こんにちは。Sun Asterisk クラウド支援サービス チームです。
老朽化した基幹システムは業務のブラックボックス化を招くだけではなく、新規事業の足かせにもなります。多くの企業が直面する「2025年の崖」を回避し、持続的な成長を実現するためには、システムの近代化であるモダナイゼーションが欠かせません。
本記事では、モダナイゼーションの定義やメリット、具体的な5つの手法、そして失敗しないための進め方を詳しく解説します。既存資産を活用しながら最新技術を取り入れるための指針として、ぜひご活用ください。
- 基幹システムモダナイゼーションの定義とマイグレーションやDXとの違い
- 「2025年の崖」問題がもたらすシステム老朽化のリスクと現状
- 運用保守コスト削減や新規事業連携などモダナイゼーションの5つのメリット
- リホスト、リライトなどモダナイゼーションを推進する代表的な5つの手法
- 失敗を防ぐための4つの実践的ステップと陥りやすい注意点
目次
基幹システムのモダナイゼーションとは
まずは、既存のIT資産を再構築するモダナイゼーションの基本と重要性について解説します。
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既存のシステム資産を活かして最新技術へ刷新すること

モダナイゼーションとは、長年運用してきたIT資産をクラウドなどの技術を用いて最適化することです。単なる古い機器の交換ではなく、ビジネスの成長に合わせて柔軟に拡張できるよう、ソフトウェアの構造自体を現代的に作り変える点が特徴です。これにより、DX時代に求められる即時性を実現できます。
マイグレーションとの違い
マイグレーションは、OSやハードウェアの変更に伴い、既存のシステムを新しい環境へ移行させることです。一方、モダナイゼーションは環境の移行に留まらず、プログラムの書き換えやアーキテクチャの再設計を行い、システムの価値を向上させます。つまり、現状維持の引っ越しがマイグレーション、抜本的なリニューアルがモダナイゼーションです。
DXとの違い
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、デジタル技術を駆使して製品やサービス、ビジネスモデル自体を変革し、競争優位性を確立することが目的です。モダナイゼーションはそのDXを実現するためのIT基盤を整えるための 手段です。老朽化したレガシーシステムを刷新し、柔軟なデータ連携や素早い開発が可能なIT基盤を整えることでDX施策が実行できます。
併せて読みたい:【2021年版】DXの本質とは? 400以上のDX推進実績を持つSun*が解説!
「2025年の崖」問題とシステム老朽化のリスク
経済産業省が提唱した「2025年の崖」は、既存システムの老朽化が進むことで、2025年以降に最大12兆円/年 の経済損失が生じる可能性を指摘しています。レガシー化したシステムを放置すると、サイバー攻撃への脆弱性の増大や、最新技術との連携不能による競争力の低下といったリスクも招きます。将来の成長を担保するためにはモダナイゼーションは不可欠です。
「2025年の崖」問題の現状
2025年6月に株式会社インフォマートが公表した「2025年の崖とDXに関する実態調査」により「2025年の崖」を解消できた企業は少ないことがわかりました。全体の58.6%が「2025年の崖」について理解が進んでいない状態であり、80.4%は「2025年の崖」が事業に与える負の影響に懸念があると回答しています。
事業継続に影響があると認識しつつも問題解決に至らないため、「2025年の崖」問題は社会に根強く残っていると考えられます。
※参考: 【2025年の崖とDXに関する実態調査】6割以上の企業に「レガシーシステム」が存在
モダナイゼーションを実施するメリット
老朽化したシステムの刷新は、単なるコスト削減に留まらず、企業にさまざまなメリットをもたらします。
運用保守コストの削減
多くの企業でIT予算の多くが維持管理費に充てられています。モダナイゼーションによって、複雑化した古いプログラムや専用ハードウェアをクラウド環境などへ移行・整理すれば、保守作業 of 効率化と運用コストの削減が見込めます。また、サポート期限が切れたレガシー製品の延長保守料金といった出費を抑え、経営資源の最適配分を実現できます。
併せて読みたい:開発コストを削減するためのアイデア|効果的に開発費用を抑える手法を紹介
IT予算の最適化
