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アジャイル開発

アジャイル開発におけるスプリントの重要性とは?メリットやデメリットも解説

更新日: 2024年7月10日

アジャイル開発におけるスプリントの重要性とは?メリットやデメリットも解説

アジャイル開発の手法の1つであるスクラムの基準となる考え方として、スプリントがあります。スプリントは、アジャイル開発の業務効率化のために不可欠な考え方です。この記事では、スプリントの概要を解説したうえで、スプリントの重要性やメリット・デメリットなどを解説します。スプリントについて詳しく理解するために、ぜひ参考にしてください。

アジャイル開発におけるスプリントとは

アジャイル開発におけるスプリントとはどのようなものでしょうか。ここでは、アジャイル開発やスプリントの概要について解説します。

アジャイル開発とはプロダクトの開発手法

アジャイル開発とは、プロダクト開発の手法です。柔軟かつスピーディに開発を進められるという特徴があります。フレームワークのスクラムを利用する場合、スプリント単位で開発します。スプリントとは、短いサイクルで開発することです。短期間で工程を繰り返すため、仕様変更にも対応しやすくなっています。

スクラムはアジャイル開発手法の1つ

スクラムはアジャイル開発手法の1つです。プロダクトの開発のためにチームをつくり、スプリント単位で作業を進めます。計画、設計、実装、テストをスピーディに繰り返します。アジャイル開発はチームによる開発となるため、完成度の高いプロダクトを生み出すにはメンバー同士のコミュニケーションが特に重要です。

イテレーションとスプリントの違い

イテレーションとは、短いスパンで繰り返す開発期間のことです。スプリントとほとんど同じ意味ですが、開発によって呼び方が異なる可能性があります。

スプリントが求められる理由

スプリントが必要な理由として、アジャイル開発の効率化があげられます。アジャイル開発の目的は急な仕様変更や機能追加への対応を前提とし、短期間でプロダクトをリリースすることです。ただし、制限を設けず仕様変更や機能追加に対応すれば、無駄な作業が多く発生する可能性があります。スプリント単位で開発に取り組むと無駄な作業の発生を抑制でき、業務効率化を実現できます。

スプリントのメリット

スプリントにはさまざまなメリットがあり、開発を成功に導きやすくなります。以下で具体的に解説します。

仕様変更や不具合などに柔軟に対応できる

スプリントは短期間の目標を設定して開発を進めます。そのため、仕様変更や不具合への対応などが急に必要になった際も、状況に応じて柔軟な対応が可能です。状況の変化に素早く対応して適切なプロダクトを提供できます。

開発の方向性を修正しやすい

スプリントなら開発作業を細分化して取り組めるため、テストやフィードバックの流れがスムーズです。また、スプリント単位でユーザーのニーズを反映でき、開発の方向性の修正も容易です。

開発の目的を意識しやすい

スプリントは短期間で開発を進める方法であり、開発の目的を常に意識しやすくなります。開発を始めてからリリースまでの期間が短く、開発に携わるメンバーのモチベーションも維持しやすいです。

スプリントのデメリット

スプリントにはデメリットもあるため、取り組む際は注意が必要です。どのようなデメリットがあるか解説します。

全体の管理が複雑になる

スプリント単位で目標を決めて開発に取り組むため、スプリントの数が多いほど全体の管理が複雑になります。事前に方向性を明確にし、メンバーが同じ目標に向かって作業を進められるようにすべきです。適切に開発を進めるには、プロジェクトマネージャーが必要です。

スキルの習得に時間がかかる

スクラム開発でスプリント単位の開発を進めるには、メンバーが短期間で集中して作業する必要があります。そのためには、一定以上のスキルや経験が重要です。スキルをもつメンバーが社内にいない場合、新しくスプリントの考え方を理解して知識やスキルを身につけるには時間がかかります。

コミュニケーションスキルが求められる

スクラム開発でスプリントによる開発を進める場合、メンバー同士の協力が重要です。メンバーのやり取りに問題があると、プロジェクト全体の進行にも影響が出る恐れがあります。よって、高いコミュニケーションスキルをもつメンバーを集めなければなりません。

スプリント作成の流れ

スプリントはどのように作成するのでしょうか。基本の流れを解説します。

プロダクト・バックログを作成する

プロダクト・バックログとは、プロダクトの開発要件や機能などをまとめたリストです。スプリント単位で開発を進める場合にプロダクト・バックログを作成すると、プロジェクトの方向性を整理できます。すでに触れたとおり、スプリントの数が多いと管理が難しくなりますが、プロダクト・バックログがあると全体像を把握しやすくなります。

