こんにちは。Sun Asterisk クラウド支援サービスチームです。
テレワークの定着や拠点拡大にともない、ネットワークセキュリティを効率的に強化したいと考える企業が増えています。クラウドUTMは、物理機器を設置せずに複数のセキュリティ機能をまとめて利用できるサービスです。本記事では、クラウドUTMの仕組みやおもな機能、アプライアンス型との違い、導入のメリットとデメリット、選び方のポイントを整理して紹介します。
- クラウドUTMの基本的な仕組みと、注目を集めている背景
- ファイアウォールやIDS/IPSなど、クラウドUTMのおもな機能
- 物理機器を用いるアプライアンス型UTMとの違い
- 初期費用抑制や一元管理といったクラウドUTM導入のメリット
- 自社に最適なサービスを選ぶための3つのポイント
目次
クラウドUTMとは?
クラウドUTM(Unified Threat Management)とは、ファイアウォールやアンチウイルスなど複数のセキュリティ機能を1つにまとめ、クラウド上で提供するサービスです。物理機器を自社に設置する必要がなく、インターネット経由で利用できます。新規拠点の立ち上げやリモート環境の保護にも対応しやすく、企業のネットワーク基盤を支える仕組みとして導入が広がっています。
クラウドUTMの仕組み
クラウドUTMは、利用者の通信を一時的にクラウド上のセキュリティ基盤を経由させ、そこでファイアウォールや不正侵入検知などの処理をまとめて行う仕組みです。各拠点の通信や端末はインターネット回線を通じてクラウド側のセキュリティ機能に接続するため、拠点ごとに専用機器を設置する必要がありません。管理者は1つの管理画面から、複数拠点の通信状況やセキュリティ設定を一元的に確認できます。
クラウドUTMが注目される背景
クラウドUTMが注目される背景には、サイバー攻撃の手口が多様化していることが挙げられます。IPA(情報処理推進機構)が公表した「情報セキュリティ10大脅威2026」の組織編では、リモートワークなど分散した環境や仕組みを狙う攻撃が、引き続き上位の脅威として選出されました。拠点や働く場所が広がるなかで、物理機器の設置を待たずに迅速に対策を整えられるクラウドUTMへの関心が高まっています。
※参考:情報セキュリティ10大脅威 2026 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
クラウドUTMのおもな機能

クラウドUTMには、ネットワークを保護するための複数の機能が標準で備わっています。おもな機能は次のとおりです。
ファイアウォール
ファイアウォールは、あらかじめ設定したルールに基づき、通信の許可と遮断を判断する機能です。社外から社内ネットワークへの不正なアクセスを防ぐとともに、不要な通信を遮断して負荷を抑える役割も担います。クラウドUTMでは、拠点ごとに個別設定する手間が少なく、共通ルールを一括で適用しやすい点が特徴です。
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IDS/IPS
IDS(不正侵入検知システム)は、ネットワーク上の異常な通信を検知し、管理者に知らせる機能です。IPS(不正侵入防御システム)は、検知に加えて通信を自動的に遮断します。両者を組み合わせることで、不審な通信を早期に発見できるため、被害の拡大を防ぐことにつながります。
アンチウイルス機能
アンチウイルス機能は、通信に含まれるファイルやプログラムを検査し、ウイルスやマルウェアを検出・駆除する機能です。クラウドUTMでは、ウイルス定義ファイルの更新がクラウド側で自動的に行われるため、複数拠点に対して一定水準の検査を適用しやすい点が特徴です。最新の脅威情報に基づいた検査を維持しやすくなりますが、端末側のセキュリティ対策を完全に代替するものではないため、EDRやアンチウィルスソフトなどと組み合わせて運用することが重要です。
アプリケーション制御
アプリケーション制御は、業務に不要なアプリケーションやサービスの利用を制限する機能です。SNSや動画配信サービスなど業務外の通信を制限することで、帯域の浪費や情報漏えいのリスクを抑えられます。なかには、許可するアプリケーションを部署ごとに設定できるサービスもあります。
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Webフィルタリング
Webフィルタリングは、危険性の高いWebサイトやカテゴリーを指定し、アクセスを制限する機能です。フィッシングサイトやマルウェア配布サイトへのアクセスを未然に防ぐとともに、業務に関係のないサイトの閲覧を制限する用途にも使われます。フィルタリングのルールはクラウド上で一元管理でき、複数拠点で設定した内容を適用できます。
クラウドUTMとアプライアンス型UTMの違い