システムの維持コストを削減することで、余剰資金を新規事業の開発やAI活用などの投資へ振りわけられます。レガシーシステムの維持にリソースが縛られ、本来行うべき変革に着手できない状況を打破できる点はモダナイゼーションのメリットのひとつです。IT予算を戦略的な価値創造へ集中させれば、企業のデジタル競争力を高め、持続的な成長基盤を築けます。
新規事業や外部クラウドサービスとの柔軟な連携
現代のビジネスにおいて、外部のSaaSやAIサービスとのデータ連携は不可欠です。モダナイゼーションによりシステムのAPI化やクラウドネイティブ化を進めれば、外部サービスとのスムーズな接続が可能になります。新しい技術やプラットフォームに適応できる環境を整えれば、新規事業の立ち上げスピードが加速し、市場の変化に即応できるようになります。
セキュリティの強化
老朽化したシステムは、サポート終了に伴うパッチ未適用や古い暗号化方式など、さまざまなセキュリティリスクを抱えています。モダナイゼーションを通じて最新のリスク対策を行うことで、外部からの攻撃や情報漏洩リスクを低減可能です。また、認証基盤の統合や権限管理の適正化も同時に進められるため、全社的なガバナンス体制の強化にもつながります。
事業継続計画(BCP)対策
オンプレミスの物理サーバーに依存したシステムは、災害時のデータ損失や復旧の遅れが懸念されます。モダナイゼーションによりシステムをクラウドへ移行すれば、地理的に分散された拠点でのバックアップや、自動復旧機能の活用が可能です。万が一の事態が発生しても素早く業務を再開でき、企業の信頼性と事業継続性を強化できます。
モダナイゼーションの代表的な5つの手法

モダナイゼーションにはおもに5つの手法があります。自社の状況に応じて最適な手法は変わるため、それぞれの特徴を押さえておきましょう。
1. リホスト
システムの構成やプログラムには手を加えず、インフラ基盤のみを刷新する方法です。オンプレミスのサーバーからクラウド環境へ載せ替える作業を指します。他の手法に比べて開発期間が短く、コストも抑えられるため、短期間でのクラウド移行やハードウェアの保守期限対策として有効です。ただし、クラウドならではの拡張性や機能の恩恵は限定的です。
2. リライト
現行システムの業務ロジックや機能はそのままで、古いプログラミング言語をJavaなどの現代的な言語へ書き換える手法です。COBOLなどのレガシー言語を扱える技術者不足の解消につながります。基本機能は維持されるため、ユーザーの操作性に与える影響を抑えつつ、保守性の向上が可能です。
3. リファクター
システムの外部から見た動作は変えずに、内部構造を整理・改善する手法です。コードの重複を排除したり、モジュール化を進めたりして、システムの可読性や保守性を高めます。プログラムを最新のプラットフォームに合わせて最適化し、技術等負債を解消することが目的です。機能の追加や仕様変更は行わないため、リスクを抑えつつシステムの健全性を回復させられます。
4. リプレイス
既存のシステムを破棄し、SaaSや商用パッケージ製品へ置き換える手法です。業界標準のプロセスを採用すれば、導入スピードの向上とコスト低減が可能です。最新の機能が常に提供されるクラウドサービスを利用すれば、技術の進歩に遅れるリスクも回避できます。ただし、自社特有の複雑な業務プロセスを製品側に合わせる必要があります。
5. リビルド
既存システムの仕様に縛られず、業務プロセスからゼロベースで再設計し、最新の技術で再構築する手法です。5つの手法の中で最もコストと期間がかかり難易度も高い一方で、ビジネスモデルの変革を伴う大規模なDX推進に向いています。リビルドは将来的な成長を最大化するための抜本的かつ投資効果の高い手法です。
| 手法 | 概要 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| リホスト | システム構造を大きく変えず、稼働環境を移す | 短期でクラウド移行したい | 技術的負債は残りやすい |
| リライト | 既存機能を保ちつつ言語を書き換える | レガシー言語の保守リスクを下げたい | 業務改善効果は限定的 |
| リファクター | 外部仕様を変えず内部構造を改善する | 保守性・拡張性を高めたい | 業務プロセス自体は変わりにくい |
| リプレイス | SaaSやパッケージへ置き換える | 標準業務に合わせられる | 独自業務の見直しが必要 |
| リビルド | 業務・システムを再設計して作り直す | 新規事業やDX基盤を本格的に作りたい | コスト・期間・難易度が高い |
失敗を防ぐモダナイゼーションの進め方と4つのステップ
確実に成果を出すための実践的なステップを計画から実行、テストまでの流れに沿って具体的に提示します。
