システム開発を外注する場合、正式な発注の前にシステム開発会社から見積書を取得します。見積書のチェックが不十分だと、発注側と受注側で認識の相違が生じトラブルに発展する場合もあるため、見積もりの段階で認識をすり合わせることが重要です。
本記事では、システム開発の見積書についてサンプルも活用しながら内訳を解説します。システム開発の見積書が複雑になる背景や、見積書のチェックポイントも解説するため、ぜひ参考にしてください。
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システム開発の見積書とは
見積書が複雑になる理由
システム開発における見積書が複雑になる理由は、開発に関わる要素そのものが多く、それぞれに異なるコストが発生するからです。システム開発には、要件定義、設計、開発、テスト、運用といった複数の工程があり、各工程ごとに必要な作業や人件費、ツール・インフラの費用が異なります。また、システムの規模や複雑さ、技術要件、他システムとの連携の有無によって、見積もりの内容は大きく変わります。
さらに、開発プロジェクトの初期段階では不確実な要素が多いため、リスクを考慮した費用の見積もりが必要です。たとえば、新しい技術を使う場合や、要件がまだ固まっていない場合は、追加の調査や仕様変更が発生する可能性があります。そのため、見積もりには一定のバッファを持たせる必要があります。
また、開発チームの構成(国内開発・オフショア開発の組み合わせなど)や、契約形態(準委任契約・請負契約など)によっても見積もりの算出方法が変わります。
加えて、発注者が見積書を理解しやすいよう、機能ごとの工数や工程ごとの費用内訳を詳しく記載することが一般的です。しかし、こうした説明を加えることで、見積書のボリュームが増え、さらに複雑に見えてしまうこともあります。
このように、システム開発の見積書は単なる価格の提示ではなく、さまざまな要素を考慮し、詳細な内訳を示す必要があるため、自然と複雑になってしまうのです。
見積書の重要性
システム開発の見積書は、単に費用を示すだけでなく、プロジェクトの全体像を明確にする重要な役割を持っています。見積書を通じて、開発の範囲、必要な工数、費用の配分が明確になり、発注者と開発者の間で認識のズレを防ぐことができます。
特にシステム開発では、要件の不明確さが後のトラブルにつながることが少なくありません。見積書をきちんと作成することで、どの機能にどれくらいの工数がかかるのか、どの工程にどのくらいのコストがかかるのかが可視化されます。これにより、発注者は「この費用をかけることで何が得られるのか」を理解しやすくなり、開発者も「どこまで対応するべきか」の基準を明確にすることができます。
また、見積書はプロジェクト管理の観点からも重要です。事前に正確な見積もりができていれば、予算超過やスケジュール遅延を防ぎやすくなります。逆に、見積もりが甘いと、開発途中で追加の費用やスケジュール変更が発生し、発注者・開発者双方にとって大きな負担になってしまいます。
このように、システム開発の見積書は、単なる費用の算出ではなく、プロジェクトの円滑な進行や契約のトラブル防止にも関わる重要なドキュメントなのです。
システム開発に多い「2段見積もり」とは
システム開発では、最初に提示された見積もりから追加の見積もりが発生することがよくあります。このように、段階を分けて見積もりを行う手法を「2段見積もり」といいます。これは、特に要件が固まりきっていないプロジェクトや、技術的な検証が必要な場合に多く用いられます。
1段階目:概算見積もり(初期見積もり)
プロジェクトの初期段階では、発注者の要望や目的は決まっていても、詳細な仕様が未確定であることがほとんどです。そのため、まずは大まかな要件をもとに、概算の費用と期間を見積もります。この段階では、参考となる過去のプロジェクトデータや一般的な工数の目安をもとに見積もりを作成するため、詳細な金額の確定はできません。
概算見積もりの目的は、プロジェクト全体の予算感を把握し、発注者が開発を進めるかどうかの判断材料として手助けを行うことです。発注者が希望する予算と開発内容のすり合わせを行い、方向性を調整するための基礎資料としても機能します。
2段階目:詳細見積もり(本見積もり)
