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アジャイル開発

アジャイル開発の流れは?メリットや主な開発手法・失敗しやすいポイントなどを解説

更新日: 2024年7月10日

アジャイル開発の流れは?メリットや主な開発手法・失敗しやすいポイントなどを解説

アジャイル開発とは、柔軟にクライアントの意向を組み込みつつ、スピード重視で進行する開発手法のことです。近年、テクノロジーの進歩とともに市場の変化のスピードが加速し、従来の開発手法では対応しきれないシーンも増えてきました。この記事では、アジャイル開発の特徴や、向いている開発などについて解説します。ぜひ参考にしてください。

スピード重視のアジャイル開発

アジャイル開発は、機能ごとに小規模な開発サイクルを繰り返す開発手法です。アジャイル開発の「agile」には、「俊敏な、素早い」という意味合いがあります。「agile」が示すように、機能ごとに小規模な開発サイクルを繰り返し、リリースを重ねながら迅速に完成度を高めていく点が、アジャイル開発の特徴です。なお、開発サイクルは、スプリントやイテレーションといった専門用語で呼ばれています。

【比較】アジャイル開発とウォーターフォール開発

ウォーターフォール開発は、要件定義・設計・開発・テストという工程を順番に進めていく開発手法です。ウォーターフォール開発では、前の工程が完了しなければ、次の工程に進みません。また、ウォーターフォール開発におけるリリースは、全ての工程を終えテストが終了した後に実施されます。

高まりを見せるアジャイル開発への関心

近年は、ビジネスシーンでもアジャイル開発が注目されています。アジャイル開発への関心が高まった経緯を解説します。

アジャイルソフトウェア開発宣言(アジャイルマニフェスト)

2001年に作成されたアジャイルソフトウェア開発宣言では、効率と素早さを重視するアジャイル開発の原則が明文化されました。アジャイル開発にかかわる人は、アジャイルソフトウェア開発宣言のポリシーを理解しておく必要があります。

DX推進とアジャイル開発の関係性

DX白書2021では、DX推進におけるアジャイル開発の重要性について語られています。DX推進は、自社や市場の動向を把握したうえで柔軟に取り組む必要があります。柔軟さと迅速さが強みのアジャイル開発は、DX推進に適した開発手法です。

※参考:DX白書2021|独立行政法人情報処理推進機構

アジャイル組織への注目

開発現場の枠を超え、一般的なビジネスシーンでもアジャイル開発の取り組みが注目されるようになりました。アジャイル組織とは、変化に迅速かつ柔軟に適応し、顧客に高い価値を提供できる組織のことです。

アジャイル開発を導入するメリットとデメリット

アジャイル開発のメリットとデメリットを解説します。円滑に開発を進めるために、意識しておきましょう。

導入するメリット

アジャイル開発を導入する主なメリットは、以下のとおりです。

・プロダクトをスピーディにリリースできる
・コストを抑えられる
・開発途中で柔軟にクライアントの意向を組み込める
・不具合発生時に修正の手間が少ない
・開発サイクルを小刻みに繰り返すため、開発者の成長が促進される

導入するデメリット

アジャイル開発を導入する主なデメリットは、以下のとおりです。

・スケジュールや予算の管理が難しい
・開発方針がブレやすい

柔軟に仕様を変更できる点はアジャイル開発の強みですが、変更が多すぎると、全体的なスケジュールが延びてコストが膨れ上がる可能性があります。また、仕様変更が繰り返されると、開発方針がブレやすくなります。

4つのステップで進めるアジャイル開発

アジャイル開発の進め方を、4つのステップに分けて解説します。委託先の動きを把握し、適切にかかわりましょう。

1.テーマの決定

テーマとして大まかに要件とスケジュールが決定され、各機能に優先順位が付けられます。ただし、アジャイル開発の場合、当初決めた要件とスケジュールが変更になる可能性は十分にあります。変更を受け入れる心構えがあれば、開発メンバーは柔軟に変化に適応できます。

2.チームメンバーの決定

テーマに取り組むメンバーが召集され、以下のような役割が割り振られます。

・プロダクトオーナー:プロダクトの要件を定義し、優先順位を決定する
・スクラムマスター:調整役としてチームの生産性を最大化する
・開発チーム:設計や開発、テストなどを実行する

3.全体的なスケジュールの作成

機能ごとの開発サイクルを1~4週間程度で区切り、スケジュールが作成されます。それぞれの開発サイクルごとに実装すべき機能が細分化され、必要なタスクがリストにまとめられます。

4.開発サイクルを繰り返す

機能ごとに、要件定義・設計・開発・テスト・リリースの手順で、開発サイクルが進行します。1つの機能のリリースが終わったら、クライアントはフィードバックをしなくてはなりません。フィードバックをもとに、次の開発サイクルで機能の改善や追加が行われます。

代表的なアジャイル開発

アジャイル開発の代表的な手法について、それぞれの特徴や違いを解説します。

1.スクラム

スクラムでは、チームメンバーが開発サイクルごとに計画を立案し、自律的に開発を進めることが特徴です。スクラムを成功させるには、プロダクトオーナー・スクラムマスター・開発チームなどの役割を明確化したうえで、活発なコミュニケーションが行われる必要があります。

