こんにちは。Sun Asterisk クラウド支援サービスチームです。
近年はDXの推進やクラウドの普及により、企業が利用する業務アプリケーションの要件に、業務変化への高い柔軟性や保守性・拡張性が求められるようになりました。しかし、部分的な改修や機能追加だけでは、システムが複雑化し、保守コストの増加や開発スピードの低下を招く恐れがあります。
そのため、多くの企業では、既存アプリケーションを現代の技術やクラウド環境に最適化する「モダナイゼーション」に取り組んでいます。この記事では、アプリケーションのモダナイゼーションが必要とされる背景から、メリットや代表的な手法、進め方、注意点までわかりやすく解説します。
- アプリケーションのモダナイゼーションが必要とされる背景と理由
- モダナイゼーションを実施することで得られる具体的なメリット
- 代表的な4つのモダナイゼーション手法と適したケース
- 負担を抑えて確実に進めるための4つのステップ
- 失敗を防ぐために計画段階で注意すべきポイント
アプリケーションのモダナイゼーションが必要とされる理由・背景
アプリケーションのモダナイゼーションとは、既存のアプリケーションを現在の業務やシステム環境に合わせて見直し、より使いやすく運用しやすい状態へ改善する取り組みです。
多くの企業では、長年利用してきた業務アプリケーションが基幹業務を支えている一方、開発から年月が経過したことで、機能追加や他システムとの連携が難しくなるケースも増えています。
さらに、開発当時の技術を扱える人材が減少し、保守や障害対応が特定の担当者へ依存することも少なくありません。このような状態を放置すると、業務改善や新しいサービスへの対応が遅れ、システム運用の負担も大きくなります。そのため、多くの企業でアプリケーションのモダナイゼーションが進められています。
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アプリケーションのモダナイゼーションで得られるメリット
アプリケーションのモダナイゼーションは、老朽化したものを新しくすることだけが目的ではありません。アプリケーションの構造や実行環境を見直すことで、開発スピードや保守性、他システムとの連携性まで改善できます。
ここでは、企業がモダナイゼーションによって得られる代表的なメリットを解説します。
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ビジネスの変化に合わせて機能を柔軟に追加できる
部分的な改修を繰り返したアプリケーションでは、1つの機能を追加するだけでも関連するプログラムへの影響範囲が広く、開発やテストに時間がかかりがちです。
モダナイゼーションでは、機能ごとに分離しやすい設計へ改善するため、変更による影響を抑えながら開発を進められます。その結果、法改正や新サービスにも迅速に対応しやすくなります。
老朽化したアプリケーションの保守コストを抑えられる
老朽化アプリケーションでは、長年の改修によってプログラムが複雑になり、不具合調査や機能追加のたびに多くの工数が発生します。さらに、開発当時の技術を扱える担当者が限られると、保守業務が属人化しかねません。
モダナイゼーションでコードや構成を整理すれば、保守性が向上し、障害対応や改修にかかる時間とコストを抑えられます。
AIや最新サービスを活用しやすい基盤を構築できる
生成AIやSaaSなどを業務へ取り入れるには、APIによるデータ連携や柔軟なシステム構成が欠かせません。しかし、老朽化アプリケーションでは新しい技術を組み込むたびに大きな改修が必要です。
モダナイゼーションによって最新の構成へ見直すことで、新しいサービスとの連携が容易になり、AIを活用した業務改善も進めやすくなります。
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アプリケーションにおける代表的なモダナイゼーション手法

アプリケーションのモダナイゼーションには、現在のシステムの状態や目的に応じて複数の手法があります。
既存のアプリケーションを生かしながら進める方法もあれば、一から作り直したり、新しい製品へ置き換えたりする方法もあり、自社の状況に応じて最適な判断をすることが大切です。ここでは、代表的な4つの手法と、それぞれに適したケースを解説します。
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リホスト|アプリケーションをそのままクラウドへ移行する
リホストは、アプリケーションのプログラムをほとんど変更せず、オンプレミス環境からクラウドへ移行する手法です。開発工数を抑えながらインフラの老朽化対策や運用負担の軽減を進められるため、短期間でクラウド化したい場合に向いています。
ただし、アプリケーション自体の構造は変わらないため、機能追加や保守性の改善まで求める場合には別の手法も検討しましょう。
リファクタリング|コードを見直して保守性を高める
リファクタリングは、アプリケーションの機能は維持したまま、コードや内部構造を見直して保守しやすい状態へ改善する手法です。複雑化したプログラムを整理することで、機能追加や不具合修正の影響範囲を抑えやすくなります。
既存のアプリケーションを引き続き利用しながら、開発効率や保守性を高めたい企業に適した方法です。
リビルド|アプリケーションを新たに作り直す
リビルドは、既存アプリケーションの機能や業務内容を参考にしながら、現在の技術や要件に合わせて新しく開発し直す手法です。老朽化設計や不要な機能を見直せるため、将来の拡張性や他システムとの連携性も高められます。
機能追加を重ねた結果、アプリケーション全体が複雑になっている場合に適しています。
リプレイス|既存アプリケーションを新しい製品へ置き換える
リプレイスは、自社で開発したアプリケーションを改修するのではなく、同じ役割を持つパッケージ製品やSaaSへ置き換える手法です。開発や保守を自社で続ける必要がなくなり、ベンダーが提供する最新機能やアップデートを利用できます。
現在のアプリケーションが業務に合わなくなった場合や、自社で保守を続ける負担が大きい場合に有効です。
