こんにちは。Sun Asterisk クラウド支援サービスチームです。
オンプレミス環境の老朽化や保守期限への対応、新規事業の迅速な立ち上げ、拠点間のデータ共有やBCP対策の強化など、クラウドサービスの活用を検討する企業が増えています。本記事では、クラウドサービスの種類や導入によるメリット、オンプレミスとの違い、注意点や選び方のポイントを解説します。
- クラウドサービスの基本的な概要と種類
- クラウドサービスを導入するおもなメリット
- 導入前に知っておくべきカスタマイズや運用上の注意点
- クラウドサービスとオンプレミスの具体的な違い
- 失敗しない選び方と自社に合うかどうかの判断基準
目次
クラウドサービスとは?
クラウドサービスとは、サーバーやストレージ、ソフトウェアなどのITリソースを、インターネット経由で必要な分だけ利用できるサービスです。自社で機器を保有せずに利用できるため、初期投資を抑えながら必要な機能を柔軟に活用できる点が特徴です。
併せて読みたい:クラウドサービスとは?種類や特徴、選び方に加えて導入ポイントも徹底解説
クラウドサービスの概要・種類
クラウドサービスは、提供範囲によっていくつかの種類に分けられます。代表的な分類は次のとおりです。
- SaaS:ソフトウェアそのものを提供する形態
- PaaS:アプリケーションの開発・実行環境を提供する形態
- IaaS:サーバーやネットワークなどのインフラを提供する形態
業務内容や開発体制に合わせて、複数の形態を組み合わせる企業も増えています。
併せて読みたい:IaaSとは|メリットやデメリット・導入のポイントを解説
クラウドサービスが企業に普及した背景
クラウドサービスが普及した背景には、働き方の多様化やシステムの老朽化対応への需要があります。総務省「令和7年版情報通信白書」によると、2024年は全社または一部部門でクラウドサービスを利用している企業の割合が80.6%にのぼります。物理機器の調達を待たずにシステムを構築できる利便性が、幅広い業種で活用されています。
クラウドサービス導入によるおもなメリット
クラウドサービスの導入には、コスト・運用・拡張性など複数の観点でメリットがあります。この見出しではおもなメリットを解説します。
併せて読みたい:業務システムのクラウド化とは?メリットや注意点をわかりやすく解説
導入コストと運用コストが最適化される
クラウドサービスは、サーバーなどの物理機器を購入する必要がなく、初期費用を抑えて導入できます。月額や従量課金型の料金体系が多く、利用量に応じたコスト管理がしやすい点も特徴です。機器の保守や更新にかかる費用も提供事業者側が担うため、中長期的な運用コストの最適化につながります。
併せて読みたい:業務システムの費用相場は?内訳と変動要因・コストを抑えるためのポイントを解説
インフラ運用管理の負担を軽減できる
サーバーの監視やソフトウェアの更新、障害対応などのインフラ運用は、サービス事業者側が担う部分が多くなります。情報システム部門は運用管理にかける工数を減らし、自社の事業に直結する業務へ人的リソースを振り向けやすくなります。
場所を問わない柔軟な利用環境を実現できる
クラウドサービスはインターネット環境があれば利用できるため、オフィスに限らず、テレワークや外出先からでも同じ環境で業務を行えます。拠点をまたいだ働き方や、複数拠点でのシステム統一にも対応しやすくなります。
柔軟なスケーリングによる事業継続性が向上する
利用者数やデータ量の増減に合わせて、リソースを柔軟に拡張・縮小できる点もクラウドサービスの特徴です。新規事業の立ち上げ時やアクセスが急増する場面でも、機器の追加調達を待たずに対応できるため、事業機会を逃しにくくなります。
高度なセキュリティとバックアップ体制を確保できる
多くのクラウドサービスでは、サービス事業者が専門的な体制でセキュリティ対策やデータのバックアップを行っています。自社単独で同等の体制を整備する場合と比べ、専門知識を持つ人材が少ない組織でも一定水準のセキュリティを確保しやすくなります。
併せて読みたい:クラウドセキュリティとは?最新リスクと対策、サービス選定基準を解説
BCP(事業継続計画)対策へ活用できる
クラウドサービスは、データを複数拠点に分散して保管できるため、自然災害やシステム障害が発生した際の事業継続性を高める手段としても活用されています。帝国データバンクの調査では、2025年の企業のBCP策定率は20.4%にとどまり、大企業でも38.7%という結果が示されています。データやシステムをクラウド上に置くことは、BCP対策の具体的な一歩として位置づけられます。
※参考:事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2025年)|株式会社 帝国データバンク[TDB]
組織をまたぐデータ共有とコラボレーションを促進できる
クラウドサービス上でファイルや情報を共有することで、部署や拠点、グループ会社をまたいだ共同作業がしやすくなります。同じデータをリアルタイムで参照・編集できる仕組みは、組織の規模が大きいほど効果を実感しやすい部分です。
クラウドサービス導入の注意点
クラウドサービスには多くの利点がある一方で、導入前に押さえておきたい注意点もあります。
カスタマイズの制限と既存システムとの連携課題がある
クラウドサービスは標準化された機能を提供する形態が多く、自社独自の業務フローに合わせた細かいカスタマイズが難しい場合があります。既存のオンプレミスシステムとの連携が必要な場合は、データ形式やAPIの対応状況を事前に確認しておきましょう。
ベンダーロックインのリスクがある
特定のサービス事業者に依存した運用を続けると、他のサービスへの移行が難しくなる「ベンダーロックイン」が起こる場合があります。契約前に、データの移行のしやすさや標準的な技術仕様への対応状況を確認しておくと、将来的な選択肢を確保しやすくなります。
クラウドサービスとオンプレミスの違い

