アジャイル開発を取り入れる際に、自社のエンジニア体制を強化するため従業員への資格取得の推奨を検討している担当者もいるでしょう。アジャイル開発に役立つ資格にはどのようなものがあるのでしょうか。本記事では、アジャイル開発関連の資格を紹介します。資格の選び方や取得させるメリットも解説するため、参考にしてください。
アジャイル開発とは?
アジャイル開発とは、開発工程において作業単位を小さく分割する手法です。細かく分割したうえで、実装やテストなどを繰り返して開発を進めることが大きな特徴です。
開発手法には事前に要件や設計、テストなどの各工程やスケジュールなどを固めてから開発を始めるウォーターフォール開発もあります。一方アジャイル開発では、事前に要件やスケジュールなどを固めずに開発に着手する手法です。
アジャイル開発の導入率
Digital.aiが実施したアンケートによると、海外市場におけるアジャイル開発において、2020年の導入率は37%と導入率はさほど高くありませんでした。しかし、2021年には86%に増加していることがわかっています。この調査結果から、アジャイル開発は世界で大きな注目を集めており、ニーズが高くなっていると考えられます。
アジャイル開発は、目まぐるしく変化する市場のニーズや技術の進化などに臨機応変に対応できる開発手法のため、年々注目が高まっているといえるでしょう。
※参考:State of Agile Report|Digital.ai
アジャイル開発に資格は必要?
結論からいうと、アジャイル開発自体には資格は必須ではありません。そのため、資格がなくてもアジャイル開発に携わることは可能です。しかし、自社でアジャイル開発を取り入れてプロダクト開発を進める場合には、チーム内で密なコミュニケーションや意思の疎通、適切なフィードバックなどが必要になります。
そのため、自社の従業員がアジャイル開発関連の資格を有していると役立ちます。資格保有者がいることで細かなやり取りの説得力が高まるため、スムーズなコミュニケーションや開発につながる可能性があるでしょう。
自社の従業員にアジャイル開発関連の資格取得を推奨するメリット
自社の従業員にアジャイル開発関連の資格を取得させることでどのようなメリットがあるのでしょうか。
自社のエンジニア体制の強化につながる
従業員がアジャイル開発関連の資格を取得することでスキルアップにつながります。従業員がスキルアップすれば、自社のエンジニア体制が強化されるため、スムーズな開発やコミュニケーションが行えるようになるでしょう。
結果として、生産効率の向上が期待できます。また、スキルレベルの高い従業員が増えれば、専門的な知識や技術なども教えられる環境になるため、相乗効果によって生産性が向上しやすい雰囲気が生まれやすくなります。
モチベーション向上につながる
自社の従業員に対して資格取得を推奨し、実際に資格を取得した場合にはスキルアップにつながります。スキルアップすることで、業務効率がアップしたり従業員同士が切磋琢磨し合ったりする環境を作ることも可能です。
また、資格手当を設けるのも有効です。資格手当を設ければ、資格を取得するモチベーションも向上し、業務に対するやる気のアップも期待できるでしょう。
アジャイル開発関連の資格の選び方
アジャイル開発関連の資格はさまざまです。そのため、どのような資格を取ればよいのか分からない、資格の選び方が分からないという人も多いでしょう。選び方は以下のとおりです。
・実用的なスキルを身につけられるかどうか
・体系的にスキルが身につくかどうか
資格は取得すること自体が目的ではありません。スキルを身につけて役立てることが目的になるため、実用的なスキルが身につくかを重視しましょう。また、順序立てて計画的にスキルが身につけられるかどうかも大切です。
アジャイル開発関連のおすすめの資格4選
アジャイル開発関連のおすすめの資格は、主に4つです。ここでは、各資格について解説します。
アジャイルソフトウェア開発技術者検定試験
アジャイルソフトウェア開発技術者検定試験とは、アジャイル開発に関するスキルを客観的に判定できる資格です。この試験はレベル1とレベル2に分けられています。レベル1では、アジャイル開発に関する基礎知識や開発チームの運営、プロジェクト管理、アジャイル開発の技能が試験範囲です。レベル2では、モデリングやコーディング、構成管理、テストなどの項目から出題されます。
レベル1はアジャイル開発の経験や知識がない人、レベル2は基礎知識ではなく実践的な知識を得たい人に向いています。
CSM®
CSMとは「CertifiedScrumMaster」を略した言葉です。CSMは認定スクラムマスターのことで、スクラムマスターのなかでももっとも知名度が高い資格だとされています。スクラムと呼ばれるアジャイル開発の1種であるフレームワークの知識や運用スキルが身につけられます。
