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システム開発

【サンプル付き】システム開発の見積書の内訳を解説

更新日: 2024年9月5日

システム開発を外注する場合、正式な発注の前にシステム開発会社から見積書を取得します。見積書のチェックが不十分だと、発注側と受注側で認識の相違が生じトラブルに発展する場合もあるため、見積もりの段階で認識をすり合わせることが重要です。

本記事では、システム開発の見積書についてサンプルも活用しながら内訳を解説します。システム開発の見積書が複雑になる背景や、見積書のチェックポイントも解説するため、ぜひ参考にしてください。

システム開発の見積書は複雑になりがち

システム開発の見積書は、「2段階見積もり」が一般的です。2段階見積もりでは、ざっくりしたヒアリングで1段階目の概算見積もりを出し、要件定義や基本設計が完了した段階で、2段階目の正式な見積もりが提示されます。

見積もり金額の計算方法は開発会社によって異なります。さらに長期のプロジェクトでは、金額や期間などの項目が膨大になるため、見積書は複雑になりがちです。各社の見積書を比較して金額が異なる要因を整理し、自社に合った発注先を見極めましょう。

システム開発の見積書のサンプルと内訳

以下の表は、シンプルなシステム開発の見積書のサンプルです。

見積もりサンプル

実際の見積書の項目は多岐にわたりますが、主な項目について以下で解説します。

要件定義費用

要件定義とは、開発するプロダクトに必要な機能や用いる技術、スケジュール、工数などを明確にする工程です。「何をやり、何をやらないのか」を定義して発注側と受注側での認識ずれを防止し、後々のトラブルを避ける意味合いがあります。

一般的には開発総額の10~15%程度の金額となります。要件が発注側で固まっていない場合など、作業量によっては高額になる場合もあるでしょう。

進行管理費用(ディレクション費用)

プロジェクト全体の管理を務めるPM(プロジェクトマネージャー)や、ディレクターの人件費です。PMやディレクターは、スケジュール管理や発注側担当者とのコミュニケーションなど、プロジェクト全体を俯瞰して統括します。

一般的には開発総額の10~15%程度の金額となります。プロジェクトが大規模になると参画メンバーが多くなり、その分管理コストが膨らむ場合もあります。

設計費用

設計は、要件定義の内容をもとに実装する機能などシステムの仕様を決める工程です。設計には、「基本設計」と「詳細設計」の2種類があります。

●基本設計:発注側が内容を理解できる設計書の作成
●詳細設計:プログラマー向けの詳細な設計書の作成

発注側は提示された設計書をしっかり確認し、自社の求める要件が満たせているかを確認しましょう。設計費用は一般的に開発総額の10~25%程度です。

デザイン費用

デザイン費用はプロダクトのUI/UXデザインにかかる、デザイナーやエンジニアの人件費です。見た目のよさだけでなく、ユーザーが使いやすいデザインであることがポイントとなります。一般的には、開発総額の5%程度の金額です。見積もり金額の計算方法は、作成するWebサイトなどのページ数単位の場合と、作業するメンバーの工数を表す人月単位の場合があります。

開発費用

開発総額の50~60%を占める項目で、エンジニアやプログラマーの人件費に相当します。開発費用は「人月」または「人日」単位で計算されることが一般的です。これは、プロダクトの開発にあたって、1か月または1日に何人分の工数が必要になるかを表します。エンジニア・プログラマーのスキルによって人件費は異なり、難易度の高い開発では高単価になる傾向があります。

テスト費用

システム開発の各工程で行うさまざまなテストにかかる費用です。テストでは、テスト環境でバグや欠陥がないか、成果物が仕様書どおりになっているかどうかを確認します。発注側の確認も発生するため、仕様のとおり動作するか確認しましょう。一般的に、テスト費用は開発総額の5%程度です。

導入サポート費用

導入サポート費用は、制作したプロダクトの初期設定作業やマニュアル作成、操作方法説明会など、発注側がスムーズに運用できるようにサポートするためにかかる費用です。もともと使用していたシステムから切り替える場合、データの連携や移行などの作業も必要となります。一般的には、開発総額の1~5%程度の金額です。

運用・保守費用

システムは開発したら完了するわけではなく、むしろリリースしてからの運用が本番です。運用・保守費用は、システムが安定して稼働しているか管理・監視を行うための費用を指します。

