アジャイル開発においては、要件定義が不要とされるケースもあります。しかし、アジャイル開発でも要件定義が必要なケースがあるため、要件定義の流れや手順も把握しておくべきです。この記事では、アジャイル開発の要件定義について解説します。要件定義の必要性や手順なども解説するため、ぜひ参考にしてください。
目次
アジャイル開発の理解に本は効果的?
実際に、アジャイル開発やスクラムを取り入れる企業は増えています。短期間で開発を進めるためには効果的な手法ではあるものの、しっかり理解していないと効果は出ません。
学ぶ方法としてスクールに通う、研修を受ける、動画教材で学ぶなど、さまざまな選択肢がありますが、本を用いた独学もその1つです。学びたいレベルや内容に合わせた本を選べば、自分のペースで学習が進められます。
アジャイル開発を学ぶための本の選び方
アジャイル開発やスクラムを学ぶための本を選ぶ際、理論だけが書かれている本よりも、実践に役立つ視点があるかどうかを見極める必要があります。たとえば、実例にもとづいているのか、具体的なケーススタディがあるのか、アジャイル開発に実績がある著者かどうかなどをチェックしてください。
開発の最新トレンドに対応していることも重要な要素です。また、対象としている読者層をチェックし、自分のレベルに合う本を選びましょう。
本を活用したアジャイル開発の進め方
具体的に本を活用したアジャイル開発の進め方を解説します。以下の3つのステップを参考にしてください。
1.アジャイル開発のマインドセットを学ぶ
アジャイル開発の理解には基礎を踏まえておく必要があるため、まずマインドセットから学ぶようにしましょう。具体的には、2001年に発表された「アジャイルソフトウェア開発宣言」の理解が必要とされています。
専門的で理解が難しいという場合は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表している「アジャイルソフトウェア開発宣言の読みとき方」という資料を参考にしてください。資料からは基本や必須とされる12原則などが読み解けます。
※参考:アジャイルソフトウェア開発宣言の読みとき方|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
2.スクラムの基礎知識を学ぶ
アジャイル開発を理解するためには、一般的な手法のスクラムについても学んでおく必要があります。スクラムについて記した「スクラムガイド」といわれるルールブックがあり、基礎を学ぶことが可能です。
先述の「アジャイル開発の進め方」のほか、図解で分かりやすく解説している「スクラムガイドの変更に伴うヤフーのスクラムの変化」という記事も参考になります。
3.本で理解を深めながら実践に移る
アジャイル開発のマインドセットやスクラムの基礎知識はもちろん、より実践的な内容を学べる本も豊富にあります。実践的な内容に関しては、自分が学びたい部分に合わせた本を選んで理解を進めていくとよいでしょう。基礎的な知識が身につけばチーム全体で実践しつつ、さらに学びを深めるようにすると理解度が高まりやすくなります。
アジャイル開発のマインドセットが学べるおすすめの本6選
ここからは具体的に本を紹介します。アジャイル開発のマインドセットが学べる本として、おすすめなのは以下の6冊です。
いちばんやさしいアジャイル開発の教本 人気講師が教えるDXを支える開発手法
著者 | 市谷聡啓、新井剛 、小田中育生 |
対象読者のレベル | 初心者~中級者以上 |
書籍の内容 | アジャイルの必要性、価値、原則、実践方法、および実践に役立つプラクティスが広く浅く解説された本。図表を使って具体的に分かりやすく説明されている。「いちばんやさしい」とタイトルにあるものの、内容は基本から導入後に理解を深めるところまで幅広い。 |
ここはウォーターフォール市、アジャイル町 ストーリーで学ぶアジャイルな組織のつくり方
著者 | 沢渡 あまね、新井 剛 |
対象読者のレベル | 初心者〜中級者 |
書籍の内容 | 書籍の内容:物事を解決する手段としてのアジャイルとウォーターフォールを対立するものではなく、融合させていくものとして捉えた組織作りの解説本。アジャイルとウォーターフォールの違いを含め、物語形式の実践的なストーリーのなかでアジャイル開発の基本が学べる入門書。 |
わかりやすいアジャイル開発の教科書
著者 | 前川 直也、西河 誠、細谷 泰夫 |
対象読者のレベル | 初心者~上級者 |
書籍の内容 | 書籍の内容:スクラムからXP、タイムボックス、TDD、リファクタリング、チームビルディングまで、幅広いテーマをわかりやすく解説。ミニワークショップやケーススタディなどもあり、アジャイル開発を学びたいプログラマーやシステム開発者、プロジェクト管理者などが実践的、かつ具体的に学べる。 |
アジャイルメトリクス
著者 | Christopher W.H. Davis |
対象読者のレベル | 中級者~上級者 |
書籍の内容 | 「Agile Metrics in Action」の日本語版。テーマはアジャイル開発におけるパフォーマンス向上で、主にソフトウェア開発に関わるプロフェッショナルやプロジェクトマネージャー向け。アジャイル開発におけるメトリクスの具体的な活用方法について解説。 |
アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック 始め方・ふりかえりの型・手法・マインドセット
