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アプリ開発

アプリ開発のスケジュールの立て方とは?WBSの活用ポイントも解説

更新日: 2026年4月20日

アプリ開発を成功させるためには、適切なスケジュール設計が欠かせません。開発工程は要件定義・設計・プログラミング・テスト・リリースまで多岐にわたるため、各工程を計画的に進めることが求められます。しかし、スケジュールの見積もりが甘かったり、関係者間の認識にズレがあったりすると、開発の遅延が起こりやすくなります。

そこで今回は、アプリ開発におけるスケジュールの立て方やWBSの活用方法、遅延の原因と対策をわかりやすく解説します。新規開発や既存サービス改善を成功させたい人は必見です。

この記事で分かること/解決できること
  • アプリ開発においてスケジュール設計が必要な理由と開発期間の目安
  • 要件定義から保守・運用まで、アプリ開発の基本となるスケジュール工程
  • WBSを活用して抜け漏れのないスケジュールを立てるための5ステップ
  • アプリ開発でスケジュールが遅延してしまう4つの主な原因
  • プロジェクトをスムーズに進行させるための具体的なポイントと対策

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アプリ開発でスケジュール設計が必要な理由

アプリ開発を成功させるためには、正確なスケジュールの設定が欠かせません。スケジュールを明確に立てることで開発プロジェクトの全体像を可視化でき、関係者間での共通認識をもてるほか、トラブルが起こった際のリカバリーについても事前に対策できます。また、現実的で余裕のあるスケジュールを立てることで、プロジェクトの遅延防止にもつながります。

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開発期間の目安は機能・体制・審査要件で変わる

アプリ開発の期間は、アプリのジャンルだけでなく、搭載する機能数、既存システムとの連携有無、デザインの作りこみ等によって大きく異なります。そのため、「ECアプリだから何か月」と一律には決めにくく、まずは要件の整理とWBSの作成を通じて必要工数を見積もることが現実的です。それを前提として、おおまかな目安を置く場合、シンプルな情報提供型のアプリであれば1〜3か月程度での完成が目安、ECアプリや予約システムなどの機能が多いアプリでは3〜6か月程度かかるのが一般的とされています。また、SNSやマッチングアプリのようにリアルタイム通信や高度な機能を搭載する場合は、1年以上の開発期間を要するケースもあります。

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アプリ開発の基本的なスケジュール

アプリ開発の基本的なスケジュール

アプリ開発は複数の工程で構成されており、それぞれの段階を順番に進めていくのが一般的です。

要件定義

要件定義は、アプリ開発の方向性を定めるための工程です。アプリの開発目的・ターゲットユーザー・必要な機能などを明確にするほか、デザイン設計・必要なデータなどもこの段階で整理します。要件定義が曖昧だと後の工程で手戻りが発生しやすくなるため、関係者間で認識をすり合わせることが大切です。

併せて読みたい:アプリ開発における要件定義|進め方・書き方・フォーマット・注意点を解説

基本設計

基本設計では、要件定義で整理した内容をもとに、アプリの画面構成や搭載する機能などの大枠を設計します。ユーザーの視点に立ちながら、ユーザーの導線・画面遷移・アプリ内でのデータの流れなどを整理します。

詳細設計

詳細設計では、基本設計をもとに具体的な処理内容やプログラム仕様を細かく設計します。詳細設計書をもとにプログラミングや実装を行うため、詳細設計の品質がアプリ全体の品質に直結します。

プログラミング

プログラミング工程では、設計書に基づいて実際にプログラミングや実装を行います。複数のチームに分かれて進行することが多いため、関係者間での連携が重要です。コーディングの品質を平準化するために、コーディングルールの統一やコードレビューの実施も行いましょう。

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テスト

テスト工程では、開発したアプリが仕様どおりに動作するかを検証します。単体テスト・結合テスト・システムテスト・受け入れテストを段階的に行い、バグや不具合の洗い出しや修正を行います。なお、各テストは本番環境を想定して行うことが大切です。

併せて読みたい:システム開発におけるテストの種類とは?工程別に目的と特徴を徹底解説

リリース

テストまでが完了したら、開発したアプリを本番環境へ反映するほか、AppStoreやGoogle Playへの申請・審査対応も行います。審査期間は一定ではなく、AppStoreでは約90%が24時間以内で完了しますが、Google Playでは数日〜7日またはそれ以上の期間がかかる場合があります。公開希望日に間に合わせるためには、審査の差し戻しや追加対応にかかる日数も見込んだ上で、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。

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保守・運用

アプリはリリースして終わりではなく、その後の保守・運用作業も欠かせません。ユーザーからのフィードバック対応や不具合の修正、機能改善などを継続的に行い、サービスの品質を維持しましょう。また、OSのアップデートやセキュリティパッチにも対応する必要があります。

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WBSを活用したスケジュールの立て方

WBS作成・活用の5ステップ

アプリ開発のスケジュール管理では、おもにガントチャートやWBS(Work Breakdown Structure)などの手法が用いられます。

WBSは、プロジェクト全体の作業を階層的に整理し、抜け漏れなく管理するための手法です。PMIにおいても、 WBSはプロジェクト全体のスコープを整理する基盤として位置付けられています。アプリ開発では、要件定義・画面設計・API実装・ストア申請などに作業を分解し、タスク同士の依存関係や担当者を明確にすることで、現実的なスケジュールを組みやすくなるというメリットがあります。

作業内容を洗い出す

はじめに、アプリ開発に必要な作業を全て洗い出します。たとえば、要件定義書・画面一覧・API仕様書・テストケース・ストア申請対応といった成果物を軸に内容を整理すると、必要な作業を可視化できます。