クラウドUTMとアプライアンス型UTMは、どちらも複数のセキュリティ機能をまとめて提供しますが、提供方法と運用の仕組みが異なります。この見出しではおもな違いを解説します。
導入コスト・スピードと運用の負荷
アプライアンス型UTMは、機器の購入費用に加え、設置工事や設定作業が必要なため、導入までに一定の期間がかかります。一方、クラウドUTMは物理機器を購入する必要がなく、契約後の設定だけで利用できるため、導入期間を短縮しやすいといえます。運用面でも、機器の故障対応や老朽化にともなう入れ替え作業が不要になり、情報システム部門の負荷軽減につながります。
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拡張性と拠点追加への対応力
アプライアンス型UTMで拠点を追加する場合、拠点ごとに機器を購入し設置する必要があるため、コストと時間がかかります。クラウドUTMであれば、新しい拠点や利用者の増加にも契約内容や設定の変更で対応できる場合が多く、事業の拡大や縮小に合わせた柔軟な運用がしやすくなります。新規プロジェクトの立ち上げ時にも対応しやすい仕組みです。
クラウドUTMを導入するメリット
クラウドUTMを導入することで、コスト面・運用面・拡張面それぞれにメリットが期待できます。代表的なメリットを解説します。
初期費用を抑えて迅速にセキュリティを強化できる
クラウドUTMは物理機器の購入が不要なため、初期投資を抑えてセキュリティ対策を始められます。月額や年額のサブスクリプション型で提供されるサービスが多く、資産をオフバランス化したい企業にも適しています。契約後すぐに利用を開始できるサービスもあり、新規事業の立ち上げ時にも対応しやすい点が利点です。
拠点追加や利用者増加に柔軟に対応できる
事業拡大にともなって拠点や利用者が増えても、クラウドUTMであれば契約プランの変更や設定の追加で対応できる場合が多く、機器の追加調達を待つ必要がありません。組織の規模変動に合わせてセキュリティ基盤を柔軟に調整できる点は、成長段階にある企業にとって扱いやすい仕組みといえます。
一元管理により運用負荷を軽減できる
複数拠点のセキュリティ設定やログを1つの管理画面で確認できるため、拠点ごとに個別管理する手間が軽減されます。経済産業省とIPAが実施した調査では、組織的なセキュリティ体制が整っていない中小企業が一定数にのぼることが示されており、専任の担当者を確保しにくい組織にとって、一元管理できる仕組みは負荷の軽減に役立ちます。
※参考:中小企業の実態判明 サイバー攻撃の7割は取引先へも影響 (METI/経済産業省)
クラウドUTM導入のデメリットと注意点
クラウドUTMには多くの利点がある一方で、導入前に把握しておくべき注意点もあります。代表的な点を2つの観点から解説します。
通信速度(パフォーマンス)とネットワーク環境の影響
クラウドUTMは、通信を一時的にクラウド上の基盤を経由させる仕組みのため、回線状況やサービスの処理性能によっては通信速度に影響が出る場合があります。導入前に想定される通信量や利用人数を踏まえ、十分な処理性能(スループット)を持つサービスかどうかを確認しておくことが重要です。
ベンダーへの依存とサービス継続性
クラウドUTMはサービス提供事業者(ベンダー)のインフラに依存する仕組みのため、提供事業者側で障害が発生した場合は、自社のセキュリティ機能にも影響が及ぶ可能性があります。サービスの稼働実績やサポート体制、障害時の対応方針を事前に確認しておくと、導入後のリスクを把握しやすくなります。
自社に最適なクラウドUTMの選び方
クラウドUTMは提供事業者によって機能や性能、サポート内容が異なります。自社に合ったサービスを選ぶ際は、次の3つのポイントを確認することが重要です。
必要なセキュリティ強度と機能の網羅性
自社の業種や取り扱う情報の機密性に応じて、必要なセキュリティ機能が網羅されているかを確認します。ファイアウォールやIDS/IPSなどの基本機能に加え、業務内容によってはアプリケーション制御やWebフィルタリングの細かさが求められる場合もあり、機能の範囲と設定の柔軟性を比較することが大切です。
処理性能(スループット)と可用性
クラウドUTMの処理性能は、サービスごとに差があります。利用人数や通信量に対して十分なスループットを確保できるか、障害発生時の稼働率がどの程度保証されているかを事前に確認しましょう。SLA(サービス品質保証)の内容も比較材料の1つです。
サポート体制と既存環境との親和性
導入後の運用を見据え、トラブル発生時のサポート体制や対応時間を確認します。あわせて、すでに利用しているAWSなどのクラウド基盤との親和性も重要な比較ポイントです。既存環境と連携しやすいサービスを選ぶことで、移行や運用の負荷を抑えられます。
まとめ
クラウドUTMは、ファイアウォールやアンチウイルスなど複数のセキュリティ機能をクラウド上でまとめて利用できる仕組みです。物理機器の設置が不要なため、初期費用を抑えながら素早くセキュリティを強化でき、拠点追加や利用者増加にも柔軟に対応できます。一方で通信速度への影響やベンダー依存といった注意点もあるため、性能やサポート体制を確認した上で自社に合ったサービスを選ぶことが重要です。
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よくある質問
Q クラウドUTMとはどのようなサービスですか?アプライアンス型との違いは何ですか?
Q 自社に合ったクラウドUTMを選ぶ際、まず何から確認するべきですか?
Q クラウドUTMはどのような仕組み・プロセスで通信を保護するのですか?
Q クラウドUTMを導入・運用するうえで、気をつけるべき注意点は何ですか?
Q クラウドUTMを導入するには、どれくらいの費用や期間がかかりますか?
Q 自社にネットワークやセキュリティの専門知識がない場合、導入や運用を外部に支援してもらうことはできますか?

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