CSMを取得する際には、研修を受講してテキストや演習をこなさなければいけません。研修のハードルが高めに設定されているため、比較的難易度の高い資格です。
PSM
PSMとは「Professional Scrum Master™」の略称です。Scrum Org.が開催しているスクラムマスターの認定資格であり、低コストで資格取得できるという特徴があります。CSMでは参加が必須となっている研修への参加が、マストではないため比較的取得しやすいでしょう。
ただし、資格試験そのものの難易度は高めです。また、英語で受験することになるため英語力も必要になります。スクラムマスターとしての知識を極めたい、コストを抑えて資格を取得したいという人に向いています。
RSM
RSMとは、「Registered Scrum Master」の略称です。Scrum Inc.が主催しているスクラムマスターの認定資格となっています。RSMはスクラム経験の有無にかかわらず、誰でも受験できるという特徴があります。75%以上正解することで合格となっており、不合格でも2回目がすぐに受けられます。そのため、試験そのものの難易度はさほど高くありません。
RSMは、研修終了後に試験が行われるため研修を受ける必要があります。体験型のワークショップなども含まれているため、活気のある雰囲気があることが特徴です。
その他アジャイル開発に携わる際に役立つ資格
上記の他にも、アジャイル開発に携わる際に役立つ資格は複数あります。ここでは、3つの資格を解説します。
基本情報技術者試験・応用情報処理技術者試験
基本情報技術者試験は、ITを活用したサービスを作成するエンジニアなどの人材に必要な基礎的知識を身につけられる資格です。ITエンジニアの登竜門とも呼ばれており、ITエンジニアとして活躍したい人は取得するのがおすすめです。
応用情報処理技術者試験は、さらに応用的な知識が身につけられる資格です。基本情報技術者試験よりもワンランク上の試験となっているため、基礎は知っているがさらなるスキルアップを目指したいという人にもよいでしょう。
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎的な知識を有していることを証明できる資格です。国家資格でもあるため、国家資格の取得を目指している人にも向いています。AIやIoT、ビックデータといった最新技術や新しい開発手法に関する知識はもちろんのこと、経営戦略やマーケティング、プロジェクトマネジメントなどの知識も身につけられます。
ITパスポートは受験資格がなく、誰でも受験可能です。また、総合評価と分野別評価がわかるため、不合格だったとしても自身の課題を把握しやすくなっています。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験とは、プロジェクトを成功に導くために必要なスキルが身につく資格です。情報処理技術者試験のなかでも難易度が高いことで知られており、プロジェクト全体を管理するマネージャーを目指す人やマネージャー職に就いている人向けの資格となっています。
プロジェクトマネージャ試験では、プロジェクトの目的を達成するためにプロジェクト計画を作成すること、プロジェクトの目標やライフサイクル設定、進捗管理や課題管理といった管理スキルが求められます。
社内のエンジニア体制を強化する際のポイント
社内のエンジニア体制を強化する際に、資格取得によってエンジニアのスキルアップを図ることもよい方法です。しかし、内製化に執着する必要はなく、外部リソースも積極的に活用するとよいでしょう。外部リソースを活用することで、アジャイル開発をさらに効率的にすすめられます。
外部リソースに委託することで、ベンダーの高い技術力や知識などを活かしたプロダクト開発ができるようになります。外部と内部が交わるエンジニア組織を構築して、必要に応じて対応する業務を分担するとよいでしょう。業務を外部委託する際には、請負型と準委任型の2つがあるため、自社に合った方法を選ぶことがポイントです。
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まとめ
アジャイル開発に携わるには資格は必須ではありません。しかし、従業員の資格取得を推進することで自社のエンジニア体制の強化や従業員のモチベーション向上につながるでしょう。資格を取得する際には、実用的かつ体系的なスキルが身につくかどうかを重視することが大切です。
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