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RAG開発とは?活用例や自社開発と外注の判断ポイント・費用の内訳を解説

更新日: 2026年10月23日

こんにちは。Sun Asterisk AI開発チームです。

生成AIを業務に活用する際、自社の規程やマニュアル、製品情報などを回答に反映したい場合があります。RAGを使えば、こうした社内データを検索し、生成AIの回答に活用できます。一方で、データの整備や検索精度の調整など、開発時に考慮すべき点もあります。本記事では、RAGの仕組みや活用例、自社開発と外注の判断ポイント、開発・運用にかかる費用について解説します。

✔この記事で分かること/解決できること
  • RAG(検索拡張生成)の基本的な仕組みと、一般的な生成AIとの違い
  • 社内規程・FAQ・顧客対応など、RAGの代表的な活用例
  • RAG開発を自社で行うか外注するかを判断する4つのポイント
  • 開発・インフラ・API・運用保守など、RAG開発にかかる費用の内訳と目安
  • RAG開発の進め方と、導入前に押さえておきたい注意点
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RAGとは?

RAGは「Retrieval-Augmented Generation」の略称で、日本語では「検索拡張生成」などと訳されます。生成AIによる文章生成と、外部データを検索する機能を組み合わせた技術です。

たとえば、社内規程について「500万円の発注には誰の決裁が必要か」と質問した場合、RAGは社内の権限規程などから関連情報を探し出します。その情報と質問をLLMに渡すことで、自社のルールを踏まえた回答を生成できる仕組みです。

LLMそのものを再学習させる必要がない点も特徴のひとつです。検索対象のデータを更新することで、規程やマニュアルの変更にも対応できます。

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RAGが注目される理由

一般的な生成AIは、文章の作成や要約など幅広い用途に利用できます。一方、自社の規程や業務マニュアル、製品仕様など、企業固有の情報を前提とする質問には、そのままでは回答できない場合があります。また、学習済みの知識だけでは、更新された社内情報を回答に反映できません。

一方、RAGでは、質問に応じて外部の知識ベースから関連情報を取得し、その情報を回答の材料として利用します。社内文書や業務データを使った問い合わせ対応にも活用できる仕組みです。

また、ファインチューニングのようにモデル自体へ追加学習させる方法とは異なり、外部データを更新することで、回答に使う情報を変更できます。更新頻度の高い情報も、データを更新しながら運用できます。

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RAGが回答を作る仕組み

RAGが回答を作る3ステップの仕組み

ここでは、RAGで回答が生成されるまでの流れを解説します。

利用するデータの整備

まず、RAGが参照する社内規程やマニュアル、FAQなどのデータを整理します。文書をそのまま保存するのではなく、適切な単位に分割し、ベクトル化してデータベースへ格納する作業が必要です。分割方法によって検索結果が変わるため、RAG開発では事前のデータ整備が欠かせません。

関連情報の検索

ユーザーが質問を入力すると、RAGは知識ベースから質問に関連する情報を検索します。質問と保存された文書をベクトルとして扱い、意味的な近さをもとに関連情報を探す方法が代表的です。単純なキーワード検索だけでは探しにくい情報も、質問の内容に応じて取得できます。取得する情報の件数や範囲を調整し、LLMに渡す情報を絞り込みます。

検索結果をもとにした回答の作成

検索によって取得した情報は、ユーザーの質問と組み合わせてLLMに渡されます。LLMは与えられた情報を参照しながら、質問への回答を文章として生成します。たとえば社内規程に関する質問であれば、該当する規程の内容を踏まえた回答を作成する形です。検索結果をプロンプトへどのように組み込むかも、回答の精度に影響します。

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RAGの活用例

RAGは、社内文書の検索や問い合わせ対応など、さまざまな業務に利用できます。ここでは、代表的な活用例を紹介します。

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社内規程と業務マニュアル

企業の規模が大きくなるほど、社内規程や業務マニュアルの数も増えていきます。目的の文書を探すだけで時間がかかり、特に入社したばかりの従業員は必要な情報にたどり着けず戸惑う場面も少なくありません。RAGを組み込んだ社内向けの検索システムを整えれば、規程やマニュアルの内容を検索しやすくなり、情報を探す手間を減らせます。

