基本的にはシステムエンジニアの要望に応じたコードを書く業務ですが、システムエンジニアとプログラミングの両方を担うケースもあります。また、プログラムを正常に作動させるための「単体テスト」を行う役割も担います。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、開発プロジェクト全体の進行管理を担当します。プロジェクトにおいて担う役割は幅広く、おもに納期や予算を守りつつ、メンバーの役割分担や進捗確認などチームの指揮を執る役割も担います。そのため、リーダーシップやマネジメントスキルなど専門的な知識が求められる職種です。

QAエンジニア

QAエンジニアは、品質保証(Quality Assurance)を担当するエンジニアです。おもに、テスト計画の作成やバグのチェックを実施します。開発したシステムが想定どおりに動作するか、不具合はないかなど品質を左右する部分を確認します。テスト結果の分析からフィードバックを実施し、トラブルを未然に防ぐ役割です。

UI/UXデザイナー

UI/UXデザイナーとは、ユーザーが使いやすい画面設計(UI)や、快適な体験(UX)をデザインする仕事です。システムの見た目だけでなく、操作性や導線も重視してデザインを進めます。UIデザイナーはユーザーが使いやすいデザインを意識し、UXデザイナーはユーザーの体験にフォーカスして使って楽しいデザインを意識します。

ITコンサルタント

ITコンサルタントとは、クライアントの業務課題をヒアリングし、最適なシステム導入や改善方法を提案する役割を担う仕事です。課題解決に必要な人材やシステムを考慮して提案しなければならないため、技術だけでなく業務知識や戦略視点も求められます。

システム開発の流れ・工程

システム開発はどのような流れで進んでいくのか、おもな6つの工程に分けて解説します。

1.要件分析・要件定義

はじめに「要件分析」と呼ばれる、クライアントがどのようなシステムやサービスを必要としているのかヒアリングし把握する工程から始めます。次に、要件分析で把握したクライアントの課題を解決するためにどのようなシステムが必要かを考える「要件定義」を実施します。同時に、工期やコストも決定しましょう。

2.外部設計(基本設計)

外部設計では、要件定義に沿って実現させたい機能を決め、データの入出力画面やボタンをクリックしたときの挙動など、全体的なインターフェースの設計を実施します。直接ユーザーが触れる箇所はクライアントと話し合い、ユーザー目線で使いやすく設計することが重要です。

3.内部設計(詳細設計)

内部設計では、外部設計で決めた機能の作成方法を細かく設計し、システム仕様書を作成します。ここで作成された仕様書を基にプログラミングを実施するため、プログラマーとの認識が一致するよう詳細に作成することが重要です。また、プログラマーがわかりやすい表記で作成する必要があります。一般的に、システムエンジニアは内部設計までを担当します。

4.プログラミング

プログラミングからは、プログラマーが担当します。プログラミングは、内部設計で作成された仕様書に基づき、実際にプログラミングを実施します。仕様書に最低限の指示しか記されていない場合、どのようなコードで開発するかはプログラマーの判断に委ねられます。システムエンジニアがプログラマーを兼務し、プログラミングに携わることもあります。

5.テスト

プログラミングが完了したのち、不具合がないかテストを実施します。不具合が見つかった場合は修正を施し、不具合がなくなるまでテストを繰り返します。テストの工程を担当するのは、おもにシステムエンジニアです。

6.運用・サポート

納品し、システムの運用をスタートしたあとも必要に応じてサポートが必要になります。不具合やシステムエラーが発生した際だけでなく、追加機能の要望があればサポートします。また、定期的なメンテナンスにも対応しなければなりません。

業務系システム開発の流れ・工程

業務系システム開発において、基本的な開発工程(要件定義・設計・開発・テスト・運用)は前述の「システム開発の流れ・工程」と共通するものの、社内業務の効率化や業務フローの最適化を目的としたシステムが多く、特徴的な点があります。

たとえば、既存のExcelや紙帳票との連携、現場ユーザー(営業・経理・物流など)へのヒアリングを重視した要件定義、日々の業務に自然に馴染む独自のUI設計など、「使われること」を前提とした設計・運用が必要です。以下では、業務系システム特有の観点も踏まえた工程の流れを紹介します。

1.クライアントの要望を基に要件を定義

まず、開発する業務系システムにどのような要素を含むべきか、明確にする要件定義からスタートします。クライアントの業務課題やニーズなどをヒアリングして把握し、対応可能な機能を特定する、重要なプロセスです。そのため、クライアントとの密なコミュニケーションが欠かせません。他にも、プロジェクトの予算や人員、期間などを決定します。

2.システム設計

システム設計では、要件定義を基にシステムの構成や機能の実装、処理方法などを具体的に決定します。おもな工程は、外部設計と内部設計の2種類です。

外部設計ではUI(ユーザーインターフェース)のデザインや、機能の操作性などユーザーが直接触れる部分を設計します。一方、内部設計ではシステム内部の構造を設計します。技術やメカニズムを選定する、開発者向けの設計です。

3.システム開発・テスト

設計書を基にプログラミングを進め、機能が意図通りに動作するかテストします。テストにはいくつか種類があり、単体テスト、融合テスト、システムテストの順に実施します。テストで不具合が見つかった場合は、1度開発工程へ戻り、修正を施しましょう。その後、再度テストを実施します。

4.システムの運用・保守

実際の運用をスタートしたのち、システムが円滑に稼働するよう管理し、不具合が起きた際は改修を実施します。また、必要に応じてアップデートや改良が求められます。システムの長期的かつ安定的な稼働には、定期的なメンテナンスが欠かせません。

システムエンジニアに必要なスキル・能力

システム開発の上流工程を担うシステムエンジニアには必要とされる、おもな3つのスキル・能力を解説します。

プログラミング言語の知識

企画や設計を進める上で、プログラミングの基礎知識は必要不可欠です。システムエンジニアは基本的にはプログラミングには携わりませんが、クライアントの要望に沿ったプログラムの実現には、プログラミングの知識が求められるためです。また、プログラミングの知識があれば、スケジュール管理や工程の進捗管理の把握が容易になります。

マネジメントスキル

システムエンジニアにとって、プロジェクト全体をマネジメントすることは重要な仕事の1つです。一般的に、プロジェクトの立ち上げ段階から、納期や予算の決定の場にも参加します。そのため、プロジェクトに沿ったシステムの設計に関する能力だけでなく、業務全体のマネジメント能力も求められます。

コミュニケーションスキル

システムエンジニアは、クライアントとプログラマーの間で指揮を執る職種です。クライアントの要望を的確に把握し、システム仕様書を作成してプログラマーへとつなぎます。納品後もクライアントのフォローに加え、サポートやメンテナンスが必要であればプログラマーへ指示し対応します。そのため、高いコミュニケーションスキルが必要です。

プログラマーに必要なスキル・能力

プログラミングを実施するプログラマーに必要な、おもな2つのスキル・能力を解説します。

プログラミング言語の知識

プログラマーの業務はプログラミングが中心のため、プログラミング言語の知識は欠かせません。プログラミング言語はさまざまな種類があり、目的によって言語が異なります。そのため、目的に合わせた言語を習得しましょう。

協調性

システム構築は多くの場合、チームで進めます。そのため、自身が書いたコードを他の人が修正するケースもあります。チームで円滑に進めるためには、コミュニケーション能力が必要です。

まとめ

システム開発は業務効率化に役立つ仕組みです。なかでも、業務系システム開発は企業の業務に直接的に関わるため、重要な役割を担っています。求められるスキルを有する人材が携わり、正しい工程で進めていくことが重要です。

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