1. 既存システムの可視化と目的の明確化
最初に行うべきは、現状のシステム資産の棚卸しと課題の抽出です。ドキュメント化されていないブラックボックスを解消し、どの部分がビジネスの足かせになっているかを可視化します。その上で、今回の刷新で何を達成したいのかというゴールを定めましょう。目的が曖昧なままプロジェクトを進めると、期待した成果が得られないリスクが高まります。
2. 自社の課題に合わせた最適なアプローチの選定
目的が明確になったら、リホストからリビルドまで5つの手法の中から最適なアプローチを選定します。全てのシステムを一度に刷新する必要はなく、重要度や費用対効果に応じて手法を使い分けましょう。短期的にクラウド化したい部分はリホストし、差別化の源泉となる機能はリビルドするといったハイブリッドな戦略も有効です。
3. 業務部門を巻き込んだ要件定義と優先順位づけ
モダナイゼーションはIT部門だけの課題ではなく、全社的なプロジェクトです。現場の業務部門を初期段階から巻き込み、必要な機能や改善すべき業務プロセスについて議論します。過去の不要な仕様を引き継ぐ現状踏襲を避け、将来のビジネス像に合わせた要件定義を行いましょう。投資効果の高い機能から優先順位をつけ、段階的に実装します。
4. スモールスタートによる段階的な移行とテスト
大規模なシステムの一括移行はリスクが高いため、影響の少ない範囲から着手するスモールスタートをおすすめします。特定の部署や一部の機能から段階的に移行し、状況の確認とテストを繰り返しながらノウハウを蓄積しましょう。各ステップで成果を確認しながら進めることで、関係者の理解と協力を得やすくなり、プロジェクト全体の成功率を高められます。
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モダナイゼーションで陥りやすい注意点と落とし穴
ここでは、多くの企業がモダナイゼーションにおいて陥りやすい注意点と落とし穴について解説します。
現行システムの仕様の踏襲にこだわりすぎる
刷新の際、ユーザーが慣れ親しんだ今の操作感や機能の再現に固執すると、古い非効率な業務プロセスまで引き継ぎかねません。最新技術の恩恵を十分に受けられず、システムの複雑性が解消されません。モダナイゼーションは業務そのものを見直す好機と捉え、あえて旧仕様を捨てる勇気を持つことが重要です。
レガシーシステムに対するベンダーの理解が不足している
開発を依頼するベンダーが、最新技術には明るくても、既存のレガシーシステムに精通していない場合、移行時に想定外の不具合が発生する恐れがあります。現行システムの設計思想を理解した上で、モダンな環境へどう橋渡しするかという能力が必要です。ベンダー選定の際は、レガシーとモダンの双方に深い知見を持ち、移行実績が豊富なパートナーを選ぶべきです。
自社だけで現行システムの整理や移行方針の検討を進めるのが難しい場合は、DXコンサルティングから設計・開発まで一気通貫で支援できるSun Asteriskへ相談してみるのも一つの方法です。( お問い合わせはこちら )
併せて読みたい:レガシーシステムのモダナイゼーションとは?重要性や成功のポイントを解説
まとめ
本記事では、基幹システムのモダナイゼーションについて、重要性から具体的な手法、成功のためのステップまでを解説しました。老朽化したシステムを最新のIT基盤へと生まれ変わらせることは、運用コストの削減だけでなく、新規事業の創出やDX実現のための強力な武器となります。まずは自社システムの現状把握から始めてみてはいかがでしょうか。
株式会社Sun Asteriskは、DXコンサルティングから要件整理、設計、本開発まで一気通貫で支援しており、お客さまの事業フェーズに合わせた最適なチーム体制で価値あるプロダクト開発を伴走します。まずは以下のリンクより、「システム改善の考え方とアプローチ」をご覧ください。
よくある質問
Q 基幹システムのモダナイゼーションとマイグレーションの違いは何ですか?
Q モダナイゼーションを進めるにあたり、まず何から始めるべきですか?
Q モダナイゼーションはどのような手順で進めるのが一般的ですか?
Q モダナイゼーションで陥りやすい失敗や注意点はありますか?
Q 基幹システムのモダナイゼーションを実施するには、どれくらいの費用や期間がかかりますか?
Q 自社だけで現行システムの整理や移行を進めるのが難しい場合、外部の支援を受けることはできますか?

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