こんにちは。Sun Asterisk クラウド支援サービス チームです。
自社システムの脆弱性を放置すると、情報漏えいや事業停止といった深刻なリスクに直結します。本記事では、脆弱性の定義から発生原因、被害事例、優先度に基づいた効果的な対策まで体系的に解説します。セキュリティ強化の第一歩として、ぜひ参考にしてください。
- 脆弱性の定義とセキュリティホール・バグとの違い
- システムに脆弱性が発生する4つの主要な原因
- 脆弱性が悪用されるプロセスと事業に与える被害リスク
- 国内企業におけるサイバー攻撃の被害事例
- リスク評価に基づく対策の優先順位と具体的な対応手順
\脆弱性診断サービスについての詳細はこちら/
目次
脆弱性とは
システム開発や運用に関わる中で、脆弱性という言葉の捉え方が曖昧なままでは、適切な対策判断が難しくなります。ここでは、脆弱性の基本的な意味と関連用語との違いを解説します。
併せて読みたい:システム開発における代表的なリスクとその回避策|実例付きで徹底解説
脆弱性の定義
脆弱性(ぜいじゃくせい)とは、システムやソフトウェアに存在するセキュリティ上の弱点のことです。プログラムの不具合や設計ミスといった技術的な問題だけでなく、退職者のアカウント削除漏れや古いソフトウェアの放置など、運用上の問題も含まれます。悪用されると不正アクセスや情報漏えい、サービス停止といった被害に発展する恐れがあります。
併せて読みたい:システム開発はなぜ失敗する?事例付きで原因や対策をわかりやすく解説
セキュリティホール・バグとの違い
バグはプログラムの動作上の不具合そのものを指し、それがセキュリティ上の問題を引き起こしたときにセキュリティホールと呼ばれます。脆弱性はこれらを内包するより広い概念で、管理体制の甘さや人為的ミスといった運用面の問題も対象です。技術的な対策と合わせて、運用・管理面の見直しも欠かせない理由がここにあります。
\自社のセキュリティリスクを可視化する/
脆弱性が発生する原因

脆弱性の発生原因は、大きく4つに分類できます。
1つ目は設計上の不備です。開発時にセキュリティへの考慮が後回しになると、後から修正が困難な弱点が残ります。
2つ目はアップデートの遅延で、更新を怠ると既知の弱点が放置されたままになります。とくにサポートが終了した製品は修正プログラム自体が提供されないため、使い続けるだけでリスクが高まる点に注意が必要です。
3つ目は人為的なミスで、推測されやすいパスワードの使用や退職者のアカウント削除漏れなども、攻撃の入り口になり得ます。
4つ目は外部ライブラリの問題です。開発効率を高める一方で、ライブラリ自体に脆弱性が含まれていたり古いバージョンが放置されていたりすると、システム全体に影響が及ぶ可能性があります。
いずれの原因も、適切な体制とチェックの仕組みを整えることでリスクを抑えられます。
\脆弱性診断でシステムの安全性を確認する/
脆弱性が悪用されるまでの流れ
脆弱性が悪用される経路は複数ありますが、ここではWebサイトへの攻撃手法として知られるクロスサイトスクリプティングを例に見ていきます。
攻撃者がまず狙うのは、商品の購入画面など一般ユーザーが操作できる入力フォームです。そこに悪意あるスクリプト(プログラムコード)を埋め込み、データとして保存させます。
仕掛け自体は表面上何も起きていないように見え、管理者が該当データにアクセスした瞬間にスクリプトが自動実行される仕組みです。その結果、管理者の認証情報が攻撃者のサーバーへと送信され、サイト全体を掌握できる状態になります。
注目すべきは、攻撃者が直接システムを破壊するのではなく、脆弱性を踏み台として静かに内部へ侵入していく点です。通常の業務操作が攻撃のきっかけになることもあり、被害が表面化するまでに時間がかかるケースも珍しくありません。
併せて読みたい:PoCセキュリティとは?リスクと安全に進めるポイントを解説
\自社の脆弱性をチェックする/
脆弱性による被害リスク
ここでは、代表的な被害リスクと経営視点で押さえるべきポイントを解説します。
情報漏えい・不正アクセス