FAQとヘルプデスク

ヘルプデスクには、システムの操作方法やトラブル対応など、似たような問い合わせが繰り返し寄せられます。担当者が同じ内容を繰り返し説明する必要があり、対応に時間がかかります。マニュアルやFAQをRAGの検索対象にすることで、よくある質問への回答を自動化できます。

顧客対応と製品情報

コールセンターやコンタクトセンターでは、人手不足が長年の課題となっています。製品やサービスに関する情報をRAGに取り込んでおけば、定型的な質問への対応を生成AIに任せられます。オペレーターは、AIだけでは対応しにくい個別の相談に時間を充てられます。

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RAG開発を自社で行うか外注するかの4つの判断ポイント

RAG開発を自社で行うか外注するかの4つの判断ポイント

ここでは、自社に合った開発方法を見極めるための4つの判断ポイントを解説します。

併せて読みたい:システム開発の外注 vs 内製を徹底比較|メリット・デメリット、費用感と契約(請負/準委任)、成功手順まで解説

1. 社内に必要な技術者がいるか

RAGを内製するには、機械学習やインフラの知識に加え、LangChainやLlamaIndexといったフレームワークの実務経験、ベクトルデータベースの構築経験などが必要です。こうした知識や経験を持つ人材を社内で確保できるかどうかも、判断材料になります。社内の技術者だけで対応できるかを確認し、難しい場合は外部の開発会社への依頼も検討しましょう。

2. 社内データを扱える体制があるか

RAGの回答精度は、参照する社内データの整備状況に大きく左右されます。規程やマニュアルの更新が頻繁で、アクセス権限も自社で管理する場合は、社内でデータを扱う体制が必要です。権限管理やデータ整備を担う人員が不足しているのであれば、外部の支援を受けながら整えていく方法も選択肢です。

3. 希望する時期と予算に合うか

内製は初期費用を抑えやすい一方、技術の習得に時間がかかり、立ち上がりまでの期間が長引きやすい傾向があります。数か月以内のリリースを目指す場合は、外部の専門家に依頼することで、社内だけで開発する場合より準備や開発を進めやすくなる可能性があります。予算と希望時期を踏まえ、自社の体制に合った開発方法を選びます。

4. 導入後も改善を続けられるか

RAGは構築後も、検索結果や回答内容を確認しながら調整する必要があります。継続して改善できる社内体制を整える場合、内製化を視野に入れましょう。初期構築を外注し、運用や改善を社内で担う方法もあります。

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RAG開発にかかる費用

RAG開発では、構築時だけでなく運用開始後にも費用が発生します。ここでは、費用の内訳を解説します。

なお、これらの金額は目安・一例の紹介です。開発・構築費用は、エンジニアの工数と契約先の単価によって決まります。PoCに絞るか全社展開まで行うかによって開発期間と費用は大きく変わるため、対象範囲を決めたうえで複数社から見積もりを取り、比較することが大切です。

併せて読みたい:開発コストを削減するためのアイデア|効果的に開発費用を抑える手法を紹介

開発・構築費用

開発・構築費用は、エンジニアの工数と契約先の単価によって決まります。フリーランスで月60万〜100万円程度、中小規模の開発会社で月80万〜150万円程度、大手SIerで月100万〜200万円以上が目安です。開発期間は、PoCなら1〜2か月、全社展開まで行う場合は4〜8か月程度が目安です。

インフラ・クラウド費用

RAGはAWSやAzure、GCPなどのクラウド上に構築されるのが一般的で、コンピューティングやストレージ、ベクトルデータベースの費用が発生します。規模によって幅があり、小規模なPoCで月1万〜3万円程度、大規模システムでは月20万〜100万円以上となることもあります。

ライセンス・API費用

RAGでは、文書をベクトル化するエンベディングと、回答を生成するLLM推論の2つの段階でAPI費用が発生します。社内ドキュメント100万字程度のベクトル化であれば数百円〜数千円程度で済むケースもありますが、モデルや利用量によって単価には差があります。