要件定義や基本設計を進め、開発範囲や仕様が明確になった段階で、より正確な「本見積もり」を作成します。この見積もりでは、機能ごとの工数や必要な技術要素を具体的に検討し、詳細なコストを算出します。概算見積もりと比較すると、より現実的な費用やスケジュールが反映されるため、最終的な開発契約の基準となります。
この2段見積もりの方式を取ることで、発注者と開発者の双方にメリットがあります。発注者側は、初期の段階で大まかな予算感を把握しつつ、プロジェクトの方向性を調整することができます。一方、開発者側も、要件の不確定な部分をクリアにした上で本格的な見積もりを行えるため、予算超過や追加工数の発生を最小限に抑えることができるのです。
ただし、概算見積もりと詳細見積もりの間にギャップが生じるケースもあるため、発注者と開発者の間で認識をすり合わせることが重要です。
特に、「概算見積もり=最終金額(請求金額)ではない」ことを前提に、追加の費用やスケジュール変更の可能性についても事前に合意しておくことが望ましいでしょう。
このように、システム開発では2段見積もりを活用することで、不確実な要素を減らし、より現実的な開発計画を立てることが可能になります。
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システム開発の見積を算出する方法
トップダウン見積もり
- 概略
- プロジェクト全体の規模や予算を基に、各工程や作業に費用を配分する方法。過去の類似プロジェクトのデータを活用することが多い。比較的大まかで、初期段階に適している。
- 特徴
- 短時間で大まかな見積もりが可能。詳細な分析が伴わないため、正確性に欠ける。
- おすすめ
- 初期段階でざっくりとしたコスト規模を知りたい/提示したい場合。
類似プロジェクト参照法(アナログ見積もり)
- 概略
- 類似プロジェクト参照法(アナログ見積もり)は、過去の類似プロジェクトのデータを基に見積もりを算出する方法。開発規模や要件が似ているプロジェクトの工数やコストを参考にし、調整を加えて見積もります。新規開発よりも、過去に実績のあるプロジェクトをベースにするため、比較的スピーディーに見積もりを作成できる。
- 特徴
- 短時間で見積もれるのが大きなメリット。ただし、過去のプロジェクトと完全に一致するケースは少なく、技術の変化や要件の違いを考慮する必要がある。適切な補正を行わないと、過小見積もりや過大見積もりにつながるリスクあることが特徴。
- おすすめ
- 過去に似た開発経験があり、スピーディーに概算見積もりを作りたい場合に適している。
パラメトリック見積もり
- 概略
- パラメトリック見積もりは、システム開発の見積もり手法の中でも、大きな分類の一つであり、特定の計算式やモデルを使って工数やコストを算出する方法。開発規模や機能数、コード行数などの定量的な指標をもとに、過去のデータや統計的手法を活用して見積もる。
この手法の代表的な例として、ファンクションポイント法(機能ごとの複雑さを基に工数を算出する方法)や、COCOMO法(コード行数や開発規模に基づいてコストを算出する方法)がある。これらの手法は、データドリブンなアプローチを取るため、定量的で一貫性のある見積もりが可能。
- パラメトリック見積もりは、システム開発の見積もり手法の中でも、大きな分類の一つであり、特定の計算式やモデルを使って工数やコストを算出する方法。開発規模や機能数、コード行数などの定量的な指標をもとに、過去のデータや統計的手法を活用して見積もる。
- 特徴
- 客観的なデータに基づいた見積もりができるため、精度が高くなりやすく、再現性も確保しやすいのが特徴。また、経験値に依存せず、システム開発の規模や特性を数値化して見積もれるため、比較的公平な判断ができる。ただし、元となるデータの質や、プロジェクトごとの特殊性をどこまで考慮できるかによって、見積もりの精度にばらつきが出ることもあるため、適切なパラメータ設定が重要。
- おすすめ
- 過去のデータが蓄積されている企業や、大規模プロジェクトの見積もりに適している。また、複数のプロジェクトを比較したい場合や、客観的で再現性のある見積もりを作成したい場合にも有効な手法。
ボトムアップ見積もり
- 概略
- ボトムアップ見積もりは、作業単位ごとに工数やコストを積み上げる方法。要件や仕様を細かく分析し、各工程(要件定義、設計、開発、テストなど)ごとに必要な作業量を見積もる。全体のコストを詳細に算出できるため、精度の高い見積もりが可能。
- 特徴