脆弱性は攻撃者にとって格好の侵入経路です。不正アクセスが成立すると顧客情報や機密データが流出するリスクが高まり、損害賠償や取引先との関係悪化にも発展しかねません。侵入後に改ざんや不正利用が続くケースも多く、被害が拡大しやすい点も見逃せません。
マルウェア感染とシステム停止
脆弱性が放置された環境は、マルウェアの侵入を許しやすい状態です。ランサムウェアに感染するとデータが暗号化され、復旧までに多大な時間とコストがかかります。調査・復旧の間はシステム停止を余儀なくされることも多く、業務継続性への影響は深刻です。
事業・ブランドへの影響
セキュリティ事故の影響は、売上やコストにとどまらず企業の信頼として長く残ります。情報漏えいやサービス停止は顧客・取引先の信頼低下を招き、契約見直しや取引停止に発展するケースも珍しくありません。セキュリティ対策はブランド維持の観点からも、経営課題として捉える必要があります。
\脆弱性診断サービスの資料をダウンロードする/
国内企業の被害事例
脆弱性を突いたサイバー攻撃は、業種や企業規模を問わず発生しています。ここでは、国内で実際に起きた被害事例をもとに、攻撃の手口と影響を解説します。
ランサムウェア攻撃の事例
2025年1月、サンリオピューロランドなどのテーマパークを運営する株式会社サンリオエンターテイメントがランサムウェア攻撃を受け、最大約200万件の個人情報が漏えいした可能性があると発表されました。来場予約などの一部サービスが利用不能となり、事業運営にも直接的な影響が生じた事例です。
同年9月には、アサヒグループホールディングスがランサムウェア攻撃により受注・出荷システムが停止し、最終的に約191万件の情報漏えいの可能性が明らかになりました。ビール製品が一時的に店頭から姿を消すほどの影響が生じ、CEOが自ら記者会見に臨んで経営層のセキュリティ関与の重要性を訴えた点でも注目を集めた事例です。
サプライチェーン経由の攻撃
2022年2月、国内大手自動車メーカーの部品供給会社がランサムウェア攻撃を受け、国内14工場・28生産ラインが約1日にわたって停止しました。攻撃の起点となったのは、子会社が使用していたリモート接続機器の脆弱性です。攻撃者はそこを入り口に親会社のネットワークへ侵入し、ランサムウェアを設置しました。
2025年に入っても同様の傾向は続いており、保険調査会社や情報配信サービス大手への不正アクセスを起点に、取引先の複数組織へ被害が波及する事例が相次いでいます。自社のセキュリティ対策だけでなく、取引先を含めたサプライチェーン全体でのリスク管理が求められている状況といえるでしょう。
\自社システムの脆弱性を正しく把握する/
脆弱性対策の優先順位の決め方
ここでは、リスクと実務の両面から優先順位を決める考え方を解説します。
影響範囲とリスクレベルを判断する
まず脆弱性の深刻度と影響範囲を見極めます。外部からアクセス可能か、実際に使われている機能かといった利用状況も踏まえることで、現実のリスクが見えてきます。スコアだけに頼らず、自社環境に即した判断が重要です。
緊急対応が必要な脆弱性を見極める
すでに攻撃で悪用されている脆弱性や、攻撃手法が公開されているものは優先度が高くなります。一方、代替策でリスクを一時的に抑えられる場合は、計画的な対応に回す判断も考慮しましょう。
自社リソースとのバランスを考慮する
全てを即時対応すると業務への影響が大きくなる場合もあります。対応の優先度を踏まえ、適用タイミングや工数を調整する視点が、継続的な対策につながります。
\脆弱性診断で具体的な改善方針を立てる/
脆弱性に効果的な3つの対策

ここでは、実務で優先的に取り組むべき対策を紹介します。
ソフトウェア・OSの更新管理
OSやソフトウェアを常に最新の状態に保つことが、対策の基本です。適用が遅れるほど攻撃リスクは高まり、サポートが終了した製品は更新自体が提供されないため、早めの移行が求められます。
併せて読みたい:業務システム保守を外注すべき理由とは?メリット・デメリットと委託前の準備ポイントを解説
脆弱性診断の定期的な実施
定期的な診断により、設定不備や未適用のパッチなど見落とされがちなリスクを洗い出せます。検出した脆弱性は全てを一度に対応するのではなく、重要度に応じて優先順位をつけて改善を進めることが現実的です。