アプリケーションのモダナイゼーションの進め方

アプリケーションのモダナイゼーションと聞くと、大規模な開発や長期間のプロジェクトをイメージする人もいるでしょう。しかし、現状を整理した上で適切な手順を踏めば、必要以上に負担を増やさず実施できます。ここでは、基本的な進め方を解説します。
既存アプリケーションの構成や課題を調査する
最初に行うのは、現在のアプリケーションがどのような構成になっているかを整理し、課題を洗い出すことです。開発会社と一緒にユーザーへのヒアリングを行い、「どの機能が使われているか」「どこで不具合や非効率が発生しているか」を明確にしましょう。
ここの整理が不十分だと、不要な機能まで移行する可能性があります。
最適なモダナイゼーション手法と移行計画を決める
現状を把握したら、リホストやリファクタリングなど、どの手法が適しているかを検討します。依頼側はコストだけで判断せず、システムを今後何年利用する予定なのか、新機能の追加予定はあるのかまで開発会社へ共有することが大切です。
その情報をもとに段階的な計画を立てることで、業務への影響を抑えられます。
コード改修やクラウド環境への移行を実施する
計画に沿って開発会社がコードの改修やクラウドへの移行を進めます。この段階では任せきりにするのではなく、依頼側も定期的に進捗を把握し、業務フローについて認識にズレがないかを確認しましょう。
また実際にアプリケーションのユーザーも途中から確認に参加することで、完成後の手戻りを抑えられます。
動作検証を行い運用・改善を続ける
移行が完了したら、本番環境へ切り替える前に業務で問題なく利用できるか確認します。さらに、現場担当者に実際に操作してもらい、画面や処理内容、使用感などのフィードバックを受けましょう。
運用開始後も利用状況を定期的に確認し、必要に応じて改善を続けることで、モダナイゼーションの効果を長く維持できます。
アプリケーションのモダナイゼーションで注意すべきポイント
アプリケーションのモダナイゼーションは、移行範囲や将来の運用を十分に検討せず進めると、費用をかけても使いにくいシステムが残る可能性があります。
重要なのは、単に新しい技術へ置き換えるのではなく、業務とアプリケーションの両面から移行方法を考えることです。ここでは、計画段階で注意すべきポイントを解説します。
一度に全ての機能を移行しない
全機能を一度に移行すると、開発範囲が広がり、不具合が発生した際に原因を特定しにくくなります。切り替え時の障害が業務全体へ及ぶリスクも高まり、現場教育やデータ移行の負担も増えかねません。
まずは影響の少ない機能や独立性の高い領域から移行し、効果と問題点を確認しながら対象を広げることが重要です。
現在の要件だけを基準に設計しない
現在の業務だけに合わせて設計すると、新サービスの開始や法改正、ユーザーの増加が発生した際に、再び大きな改修が必要になります。
依頼側は現状の要望に加え、今後追加したい機能や連携予定のシステム、想定する利用期間まで共有しましょう。将来の変更を見越して拡張しやすい構成にすることで、改修の手戻りを抑えられます。
不要な機能や老朽化設計をそのまま引き継がない
既存アプリケーションの機能をそのまま移すと、利用されていない画面や複雑な承認手順まで新環境へ残ってしまいます。その結果、移行費用が増えるだけでなく、操作性や保守性も改善されません。
利用状況を部門ごとに確認し、残す機能・変更する機能・廃止する機能を整理した上で、現在の業務に合う設計へ見直す必要があります。
アプリケーションのモダナイゼーション費用は何で決まる?
アプリケーションのモダナイゼーション費用は、採用する手法やアプリケーションの規模、システム構成によって大きく異なるため、一律の相場があるわけではありません。
一般的に、既存のアプリケーションをほとんど変更せずに実行環境を移行するリホストは、工数を抑えやすい傾向があります。一方、ソースコードやアーキテクチャを変更するリファクタリングや、アプリケーションを再構築するリビルドでは、設計・開発・テストの対象範囲が広がるため、費用も大きくなりやすくなります。
見積もりを左右する主な要素は、アプリケーションの規模や複雑性、外部システムとの連携数、移行するデータ量、既存の設計書や仕様書の整備状況、求められる性能・可用性・セキュリティ要件、テスト範囲などです。
費用を比較する際は、移行時の開発費だけで判断するのではなく、移行後のインフラ費用や保守運用費、将来の機能追加や改修にかかる費用まで含めたTCO(総保有コスト)で検討することが重要です。
併せて読みたい:レガシーシステムのモダナイゼーションとは?重要性や成功のポイントを解説
まとめ
アプリケーションのモダナイゼーションは、老朽化システムを新しくすることが目的ではなく、保守性や拡張性を高め、変化する業務へ柔軟に対応できる基盤を整えるための取り組みです。
自社の課題や将来の運用を踏まえて最適な手法を選択し、段階的に進めることで、長期的なシステム運用の負担軽減にもつながります。
アプリケーションを改善しても期待した成果につながらない場合は、個別の機能ではなく、全体の構造に課題がある可能性もあります。株式会社Sun Asteriskでは「アプリリニューアル・再設計ガイド」を用意しています。構造的な課題の見極め方や、事業成果につながる再設計の考え方を網羅しているため、既存アプリケーションのリニューアルや再設計を検討する際の参考資料として、ぜひご活用ください。
よくある質問
Q アプリケーションのモダナイゼーションとはどのようなものですか?
Q モダナイゼーションを検討する際、まず何から着手すべきですか?
Q アプリケーションのモダナイゼーションはどのような手順で進められますか?
Q アプリのモダナイゼーションでよくある失敗例や避けるべき注意点にはどのようなものがありますか?
Q アプリのモダナイゼーションの実施にはどれくらいの費用や期間がかかりますか?
Q アプリのモダナイゼーションの計画や開発について外部のサポートを受けることは可能ですか?
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