- 細かい作業単位で見積もるため、精度が高いのが特徴。ただし、要件の詳細な分析が必要なため、見積もり作業に時間がかかるというデメリットもあります。要件が未確定な段階では、見積もりのブレが発生しやすい点にも注意が必要。
- おすすめ
- プロジェクトの詳細が決まり、正確なコストを算出したい場合に適している。特に、予算管理が厳密なプロジェクトや、工数管理をしっかり行いたい場合に有効な手法。
エキスパートジャッジメント
- 概略
- エキスパートジャッジメントは、経験豊富な技術者やプロジェクトマネージャーが、自身の知識や過去の事例をもとに見積もる手法。プロジェクトの特性や業界の標準的な工数、潜在的なリスクなどを加味し、専門家の視点から現実的な見積もりを作成する。
- 特徴
- 素早く見積もりを作成できるのが利点ですが、判断の根拠が経験や主観に依存するため、見積もる人によって精度にばらつきが出る可能性がある。複数のエキスパートの意見を集約すると、より信頼性の高い見積もりになる。
- おすすめ
- 短期間で概算見積もりを出したい場合や、定量データが少ない新規プロジェクトに向いている。また、他の見積もり手法の補完として、最終的な妥当性を確認する用途にも有効。
三点見積もり
- 概略
- 三点見積もりは、プロジェクトの不確実性を考慮するために、3つの異なるシナリオ(楽観・悲観・標準)で見積もる手法。それぞれの見積もりを基に、統計的な計算を行い、より現実的なコストや工数を算出する。
- 特徴
- 見積もりの計算には、以下の3つの数値を使用する
- 楽観見積もり(O): うまく進んだ場合の最小工数・コスト
- 悲観見積もり(P): トラブルが発生した場合の最大工数・コスト
- 標準見積もり(M): 一般的なケースでの見積もりこれらを用いて、以下の式で期待値を求める。
(O + 4M + P) ÷ 6
この方法により、極端な楽観・悲観に左右されず、より現実的な見積もりが可能となる。
- 見積もりの計算には、以下の3つの数値を使用する
- おすすめ
- 不確実性の高いプロジェクトや、要件が固まりきっていない開発に向いている。また、リスクを考慮した見積もりを求められる場合にも有効。
リスクベース見積もり
- 概略
- リスクベース見積もりは、技術的課題やスケジュール上のリスクを明確にし、それらを定量化して見積もりに反映する手法。プロジェクトに潜む不確実な要素を特定し、その影響をコストや工数に織り込むことで、より現実的な見積もりを作成することができる。
- 特徴
- 見積もりの際には、以下のリスク要因を考慮する。
- 技術的リスク: 未経験の技術や複雑なシステム連携が必要か
- スケジュールリスク: 他プロジェクトとの兼ね合いや、リソース不足の可能性
- 要件リスク: 仕様変更や追加開発の可能性リスクごとに発生確率と影響度を評価し、それを加味した見積もりを算出することで、想定外の工数増加を防ぐことが可能
- 見積もりの際には、以下のリスク要因を考慮する。
- おすすめ
- 不確実性の高いプロジェクトや、新技術を扱う開発に適している。また、プロジェクトの初期段階でリスクを整理し、関係者とリスク対応策を共有するための資料としても活用できる。
システム開発の見積書の内訳(サンプル付き)
以下の表は、シンプルなシステム開発の見積書のサンプルです。
実際の見積書の項目は多岐にわたりますが、主な項目について以下より解説します。
要件定義費用
要件定義とは、開発するプロダクトに必要な機能や用いる技術、スケジュール、工数などを明確にする工程です。「何をやり、何をやらないのか」を定義して発注側と受注側での認識ずれを防止し、後々のトラブルを避ける意味合いがあります。
一般的には開発総額の10~15%程度の金額となります。要件が発注側で固まっていない場合など、作業量によっては高額になる場合もあるでしょう。
進行管理費用(ディレクション費用)
プロジェクト全体の管理を務めるPM(プロジェクトマネージャー)や、ディレクターの人件費です。PMやディレクターは、スケジュール管理や発注側担当者とのコミュニケーションなど、プロジェクト全体を俯瞰して統括します。
一般的には開発総額の10~15%程度の金額となります。プロジェクトが大規模になると参画メンバーが多くなり、その分管理コストが膨らむ場合もあります。
設計費用
設計は、要件定義の内容をもとに実装する機能などシステムの仕様を決める工程です。設計には、「基本設計」と「詳細設計」の2種類があります。
