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アジャイル開発

アジャイル開発における振り返りとは?目的や必要性などを詳しく解説

更新日: 2024年10月16日

アジャイル開発における振り返りとは?目的や必要性などを詳しく解説

アジャイル開発における「振り返り」とは、開発チームが一定の期間(通常はスプリントと呼ばれる短期間)の作業サイクルを終えた後に行うミーティングのことです。このミーティングでは、プロジェクトの改善点や成功点について話し合い、次のサイクルに向けた改善策を導き出します。本記事では、アジャイル開発における振り返りの重要性と、その進め方について詳しく解説していきます。

アジャイル開発における「振り返り」とは

アジャイル開発における「振り返り」とは、開発チームが一定の期間(通常はスプリントと呼ばれる短期間の作業サイクル)を終えた後に行う、プロジェクトの改善点や成功点を話し合うためのミーティングです。このプロセスは「レトロスペクティブ」とも呼ばれます。

チーム全員が参加し、スプリントで何がうまくいったのか、何が問題だったのか、次のサイクルに向けてどのように改善すべきかを共有し、チーム全体のパフォーマンスを向上させるためのフィードバックを得る機会です。

レトロスペクティブ(振り返り)の目的・必要性

アジャイル開発におけるレトロスペクティブ(振り返り)は、チームが開発サイクルごとに集まり、これまでの作業を振り返り、次に向けた改善策を議論するための重要なミーティングです。以下で、レトロスペクティブ(振り返り)の目的・必要性を解説します。

レトロスペクティブ(振り返り)の目的

レトロスペクティブの主な目的は、チームの作業プロセスを振り返り、改善することで今後の開発作業をより効率的かつ効果的に進めることです。

このミーティングでは、チームがスプリント(短期間の作業サイクル)を振り返り、どの部分に改善の余地があるかを議論し、次のサイクルに向けた具体的なアクションプランを策定します。こうしたプロセスを通じて、チームは常に進化し、開発の質を向上できます。

レトロスペクティブ(振り返り)の必要性

定期的な振り返りを行うことで、プロジェクト全体の質を向上させるとともに、迅速な課題解決が可能になります。また、成功体験をチーム内で共有することにより、チームの一体感が高まり、士気の向上が期待できます。

さらに、レトロスペクティブは次の開発サイクルに向けた意欲を促進する重要な機会となり、アジャイル開発における継続的な改善や柔軟な対応、チームのモチベーション向上を実現するために欠かせないプロセスです。

レトロスペクティブ(振り返り)のフレームワーク・手法

アジャイル開発は、要件が頻繁に変わるプロジェクトに特に適しています。この手法は柔軟性が高く、チームは変更に迅速に対応できるため、顧客のニーズに応じた製品を短期間で提供することが可能です。

また、アジャイル開発は、小規模なチームでの開発や新しいアイデアのプロトタイプ作成にも向いています。ステークホルダーとの密なコミュニケーションを通じて、迅速なフィードバックが得られる環境が整っているため、より高品質な製品を開発できます。

1.Start, Stop, Continue

Start, Stop, Continueは、シンプルで短時間で実施できるため、多くのチームで広く使われているフレームワークです。参加者は「開始すること(Start)」「停止すること(Stop)」「継続すること(Continue)」の3つのカテゴリに分けて意見を出し合います。

チームが改善すべき点や成功している部分を明確にし、次のアクションに移すために非常に効果的な手法です。特にアジャイル開発のスプリントの終了時に、チーム全員で迅速に振り返りを行う場合に適しています。

2.4Ls(Liked, Learned, Lacked, Longed for)

4Lsは、チームのフィードバックを整理するためのフレームワークで、4つの視点から意見を引き出します。「Liked(好きだったこと)」「Learned(学んだこと)」「Lacked(足りなかったこと)」「Longed for(望んだこと)」という4つの観点に基づいて、メンバーがそれぞれの意見を出し合います。
この手法を用いることで、ポジティブな面と改善すべき点をバランスよく把握でき、チーム全体で学びや改善点を共有できます。

3.Mad, Sad, Glad

Mad, Sad, Gladは、スプリント中にメンバーが感じた感情にフォーカスするフレームワークです。「Mad(怒り)」「Sad(悲しみ)」「Glad(喜び)」という3つの感情に分けて意見を整理し、チーム内で感情的な面を理解し合うことを目指します。