著者 | 森 一樹 |
対象読者のレベル | 初心者~中級者 |
書籍の内容 | アジャイルのチーム開発で欠かせない要素である「ふりかえり」に焦点を当て、具体的な「ふりかえり」のやり方を解説した本。「ふりかえり」の目的や効果、具体的な手法や流れ、マインドセットなどについて、架空の開発現場で起こるケースを漫画で分かりやすく解説。実践的な手法が多数紹介されている。 |
誰も教えてくれなかったアジャイル開発
著者 | 堀 哲也、稲荷 裕 著、木村 秀顕、柴㟢 秀算、廣瀬 志保、石橋 正裕 |
対象読者のレベル | 初心者~中級者 |
書籍の内容 | アジャイル開発の基礎から応用をわかりやすく解説した本。特にアジャイル開発の経験が少ない日本企業向けとして、基礎編では従来の手法や組織を変革せずにアジャイル開発を成功に導くためのポイントを解説。実践編では具体的な導入方法も紹介している。 |
スクラムの基礎知識が学べるおすすめの本4選
アジャイル開発を考えるうえで、フレームワークの1つであるスクラムも把握しておきたいところです。以下の4つの本が参考になります。
SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発
著者 | 西村 直人、永瀬 美穂、吉羽 龍太郎 |
対象読者のレベル | 初心者 |
書籍の内容 | スクラムを基礎から学べる代表的な入門書で、スクラム初心者や導入で悩んでいる人向けの一冊。架空の開発現場を題材として、スクラムの適用方法や流れが漫画で分かりやすく解説されている。実践編では実際のスクラムの場面で直面するシチュエーションをもとに、ポイントも解説。 |
エッセンシャルスクラム
著者 | Kenneth S.Rubin |
対象読者のレベル | 初心者~中級者 |
書籍の内容 | 「アジャイル開発に関わるすべての人のための完全攻略ガイド」とサブタイトルが付いているように、包括的な実践ガイド。スクラムの全体像と詳細のどちらも理解しやすく、初心者から、すでにアジャイル開発に関わっている人まで、すべての層のためになる内容が解説されている。 |
スクラム実践入門ー成果を生み出すアジャイルな開発プロセス
著者 | 貝瀬 岳志、原田 勝信、和島 史典、栗林 健太郎、柴田 博志、家永 英治 |
対象読者のレベル | 中級者~上級者 |
書籍の内容 | すでにスクラムに関わっているメンバーやマネージャー、スクラムマスター向けの入門書。フレームワークの基礎知識から実践まで網羅し、導入時や運用中に問題が発生した際の具体的な対処方法なども解説している。 |
スクラム実践者が知るべき97のこと
著者 | Gunther Verheyen(編集) |
対象読者のレベル | 初心者~上級者 |
書籍の内容 | 世界中の専門家97人によるスクラムに関するコラム集。日本語版では、さらに10人のスクラム実践者のエッセイも収録されている。スクラムの実践に必要な戦略や組織への影響など、多岐にわたるテーマについて、さまざまな視点からの意見が幅広く掲載されている一冊。 |
アジャイル開発とスクラムの理解を深めたい人向けの本3選
ここからはアジャイル開発とスクラムについて、さらに理解を深めたい人向けの本として、以下の3冊を紹介します。
ソフトウェア品質を高める開発者テスト 改訂版 アジャイル時代の実践的・効率的でスムーズなテストのやり方
著者 | 高橋寿一 |
対象読者のレベル | 上級者 |
書籍の内容 | テスト界の第一人者による、開発者テストに焦点を当てた一冊。単体テストやリファクタリング、品質担保やテストの自動化まで、開発テストを実施するにあたって把握しておくべき概念や手法について、実例を用いて解説している。改訂版では、アジャイルテストの方法論が充実した内容になっている。 |
SCRUMMASTER THE BOOK 優れたスクラムマスターになるための極意
著者 | Zuzana Sochova |
対象読者のレベル | 上級者 |
書籍の内容 | 「スクラムチームの母」と呼ばれる著者が書いた、スクラムマスターやアジャイルコーチなどリーダー向けの本。スクラムマスターはなにをすればいいのか、具体的なアドバイスも含めて解説している。スクラムマスターの役割や責務、必要なスキルについての理解が深まる一冊。 |
アジャイル開発とスクラム 第2版 顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント
著者 | 平鍋 健児、野中 郁次郎、及部 敬雄 |
対象読者のレベル | 中級者~上級者 |
書籍の内容 | アジャイル開発に関心のあるITエンジニアやビジネスリーダー向けに、アジャイル開発やスクラムの基礎から導入例まで幅広く解説している。改訂版は最新知見を加え、有名企業の成功例も充実させた一冊。大規模化のためのフレームワークにも触れ、ビジネスリーダー必携の本になっている。 |
まとめ
開発業務の進め方として、国内でもアジャイル開発を取り入れる企業が増えてきました。アジャイル開発は効果的な手法ですが、実際に現場で生かすためには、しっかり理解しておかなければなりません。アジャイル開発を学べる本は、初心者向けから上級者向けまで数多く出版されています。
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