2.ユーザー機能駆動開発

ユーザー機能駆動開発は、クライアントにとっての機能価値を重視する開発手法です。開発チームは、クライアントのビジネスモデルを深く理解し、ユーザーにとって最も価値のある機能から優先的に開発を進めます。

委託先は、1~3日という短いスパンで開発サイクルを回すことで、クライアントからのフィードバックを素早く取り込みつつ、機能の改善・追加を継続的に進めます。

3.エクストリーム・プログラミング

エクストリーム・プログラミングは、開発者が主導となって進める柔軟性の高い開発手法です。要件変更や不明点があった場合でも、素早く対応し、継続的に改善を行います。ペアプログラミングやテスト駆動開発などの手法を取り入れることで、コードの品質を高め、効率的な開発を実現します。

4.リーンソフトウェア開発

リーンソフトウェア開発は、製造業における効率的な生産管理の手法として知られる「リーン思考」にもとづく開発スタイルです。リーンソフトウェア開発の特徴は、ムダを省きつつクライアントのニーズに合う要件定義を行い、効率よく開発を進めることです。

5.その他

その他にも、アジャイル開発にはさまざまな手法があります。いくつか以下に示します。

・Kanban
・Scrum Ban
・適応型ソフトウェア開発
・テスト駆動開発
・受入テスト駆動開発
・継続的インテグレーション
・反復型開発
・実験駆動型開発

アジャイル開発の向き・不向きを判別する方法

アジャイル開発は、すべての開発に適しているわけではありません。アジャイル開発の向き・不向きを判別する方法を解説します。

向いているケース

アジャイル開発に向いている開発の特徴を、以下に示しました。

・要件が明確になっておらず、変更される可能性が高い
・リリースを継続的に行う見込みがある
・市場の変化を臨機応変に取り入れたい
・開発規模が比較的小さい
・クライアントがプロダクトオーナーを担っている

不向きなケース

アジャイル開発に不向きな開発の特徴を、以下に示しました。

・要件が明確で、変更される可能性が低い
・リリースは1度限りを予定している
・開発規模が比較的大きい
・開発チームがアジャイル開発の経験やスキルに乏しい
・チームメンバーやクライアントが、密なコミュニケーションを取りにくい

アジャイル開発に携わる際に知っておきたい用語

アジャイル開発を円滑に進めるには、用語に関する認識を統一しておく必要があります。開発を委託する際に知っておくべき用語を解説します。

1.リリース計画

リリース計画は、アジャイル開発全体における計画です。リリース計画では、以下の要素を決定します。

・開発のゴール
・1回の開発サイクル(スプリントやイテレーション)の期間
・ユーザーストーリーの優先順位

ユーザーストーリーについては以下で解説します。

2.ユーザーストーリー

ユーザーストーリーは、ユーザーの視点でプロダクトに必要な機能を簡潔に記述したものです。チームはユーザーストーリーをもとに、「誰が」「何を」「どうしたいのか」を決めて、機能を実装します。

3.ベロシティ

ベロシティとは、チームが1回の開発サイクルで達成できる作業量のことです。スケジュールを組む際には、チームの成長を表す指標としてベロシティが役立ちます。

4.レトロスペクティブ

レトロスペクティブは、1回の開発サイクルごとに行う振り返りです。チームで話し合う機会を設けると、よかった点や改善点が明確になり、次の開発サイクルの効率が高まります。

アジャイル開発で失敗しやすいポイント

アジャイル開発で失敗しやすいポイントを解説します。対策も併せて紹介するので、確認しておきましょう。

コミュニケーションが不足している

アジャイル開発ではPDCAサイクルを回すことが重要です。しかし、関係者からの意見や提案がなければ、PDCAサイクルを回せません。アジャイル開発を成功に導くには、チームメンバーに加えクライアントを含めた関係者全員が、活発にコミュニケーションを取る必要があります。

クライアントのかかわりが少ない

繰り返しになりますが、アジャイル開発では、開発サイクルごとにクライアントがフィードバックをする必要があります。クライアントが積極的に意見を出すことが、ニーズに合うプロダクト作成のポイントです。

リーダーの指導力が発揮されていない

アジャイル開発におけるリーダーは、チーム全体を管理する役割を担っています。リーダーが関係者間を上手く取り持てないと、クライアントのニーズを満たせなかったり、スケジュールが大きく遅れたりする可能性があります。アジャイル開発の委託先を選ぶときは、先方のリーダーとコミュニケーションを取って選びましょう。

まとめ

アジャイル開発とは、柔軟にクライアントの意向を組み込みつつ、スピード重視で進行する開発手法のことです。円滑にアジャイル開発を進めるには、明確な役割分担と、クライアントを巻き込んだ活発なコミュニケーションがポイントです。アジャイル開発の委託先を選ぶ際は、リーダーシップに優れたリーダーのいる会社を選びましょう。

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