スプリントの計画を立てる

プロダクト・バックログについて、重要度が高い順に計画書を作成しましょう。具体的には、スプリントの目標、開発期間、システムの詳細仕様、作業内容、担当者などについて決める必要があります。各メンバーの作業内容を細かく整理し、わかりやすくまとめてください。

スプリントを開始する

作成したスプリント・バックログにもとづき、スプリントを開始します。デイリースクラムというミーティングを毎日開催し、作業状況、今後の予定、課題などをメンバー間で共有しましょう。デイリースクラムの実施によってメンバー全員で全体の進捗を把握でき、問題が発生しても素早い対応を実現可能です。

スプリントレビューを実施する

スプリントレビューとは、スプリントの期間終了後にプロジェクトを振り返るためのミーティングです。実際の動作を確認し、開発の方向性が間違っていないかチェックします。ステークホルダーも参加してフィードバックを実施するため、改善点を次のスプリントプランニングに活かせます。

スプリントレトロスペクティブ

スプリントレトロスペクティブとは、スプリントレビューを踏まえ、プロジェクトの成果を顧客に確認してもらうミーティングです。スプリントを評価し、プロジェクトの進捗について話し合います。スプリントレトロスペクティブの結果をもとに、プロダクト・バックログを見直して適宜修正します。

スプリントの期間別タイムボックス

スクラム開発では、スプリントの期間に応じてスクラムイベントの推奨タイムボックスが決まっています。具体的には、以下のとおりです。

スクラムイベント 4週間 3週間 2週間 1週間
スプリントプランニング 8時間 6時間 4時間 2時間
デイリースクラム 15分/日
スプリントレビュー 4時間 3時間 2時間 1時間
スプリントレトロスペクティブ 3時間 2時間15分 1時間30分 45分
プロダクトバックログリファインメント 8-16時間 6-12時間 4-8時間 2-4時間

スクラムチームにおけるスプリントの体制

スプリントにはさまざまな人が関与します。ここでは、スクラムチームのスプリントの体制について詳しく解説します。

プロダクトオーナー

プロダクトオーナーとは、開発の責任者のことです。プロダクト・バックログを管理し、プロジェクト全体の把握から、適切な優先順位の設定、計画の立案などを行います。プロダクト開発の方向性をチームに示し、パフォーマンスやプロダクトの価値の最大化を促す役割です。

開発チーム

開発チームは、スプリントの期間中、プロジェクト・バックログをもとに開発を進めます。開発に必要な専門的な知識とスキルをもつメンバーで構成します。開発チームの規模は、スプリントにおける作業を効率よく進められるかどうかを基準に決定しましょう。

スクラムマスター

スクラムマスターは、スクラムで適切に作業するための責任者です。開発チームに対して適切なアドバイスを提供し、適切にプロジェクトが進むよう働きかけます。必要に応じ、開発チームの指導、コーチング、支援などにも対応します。プロダクトオーナーのサポートもスクラムマスターの役割の1つです。

スクラムイベントの参加者

スクラムイベントの参加者は、プロダクトオーナー、開発者、スクラムマスター、ステークホルダーです。各イベントに参加すべきかどうかは、立場によって異なります。スクラムイベントと参加者についてまとめると、以下のとおりです。

プロダクトオーナー スクラムマスター 開発者 ステークホルダー
スプリントプランニング 必須 推奨 必須 任意
デイリースクラム 推奨 推奨 必須 任意
スプリントレビュー 必須 推奨 必須 推奨
スプリントレトロスペクティブ 推奨 必須 必須 任意
プロダクトバックログ
リファインメント
必須 推奨 必須 任意

スプリントを実施する際のポイント

スプリントの実施においては、さまざまなことを意識する必要があります。詳細のポイントを解説します。

方向性を統一する

スプリント単位で開発を進める際はプロジェクトの方向性を統一し、開発チームのメンバー全員が同じ目標に向かって取り組めるようにする必要があります。メンバーが協力しなければ、短期間の開発は成功させられません。定期的にミーティングを開催したり、進捗状況を確認したりしましょう。

作業量を最適化する

スプリントの期間は短いため、作業量が多すぎると成果物の質が低下する恐れがあります。スプリントを実施する場合、現実的に考えて適切な作業量を設定することが大切です。

チームメンバーの育成をする

効果的にスプリントでの開発を進めるには、チームのメンバーそれぞれのスキルを上げる必要があります。適切なフィードバックやスキルに合うトレーニングの実施などにより、メンバーの成長を促しましょう。

まとめ

アジャイル開発のうちスクラム開発に取り組む場合は、短期間のスプリント単位で作業に取り組みます。スプリントで開発を進めると目的を意識しやすく、柔軟な対応も容易です。ただし、メンバー同士の協力が不可欠であり、密なコミュニケーションが求められます。

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