「運用」は安定した稼働のための監視、「保守」は障害が起きた場合の原因究明や復旧のことです。運用保守費用はランニングコストであり、月額費用は一般的に開発総額の5%程度の金額となります。毎月費用がかかるため、長期的に予算を抑えておきましょう。

旅費・交通費

システム開発は発注側と受注側がコミュニケーションを取りながら進みます。オフラインで打ち合わせを行う際は、移動などにかかる費用が開発金額に含まれる場合があります。

開発会社の拠点が遠方にある場合、出張に伴う旅費や宿泊費などで高額になることもあるでしょう。予想外のコストが増えないよう、打ち合わせ頻度や方法は事前に擦り合わせておくことが重要です。

管理費

開発に特別な設備やサーバーなどが必要になる場合、実費で請求されることもあります。特にシステム開発拠点の賃料が含まれる場合などは高額になるでしょう。管理費という名称の他に、設備購入費などと記載される場合もあります。

システム開発の見積書のチェックポイント

発注前に見積書を確認し、内容を理解したうえで認識を擦り合わせておかないと、後々のトラブルにつながりかねません。ここでは、システム開発の見積書をチェックする際のポイントを解説します。

1.作業範囲はどこまでか

作業範囲によって金額は変動します。そのため、見積もり金額にどこまでの作業範囲が含まれているのか確認しましょう。

たとえば、要件定義からリリースまでを開発会社で対応するのか、基本設計やリリース後の運用まで含めた見積もりなのか、といった観点が挙げられます。デザインやランディングページの作成、スマートフォン対応などの項目の有無でも金額が変わるため、タスクごとに金額が確認できる状態が理想です。

2.修正費やトラブル対応費は含まれているか

見積もり金額に修正費やトラブル対応費が含まれているか、どこまで対応してもらえるのかも確認が必要です。これらの費用が見積書に含まれていない場合、機能の修正やトラブル対応に別途費用が発生し、予定よりも費用がかさんでしまう恐れがあります。

開発が大規模になればなるほど、機能修正やトラブルをすべて防ぐことは困難になるでしょう。あらかじめ修正やトラブル対応の費用を見込んでおけば、いざというときのリスクを最小限に抑えることができます。

3.管理費用が含まれているか

多人数がかかわるシステム開発において、全体を俯瞰して進捗管理や品質管理をする存在は不可欠です。ディレクション費や進捗管理費といった名目の金額が含まれていない場合、別途費用が発生するのか、または発注側で管理する必要があるのかなどを擦り合わせておきましょう。

4.事前調査や分析の費用が含まれているか

システム設計や開発の前提となる要件定義には、事前の調査や分析が必要です。前提条件がぶれていると期待どおりの納品物にならない恐れがあるため、調査や分析を軽視せずきちんと費用を見込んでおきましょう。

5.備品やソフトウェアの費用は含まれているか

システム開発にあたって必要になる特別な備品、作業場所、ソフトウェアなどがある場合、見積もり金額に含まれているか確認しましょう。含まれていない場合は別途実費での請求になる場合もあるため、事前に確認が必要です。

6.使用する技術などの条件が明確か

システム開発に使用する言語、開発手法などの条件が明確になっているかも確認しましょう。前提条件が明確になっていないと、見積もり金額が妥当かどうか正確に判断できなくなってしまいます。

7.見積もり金額に妥当性があるか

作業範囲や前提条件が確認できたら、工数や単価の根拠をもとに見積もり金額が妥当かどうか確認しましょう。開発会社ごとに前提条件が異なるため、整理したうえで比較することが重要です。

8.責任の所在が明確か

後々のトラブルを防止するため、自社と開発会社の責任範囲も確認しておきましょう。それぞれどこまでの責任を負うのかが曖昧だと、大きなトラブルにも発展しかねません。

9.検収・支払いの条件が明確か

納品物の検収や支払いの条件も明確にしておきましょう。納品物がどのような状態になったら検収になるのか、また開発費用の支払いはどのタイミングで発生するのか確認が必要です。

10.ランニングコストが含まれているか

保守・運用にかかるランニングコストは開発費用に含まれているのか、または別途見積もりが必要なのかも確認しましょう。見積もり金額にランニングコストが含まれている場合も、どこまでの期間の費用なのか明確にしておくことが重要です。

まとめ

システム開発の見積書は複雑になりがちなので、発注側はポイントを押さえて確認することが重要です。事前の認識合わせをしっかりと行い、大きなトラブルを防止しましょう。

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