月間の問い合わせ件数やトークン数を事前に見積もると、運用開始後のAPI費用を把握しやすくなります。

運用・保守費用

RAGシステムは、本番稼働後もインフラやデータ更新などの費用がかかります。保守費用は、初期開発費の20〜30%程度を年間の目安とするケースがあります。インフラ監視やデータ更新、精度改善などがおもな対象です。改善規模に応じて、月10万〜100万円程度を見込んでおくとよいでしょう。

※参考:RAGシステム開発のコストと費用の相場

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RAG開発の進め方

RAG開発は、一般的に次の流れで進めます。

1. 対象業務と目的の整理

どの業務で、どのような質問に答えさせたいのかを明確にします。対象とする文書の範囲や利用者、回答精度の評価基準もこの段階で決めておきます。

2. データの整備と取り込み

対象文書を収集し、適切な単位に分割してベクトル化したうえで、データベースに格納します。あわせて、アクセス権限や機密情報の取り扱いも検討しておきましょう。

3. PoCによる検証

実際の業務に近い質問を用意し、検索結果や回答の正確性、応答速度を検証します。結果に応じて分割方法や検索方法、プロンプトを調整します。

4. 本番展開と継続改善

検証結果をもとに本番環境を構築し、必要な運用体制を整えます。稼働後も回答内容や利用状況を確認し、データの更新や検索設定の見直しを通じて精度を改善します。

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RAG導入前に知っておきたいこと

RAGを導入する際は、回答の精度だけでなく、データ管理や運用体制についても検討する必要があります。ここでは、導入前に確認したい注意点を解説します。

知識ベースの品質に回答が左右される

RAGの回答内容は、参照する知識ベースの状態に左右されます。データの収集や整理、チャンク分割が不十分だと、誤った情報を取得したり、適切でない情報を参照したりする可能性があります。導入前の段階で、データの整理や更新に必要な作業量を確認しておくことが大切です。

検索精度や回答速度に課題が残る

RAGでは、検索した情報をLLMに渡して回答を生成するため、通常の生成AIより処理に時間がかかる場合があります。データ量や検索方法によっては応答速度に影響するため、インデックス構造やキャッシュの設定を見直す必要があります。

データ更新と運用に手間がかかる

社内文書は日々更新されるため、RAGの知識ベースも定期的に更新する必要があります。新しい情報の反映や古い情報の整理を行わないと、回答に古い内容が使われるおそれがあります。更新頻度が高い環境では、データ更新を自動化すると、手作業による更新の負担を減らせます。

開発・維持コストが発生する

RAGの構築には、データ整備や検索エンジンの実装、LLMとの連携など複数の工程がかかわり、相応の開発コストが発生します。稼働後も、インフラ監視やAPI利用料、回答内容の見直しなどに費用がかかります。初期費用だけでなく、運用・保守にかかる費用も含めて予算を考えることが大切です。

システム管理が複雑になりやすい

RAGは、検索モデルと生成モデル、ベクトルデータベースなど複数の要素を組み合わせて構築されます。構成要素が増えると、障害対応や性能調整にも対応する必要があります。そのため、障害発生時の対応方法や担当者の役割をあらかじめ決めておくと安心です。

セキュリティと個別対応に注意が必要

RAGでは、アクセス権限の設定を誤ると、本来参照できない機密情報が回答に含まれるおそれがあります。データの暗号化やアクセス権限を適切に設定し、部門ごとの規程に応じて管理する必要があります。

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まとめ

RAGは、社内データを検索して回答に反映することで、企業固有の情報を使った質問にも対応しやすくする技術です。導入にあたっては、自社の技術者やデータ管理体制、予算などを踏まえて開発方法を決め、必要な費用を確認することが大切です。

また、データ整備や検索方法の調整には専門的な知識が必要です。社内の技術者だけで対応できるかを確認し、難しい場合は外部の開発会社への依頼も検討しましょう。

株式会社Sun Asteriskでは、RAGを含むAI開発について、構想段階からPoC、本番運用までご相談いただけます。 ぜひ下記よりお気軽にお問い合わせください。

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