●基本設計:発注側が内容を理解できる設計書の作成
●詳細設計:プログラマー向けの詳細な設計書の作成
発注側は提示された設計書をしっかり確認し、自社の求める要件が満たせているかを確認しましょう。設計費用は一般的に開発総額の10~25%程度です。
デザイン費用
デザイン費用はプロダクトのUI/UXデザインにかかる、デザイナーやエンジニアの人件費です。見た目のよさだけでなく、ユーザーが使いやすいデザインであることがポイントとなります。一般的には、開発総額の5%程度の金額です。見積もり金額の計算方法は、作成するWebサイトなどのページ数単位の場合と、作業するメンバーの工数を表す人月単位の場合があります。
開発費用
開発総額の50~60%を占める項目で、エンジニアやプログラマーの人件費に相当します。開発費用は「人月」または「人日」単位で計算されることが一般的です。これは、プロダクトの開発にあたって、1か月または1日に何人分の工数が必要になるかを表します。エンジニア・プログラマーのスキルによって人件費は異なり、難易度の高い開発では高単価になる傾向があります。
テスト費用
システム開発の各工程で行うさまざまなテストにかかる費用です。テストでは、テスト環境でバグや欠陥がないか、成果物が仕様書どおりになっているかどうかを確認します。発注側の確認も発生するため、仕様のとおり動作するか確認しましょう。一般的に、テスト費用は開発総額の5%程度です。
導入サポート費用
導入サポート費用は、制作したプロダクトの初期設定作業やマニュアル作成、操作方法説明会など、発注側がスムーズに運用できるようにサポートするためにかかる費用です。もともと使用していたシステムから切り替える場合、データの連携や移行などの作業も必要となります。一般的には、開発総額の1~5%程度の金額です。
運用・保守費用
システムは開発したら完了するわけではなく、むしろリリースしてからの運用が本番です。運用・保守費用は、システムが安定して稼働しているか管理・監視を行うための費用を指します。
「運用」は安定した稼働のための監視、「保守」は障害が起きた場合の原因究明や復旧のことです。運用保守費用はランニングコストであり、月額費用は一般的に開発総額の5%程度の金額となります。毎月費用がかかるため、長期的に予算を抑えておきましょう。
オプション費用
システム開発は、発注側と受注側がコミュニケーションを取りながら進めるものですので、オフラインで打ち合わせを行う際は、移動などにかかる費用が開発金額に含まれる場合があります。そのような場合にはオプション費用として「旅費・交通費」も含んでおきましょう。
開発会社の拠点が遠方にある場合、出張に伴う旅費や宿泊費などで高額になることもあるためです。予想外のコストが増えないよう、あらかじめ打ち合わせ頻度や方法は事前に擦り合わせておくことが重要です。
旅費交通費の他に、オプション費用となるものがあれば、事前に擦り合わせておく必要があります。
管理費
ここでいう管理費とは、開発に特別な設備やサーバーなどが必要になる場合など、間接的に必要となるコストを指します。実費として請求されることもあり、特にシステム開発拠点の賃料が含まれる場合などは高額になるでしょう。管理費という名称の他に、設備購入費などと記載される場合もあります。
システム開発における見積書のチェックポイント
発注前に見積書を確認し、内容を理解したうえで認識を擦り合わせておかないと、後々のトラブルにつながりかねません。ここでは、システム開発の見積書をチェックする際のポイントを解説します。
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1.作業範囲はどこまでか
作業範囲によって金額は変動します。そのため、見積もり金額にどこまでの作業範囲が含まれているのか確認しましょう。
たとえば、要件定義からリリースまでを開発会社で対応するのか、基本設計やリリース後の運用まで含めた見積もりなのか、といった観点が挙げられます。デザインやランディングページの作成、スマートフォン対応などの項目の有無でも金額が変わるため、タスクごとに金額が確認できる状態が理想です。
2.修正費やトラブル対応費は含まれているか
見積もり金額に修正費やトラブル対応費が含まれているか、どこまで対応してもらえるのかも確認が必要です。これらの費用が見積書に含まれていない場合、機能の修正やトラブル対応に別途費用が発生し、予定よりも費用がかさんでしまう恐れがあります。