クラウドサービスとオンプレミスは、システムの保有形態と運用の仕組みが異なります。オンプレミスは自社で機器を保有し、自社内で構築・運用するのに対し、クラウドサービスはサービス事業者の環境を利用する形態です。両者の違いを整理すると、次のとおりです。
| 比較項目 | クラウドサービス | オンプレミス |
|---|---|---|
| 初期費用 | 抑えやすい | 機器購入費が必要 |
| 導入スピード | 比較的短期間で開始できる | 調達・構築に時間がかかる |
| カスタマイズ性 | 標準機能の範囲内が中心 | 自由度が高い |
| 拡張性 | 契約変更で対応しやすい | 機器の増設が必要 |
| 運用負担 | 提供事業者が一部を担う | 自社で全般を担う |
機密性の高い情報を扱う業務や、独自仕様のシステムを必要とする場合はオンプレミスが適することもあります。業務内容に応じて両者を比較検討することが大切です。
失敗しないクラウドサービスの選び方
自社に合ったクラウドサービスを選ぶ際は、次の3つの観点を確認することが重要です。
自社のセキュリティ基準やコンプライアンスを満たしているか
取り扱うデータの機密性や業界特有の規制に応じて、提供事業者がどのようなセキュリティ基準や認証を取得しているかを確認します。個人情報や機密情報を扱う場合は、データの保管場所や暗号化の方式もあわせて確認しておくことが重要です。
業務に耐えうる処理性能と高い可用性(SLA)を備えているか
利用人数やデータ量に対して十分な処理性能を確保できるか、また障害発生時の稼働率(可用性)がどの程度保証されているかを確認しましょう。SLA(サービス品質保証)の内容は提供事業者によって差があるため、契約前の比較材料の1つになります。
中長期的なコスト(TCO)とベンダーのサポート体制は十分か
月額費用だけでなく、データ移行やオプション機能の追加費用も含めた中長期的なコスト(TCO)を試算します。あわせて、トラブル発生時のサポート体制や対応時間も確認しておくと、導入後を見据えた判断がしやすくなります。
クラウドサービス導入に向く企業と向かない企業

クラウドサービスは、企業の事業フェーズや業務内容によって向き不向きがあります。自社がどちらに該当するか、以下を参考にしてください。
クラウドサービスの導入が向いている企業の特徴
次のような特徴を持つ企業は、クラウドサービス導入のメリットを得やすいといえます。
- 新規事業やプロジェクトを短期間で立ち上げたい企業
- 複数拠点やテレワーク環境でのデータ共有を必要とする企業
- オンプレミス機器の老朽化や保守期限への対応を迫られている企業
こうした企業では、クラウドサービスの活用によって、システム構築のスピードと運用の効率化を同時に実現しやすくなります。
クラウドサービスより、オンプレミスや自社運用を優先すべき企業の特徴
一方で、次のような場合はオンプレミスや自社運用の方が適することもあります。
- 業界の規制により、データを自社内で厳格に管理する必要がある企業
- 既存システムへの依存度が高く、大規模なカスタマイズが必須の企業
- 通信環境が不安定で、常時接続を前提にできない拠点を持つ企業
こうした企業では、クラウドサービスへの移行を急ぐよりも、自社運用の体制を維持しながら部分的な活用を検討する方法が現実的です。
導入判断のポイント
クラウドサービスとオンプレミスのどちらが適しているかは、コストだけでなく、業務内容やセキュリティ要件、将来的な事業展開も含めて総合的に判断することが望まれます。一部の業務からクラウドサービスを試験的に導入し、段階的に範囲を広げる方法も選択肢の1つです。
まとめ
クラウドサービスは、初期費用を抑えながら柔軟に拡張できる仕組みとして、新規事業の立ち上げや拠点間のデータ共有、BCP対策など幅広い場面で活用されています。一方で、カスタマイズの制限やベンダーロックインといった注意点もあるため、自社の業務内容やセキュリティ要件に合わせて、オンプレミスとの違いを踏まえた上で選ぶことが重要です。
株式会社Sun Asteriskでは、クラウド移行に取り組む企業向けに、AWSをはじめとするクラウド活用に加え、Microsoft領域も含めたクラウド活用を支援しています。
クラウド移行の進め方や導入メリットを具体的に知りたい方は、AWSの活用方法や導入の進め方をまとめた資料「AWS活用事例と導入メリット」をぜひご覧ください。
よくある質問
Q クラウドサービスとオンプレミスでは、どのような違いがありますか?
Q クラウドサービスの導入とオンプレミスの継続で迷った場合、まず何から試してみるべきですか?
Q 自社に合ったクラウドサービスは、どのような基準や手順で選定すればよいですか?
Q クラウドサービスを導入する際、気をつけるべき注意点やリスクはありますか?
Q クラウドサービスを導入・運用するには、どれくらいの費用がかかりますか?
Q 社内にノウハウがない場合、クラウド環境の構築や移行を外部に支援してもらうことはできますか?

6業界の活用シーンと、導入・移行・運用・セキュリティ・コスト最適化の検討ポイントを整理しました。

Sun Asteriskがこれまで手がけてきたプロジェクトを多数ご紹介しております。