感情的な振り返りは、技術的な改善だけでなく、チームの結束力やメンバー間の信頼関係を強化する効果があります。この手法を取り入れることで、感情面の問題にも早期に対処しやすくなります。

4.Sailboat(セイルボート)

Sailboat(セイルボート)は、プロジェクトを船にたとえ、チームの進行を視覚的にビジュアル化するフレームワークです。まず、船が目指す「目的地(ゴール)」を設定し、そのゴールに向かって進むなかで、前進を助ける「追い風(プラス要因)」と、遅らせる「錨(マイナス要因)」を挙げて、プロジェクトの進行状況を視覚化します。

この方法では、チームが直面している課題を把握しやすく、問題解決への道筋を明確にできます。

5.KALM(Keep, Add, Less, More)

KALMは、振り返りを4つのカテゴリに整理するフレームワークです。「Keep(続けるべきこと)」「Add(追加すべきこと)」「Less(減らすべきこと)」「More(増やすべきこと)」という視点で、チームの行動やプロセスを評価します。

KALMを使うことで、過去のスプリントの成功と改善点を具体的に把握し、チームがどのような方向に進むべきかを明確にできます。このフレームワークは、スプリントを通じて改善サイクルを効果的に繰り返すことに役立ちます。

6.Starfish(星形)

Starfishは、フィードバックを5つのカテゴリに分類して整理するフレームワークです。「Keep(続けるべきこと)」「More(もっとやるべきこと)」「Start(新たに始めるべきこと)」「Stop(やめるべきこと)」「Less(減らすべきこと)」という5つの観点から意見を集めます。

このフレームワークは、チームがこれまでの取り組みを振り返りつつ、次のステップに向けて具体的なアクションを明確にするのに役立ちます。視覚的にわかりやすく、メンバーの意見をバランスよく整理できるため、チーム全体での改善に効果的です。

7. 5Whys(5つのなぜ)

5Whysは、問題の根本原因を明らかにするためのフレームワークで、問題が発生したときに「なぜ?」を5回繰り返して問いかけ、その原因を深掘りします。たとえば、プロジェクトが遅延した場合、「なぜ遅れたのか?」から始めて、その回答に対して再度「なぜ?」を問い続けることで、表面的な問題ではなく根本的な課題を発見できます。この手法により、単に問題を解決するだけでなく、長期的な改善策を導き出すことが可能です。

レトロスペクティブ(振り返り)を行う際の注意点

レトロスペクティブを効果的に行うためには、チームが安心して意見を出し合える環境を整え、建設的な改善を促すことが大切です。以下では、実施時の注意点を解説します。

1.非難や個人攻撃を避けること

レトロスペクティブは、チーム全体の成長を目的とした場であり、誰かを非難したり個人攻撃を行う場ではありません。問題を感情的に捉えず、冷静に分析することが重要です。
個々のメンバーではなく、チーム全体のパフォーマンスを改善するための具体的な対策を考え、前向きな議論を進めましょう。

2.具体的な改善策を導き出すこと

レトロスペクティブでは、単に問題点を指摘するだけでなく、必ず具体的な改善策を導き出すことが求められます。単に「何がうまくいかなかったか」を話すだけでは同じ問題が再発する可能性が高まります。
課題が明確になったら、「次に何をするべきか」「どのように改善するか」といった具体的なアクションアイテムをチームで共有し、次のスプリントに生かすことが重要です。

3.全員が参加し、意見を出しやすい環境を作ること

レトロスペクティブは、チーム全員の意見が必要です。一部のメンバーだけが発言する場にならないように、全員が意見を出しやすい雰囲気を作ることが重要です。
ファシリテーターが全員に発言機会を提供し、心理的安全性を確保することで、内向的なメンバーも安心して発言できる環境を整えましょう。全員が参加することで、より多様な視点から問題や改善策を見つけ出すことができます。

まとめ

振り返り(レトロスペクティブ)は、アジャイル開発におけるチームの成長や改善を支える重要なプロセスです。振り返りを定期的に行うことで、チームは課題を迅速に解決し、次のスプリントに向けた具体的な改善策を見出すことができます。
また、成功体験の共有を通じて、チームの士気や一体感を高める効果も期待できます。振り返りを活用することで、アジャイル開発における継続的な改善と効率的な作業プロセスを実現することが可能です。
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