WBSは単なるToDoの列挙ではなく、最終的に何を作るのかを起点に分解していくのがポイントです。

併せて読みたい:業務フロー図とは?|システム開発における作成手順やポイントを解説

作業の順序を決定する

洗い出した作業について、どの順番で進めていくかを整理します。アプリ開発では、前の工程が完了しないと次に進めない作業が多いため、依存関係を明確にすることが重要です。

作業を構造化する

次に、洗い出した作業を階層構造で整理しましょう。大項目・中項目・小項目 といった形で分類することで、プロジェクト全体の構造を可視化できます。たとえば、「開発」の大項目のなかに「フロントエンド開発」「バックエンド開発」といった形で細分化を行います。

<構造化の例>
1.要件定義
1-1.ヒアリング
1-2.要件整理
1-3.要件レビュー

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作業の期日と担当者を決定する

各タスクに対して、開始日・終了日と担当者を設定します。これにより、誰が・いつまでに・何を行うのかを明確にできます。担当者が曖昧なままだと作業が進まない原因となるため、責任の所在を明確にすることが大切です。

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関係者へ周知する

作成したスケジュールは、関係者全員に共有することが重要です。開発チームだけでなく、企画担当や経営層なども含めて認識を統一することで、プロジェクトの進行がスムーズになります。また、進捗状況を定期的に確認し、必要に応じてスケジュールを見直すことも重要です。

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アプリ開発でスケジュールが遅延する原因

アプリ開発の現場では、さまざまな要因によってスケジュール遅延が発生することがあります。遅延をもたらすおもな原因を把握し、事前に対策を講じましょう。

要件定義が不十分で手戻り・修正が多発する

開発スケジュールが遅延する大きな原因の1つが、要件定義の解像度の低さや不備によるものです。プロジェクトの初期段階で機能や仕様が明確になっていなかった場合、開発途中での認識のズレが生じやすく、修正や手戻りの発生につながります。このようなトラブルが起きないよう、要件定義の段階でしっかりと開発内容を整理し、関係者全員で合意を取ることが大切です。

開発中に仕様変更を行う

開発途中での仕様変更も、スケジュール遅延の大きな要因になります。市場状況の変化や社内方針の転換による仕様変更は珍しくありませんが、その影響によって設計やプログラミングの修正が発生します。特に開発の後半段階に差しかかってからの変更は影響範囲が広く、工数が大幅に増加することに注意が必要です。

関係者間でのコミュニケーションが不足している

プロジェクトに関わるメンバー間のコミュニケーション不足も遅延の原因の1つです。メンバー間での情報共有が不十分だと認識のズレや作業の重複が起こりやすく、意思決定の遅れにもつながります。また、信頼関係が築けていないと、トラブルが発生した際に迅速な対応ができず、スケジュールに影響を及ぼしやすいでしょう。

スケジュールの見積もりが甘い

そもそもの開発スケジュールの見積もりが甘いことも、遅延を引き起こす要因になります。実際の作業には当初の想定以上の時間がかかることが多く、作業日数に余裕のないスケジュールを立てていると小さなトラブルから遅延が発生しやすくなります。特にテスト工程やそれにともなう修正対応は工数が膨らみやすいため、十分なバッファを確保しておくと安心です。

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アプリ開発をスムーズに進行させるためのポイント

アプリ開発を円滑に進めるためには、適切なスケジュール管理と事前準備が大切です。

無理のないスケジュールを立てる

アプリ開発をスムーズに行うためには、開発期間に余裕を持った現実的なスケジュールが必要です。リリース直前に作業が集中しないよう、タスクごとの工数を正確に見積もり、必要に応じてバッファを確保しましょう。無理のないスケジュールは品質の向上やメンバーのモチベーション維持にもつながります。

併せて読みたい:システム開発スケジュール|作り方・WBS・ガントチャートも解説

責任の所在を明確にする

各タスクの担当者を明確にすることで、責任の所在の明確化や意思決定のスピードアップにつながり、作業全体の進行がスムーズになります。責任の所在が曖昧だとイレギュラー対応の遅れや作業漏れが発生しやすくなるため、プロジェクト開始時に役割分担や意思決定者を明確にしておくことが大切です。

タスクリストを作成する

スムーズな進行のためには、WBSを利用したタスクリストの作成も効果的です。タスクリストを活用することで、1つひとつの作業内容を整理でき、作業漏れの防止や進捗状況の可視化につながります。また、優先順位を明確にでき、優先度の高い作業から効率的に開発を進めることができるでしょう。

スケジュール管理ツールを活用する

プロジェクトの進行状況をリアルタイムで把握したい場合は、スケジュール管理ツールの利用がおすすめです。ガントチャートやタスク管理ツールを利用すれば、各工程のリアルタイムでの進捗・遅延状況を視覚的に把握できます。また、チーム全体で開発状況を共有できるため、コミュニケーションの最適化にもつながります。

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まとめ

アプリ開発のスケジュールをうまく立てるには、工程を理解するだけでなく、作業をWBSで分解し、依存関係や担当、完了条件まで整理することが重要です。特に新規開発や複数部門が関わる案件では、初期の計画精度がその後の進行に大きく影響します。

Sun Asteriskでは、要件整理からプロジェクト設計、WBSを活用した進行管理まで支援しています。実務でそのまま使える考え方を整理したい方は、「作業漏れゼロ!プロジェクトを完全管理!WBS 基本と実践」も参考にしてください。

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