なお、診断結果を有効に活用するには、検出された脆弱性の有無だけでなく、事業影響や悪用可能性を踏まえて対応優先度を整理することが重要です。自社だけで判断が難しい場合は、外部の脆弱性診断サービスを活用し、改善方針まで含めて確認する方法もあります。
\Sun Asteriskの脆弱性診断サービスを知る/
セキュリティ体制とルール整備
技術的な対策だけでは不十分で、更新手順やアクセス管理といった運用ルールの整備が伴って初めて機能します。パッチ適用やシステム管理を属人化させず、組織として統制する仕組みが求められます。
\脆弱性診断で自社の課題を明確にする/
脆弱性の管理・対応の手順
ここでは、実務で押さえるべき基本的な手順を整理します。
1. 自社のIT資産と脆弱性の最新情報を確認する
自社で利用するサーバーやソフトウェアを正確に把握した上で、ベンダーや公的機関から公開される脆弱性情報を継続的に収集します。
2. リスク評価を確認する
特定した脆弱性の影響範囲や業務への影響を評価し、事業リスクにつながるものから優先順位を整理します。
3. 対策立案を行う
パッチ適用だけでなく、設定変更やアクセス制限によるリスク低減も選択肢です。緊急性と費用対効果を踏まえて対応方針を決定します。
4. 脆弱性への対応を行う
対策を実行した後は、適切に実施されたかを確認し、継続的に見直すことが欠かせません。技術面と運用面の両方を含めた対応が求められます。
\脆弱性診断サービスを活用してリスクを低減する/
脆弱性対策で活用できる外部サービス・ツール
サイバー攻撃は高度化しており、単一の対策では十分な防御は難しくなっています。複数のツールを組み合わせて多層防御を実現することで、脆弱性を悪用した攻撃リスクの低減が期待できます。ここでは、主な外部サービス・ツールを紹介します。
脆弱性スキャナー
システムやネットワーク機器、アプリケーションに潜む脆弱性を自動で検出するツールです。OSやミドルウェアの更新状況や設定不備などを確認し、検出結果はリスクの分析や優先順位付けに活用されます。
WAF(Webアプリケーションファイアウォール)
Webアプリケーションの前段に設置し、通信内容を監視して不正なアクセスを遮断する仕組みです。脆弱性を狙った攻撃や不審な通信を検知し、情報漏えいや改ざんの防止に役立ちます。
パッチ管理ツール
OSやソフトウェアの更新プログラム(パッチ)の適用状況を一元管理するツールです。更新漏れを防ぎ、既知の脆弱性が放置されるリスクの低減につながります。
併せて読みたい:クラウドセキュリティとは?最新リスクと対策、サービス選定基準を解説
脆弱性診断サービス
専門的な手法により、システムやWebアプリケーションの脆弱性を調査するサービスです。診断結果をもとにリスクを評価し、具体的な対策につなげられます。
\脆弱性診断の具体的なメニューや報告書サンプルを見る/
EDR
パソコンやサーバーなどのエンドポイントを監視し、不審な挙動の検知と対応を行う仕組みです。侵入後の攻撃にも対応できるため、従来の防御を補完する対策として活用されています。
\脆弱性診断で現状のセキュリティレベルを確認する/
まとめ
脆弱性はシステムの設計・運用・管理のあらゆる工程で発生し得るため、完全な排除よりも早期発見と継続的な対応が重要です。被害は情報漏えいやシステム停止にとどまらず、事業継続や企業の信頼にも及びかねません。技術・運用の両面から優先順位をつけて対策を進めることで、実効性の高いセキュリティ体制を導入することが大切です。
株式会社Sun Asteriskでは、Webアプリ・スマホアプリ・クラウド・ネットワークを対象とした脆弱性診断サービスを提供しています。資料では、診断メニューの比較、価格目安、診断結果の報告書サンプル、診断から改善支援・再診断までの流れを紹介しています。 自社システムの脆弱性を把握し、優先順位をつけて対策を進めたい方は、ぜひ「脆弱性診断サービス」資料をご活用ください。
\脆弱性診断サービスの資料をダウンロードする/
第三者の視点でサイバー攻撃の脅威を未然に防ぐ 脆弱性診断サービスをご紹介した資料です。
Sun Asteriskがこれまで手がけてきたプロジェクトを多数ご紹介しております。