開発が大規模になればなるほど、機能修正やトラブルをすべて防ぐことは困難になるでしょう。あらかじめ修正やトラブル対応の費用を見込んでおけば、いざというときのリスクを最小限に抑えることができます。
3.管理費用が含まれているか
多人数がかかわるシステム開発において、全体を俯瞰して進捗管理や品質管理をする存在は不可欠です。ディレクション費や進捗管理費といった名目の金額が含まれていない場合、別途費用が発生するのか、または発注側で管理する必要があるのかなどを擦り合わせておきましょう。
4.事前調査や分析の費用が含まれているか
システム設計や開発の前提となる要件定義には、事前の調査や分析が必要です。前提条件がぶれていると期待どおりの納品物にならない恐れがあるため、調査や分析を軽視せずきちんと費用を見込んでおきましょう。
5.備品やソフトウェアの費用は含まれているか
システム開発にあたって必要になる特別な備品、作業場所、ソフトウェアなどがある場合、見積もり金額に含まれているか確認しましょう。含まれていない場合は別途実費での請求になる場合もあるため、事前に確認が必要です。
6.使用する技術などの条件が明確か
システム開発に使用する言語、開発手法などの条件が明確になっているかも確認しましょう。前提条件が明確になっていないと、見積もり金額が妥当かどうか正確に判断できなくなってしまいます。
7.見積もり金額に妥当性があるか
作業範囲や前提条件が確認できたら、工数や単価の根拠をもとに見積もり金額が妥当かどうか確認しましょう。開発会社ごとに前提条件が異なるため、整理したうえで比較することが重要です。
8.責任の所在が明確か
後々のトラブルを防止するため、自社と開発会社の責任範囲も確認しておきましょう。それぞれどこまでの責任を負うのかが曖昧だと、大きなトラブルにも発展しかねません。
9.検収・支払いの条件が明確か
納品物の検収や支払いの条件も明確にしておきましょう。納品物がどのような状態になったら検収になるのか、また開発費用の支払いはどのタイミングで発生するのか確認が必要です。
10.ランニングコストが含まれているか
保守・運用にかかるランニングコストは開発費用に含まれているのか、または別途見積もりが必要なのかも確認しましょう。見積もり金額にランニングコストが含まれている場合も、どこまでの期間の費用なのか明確にしておくことが重要です。
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見積書作成におけるポイントと注意点
顧客との認識の揃え方
見積書作成時には、顧客との認識をしっかり揃えることが重要です。
プロジェクトの目的や範囲、スケジュール、期待する成果物等を具体的に確認し、明確化して認識を合わせることで、双方の理解のズレを防ぎます。
また、要件が曖昧な場合はヒアリングを重ね、不確実性を排除する努力が必要です。
見積書に記載されていない内容が後から問題になることを防ぐため、レビューや質疑応答の場を設けることが効果的です。
曖昧な表現を避けることの重要性
見積書で曖昧な表現を使うと、顧客との誤解やトラブルを引き起こす可能性があります。
「適宜対応」や「別途相談」などの曖昧な表記は、範囲外の作業や追加費用に関するトラブルの原因となります。
そのため、見積書には可能な限り、具体的な作業範囲や条件を記載し、費用を明確に示すことが重要です。
曖昧な項目や表現は早い段階で顧客と調整し、納得のいく形で合意することを心掛けましょう。
実績やサンプル提示の活用
見積書の内容を顧客に納得してもらうためには、実績やサンプルの提示が効果的です。
過去に類似したプロジェクトの成功事例や、具体的な成果物の例を提案時だけでなく、見積の際にも示すことで、見積内容の妥当性をアピールできます。
また、見積金額が顧客の期待と大きく異なる場合には、サンプルを基に工数やコストの背景を説明すると説得力と信頼性が増します。
これにより、顧客との合意形成がスムーズに進むでしょう。
まとめ
システム開発の見積書は複雑になりがちなので、発注側はポイントを押さえて確認することが重要です。事前の認識合わせをしっかりと行い、大きなトラブルを防止しましょう。
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